市立病院ー基本構想と常磐病院問題そして医師の労働実態

12月7日の一般質問のうち、「地域医療と市立病院について」ご報告します。

質問の1点目は、市長の地域医療の再構築に向けた基本構想について。
市長は、「新たな病院の整備を含む、地域医療の再構築に向けた基本構想を3年間で取りまとめ、全力をあげて取り組む」としています。そこで、3年で作ると公約した地域医療の再構築に向けた基本構想は、どのようにつくるのか、聞きました。

質問の2点目は、市立常磐病院の引き継ぎについて。
1月30日、いわき市長と財団法人ときわ会の間で、医療機能の継承や土地の貸付、建物等の譲渡、財政支援など九条にわたる「いわき市立常磐病院の引継ぎに関する基本協定書」が締結されました。市立常磐病院の引き継ぎを巡っての問題点は、
一つは、救急医療、2次救急について、常磐病院の実績、年間900件を担保する医師の確保について。
二つは、開設資金として「常磐病院継承開設費補助金」約8億8千万円を交付する根拠について。
三つは、後継医療機関の経営状況と資金調達力について。
そこで、市民への説明も含めて、ききました。

質問の3点目は、市立総合磐城共立病院の医師の労働実態について。
労働基準法第41条第2号では、「事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある(「管理監督者」)」について、労働時間、休憩および休日に関する規定の適用の除外が認められています。しかし、本市の各診療科の科長、部長などの「管理職」が、経営者と一体的な立場にある者という、労基法上の「管理監督者」といえるのか、「名ばかり管理職」が社会問題になり労働基準法違反と認定されており、疑問が残ります。
今年1月、北九州東労働基準監督署が労働基準法に基づき、北九州市立医療センターの「部長」の肩書の医師七十数人が、「権限のない『名ばかり管理職』の状態にある」として、時間外勤務手当の支給や労使協定締結などを是正勧告し、改善報告書を出すよう求めました。
こうした点を踏まえながら、市立総合磐城共立病院の医師の労働実態について、医師招聘も含めて、市の対応をききました。

●以下は、質問と答弁です。

2 地域医療と市立病院について

(1) 市長の地域医療の再構築に向けた基本構想について

●質問:地域医療の再構築に向けた基本構想の大枠について、市長はどう考えているのか。

■答弁(市長):私は、先の市長選挙において、「幸せ感じるまちづくりプラン」の一つとして、安全・安心のまちづくりを進めるため、市民の皆様の命を守ることが行政の責務であるという考え方に立って、地域医療の再構築に向け、地域の中核病院として高度医療や政策医療などを担っている総合磐城共立病院の新病院建設について、基本構想を3年間でまとめることを方針として掲げました。
 そのためには、まず、常磐病院の円滑な引継ぎに全力を注ぎ、「1市1病院1施設」の実現を図ることが何よりも重要であると考えております。
 その上で、総合磐城共立病院につきましては、近年、施設の老朽化が進む中で、分散された施設配置の解消及び耐震化への対応などが必要でありますことから、市立病院が将来にわたり、市民の皆様に安全・安心の医療を提供していけるよう、新病院の建設に向けた新たな組織を平成22年4月に立ち上げ、機能や規模、改築か移転か、さらには財源確保なども含めた基本構想を取りまとめ、新病院の建設に向けスピード感を持って取り組んで参りたいと考えております。

●質問:構想策定のための組織体制やスケジュール、医療関係者はじめ市民参加の手法など、構想策定の具体的な進め方はどうなるのか。

■答弁(病院局長):基本構想の策定につきましては、現在、病院局内に総合磐城共立病院長を会長とする「新病院建設調査検討会」を設置し、先進施設の調査や新病院が担うべき機能の整理など、建設にあたっての基本構想の立案に向けた調査・検討を進めるとともに、平成22年4月には、その事務を所掌する新たな組織の設置に向け、庁内関係部局で検討を進めているところであります。
 従いまして、構想策定の具体的な進め方につきましては、議員お質しの策定スケジュールや市民参加の検討組織の立ち上げなども含め、新たな組織において、取り組むこととしております。

