市立病院改革と新病院建設

2月定例会の一般質問のご報告、第2回です。
今回は「市立病院改革と新病院建設の課題」のやり取りを以下、紹介します。
平成21年度から3年間の市立病院改革プランに対する市病院事業経営評価委員会の意見と病床660床程度という規模が示された新病院建設の事業費などをただしました。

長いですが、ご覧ください。 

大きな第二点は、市立病院改革と新病院建設の課題について、であります。

平成21年度から3年間の市立病院改革プランも2年が過ぎようとしております。プランの収支計画では、平成21年度末の資金不足は7億5千万円でしたが、現実は倍近くの約13億7千万円の資金不足になりました。いよいよ最終年となりますので、以下伺います。

1点目は、市立病院改革プラン実施に対する市病院事業経営評価委員会の意見について、です。
 
⑭市立病院改革プランの21年度実施状況について、改革プランの進行管理を行う市病院事業経営評価委員会が点検した結果、「今後の病院事業の改善に関する意見」などをとりまとめました。その指摘の内容はどのようなものか、お尋ね致します。

 —答弁:病院事業管理者
市病院事業経営評価委員会が、「市立病院改革プラン」に関する平成21年度の実施状況を踏まえ、取りまとめた「改革プランの取り組みに係る意見」の主な内容といたしましては、
・紹介患者数の増加に向けた仕組みづくり
・安定した経営基盤の確立に向けた取り組み
・地域連携クリティカルパスの積極的な取り組み
・人材育成の推進
・医師確保の推進
・認定看護師の有効活用の推進
・看護学院の定員割れの改善
・患者待ち時間の短縮
となっております。

⑮まず、「紹介患者数の増に向けた仕組みづくり」の指摘です。委員会の意見は、患者を増やすことが安定した経営の確立につながるが、総合磐城共立病院においては、開業医や2次救急病院が患者を紹介し易くするための努力の形跡があまりないとして、紹介率を上げるための対応策、病院側全体の受け入れ体制などコミュニケーションを取れるような仕組みを求めています。患者受け入れ可否の連絡システムの構築など具体的な仕組みづくりは進めているのか、お尋ね致します。

 —答弁:病院事業管理者
総合磐城共立病院は、平成9年度より院内に地域医療連携室を設置し、ご紹介いただいた患者さんがスムーズに受診できるよう、地域の医療機関との連携を充実させて参りました。
その結果、地域医療連携室を利用した紹介患者数は、平成17年度の1ヵ月当たり平均157名から平成22年度は、1ヵ月当たり平均626名と大幅に増加しております。
今後、地域の医療機関との連携を更に強化する取組みといたしましては、地域の医療機関のスタッフと総合磐城共立病院の医師等との交流会や講演会の内容の充実を図り「顔の見える連携」の構築に取り組んで参りたいと考えております。
また、連携登録機関の拡充のための活動として、当院の地域医療連携登録機関に未登録であった市内の9病院に登録の働きかけを行い、現在8病院から登録をいただいたところであります。
さらに、現在、370の地域医療連携登録機関や市内の公的機関、市内全ての薬局等に配布している「地域医療連携室だより」を活用して、広報活動を充実させて参りたいと考えております。

⑯次に、「安定した経営基盤の確立に向けた取り組み」の指摘です。委員会の意見は、患者数が減ったひとつの理由として、夜間の受診料を高くしたことを挙げています。これは、医師の過重労働の原因である時間外診療を減らすために、コンビニ受診防止や重症患者の優先的診療の環境を整備する目的で実施している時間外診察加算料の徴収のことですが、わたくしのところにも市民の方からご意見が寄せられております。所期の目的が達成されたと判断できれば、患者を増やすため、時間外診察加算料を一定額減額することを考えないのか、お尋ね致します。

 —答弁:病院事業管理者
時間外診察加算料は、いわゆるコンビニ受診を防ぐことにより、当直医師の過重労働を軽減し、医師の病院離れを防ぐ目的で導入したものであります。導入後は、軽症の患者さんの受診割合が減少するなど、一定の効果が見られておりますことから、当面、現在の時間外診察加算料を維持して参りたいと考えております。

