総合磐城共立病院の改善と新病院建設

2月定例会、一般質問のやり取りを紹介します。今回は、市立病院問題。

大きな第一点は、総合磐城共立病院の改善と新病院建設の進め方について、であります。

 全国的な地域医療の崩壊は、国の医療行政が、医療費削減策を推進した結果であります。
 先進国で、最も高齢化が進んでいるにも拘らず、医師が増えれば医療費が増えるとする「医師誘発需要説」をふりかざし、総医療費を対GDP比8%に抑制したため、「経済協力開発機構」加盟国の中で医師数が最低レベルという、深刻な医師不足を生み出したのであります。
 新政権は、国の医療費決定システムの中核である中央社会保険医療協議会の改革や診療報酬の引き上げに着手しました。
 しかし、地域医療を再生させるには、医療費削減策を大胆に転換する必要があります。新臨床研修制度の抜本見直し、診療報酬の引き上げ、公立病院改革ガイドラインの撤回、地方交付税措置の大幅改善など、本格的な予算の投入を行い、国が国民医療の責任を全うして患者中心の医療を実現することです。

 いわき市においては、医療費削減策が自治体財政と市立病院を直撃するなかで、地域医療を守るために、いわき市医師会といわき市病院協議会に呼びかけ、平成18年にいわき市地域医療協議会を設立しました。
 これは、地域医療の課題を共有し解決するための対策を調査研究・協議して、いわき市の政策と地域医療に反映させようと、設置されたものです。
 渡辺市長就任後初めて開催された昨年11月の協議会では、「救急医療体制の整備について」協議されました。管制塔病院構想、二次輪番病院への救急搬送人員の実態などが示されましたが、地域医療協議会に、救急医療を論議する「救急医療部会」の設置を巡って、議論がわかれ継続協議となったといいます。
 市立常磐病院の民間移譲によって、年間900件の二次救急の受け入れ実績をどうするのか問題になっている時に、地域医療協議会が十分に機能を発揮できないことは、残念であります。

 これまで、いわき市地域医療協議会は、市長が会長として協議を進め、市医師会と市病院協議会に働きかけていくという、市長のイニシアチブによるところが大きいものでした。
 しかし、昨年11月、設置要綱の一部が改正され、会長が「市長から副市長」に変わり、市長が陣頭指揮から外れ、地域医療協議会を取りまとめることがなくなりました。これは、地域医療を守っていく上で、大きな転換でありました。
 「地域医療の再構築」を公約にかかげ、市内医療関係者との連携を図りながら、地域医療の充実に向け、全力を挙げて取り組むとしている市長としては、らしからぬ判断だと、一抹の不安を感じたところであります。
 また、昨年策定の市立病院改革プランでは、平成21年度末の資金不足は7億5千万円という収支計画でした。しかし、現実は倍近くの約13億7千万円の資金不足になり、初年度で市立病院改革プランが破綻、その見直しが必要になってきました。
 いずれにしても、市長は、平成22年度市政運営の喫緊の課題として「地域医療対策」をあげております。
 そこで、その中核である、総合磐城共立病院の改善と新病院建設の進め方について、以下お伺い致します。

1 総合磐城共立病院の改善と新病院建設の進め方について

(1) 常勤医師不在の診療科と診療体制について

ア 皮膚科、神経内科、腎臓・膠原病科、呼吸器外科、精神科など常勤医師が不在また不在となる診療科は、どのように診療体制を維持確保するのか。
●答弁(病院局長):常勤医師が不在または不在となる診療科につきましては、大学医局等からの診療応援による対応としておりますが、予約制や受診日が限定されている状況にありますことなどから、診療体制の充実を図るため、今後とも大学医局等に常勤医師の招聘に向けた働きかけを継続的に行っていく考えであります。
  
イ 常勤医師不在また不在となる診療科では、勤務医の就職斡旋をしている民間事業者等を活用した医師招聘の取り組みなど、医師確保のための新たな手法の実行も含めて、医師の招聘・確保をどう進めているのか。
●答弁(病院局長):医師招聘の取り組みとしましては、病院事業管理者や病院長などが様々な機会をとらえ、主な派遣元である大学医局や福島県への働きかけを継続的に行っているところであります。また、大学医学部に在籍する医学生に対し、医師修学資金の貸し付けを実施しているほか、臨床研修医の確保を図るため、大学等が学生向けに実施している臨床研修病院説明会に指導医や研修医を派遣し、積極的に学生に働きかけを行っているところであります。今後につきましては、これらの取り組みに加え、勤務医の就職斡旋を行っている民間事業者等の活用や医師招聘アドバイザーの導入についても検討し、更なる医師招聘の強化を図って参りたいと考えております。
 
