山玉浄水場の異臭水と水道水の安全

9月定例会、一般質問の「山玉浄水場の異臭水問題と水道水の安全安心対策について」のやり取りを以下、紹介します。

 山玉浄水場の異臭水問題が7月30日から8月3日かけて発生しました。5日間で勿来、小名浜、泉、鹿島、中央台の市民から「水道水が臭い」と192件の苦情が寄せられました。
 このため、わたくしは、山玉浄水場の原水を取水している田人町の南大平分校裏手の四時川へ参り、東北電力小川発電所の取水口から四時ダム、山玉浄水場まで原水の取水経路、場内の浄水施設を視察させて頂きました。
 昨年末実施の水道に関する市民アンケートでは、水道事業に対する市民満足度が変化しています。市民満足度について、満足傾向が前回より6.1ポイント減り、不満傾向が5.1ポイント増えました。満足と不満のいずれの傾向でも「水道水の水質」あげているのが特徴です。
 この際、水道局はこうした市民の声を踏まえて、安全で良質な水の確保を第一に考えて事業を進めて頂きたいと思います。そこで、以下伺います。

1点目は、異臭水発生の経緯と対応の問題について、です。

ア、異臭物質をふくめて異臭水発生の経緯は、どのようなものか、お尋ね致します。
ー答弁(水道事業管理者)山玉浄水場におきましては、通常、東北電力小川発電所が四時ダムの上流から導水し、ダムの下流に放流している、河川水のみを使用しており、また、降雨などによるダムの水位調整のため、ダム貯留水が放流された場合には、発電所の放流水と混合した河川水を使用することになります。
 この混合した河川水を使用する場合には、カビ臭物質の発生源となる藻などが含まれることから、臭気物質を吸着除去するために活性炭を注入する対応をしております。
7月30日早朝においても、ダム貯留水が放流されたため、浄水場では「ダム放流に対する作業マニュアル」に従い、活性炭を注入しましたが、連日の暑さでカビ臭を放つ藻が異常発生していたため、通常の注入量ではカビ臭物質を完全に吸着除去ができなかった結果、異臭水の発生に至ったものであります。

イ、つぎに、運転管理を全面委託しているテスコ株式会社と水道局は、異臭水発生にどのような対応をとったのか、お尋ね致します。
ー答弁(水道事業管理者)山玉浄水場においては、7月30日の早朝に四時ダム管理事務所よりダム貯留水放流の事前連絡を受け、「ダム放流に対する作業マニュアル」に従って活性炭注入をしながら取水を行い、その後の浄水処理過程において、臭気は確認されませんでしたが、同日の19時50分に勿来地区の市民の方から異臭水の最初の通報が入ったため、活性炭注入量を増やしました。
7月31日の朝になって勿来地区及び小名浜地区の市民の方から異臭水の通報が多く寄せられ、給水管末でも臭気の異常が確認されたことから配水管及び給水管の排水作業を開始するとともに通報のあったお宅へ伺い異臭水の確認と経過説明を実施したところであります。
併せて、異臭水発生について市民への周知を図るため、水道局ホームページへの掲載や報道機関への情報提供を行なうとともに、国、県の関係機関に速やかに報告をしたところであります。

2点目は、異臭水発生の原因と対策について、です。

ア、まず、異臭水発生の根本原因は何か、お尋ね致します。
ー答弁(水道事業管理者)異臭水発生の根本原因は、一つとして、ダム湖において、高温が続いたことや、光合成を促進する日射量が多かったこと、ダムの上流域などから窒素やリンなどの栄養素が供給されたことで、カビ臭物質を生成する藍藻類のアナベナが大量に発生し、その体内で生成されたカビ臭物質であるジェオスミンを水中に大量に放出したことにあります。
 二つとして、山玉浄水場で、ジェオスミンなどを除去するため、ダム貯留水の放流時には、活性炭を注入しておりますが、「ダム放流に対する作業マニュアル」における注入量では、吸着除去が完全にできなかったことにあります。

イ、四時ダムにおける藻の発生に対して、これを防止する改善策は何か、お尋ね致します。
ー答弁(水道事業管理者)四時ダムでは、現在、藻の発生防止対策は取られておりませんが、一般的には、ダム貯留水にポンプ等を用いて空気を強制的に吹き込み、人工的に循環させる曝気循環設備や、プラスチック等の材質の板を湖面に浮かべ太陽光を遮断する設備、ポンプ吸引などにより湖底に堆積した土砂を浚渫するなどの方法があります。

ウ、つぎに、運転管理上、委託業者の選定はじめ水道局として管理体制の改善策は何か、お尋ね致します。
ー答弁(水道事業管理者)浄水場の受託業者に対しましては、業務仕様や作業マニュアルに基づいて業務を執行させておりますが、今回、異臭水が発生したことを受け、この業務仕様や作業マニュアルの改善を図ったところであります。
 具体的には、日常の業務における、濁りや臭いなどを確認する水質試験がより重要となることから、臭気や味を評価する官能試験を複数人で実施することや、回数を増やすこととしたところであります。また、ダム貯留水の放流時に備えた原水水質状況の把握も欠かせないものであることから、四時ダム管理事務所との連携強化やダム貯留水の水質検査回数を増やすことなどにより、管理体制の強化を図ったところであります。
さらに、活性炭の適正注入値の知見を得るため、臭気物質に対する吸着試験で得たデータの蓄積を継続し、今後の運転管理に反映させることにより、再発防止に万全を期してまいりたいと考えております。