⑰次に、「人材育成の推進」の指摘です。委員会の意見は、経営の改善は人の改善が大部分であり、人の意思疎通度を高めないと本当の改善が進まないとして、人の意思疎通度を高めるよう求めていますが、人の意思疎通度を高める努力にはどう取り組んでいるのか、お尋ね致します。

 —答弁:病院事業管理者
病院内における職員間の意思疎通度を高めるための具体的な取り組みといたしましては、本年度より、二週間に一度、病院幹部職員で構成する「経営会議」を開催し、様々な経営問題への対応を進めていることに加え、毎週、すべての医療部門の所属長等で構成する「運営会議」を開催し、組織横断的な連絡調整を行っているところであります。また、全職員を対象として、経営状況をはじめとする病院の現状の説明会を本年度は二度開催したほか、病院情報システムを活用し、院内情報を随時周知するとともに、患者サービスや業務改善に関する職員提案を実施し、改善に向けた意見を取り入れているところであります。さらに、すべての診療科の主任医師を対象として、要望等のヒアリングを行っているほか、バランスト・スコアカードという経営学的手法を採り入れた研修会の開催などを通じて、組織のビジョンや計画を作成・実行するための議論を幹部職員を中心として行っているところであります。

⑱次に、「患者待ち時間の短縮」の指摘です。委員会の意見は、医師が少ないことと関係しているとしつつも様々な工夫を求めていますが、どんな工夫をしているのか、お尋ね致します。

 —答弁:病院事業管理者
患者さんの待ち時間の短縮を図るため、他の医療機関からの紹介患者さんにつきましては、地域医療連携室を通じて、事前の予約による利用を働きかけるとともに、再来の患者さんにつきましても、予約診療ができる体制の充実に努めているところであります。その外、医師の診療業務の効率化を図るため、医師事務作業補助者を配置し、医師の業務の一部を代行させることにより、待ち時間の短縮に努めているところであります。なお、医師数に比べ患者数が多い一部の診療科ではやむを得ず診療制限をさせて頂いているところであります。

2点目は、市立病院改革プランの22年度実施状況と今後の対応について、です。

⑲まず、市立病院事業経営の健全化について、12月定例会でのわたくしの質問に対し病院事業管理者は「医業収益の増加策として、病床の見直しやベッドコントロールの強化等による病床運用の効率化」と「費用の削減策として、医薬品、診療材料等の在庫管理の適正化」と答弁されましたが、22年度の市立病院改革プラン実施計画の実施状況は、病床運用の効率化や在庫管理の適正化を含めて、どう進んでいるのか、お尋ね致します。

 —答弁:病院事業管理者
「市立病院改革プラン」の平成22年度の実施状況につきましては、主な収益増加策として、包括的診療報酬制度(DPC)を導入したことに加え、救急患者の円滑な入院を確保するため、中央集中治療室(CTU)の増床を行ったほか、満床時には診療科にとらわれず、他の診療科病棟を活用するいわゆる混合病棟として利用することなどにより、病床運用の効率化を図っているところであります。一方、主な費用削減策としては、今年度から本格稼動した物流管理システム(SPD)による、使用量に見合った適正発注の促進により、医薬品、診療材料等の在庫管理の適正化を推進しているほか、後発医薬品の使用促進を図っているところであります。これらの収益増加策と費用削減策の実施に加え、平成22年度は、診療報酬のプラス改定の影響や12月以降の患者数の大幅な増加により、医業収益が順調に伸びている状況にあることから、決算における純損失額が、改革プランで見込んだ10億7,000万円以下に改善することは、ほぼ確実な状況であると見込んでおります。

⑳先頃、次期病院事業管理者の選任予定者が公表されました。何故と首を傾げた市民もおりましたので、今後、総合磐城共立病院の改善に向けて、市長は選任予定者に対してどのような期待をしているのか、具体的にお尋ね致します。

