TPPは被災地を切り捨てる

野田首相が環太平洋連携協定(TPP)交渉に参加する方針を固め、10日に記者会見して表明すると報じられています。12日からのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議でアメリカなど9カ国が大枠合意するとの見通しからの判断だそうです。

野田首相は2日の参院本会議で「世界の成長エンジンであるアジア太平洋地域の成長力を取り込む観点や、農業再生との両立を図る課題などを踏まえ、できるだけ早期に結論を出す」としていますが、TPP交渉参加は農林水産業への深刻な影響ばかりか、医療 (国民皆保険)、医薬品認可、食品の安全基準(遺伝子組み換え食品の表示、農薬の残留基準)、労働者の海外移入、公共調達(公共事業)、郵政や共済など、国民生活に多大な影響を与え、国の制度を揺るがす大問題です。農業・農家保護の問題ではなく、医療関係、商工業、消費者も含む全ての国民の問題であり、日本社会の存立に関わる重要問題です。しかし、政府からは外交交渉の機密として、情報はほとんど開示されず、TPP交渉参加の是非を巡る国会議論も滞っています。

「 日本は幕末明治の開国以降、"関税自主権"の回復の為に戦った。TPPは逆。関税自主権を失うためにやっている」と、1858年の日米修好通商条約で関税自主権を喪失、失った経済的独立を取り戻すまでに約50年の歳月を要したという歴史的な教訓が指摘されています。TPP交渉参加は、いのちと暮らしを支える農林水産業はもとより、圧倒的多数の商工業や地方経済に大きな打撃を与え、日本社会の土台を根底からくつがえす希代の愚策です。

NHKやマスコミが発表する「TPP推進」の世論調査とは逆に、JAが集めた反対署名は、1167万人というとてつもない数です。7割の都道府県と政令市の議会が反対、慎重の決議を上げており、見切り発車反対の声が広がっています。衆参両院議員の過半数がJAの請願紹介に署名しています。これは、反対する民主党議員らで作る議員連盟「TPPを慎重に考える会」(会長=山田正彦前農相)が署名活動を続け、反対署名した民主党議員は203人となり、TPP参加を強行しようとしている野田内閣に対して、不信任を突きつけるようなものです。

日本は、3.11をへて、大きく変わらねば生き残ることはできません。いまこそ、今後の日本の国のかたちを考えた冷静な対応が必要です。農業と商工業が相たずさえて復興する道、むらと農家経営を守り日本国土、自然を守る道、全ての国民が末永く日本国土、地域社会で安らかに暮らしていける道、その土台となる農業、地方経済を全力をあげて守らねばなりません。東日本大震災、福島原発震災に苦しみ苦闘する福島をはじめとする被災地を置き去りにし切り捨てる、野田内閣のTPP参加強行を許す訳にはいきません。
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Commented by ビラーズ at 2011-11-04 02:09 x
TPPは天下の愚策。
仰るとおりです。でも大手新聞全てが賛成なんですよね…。
ツイッターで誰かがつぶやかれていましたが、佐藤さんも
取り上げている1167万人の署名について
1000万人超える署名があって、これが全く意味をなさない
のであれば、いったいどれだけ集めれば、国政に届くのか
と。全くその通りだと思いました。
全農が中心となってるからといって、そう簡単に1000万を
超える署名なんて集まらないですよ。
もっと国会議員は、日本国民の方を向いてもらわねば
困ります・・・
by kazu1206k | 2011-11-03 16:32 | 農水商工業 | Comments(1)

佐藤かずよし


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