福島県エネルギー政策検討会が検証しなければならない点

5年ぶりに再開された福島県エネルギー政策検討会、幹事会の初会合が8月4日に開かれた。
これは、プルサーマルを含む核燃料サイクルの経済性や使用済み燃料処理の疑問点を指摘して「国にもの申した」2002年の「中間とりまとめ」の検証に入ったもの。
今回は、「中間とりまとめ」の問題提起の内容、議論の経緯、原子力安全・保安院の経済産業省からの分離などの『今後の原子力発電所の安全確保にかかる取組みについて』の内容のほか、国の考え方が示されていない現状も確認され、8月下旬の次回幹事会で国から「エネルギー政策における原子力発電の位置づけ」や「核燃料サイクル」について説明を受けることした。

質疑の中で、エネルギー課長は以下のような見解を示したという。
○有識者や県民の意見をいつ、どのような形で聴くかについては、検証作業の進みを見ながら考えたい。
○会議資料や議事録を 県エネルギー政策検討会のホームページに掲載する。それに対する意見があれば受けとめたい。
○どのように検証作業を進めるのかは今後の課題。
○幹事会の検証作業の報告書を作ることは考えていない。
原子力行政の議論にあたっては、公聴会の開催など、県民の声を十分に聴き反映させる、県民参加の開かれた論議を進めることが前提である。積極的に県民意見を反映させる手法をとることが必要だ。幹事会として、明解な方針をもたねばならない。

次回幹事会で国から「エネルギー政策における原子力発電の位置づけ」や「核燃料サイクル」について説明を受けるというが、プルサーマル計画を凍結した2002年と現時点を比較して、変化したこと、変化しなかったことは何か。国の核燃料サイクル計画を中心とした原子力政策の行き詰まりについて、ぜひとも検証しなければならない点を、以下、指摘する。

1.使用済みMOX燃料の処理方策は決まっていないのではないか。
①国の「原子力政策大綱」は、使用済みMOX燃料の処理方策について、「2010年ごろから検討を開始」とし、2007年4月の日本原子力研究開発機構等の五者協議会で、2007年度末まで「中間成果報告」、2008年度末まで「最終成果報告」を予定していたがいずれも報告されず、「2010年ごろから検討を開始」することはできないのではないか。
②「検討の開始」は、「六ヶ所再処理工場の運転実績、高速増殖炉及び再処理技術に関する研究開発の進捗状況」等を踏まえて行うことになっているが、使用済みMOX燃料の処理方策が検討できない現状をどう説明するのか。

2.使用済みMOX燃料搬出の前提である高速増殖炉商業炉と第2再処理工場はできるのか。
①原子力立国計画では「プルサーマル使用済燃料はFBR用に貯蔵する」と明記されている。2007年12月の五者協議会報告でも、使用済MOX燃料は第2再処理工場に運ぶとされ、第2再処理工場は軽水炉サイクルと高速増殖炉サイクルが併存する移行期に位置づけられている。要は、使用済MOX燃料の搬出は、高速増殖炉商業炉の建設が前提となって初めて可能になる。しかし、原型炉「もんじゅ」の運転再開の目処さえ立っていないのが現実で、商業化の予定は当初の計画より既に80年遅れているが、建設はできるのか。
②第2再処理工場は、高速増殖炉の炉心燃料を再処理する高速増殖炉のための再処理工場だが、再処理工場さえ稼働できず高速増殖炉商業炉のめどが立っていないのに、第2再処理工場の建設を「2010年検討開始」できると断言できるのか。
③処分の方法が定かでない使用済燃料はつくらないという、原子炉等規制法第23条第2項の規定の目的からすれば、「再処理の委託先」が存在することが不可欠な前提になっているのではないか。
④使用済みMOX燃料の処理方策も決まらず、高速増殖炉商業炉の建設も第2再処理工場の建設の検討すらできない現状では、プルサーマル実施の緊急性は全くないのではないか。

3.福島第一原発3号機用MOX燃料の使用済みMOX燃料は地元に残るのではないか。
①2009年1月北海道議会において資源エネルギー庁は、使用済MOX燃料を「貯蔵する場所は発電所です」と答えているが、使用済みMOX燃料は福島第一原発3号機の燃料プールの中に保管貯蔵し続けるのか。
②使用済燃料プールでの「一定期間」の冷却とは,どのくらいの期間をいうのか。
③水冷保管期間が過ぎた場合は、どこにどのように貯蔵あるいは処分するのか。
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by kazu1206k | 2009-08-09 19:09 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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