(2) 医事業務の委託の改善について

ア 医事業務は、平成3年度の中央カルテ室業務やカルテ搬送等の外来業務部門の部分委託以来、これまで業務委託をどのように進めてきたのか。
●答弁(病院局長):医事業務委託につきましては、平成4年度には、中央窓口や外来受付及び外来会計業務を委託し、平成9年度からは、総合案内を含めた医事業務の全面委託を行いました。さらに、平成16年度には、手術室診療材料管理等業務及び理学療法受付業務を、平成17年度には、放射線受付業務を、平成21年度からは、DPC業務を、それぞれ委託しております。

イ 医事業務の委託契約は、契約先を含めて平成3年度以降どのように行われてきたのか。
●答弁(病院局長):平成3年度及び平成9年度においては2社による指名競争入札により、医事業務委託契約を結びましたが、平成4年度から平成8年度までと、平成10年度から平成21年度までは、指名した業者2社のうち1社が入札を辞退したことから随意契約により、いずれも株式会社ニチイ学館と委託契約を結んでおります。

ウ 医事業務に係る市民からの苦情について、これまでどのようなものがあったのか。
●答弁(病院局長):医事業務に係る苦情につきましては、患者さんとの窓口対応において、事務的である、やさしさに欠けるなど、接遇面での苦情や、会計事務処理で時間がかかり過ぎるなどの不満の声がありましたことから、その都度、委託業者に対し指導を行い、是正改善に取り組んできたところであります。
  
エ 市民サービスの向上と契約の透明性、公平性の確保について、医事業務の委託契約は、今後どのような改善を考えているのか。
●答弁(病院局長):医事業務委託契約におきましては、市の入札参加有資格者名簿には2社が登録されておりますことから、医事業務の実績がある業者による指名競争入札を原則としておりますが、結果として、指名業者の辞退により、随意契約となっていることから、今後につきましては、契約の透明性、公平性の確保の観点から、分割発注など競争原理の働く入札方式について、検討課題として参りたいと考えております。

(3) 新病院建設の進め方について

ア 新設する「新病院建設準備室」について、業務内容はどのようなものか。
●答弁(病院局長):「(仮称)病院建設準備室」につきましては、新病院建設の基本構想の策定に向け、重点的に取り組んでいくこととなりますが、来年度におきましては、市民や有識者などの参加による懇談会の設置・開催や先進事例調査及び基本構想の策定に向けた調査業務等の委託などを予定しております。

イ 総合磐城共立病院の改築に向けた過去の調査研究について、内容はどのようなものだったのか。
●答弁(病院局長):総合磐城共立病院の改築に向けた過去の調査研究といたしましては、平成13年度から平成16年度にかけて開催しました市民各界各層の有識者等で構成する「いわき市立病院の現在と将来のあり方を考える懇談会」において、市立病院に求められる機能や1市1病院の方向性及び施設のあり方など、基礎的な調査検討を行い、取りまとめた経緯があります。

ウ 医療関係者をはじめ専門家と公募市民を含めた市民検討委員会について、医療福祉によるまちづくり、開かれた市民参加による新病院建設に取り組むため、早急に設置すべきではないか。
●答弁(病院局長):新病院建設の基本構想の策定にあたりましては、本年4月に設置する「(仮称)病院建設準備室」において、市民や有識者などの参加による懇談会の設置・開催を予定しており、基本構想の策定スケジュールにあわせ、速やかに取り組んで参りたいと考えております。

エ いわき市以外の浜通りと茨城県北部を診療圏に含んでいる総合磐城共立病院の経営と診療圏を一致させることについて、病院改革プランの進行管理の中で一部事務組合導入の検討を行うとしてきたが、今後は新病院建設準備室の業務の一つとして取組むべきではないか。
●答弁(病院局長):議員お質しの一部事務組合の手法も含めた新たな経営形態につきましては、これまでどおり、病院事業管理者のもと、「いわき市市立病院改革プラン」の進行管理を行う中で、地方公営企業法の全部適用の効果を検証しながら、市立病院の役割を堅持することを前提に、引き続き検討を行って参りたいと考えております。

オ 新病院の構想と建設の期間について、老朽化対策、災害拠点病院としての耐震化対応、常勤医師不在などの危機的状況を突破し、病院事業の基盤である医師から選択され医師が集まる病院環境の整備のため、新病院建設を向う5年間で完成させるべきではないか。
●答弁(病院局長):新病院の建設につきましては、今回、設置する「(仮称)病院建設準備室」において、機能や規模、改築か移転か、さらには財源確保なども含めた新病院建設の基本構想についてスピード感を持って取りまとめ、新病院の一日も早い建設に向けて取り組んで参りたいと考えております。

カ、市長の所見はどうか。
●答弁(市長):私の選挙の公約はスピード感。組織を、4月に立ち上げ、一日もはやく進めたい。
懇談会を設置するときは、結論をいつまでとお願いする。3年はかけないで、1年か1年半か。発足すれば明示したい。


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by kazu1206k | 2010-03-05 17:18 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


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