子宮けいがんワクチン、新病院建設の合意形成

6月定例会、一般質問の「総合磐城共立病院の現状と課題について」、やり取りを紹介します。概要は、以下の通りです。
(1)平成21年度病院事業会計決算と経営改善について
(2)DPC包括的診療報酬制度の導入と今後の対応について
(3)子宮けいがんワクチンの接種と助成について
(4)新病院建設の基本構想づくりと合意形成について


(1)平成21年度病院事業会計決算と経営改善について

ア、平成21年度病院事業会計決算について、損益、業務実績など病院事業全体としては、病院改革プラン通りに進行しているのか。
●答弁(病院事業管理者)
「市立病院改革プラン」の初年度となる平成21年度の病院事業の運営につきましては、4月に「市病院事業経営評価委員会」を設置したのをはじめ、7月に病院機能評価の認定、9月に地域医療支援病院の認定を、それぞれ取得し、12月には、回復期リハビリ病棟を開設したところであります。
さらに、本年4月には、最重要課題である常磐病院を統合し、「1市1病院1施設」を実現するなど、改革プランに基づく諸事業を着実に実施したところであります。
また、収支見込みにつきましては、改革プランの純損失 約16億3,700万円に対し、約17億4,000万円となり、前年度より改善されているものの、約1億300万円の差が生じておりますことから、今後も、経営努力を重ねて参りたいと考えております。

イ、病院改革プランの中期目標である経常黒字の達成について、22年度から25年度まで、収益の増加や費用削減など共立病院の経営改善にどう取り組むのか。
●答弁(病院事業管理者)
今後の経営改善に向けた取り組みにつきましては、これまで「市立病院改革プラン」に基づき実施してきた収支改善策を継続することに加え、診療報酬改定への迅速な対応やベットコントロールの強化等による病床運用の効率化、円滑な紹介・逆紹介の推進等による地域医療連携の充実等により収益の増加を図る一方で、職員の定数管理の適正化や医薬品、診療材料等の在庫管理の適正化などにより費用の削減を図るなど、収益増加策と費用削減策を一体的に行って参る考えであります。さらには、「市病院事業経営評価委員会」の意見を踏まえながら、従来の手法の見直しや先進事例をこれまで以上に取り入れるなど、総合磐城共立病院に特化した「1市1病院1施設」としての新しい経営形態のもとで、職員とともに、全力を挙げて健全経営に取り組んで参りたいと考えております。

(2)DPC包括的診療報酬制度の導入と今後の対応について

ア、導入状況について、4月1日から入院医療費の計算方法をこれまでの出来高払い方式から、病気の種類と診療内容によって分類された包括評価制度(DPC)よる計算方式に変更された。「急性期入院医療の定額払い方式」といわれ、DPCでは、手術、リハビリなどを除く入院費用が定額払いになり、DPCごとに定められた1日当たりの点数に入院日数を掛けたものに手術代などを加えたものが入院費になり、点数の枠内でしか治療できないので、入院短縮で治療の細切れや医療サービスの低下、医師のモチベーションの低下などが心配されている。患者さんおよび医療職員の反応など導入の状況はどうなっているか。
●答弁(病院事業管理者)
DPC、いわゆる包括的診療報酬制度は、医療行為の標準化により、医療の質の向上が図れるメリットが見込まれることから、総合磐城共立病院での導入を決めたものであります。導入に際しては、院内検討会の設置や、病院職員に対する全体説明会の開催などにより、職員間の意思の疎通を図りながら、制度導入に対する理解を深めて参りました。また、患者さんに対しては、院内掲示や、お知らせ文の作成などにより、制度の周知に努めております。これらにより、職員、患者さんともに、大きな混乱はなく、円滑な制度導入が図られたと考えております。

イ、日本医師会の指摘について、DPC導入が医療費抑制のための総枠管理であり、DPC導入の影響評価に関する調査結果データから、厚生労働省のいう「DPCにより、質の確保はされ、医療の効率化が進んでいる」との主張に対し、DPC導入は医療内容の変質と患者の負担増をもたらし、医療機関経営におけるモラルハザードを引き起こすおそれを指摘。医療機関経営における医療費抑制が行き過ぎ、フリーアクセスの制限につながらないよう、DPCの撤退は自由にすべきなどと要望してきた経緯があるが、こうした指摘をどう捉えているか。
●答弁(病院事業管理者)
DPCについての日本医師会の見解につきましては、留意すべき問題を含んでいると認識いたしております。総合磐城共立病院では、DPC導入後も従来と変わらぬ医療を提供しており、今後も、日本医師会の見解を念頭に置きながら、医療の質の低下を招くことなく、安全で安心な医療を提供して参りたいと考えております。