エ、つぎに、異臭水発生を根絶する、山玉浄水場の施設上の改善策は何か、お尋ね致します。
ー答弁(水道事業管理者)施設上の改善策としましては、活性炭と原水との接触時間を長くすることにより、臭気の吸着除去効果を高める方法として、注入地点の変更等について検討してまいりたいと考えています。
 また、官能試験の検体を加熱することにより臭いをきわだだせる機材や、官能試験を補完する臭気感知器などを整備したいと考えております。

3点目は、浄水場での原水処理と水道水の安全安心対策について、です。

ア、まず、前塩素処理について、飲料水の安全を確保するため義務づけられている消毒の副生成物として総トリハロメタンが発生しています。トリハロメタンは、肝機能や腎機能への影響のほか、発ガン性や催奇形性についても指摘されているため水道水質基準が設けられています。冬場と気温が上昇する夏場の各浄水場の総トリハロメタン濃度はどのような数値になっているか、お尋ね致します。
ー答弁(水道事業管理者)水道法の水質基準では、総トリハロメタンの基準値は0.1mg/ℓ以下と定められております。4基幹浄水場における平成21年度の総トリハロメタンについて、それぞれの最大値と最小値及び平均値をmg/ℓの単位で申し上げますと、平浄水場では、最大が8月の0.036、最小が2月の0.005で、平均は0.022、上野原浄水場では、最大が2月の0.020、最小が1月の0.008で、平均は0.012、泉浄水場では、最大が6月の0.027、最小が1月の0.007で、平均は0.016、山玉浄水場では、最大が8月の0.030、最小が1月の0.003で、平均は0.014となっており、夏季の値が高く、冬季の値が低い傾向になっております。

イ、本市の各浄水場の総トリハロメタンとクロロホルムは、全国水準との比較ではどうなっているのか、お尋ね致します。
ー答弁(水道事業管理者)水道法の水質基準では、総トリハロメタンの基準値は0.1mg/ℓ以下、クロロホルムの基準値は0.06mg/ℓ以下と定められており、4基幹浄水場における平成21年度の総トリハロメタンの平均値は0.016mg/ℓ、クロロホルムの平均値は0.010mg/ℓであり、どちらも水質基準内にあります。
全国水準との比較については、本市と同じ急速ろ過方式の浄水場を有する中核市で申し上げますと中核市の総トリハロメタンの平均値が0.011mg/ℓ、クロロホルムの平均値が0.006mg/ℓであり、どちらも本市の値が若干上回っている状況であります。

ウ、凝集剤注入について、薬品沈殿池で原水中の濁質を沈殿させる凝集剤の主成分であるポリ塩化アルミニウムは、濁りがないと沈降せず水道水に漏出しますが、本市の各浄水場では濁りがない冬期間も通常量を注入しているのか、お尋ね致します。
ー答弁(水道事業管理者)原水中の濁りなどを除去するために用いる凝集剤のポリ塩化アルミニウムにつきましては原水の濁度に応じ、その都度、凝集試験により最適注入率を求め、それに基づいて注入しておりますが、4基幹浄水場における平成21年度のポリ塩化アルミニウムの注入率について、それぞれの最大値、最小値及び平均値をmg/ℓの単位で申し上げますと平浄水場では、最大が10月の33.97、最小が5月の25.14で、平均は29.41、上野原浄水場では、最大が5月の35.16、最小が1月の19.21で、平均は27.15、泉浄水場では、最大が8月の32.76、最小が1月の14.26で、平均は22.87、山玉浄水場では、最大が10月の26.35、最小が1月の21.76で、平均は24.71となっております。4基幹浄水場の平均では、最大が30.64、最小が21.34、平均が26.41となっており、冬季の注入率は、夏季に比べ約3割減となっております。

エ、つぎに、アルミニウムは体内に摂取されると脳に悪影響を及ぼしアルツハイマー病、老人性痴呆症を引き起こす原因物質とされています。全国的には、濁りのない冬期間は凝集剤の注入量を減らす等の対応をしているのか、お尋ね致します。
ー答弁(水道事業管理者)凝集剤の注入については、原水の濁度に応じ適正な注入を行うことが基本となっており、他の中核市においても濁りのない冬季は夏季に比較して注入率が低くなっております。

オ、異臭味被害の増加やトリハロメタンなどの有害物質などの生成に対して、安全で良質な水の確保のためには、臭気物質やトリハロメタン前駆物質の除去が期待できない従来の浄水処理方式から、オゾン処理、生物活性炭、膜処理の組合わせによる高度浄水処理を導入すべきではないか、お尋ね致します。
ー答弁(水道事業管理者)山玉浄水場においては、通常ダム湖を経由しない発電所の放流水を取水しておりますが、年に10数回から20回程度のダム放流時にはダムの貯留水を取水することとなります。発電所の放流水とダムの貯留水は水質が大きく異なり特にダム貯留水の場合はその水質に応じた
浄水処理が必要であるため当面は現施設の適正な運用とダム管理事務所との緊密な連携により対処してまいりますが、今後は将来の高度浄水処理設備の導入について検討をしてまいりたいと考えております。

 本市水道局が、これらの課題に積極的に取り組むことを要望致しまして、次の質問に移ります。

*最後まで、ご覧頂きありがとうございました。


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by kazu1206k | 2010-09-07 18:30 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


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