はじめにプルサーマルありきの議論は、県民の安全・安心と相反する

佐藤雄平福島県知事は、7月6日、プルサーマルを含めた原子力政策の議論再開を表明した。
これは、県議会の議論再開の申入れを受けて、「進める進めないは別として、議論することは県民に理解してもらえる」、県エネルギー政策検討会の「中間とりまとめ」以降の国と事業者の取り組みについて「どのようなことをしてきたのか検証する」と発言したものだ。

県議会は、7月中旬にエネルギー政策議員協議会を開き、福島第1原発3号機で計画されているプルサーマル導入を含めた原子力行政の議論を再開を、6日の代表者会議で正式に決めた。
しかし、はじめにプルサーマル導入ありきの議論では、県民の安全・安心に相反する議論となろう。
県議会の課題は、2002年10月に、東電の不正事件を受け、国と東電に対して、原発の安全安心の確保、信頼回復を求め全会一致で採択した10項目の意見書の内容をどれだけ深くかつ慎重に県民の安全・安心の観点から検証することができるのか、である。
福島県は、東電の不正事件を受けて、プルサーマル計画の事前了解を撤回し、2002年9月、電源立地県として原発の安全確保と県民の安全・安心を最優先する立場から、国の原子力政策に対し核燃料サイクルの見直しなどを問題提起したエネルギー政策検討会の「中間とりまとめ」を公表した。3日の県議会で、県の村田文雄生活環境部長は、「(中間とりまとめの考え方は)生きている」として、7年の経過を踏まえ、問題提起の内容の検証が今後の課題と答弁している。

プルサーマルを凍結した2002年と現状を比較して、変化したこと、変化しなかったことは何か。
柏崎刈羽原発の断層問題をはじめ肝心な点は秘密主義という、東京電力の情報隠しの企業体質は、依然として変わっていない。
安全確保についても、原発の耐震安全性の脆さが露呈し、軽水炉でウランとプルトニウムの混合酸化物燃料(MOX燃料)を燃焼させるプルサーマル自体の危険性に変化はなく、1999年に搬入され10年も貯蔵しているベルギー製MOX燃料も品質保証の不十分な燃料で核崩壊が進んだ。
プルサーマルの前提となる我が国の核燃料サイクル計画は、六ヶ所村再処理工場の溶融炉の欠陥によりガラス固化体が製造不能で、完全に行き詰まった。国の核燃料サイクル計画を中心とした原子力政策の破綻は覆うべくもない。

このような現状の中で、はじめにプルサーマル導入ありきの議論であるなら、県民の安全・安心とは相反する議論となろう。
稼働から30年を超えた老朽炉である福島第一原発3号機でのプルサーマル受け入れは、必要性も緊急性もない。安全を犠牲にすることは、県民を不安に陥れる行為だ。
福島県は、県エネルギー政策検討会において、電源立地県として原発の安全確保と県民の安全・安心を最優先する立場から「中間とりまとめ」を公表し、核燃料サイクルの見直しを国に求めてきた路線を堅持すべきである。
佐藤雄平福島県知事の選挙公約は、「原子力安全・保安院の経済産業省からの分離」「プルサーマル導入は慎重に対処」であったことを、県民は忘れてはいない。
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by kazu1206k | 2009-07-07 08:39 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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