原子力災害と放射線被曝の低減

12月定例会、5日に行った一般質問の詳細ご報告、第2回目です。

今回は、
1、 平成24年度予算編成について
2、 原子力災害と放射線被曝の低減について
3、 いわき市の復興と小名浜港について
のうち、「2、 原子力災害と放射線被曝の低減について」のやり取りを紹介します。

大きな第二点、原子力災害と放射線被曝の低減について、であります。

1点目は、原子力災害、事故処理・廃炉過程の安全対策について、です。

 巨大地震・津波と原発の過酷事故が複合増幅した福島原発震災が発生して9ヶ月になろうとしております。
 頻発する余震、4月11日・12日の井戸沢断層、湯ノ岳断層、藤原断層などの誘発地震、更に福島県沖および双葉断層地震による第1、第2原発の危機が持続しております。
 福島原発事故の現状は、メルトダウンした核燃料の所在もわからず、東京電力の発表でさえ、依然として毎時6千万ベクレルの放射性物質の放出が続き、高レベルの汚染水が溜まり続けています。
 事故の処理、廃炉と今後30年以上はかかると想定される福島原発の現状を抱え、事故処理の拠点となったいわき市の市民の完全確保のために、以下伺います。

原子力災害対策の強化のための東京電力との連絡通報体制について、ホットラインは開通したのか、お尋ね致します。
 —答弁(行政経営部長)現在、東京電力から、原子力発電所の状況や原子力災害の収束に係る取組みなどについて毎日、ファクスなどにより情報提供されており、また、損害賠償に係る動向なども含め、面談による情報交換につきましても、週に1回程度、定期的に実施しているところであります。
また、緊急時における連絡通報につきましても、東京電力にその体制の整備について申し入れをしているところであります。

まだ、ホットラインは開通していないということなので、緊急時のホットラインについて速やかにつめて頂きたい、ご要望申し上げます。

⑨次に、福島原発事故への対応及び廃炉過程のあらゆる事故を想定した避難計画の策定と避難訓練実施について、早急に検討すべきではないか、お尋ね致します。
 —答弁(行政経営部長)原子力災害の収束が不透明な中、市境から福島第一原子力発電所まで約 25km、同じく福島第二原子力発電所まで約 15km、東海第二原子力発電所まで約 45kmとなっていることから、原子力災害で発生する様々な事態を想定した上で、避難計画の策定や、防災訓練のあり方など、本市独自の原子力防災対策について、地域防災計画の見直しに合わせ策定してまいりたいと考えております。

⑩来年4月発足予定の原子力安全庁(仮称)について、①国家行政組織法の8条委員会(諮問機関)から公正取引委員会同様の3条委員会とする。②事故時の調査委員会は航空機事故調査委員会設置法にならい厳密に第三者性を保証するなど、日本版NRC(原子力規制委員会)ともいうべき内閣・省庁から独立した規制権限をもつなどの独立行政委員会の設置を求め、そのもとに原子力安全庁(仮称)を「原子力規制庁」として置くよう、国など関係機関に要望すべきではないか、お尋ね致します。
 —答弁(行政経営部長)「原子力安全庁(仮称)」は、もともと「規制と利用の分離」の観点から、原子力安全規制に係る関係業務を一元化することで、国内外から信頼される新たな規制機関として設置されると聞き及んでおります。
 このことから、今回の原子力発電所災害を踏まえ確実な規制が図られるよう、国に対し、強く申し入れて参りたいと考えております。

事故処理・廃炉過程の安全確立と国の責任ある対応を求め、今後数十年にわたる事故対応の拠点である本市へ原子力安全庁(仮称)の誘致を求めるべきではないか、お尋ね致します。
 —答弁(行政経営部長)市といたしましては、これまでも、復興や原子力災害の確実な安全対策等が講じられるよう、これらに関連する国の機関の誘致などを強く求めてきたところでありますが、来年4月に発足予定の「原子力安全庁(仮称)」は、原発立地地域に近接する本市にこそ、その前線基地を設置する必要性があると考えておりますことから、今後も引き続き、国に対し、強く働きかけを行って参りたいと考えております。

2点目は、放射線被曝を低減する対策の強化について、です。

 政府は、SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測システム)の情報を、原子力災害対策特別措置法による防災基本計画に基づき、仮試算した拡散予測図形を関係自治体に知らせることになっていたにも拘らず公表せず情報を隠しました。
 このため、福島県民は無用の放射線被曝を強制され、放射性物質の拡散によって、市民は長期の低線量被曝、汚染食品による内部被曝の脅威にさらされています。
 市民の生存権を保障するため、市民の健康管理・被曝量低減に対する対応の強化が強く求められていることから、以下伺います。