●質問:地域医療の再構築に向けた基本構想については、「いわき市市立病院改革プラン」との整合性を含めて、どう整理するのか。

■答弁(病院局長):「いわき市市立病院改革プラン」は、市立病院が将来にわたり市民の皆様に安全・安心の医療を安定的に提供していくために策定したものであり、その考え方は、基本構想においても変わらないものと考えております。
 また、新病院の建設につきましては、同プランにおいて、長期的目標として、「本院、分院の診療機能統合後、新病院の早期建設に向け、速やかに検討に着手する」ことを位置づけるなど、一定の道筋が示されているところであり、基本構想は、市立病院が果たすべき役割などを踏まえながら、新病院建設に向けた道筋を着実に引き継ぎ、その歩みをさらに加速し、具現化するためにとりまとめるものであります。

●質問:地域医療の再構築に向けた基本構想は、地域医療崩壊の危機にスピード感を持って対処し、22年度中に集中して策定すべきではないか。

■答弁(病院局長):先ほども申し上げましたとおり、現在、病院局内に「新病院建設調査検討会」を設置し、先進施設の調査や新病院が担うべき機能の整理など、建設にあたっての基本構想の立案に向けた調査・検討を進めているところであり、また、平成22年4月には、新たな組織を設置し、集中的かつスピード感を持って取り組んで参りたいと考えております。

(2) 市立常磐病院の引き継ぎについて

●質問:市立常磐病院の引き継ぎに関する基本協定書では、「後継医療機関選定委員会報告書の内容を踏まえ、特に救急医療について診療体制の一層の充実に努める」とされているが、後継医療機関選定委員会報告の付帯意見は、これまでの常磐病院の実績を踏まえて、法人の更なる努力を求めている。二次救急における常磐病院の実績を確保できる保障はできたのか。

■答弁(病院局長):引継ぎ後の救急の受け入れについてでありますが、現在の常磐病院における救急の受け入れは、近年減少傾向にあり、平成20年は約900件となっております。
 引継ぎ後におきましては、現在、財団法人ときわ会竹林病院で対応している約300件程度の受け入れは最低でも可能となるものでありますが、市内の医療提供体制に急激な影響を及ぼすことがないよう、今回締結した基本協定の中で、特に救急医療について、法人は診療体制のより一層の充実に努めるものとしたところであります。
 また、法人におきましては、提案以上の診療体制を確保するため、非常勤医師の常勤化や関連大学を通じた新たな医師確保に努めることとしており、こうした取り組みにより、救急医療体制の充実も図られるものと考えておりますことから、市といたしましては、法人に対し、診療体制の更なる充実を要請して参りたいと考えております。
 なお、引継ぎ後は、耐震補強を含め、老朽化した施設の改修工事を行なうため、この間、救急の受け入れについては一定の制限をせざるを得ない状況となりますことから、地域の医療機関のご理解やご協力をいただく必要があるものと考えております。

●質問:市立常磐病院の引き継ぎに関する基本協定書では、「常磐病院継承開設費補助金」の交付について、「引き継ぎ後最低10年以上は2次救急体制を継続すること、市の承認を得ないで他の医療機関等に病院施設の譲渡又は貸付を行わないこと」を条件としているが、これらの交付条件に中途で違背した場合、ペナルティ等はどうなるのか。

■答弁(病院局長):市の財政支援につきましては、基本協定書の第6条第2項において、市補助金等交付規則その他、市の定めるところにより、交付することとしておりますことから、万一、交付条件に違反した場合には、同規則等に基づき、補助金の返還を求めることとなります

●質問:市立常磐病院の引き継ぎに関する基本協定書では、病床235床、引継ぎ時期は平成22年4月1日、引継ぎ期間は同年3月20日から4月4日とされるが、職員、患者さんへの対応は、今後どうするのか。