ウ、DPC病院の黒字割合の減少について、日本の病院の全ての経営主体が参加する日本病院会の会員372病院の平成20年度決算による「病院経営分析報告書」では、311の一般病院の中心を占める181のDPC病院の黒字割合が減少し、75病院41.4%と前年より15%の大幅減少と厳しい現状が報告されている。共立病院が担っている救急医療や周産期医療などの政策的医療を評価する算定方式にもなっていないが、今後どのように対応していく考えか。
●答弁(病院事業管理者)
総合磐城共立病院が担っている救急医療や周産期医療につきましては、平成22年度の診療報酬の改定において、重点課題に位置づけられ、10年ぶりのプラス改定とされたところであります。DPCに係る診療報酬についても、今回の改定では、救急医療への貢献や症例数の多さ、さらには地域への貢献度等を診療報酬に反映させるため、機能評価係数㈼が新たに設けられましたが、当該指数において、当院は県内20のDPC対象病院の中でトップの評価を頂いたところであり、当院のような地域の中核的な病院の重要性を国が認め、待遇を改善する方向にあるものと認識いたしております。総合磐城共立病院といたしましては、急性期病院としての特性を活かしながら地域の医療機関との緊密な連携体制の構築に努めることにより、経営の安定を図って参りたいと考えております。

(3)子宮けいがんワクチンの接種と助成について

ア、子宮頸がんワクチンの接種について、統計で年間1万5000人が発症し3500人が死亡する子宮けいがんは、10代前半の感染前にワクチンを接種することで約70%の発症を抑え予防できるとされており、共立病院産婦人科では通院していない人でも紹介状なしで利用を呼びかけているが、状況はどうなっているか。
●答弁(病院事業管理者)
総合磐城共立病院では、平成22年2月23日より子宮けいがんワクチンの接種受付を開始しております。ワクチンは3回接種することになっており、平成22年4月に2名、5月に1名が初回の接種を行っております。

イ、子宮頸がんワクチンの助成について、世界100カ国以上でワクチン接種が進み、米、英、仏、独、伊などで13〜18歳全員全額公費負担、英では学校で無料接種という情勢だが、国内では栃木県太田原市が、小学校6年生の女子児童を対象に子宮けいがんのワクチンを学校で集団接種する取り組みを全国で初めて5月から始め、4万5000円の接種費用は全額公費で負担する。また新潟県魚沼市では本年度から最大で全額を助成するという。子宮けいがんの専門家は「イギリスやオーストラリアなど接種率が高い国は学校での集団接種を行っている。ワクチンを広めるためには集団接種と公費負担が2本柱で、国として取り組む必要がある」と指摘しているが、本市はどのように取り組む方針か。
●答弁(保健福祉部長)
現在、国におきましては、疾病の発生及びまん延を予防する観点から、疾病の予防に有効であることが確認されているワクチンについて予防接種法に位置付けているところであります。
子宮けいがんワクチンにつきましては、現在、予防接種法に位置付けされていない状況にありますが、本年4月、厚生労働省が開催した第7回厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会の「予防接種法の対象となる疾病・ワクチンの検討の進め方について」の中において、予防接種の導入により期待される効果等について、検証がなされているところであります。
このようなことから、市といたしましては、ワクチンの接種費用の助成及び接種方法等につきましては、今後とも、国の動向を注視して参りたいと考えております。

(4)新病院建設の基本構想づくりと合意形成について

ア、いわき市新病院建設に係る基本構想づくり懇談会について、国をはじめとする医療環境や地域医療体制などの基礎調査を行うため専門コンサルタントに業務委託するというが、委託内容、業者選定・発注など業務委託の概要はどのようなものか。
●答弁(行政経営部長)
このたびの委託業務につきましては、国における医療政策の動向や本市医療圏をはじめとする地域医療の状況など、懇談会における検討を進めるにあたり、必要となる専門的な調査や資料の作成等を行うものであり、いわき市入札参加有資格者名簿に登録されている事業者の中から、他の自治体病院等において実績を有する7者を指名し、競争入札により「株式会社システム環境研究所」に決定したところであります。

イ、基本構想の合意形成について、総合磐城共立病院内での検討、市民意見の反映や市民説明会の開催、地域医療関係者との意見交換など、それぞれ合意形成はどのように図っていくのか。
●答弁(行政経営部長)
基本構想策定に向けた合意形成を目指すにあたりましては、懇談会も含めて、検討の場が常に市民に開かれていることを基本に、市からの情報発信を適時行うとともに、それに対する市民意見を随時受け付け、更には、市民意識調査やパブリック・コメントを実施するなど、市民参画の場の創出に努めることとしております。
また、地域医療を担う関係団体につきましては、懇談会委員として、それぞれの立場から様々な御意見をいただけるものと考えておりますが、緊密な連携を図る中でいただいた御意見については、懇談会の議論に反映させて参りたいと考えております。

ウ、平成24年3月までに策定する基本構想は、その基本計画および実施計画の日程を含めて、平成23年度からのいわき市総合計画の新たな基本計画にはどのように位置づけるのか。
●答弁(行政経営部長)
新病院の建設を含めた地域医療の充実や市立病院の機能充実等は、昨年度実施した市民意識調査の結果等を踏まえますと、本市の重要課題であると認識しております。
このようなことから、現在策定を進めている新・市総合計画次期基本計画におきましては、当該重要課題に対応する施策展開の方向性について重点的に取り組む施策の一つとして位置づけて参りたいと考えております。


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by kazu1206k | 2010-06-09 16:54 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


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