3号機の原子炉停止による再点検

福島第一原発3号機の原子炉起動準備中に発生した非常用炉心冷却系の炉心スプレイ系表示ランプ回路の点検漏れと半日の起動遅れに関して、脱原発福島ネットワークは81団体の連名で、福島第一原発3号機の原子炉停止による再点検を求める福島県知事要望、県議会議長陳情を9月21日行いました。
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東京電力は、運転開始34年の老朽原子炉・福島第一原発3号機で、MOX燃料を燃やすプルサーマル計画を実施するため、9月17日23時に起動する予定でしたが、予定時間に原子炉を起動できませんでした。非常用炉心冷却系の炉心スプレイ系表示ランプ回路の点検漏れと半日の起動遅れは、東京電力の変わらぬ安全軽視の企業体質と点検漏れを見過ごす安全管理体制が改めて浮き彫りになり、第一原発所長の謝罪ですまされる問題ではありません。また、原子炉起動の作業実施状況に問題はないとしてOKサインを出した福島県安全確認プロジェクトチームが、未点検部分を発見できず、点検漏れを見逃し福島県民の信頼を損ねたことについて、福島県原子力対策課の責任は看過できません。佐藤憲保県議会議長には30分近くにわたって陳情しました。
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このままプルサーマル発電をすすめて、はたして県民の安全・安心は確保されるのでしょうか。プルトニウム利用炉で事故が起きてからでは遅いのです。福島県は、県民の信頼を損ねた東京電力に対し、県民の安全・安心を最優先する立場から、福島第一原発3号機のプルサーマル発電開始の前に、一旦原子炉を停止して、全点検個所の再点検を実施するよう求めるべきです。福島県知事宛の申入れを、原子力安全対策課課長に提出しました。
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●以下、陳情書。
平成22年9月21日
福島県議会
 議長  佐藤 憲保 様 

 陳 情 書
(福島第一原発3号機の再点検等について)

(要旨)
1、福島県議会は、福島第一原発3号機の原子炉起動準備中に発生した非常用炉心冷却系の炉心スプレイ系表示ランプ回路の点検漏れについて、東京電力が本来は点検すべきものを点検しなかった安全管理体制の根本原因を明らかにさせること。
2、福島県議会は、原子炉起動の作業実施状況に問題はないとOKサインを出した福島県安全確認プロジェクトチームが、未点検部分を発見できず、点検漏れを見逃し福島県民の信頼を損ねたことについて、福島県民に陳謝させること。
3、福島県議会は、福島県安全確認プロジェクトチームが点検を漏れ見逃したことについて、安全確認プロジェクトチームの体制と作業上の原因を明らかにし、再発防止対策を公表させること。
4、福島県議会は、福島県民の信頼を損ねた東京電力に対し、福島県民の安全・安心を最優先する立場を堅持して、福島第一原発3号機のプルサーマル発電開始の前に、一旦原子炉を停止して、全点検個所の再点検を実施するよう求めること。
5、福島県議会は、プルサーマルおよび福島県エネルギー政策検討会「中間とりまとめ」の核燃料サイクル見直しから核燃料サイクル推進へ方針転換したことについて、検証の経緯を説明し県民の声を聴く「県民の声を聴く会」を福島県が開催するよう求めること。

(理由)
1、東京電力は、運転開始34年の老朽原子炉である福島第一原発3号機で、MOX燃料を燃やすプルサーマル計画を実施するため、9月17日23時に起動する予定でしたが、予定時間に原子炉を起動できませんでした。
2、東京電力によれば、制御棒を引き抜く前の準備作業でチェック中、非常用冷却水を送る弁の「閉」のランプ表示が消えず、制御棒の引き抜きができなかったといいます。非常用冷却水を送る弁の表示は、運転中は「開」運転前は「閉」が正常であり、原因は、接点の不具合とされ、本来は点検すべきものをしていなかったとし、東京電力福島第一原発の所長が会見で謝罪の言葉を述べました。
3、起動に立ち会っていた福島県原子力対策課は、点検漏れを確認して準備作業の継続を認めたため、東京電力は、本日18日10時20分、制御棒を引き抜いて起動させました。
4、しかし、本来は点検すべきものを点検していないというのは、言語道断です。立地町住民はじめ福島県民は、裏切られた思いです。点検漏れを見過ごす東京電力の企業体質で、果たしてプルサーマルの安全が確保されるのでしょうか。このような安全管理の実態では、今後何が起こるかわかりません。福島県民はいま、プルサーマルに大きな不安と危惧を感じています。プルトニウムを利用するプルサーマルで一旦事故が起きれば、被害面積はウラン利用の4倍に広がります。福島県はプルトニウム防災対策さえ未整備です。事故が起きてからでは遅いのです。
5、この原子炉起動の準備作業にOKのサインを出したのは、他ならぬ福島県安全確認プロジェクトチームです。この福島県安全確認プロジェクトチームが東京電力の作業実施状況に問題はないとしました。問題のないはずの作業にもかかわらず、トラブルが発生したのです。未点検部分を発見できず、点検漏れを見逃したことはあきらかです。これで、安全確認をしていることになるのでしょうか。何をチェックしているのか、福島県民は大いに疑問を抱き不安にかられています。さらに、この点検漏れをあっさり認め起動を承認した福島県原子力対策課は、福島県民の安全・安心をどう考えているのでしょうか。日頃から「県民の安全・安心を最優先に」といっているのが、空しく響きます。点検漏れを見逃し福島県民の信頼を損ねた福島県の責任は、小さくありません。
6、現状のように点検漏れを見過ごす東京電力の安全管理体制では、安全は確保されません。いまこそ、福島県民の安全・安心を最優先にして、福島県は、福島第一原発3号機の原子炉を一旦停止させ、全点検個所を再点検するよう事業者に申し入れるべきです。プルトニウム利用炉で事故が起きてからでは遅いのです。急ぐ必要はありません。ここは一旦立ち止まり、9月23日予定の発電開始は中止するよう東京電力に申し入れるべきです。使用済MOX燃料の行き先も決まらぬままプルサーマル発電を開始してはなりません。
7、福島県は、本来、福島第一原発3号機の起動前に、プルサーマル受け入れと福島県エネルギー政策検討会「中間とりまとめ」の核燃料サイクル見直しから核燃料サイクル推進へ方針転換したことについて、検証結果を県民に説明し、県民の声を広く聴くべきでありました。今回、点検漏れと半日の起動遅れは、福島県が一旦立ち止まり、謙虚に県民の声に耳を傾けよ、という運転34年の老朽炉・福島第一原発3号機からの警告です。         


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by kazu1206k | 2010-09-21 23:26 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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