■答弁(病院局長):引継ぎ期間につきましては、患者さんにはご不便をおかけいたしますが、外来診療などを一部制限し、入院患者さんの移動や職員の入替え、医事会計システムの導入など引継ぎに必要な作業を行うこととしております。
 さらに、市といたしましては、こうした取り組みと合わせまして、地域の方々や患者さんに対しましては、広報紙や院内掲示などにより、適時適切に情報を提供するほか、特に転院が必要な場合も含め、患者さんの診療行為の継続にも遺漏がないように努めるなど、短期間ではありますが、効率的かつ集中的に作業を行い、平成22年4月1日の常磐病院の引継ぎに向けて、着実に取り組んで参りたいと考えております。
 また、常磐病院の職員につきましては、速やかに新しい職場に慣れ、円滑な業務の遂行が可能となるよう、11月に医療技術職を対象に病院情報システムの基本操作研修を実施したところであり、今後は、より実務的な操作研修を行うなど、円滑な移行に向け、意を用いて参りたいと考えております。

(3) 市立総合磐城共立病院の医師の労働実態について

●質問:平成21年11月1日現在、平成20年11月1日と比較して、診療科ごとの医師数の増減はどうなっているか。

■答弁(病院局長):平成20年と平成21年の11月1日における診療科ごとの医師数の増減につきましては、増加した診療科はリハビリテーション科、心臓血管外科で、それぞれ1名、循環器科、小児科で、それぞれ2名の増となっており、一方で、減少した診療科は腎臓・膠原病科、整形外科、歯科口腔外科で、それぞれ1名、呼吸器科で2名、救命救急センターで3名の減となっております。
 また、研修医が1名増となっており、全体では、120名から119名に1名の減となっております。

●質問:共立病院の勤務医のうち、労基法上の時間外労働の原則月平均45時間の制限を超えて時間外労働をしている医師は、平成19年度、20年度及び21年度上半期の間、何人で推移しているか。

■答弁(病院局長):月平均45時間を超えて時間外労働をしている医師の数は、平成19年度は51名、平成20年度は40名、平成21年度は上半期で44名となっております。

●質問:月平均100時間を超える時間外労働をしている医師は、平成19年度、20年度及び21年度上半期の間、何人で推移しているか。

■答弁(病院局長):月平均100時間を超えて時間外労働をしている医師の数は、平成19年度は9名、平成20年度は13名、平成21年度は上半期で13名となっております。

●質問:月平均100時間を超える時間外労働の医師の診療科目は、平成19年度、20年度及び21年度上半期の間で、どの診療科になるか。

■答弁(病院局長):月平均100時間を超える時間外労働をしている医師の診療科目は、平成19年度は循環器科、腎臓・膠原病科、整形外科、未熟児・新生児科、脳神経外科、産婦人科の6診療科であり、平成20年度及び平成21年度上半期は消化器科、循環器科、整形外科、未熟児・新生児科、産婦人科、心臓血管外科の6診療科となっております。

●質問:神経内科、腎臓・膠原病科、皮膚科など常勤医師のいない診療科、救命救急センター、呼吸器科など医師が減少した診療科など、診療科目の充実が喫緊の課題である現状にあっては、新たに特別の組織体制と予算を組んで医師の確保に対処すべきではないか。

■答弁(病院局長):医師招聘の取り組みといたしましては、これまでも、病院事業管理者、病院長等による大学医局や福島県への働きかけ、医学生に対する医師修学資金の貸し付け、市が実施している病院勤務医師就職ガイダンスへの参加など、様々な取り組みを実施しております。
 これらの取り組みにより、退職医師等の後任については、一定の成果を上げているものと考えております。
 今後も、地域の中核病院として質の高い医療を継続して提供するためには、大学の医局等を通じた医師招聘の働きかけが重要であることから、引き続き医師に当院が勤務先として選択されるような労働環境の充実に努めて参りたいと考えております。
 なお、議員ご指摘のとおり診療制限などを行っている診療科もあることから、これまでの取り組みに加え、勤務医の就職斡旋を行っている民間事業者等を活用した医師招聘の取り組みについても検討して参りたいと考えております。


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by kazu1206k | 2009-12-08 21:29 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


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