 —答弁:市長
新しい市病院事業管理者として選任予定の平則夫氏は、昭和36年に東北大学大学院医学研究科博士課程を修了後、東北大学医学部教授や東北大学医学部長を歴任し、医師としての豊富な経験を有しているとともに、複数大学の医学部等にも幅広い人脈を持っておりますことから、医師招聘や医療連携に大きな力を発揮していただけるものと期待しております。さらには、民間病院の理事長も経験されておりますことから、経営と医療提供の両面について強いリーダーシップを発揮していただけるものと期待しております。

3点目は、新病院建設の課題について、であります。

第5回いわき市新病院建設に係る基本構想づくり懇談会が2月に開かれ「新病院の適正な規模」を協議しました。人口減少や患者減少が見込まれる中で、「いかに適正規模を確保するのか」という視点から調査・検討し、現在の許可病床数828床から168減となる660床程度という提案に対して、療養型病床の必要性や病床利用率90%が果たして可能なのかという意見も出されたと聴きました。

21)そこで、新病院の適正病床数について、現在の許可病床数から168減の660床程度と試算し、その試算の前提として病床利用率を90%と想定しましたが、現状と乖離した想定病床利用率で果たして大丈夫なのか、お尋ね致します。

 —答弁:行政経営部長
去る2月14日に開催されました、第5回いわき市新病院建設に係る基本構想づくり懇談会におきまして、新病院の適正な規模について議論を行ったところでありますが、この中で、「90%」という病床利用率につきましては、混合病棟などの工夫により可能な数字であり、また、急性期病院としての病床確保の点からも妥当な数字であるとの、概ねの理解を頂いたところであります。

22)新病院建設に係る基本構想づくり懇談会は、財源を次回検討するとしていますが、2月定例会には、建設機運の醸成が目的とされる市新病院づくり応援基金条例の制定案が上程されております。
 新病院の概算事業費について、平成20年12月の総務省自治財政局の「公立病院に関する財政措置の改正要綱」によれば、「病院建物に係る財政措置における建築単価の上限設定」として、「病院建物の建築単価が1平方メートル当たり30万円を上回る部分を、普通交付税措置対象となる病院事業債の対象から除外することとし、平成21年度基本設計分から適用する」としています。
 新病院の概算事業費を算定する上で、1平方メートル当たりの建設単価をどの程度とみているのか、お尋ね致します。

 —答弁:行政経営部長
新病院の建築単価につきましては、現時点で、お示しすることは困難でありますが、 概算事業費を算出する重要な要素であり、議員お示しの「公立病院に関する財政措置の改正要綱」の基準等も含めて、今後、懇談会の中で議論して頂けるよう進めて参りたいと考えております。

23)適正病床数660床の延床面積52,800㎡に総務省の財政措置における建築単価の上限設定単価30万円を乗ずれば建築費用のみで約159億円の見積もりとなります。民間病院の平均的建設単価は公立の半額程度ともいわれますが、本市は概算事業費をどの程度と見込んでいるのか、お尋ね致します。

 —答弁:行政経営部長
新病院の概算事業費につきましても、お示しすることは困難でありますが、適正な建築単価をはじめ、様々な発注形態などを含めて、今後、懇談会の中で議論して頂けるよう進めて参りたいと考えております。

24)本市はこれらの財源をどのように調達する考えか、市長の所見をお伺い致します。

 —答弁:市長
新病院建設にあたっては、建築費に加え必要となる医療機器なども含めて、全体でどのくらいかかるのかという視点からの検討が必要と考えております。この検討を進めるにあたっては、市議会並びに市民の皆様には、丁寧な説明を心掛けながら、最小の経費を目指したいというのが私の決意であります。

新病院の建設には、数百億円の血税を投入し、また新たな起債をするのですから、本市としては、市民の期待の高い新病院建設について、丁寧に市民の意見を聴き、広く市民の合意を形成することが肝要であります。市長には、是非、プロセスを大切にして市民の声を大いに反映させた新病院の建設を実現するよう要望致しまして、次に移ります。


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by kazu1206k | 2011-03-04 09:35 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


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