農業者への戸別所得補償、新規就農者育成、異業種の参入

12月定例会、一般質問のうち、「農業の再生について」の報告です。

先進国の中でも日本は食料自給率が低く、農業の担い手も農地も減り続け、耕作放棄地は広がるばかり。就業者の減少と高齢者比率の上昇は、農地面積の縮小につながり、ピーク時の1961年に609万haあった農地面積は2008年には463万ha。反対に耕作放棄地は増えて続け、後継者不在などで農産物を生産していない土地は、1975年からの30年間で3倍の約39万haに達します。
いわき市の農家の総戸数も1960年の16,939戸から2005年には8,565戸と半減。農業の再生のためには、就業者数の減少と農地面積の縮小に歯止めをかける必要があります。
本市の農業の再生に向けて、政権交代による農業政策の転換期にある今、ピンチをチャンスに変えるべく、ききました。

1点目は、政権交代による農業政策の変化に伴う本市への影響について。

●質問:国の事業仕分けによって「予算計上見送り」「自治体の判断に任せる」などの事業に該当する本市の農業関連事業は、どのようなものがあるか。
■答弁(農林水産部長):今般、国が行いました事業仕分けのうち、農業関連の主な事業について申し上げますと、「廃止」とされました事業は、農道整備事業です。
また、「予算計上見送り」とされました事業は、耕作放棄地の再生を行います、耕作放棄地再生利用緊急対策。さらに、「自治体の判断に任せる」とされました事業は、水門や水路の改修工事を行う農地有効利用生産向上対策事業やイノシシなどの鳥獣被害を未然に防止するための鳥獣被害防止総合対策事業です。

●質問:政権交代によって、米、麦、大豆等販売価格が生産費を下回る農産物を対象にした農業者戸別所得補償の導入に向けた制度設計が進行中です。農業者への戸別所得補償について、本市としての考え方はどうか。
■答弁(農林水産部長):戸別所得補償制度は、政府のマニフェスト推進に掲げられているものであり、現在、国において、戸別所得補償制度推進本部を設置し、その制度設計が検討されているところです。
そのような状況の中で、現時点での情報によりますと、本制度は、標準的な生産に要する費用と販売価格との差額を全国一律単価として交付する内容と言うように聞き及んでおり、言わば農政の根幹をなす米政策の転換に係わる重要な課題であると認識をしています。
このようなことから、市としては、今後、この制度設計や予算編成の動向などを的確に捉えながら、本市農政の施策展開に向けて、適切に、対処して参りたいと考えています。

2点目は、担い手の育成・確保について。

●質問:本市の新規就農支援策の事業実施状況は、どうなっているか。
■答弁(農林水産部長):本市では、若く意欲ある農業の担い手を育てることを目的に、「第二期新規就農支援推進事業」や、中高年の方を対象に農作物の栽培技術の習得を目的として「いわき営農塾開設事業」を実施しています。また、農業の専門知識を有する就農サポーターを設置し、就農希望者の相談に対応するなど、新規就農者の育成・確保に努めているところです。

●質問:本市の新規就農支援推進事業は、就農希望者を研修生として認定して、先進農家に派遣し技術研修を実施するものです。一方、これまで地域の農業を支えてきたのは、小規模で高齢化が進む兼業農家でした。いま農業政策としてやらなければならないことは、小さくても食べていける条件を整えること。本市の農家の多数を占める耕地面積1ha以下で生産を行っている兼業農家の家族経営を育り守っていくための施策が必要だ、と思います。
そこで、本市の家族農業経営を維持し、担い手を確保・育成するため、各地で導入されている補助制度で、年齢上限を設けて一定期間生活費を保障する、新規就農者育成補助金制度を、本市も創設してはどうか。
■答弁(農林水産部長):本市では、現在、新規就農者育成補助金制度として、「第二期新規就農支援推進事業」を位置づけしています。この事業は、小規模農家の支援とは違いますが、40歳未満の方を対象に、就農希望者を研修生として認定し、市内農家での農業経営全般の技術習得を支援しています。
この研修生には、生活費の一部として月額10万円を助成するほか住宅を借りる場合、1万1千円の家賃の助成を、また、農業経営セミナー等の研修会への参加に係る助成なども行っています。更に研修が終了した後も、本市独自の「第二期新農業生産振興プラン推進事業」等によりまして、ビニールハウス等の施設の整備ですとか、農機具、資材購入費等を別途助成するなど、様々な支援を行い、中核となります担い手の育成・確保に努めています。
また、小規模で兼業農家の担い手である高齢者や女性農業者などへの就農支援もしているところです。

●質問:農業以外からの農業への新規参入について、参入数や業種、栽培作物など、新規参入の状況はどのようになっているか。
■答弁(農業委員会事務局長):農業委員会で把握している市内の農業法人は、現在、21法人ですが、このうち、異業種からの新規参入は6法人です。農業に参入する前の主たる業種内訳を見ると、サービス業、建設業、製造業からそれぞれ2法人となっています。
栽培作物は、それぞれの法人で異なりますが、トマト、大根、ブロッコリー、タマネギとなっています。

3点目は、いわき市農業委員会の建議書について。

●質問:11月10日、いわき市農業委員会は「22年度市農林業施策に関する建議書」を市長に提出しました。本市の農業振興施策についてのいわき市農業委員会の平成21年度建議書について、農業委員会としては、予算化を含めてどの程度達成されたと評価しているのか。
■答弁(農業委員会会長):農業振興施策への要望としては、農業経営の安定向上や農業生産基盤の整備、農産物の生産振興、流通、消費など、幅広く求めていますが、これらについては、主に第二期新農業生産振興プラン整備事業などにより予算化され着実に実施頂いているところです。
また、担い手・集落営農センターの充実・強化については、ふるさと農業支援センターとJAいわき市との連携によるワンフロアー化の実現により、認定農業者や水田経営所得安定対策への加入農家を増加させたことや、集落営農組織から農業生産法人の設立に繋げるなど一定の効果をもたらしております。更に、長年にわたる建議要望であった米の流通、消費拡大において、学校給食の週3回米飯給食導入が実現を見た経緯もあります。
このように、財政状況の厳しい中、その実現にむけ可能な限りの配慮を頂いているものと認識しています。
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by kazu1206k | 2009-12-13 18:07 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


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