空間線量のモニタリング体制について、いわき市の責任で、空間線量マップを、γ線核種のみではなくα線、β線核種を含め、市街地は500mその他を1kmメッシュで作成し市民に配布する計画を、早急に進めるべきではないか、お尋ね致します。
 —答弁(行政経営部長)放射線量マップにつきましては、市が主体となり、地域の産業界や高等教育機関、ボランティア団体等と連携しながら、様々な主体が測定した結果を集約し、市民の皆様に分かりやすい形でお示しできるよう早急に取り組んで参る考えであります。

食品等のモニタリング体制について、簡易測定器の支所単位での配備による市民の持ち込み食品の測定は、いつから実施されるのか、お尋ね致します。
 —答弁(行政経営部長)家庭菜園などで栽培された自家消費用作物の検査につきましては、そのニーズの高まりに迅速に対応するため、市放射線量低減アドバイザーにも参画いただきながら、各地区を巡回し、表面スクリーニング検査を実施しているところであります。
 一方、ベクレルモニターなど、簡易放射能測定器につきましても、市といたしましては、リースによる配備を進めておりましたが、加えて消費者庁の貸与制度や、福島県が 12月補正予算案に計上している放射能簡易分析装置整備事業なども活用して、配備を拡大して参りたいと考えております。
また、測定を行う人材の育成・確保なども並行して進めながら、早急に検査体制の強化を図って参りたいと考えております。

⑭屋内施設について、将来を担う子どもたちの心と体の健康と健全な発達を目的として、公共施設の開放を進めるとともに、屋内運動場や屋内プールの整備を早急に進めるべきではないか、お尋ね致します。
 —答弁(教育部長)屋内施設の開放につきましては、11月より公立保育所9箇所の遊戯室を解放するなど、親子が屋内で安心して遊べる場を提供しているところであります。
体育施設につきましても、未就学児を含めた親子を対象に、定期的に公立小学校体育館を開放し、市スポーツ推進委員の協力により、遊びを通した運動など、体力向上にもつながる事業として、実施に向けた詰めを行っているところです。
また、屋内施設の新たな整備についてでありますが、現在、被災した体育施設等の復旧に全力で取り組んでいるところであり、早期の対応は困難であります。

公共施設だけでなく、中通りでは空き商業施設を子どもの屋内遊び場に転用する事業もあるので、公共施設ばかりでなく民間の空き商業施設で転用できるものがあれば対応をお願いする手法の検討をお願いしたいと思います。

⑮リフレッシュ保養について、将来を担う子どもたちの心と体の健康と健全な発達を目的として、リフレッシュ保養への補助制度の創設や姉妹都市ほかの基礎自治体と保養受け入れ協定を結ぶなど長期休業期間中のリフレッシュ保養を本市として進めるべきではないか、お尋ね致します。
 —答弁(教育部長)子どもたちの心身の健全な成長に向けては、様々な取組をしているところであり、議員お質しの件につきましては、県が実施している「ふくしまっ子体験活動応援補助事業」について、学校や公民館等を通じた活用促進を図るとともに、全国の自治体やNPO等の支援活動を紹介している文部科学省のポータルサイトを市の公式ホームページにリンクし、PTAや子ども会、保護者等に向けた情報提供を行うなどの取組を進めてきたところであります。
今後とも、子どもたちの心身の健康を保持するための国、県、他自治体等の取組状況を見極めながら、対応してまいりたいと考えております。

公が子どもたちの保養をバックアップしていくことをいわき市は積極的になるべき、いわき市として積極的に検討することを要望いたします。

⑯除染の基準について、国が来年1月から完全施行する「放射性物質汚染対処特別措置法」で、今後の除染に対する考え方(財政負担等)を示し、追加被ばく線量が1~20mSv/年は、国が全額費用負担するとしました。これによると、1mSv/年の1時間あたり換算は、0.23μSv/hとなり、いわき市が独自に定めた当面の目標水準0.3μSv/h以上の施設の除染基準が下方修正されることになります。今後の学校等の除染活動については、どう進めるのか、お尋ね致します。
 —答弁(行政経営部長)市といたしましては、当面の目標水準として設定した毎時 0.3マイクロシーベルト以上の施設の表土除去を実施した上で、今後は、国が新たに示した毎時 0.23マイクロシーベルトといった基準を踏まえ、改めて全ての学校等の詳細モニタリングを行い、局所的に放射線量が高い箇所などについては、その状況に応じた除染作業を行いより低い線量を実現して参る考えであります。

⑰道路や法面のホットスポット等の業者による草刈りや表土除去などの除染作業での作業員の被曝や排出した廃棄物の保管、また警戒区域等を通行した車両の洗車に伴う汚染汚泥の処理などが懸念されています。こうした民間での放射性物質の拡散の現状を踏まえ、作業員の被曝低減、排出廃棄物の保管、洗車に伴う汚染汚泥の処理、警戒区域等の高レベル汚染地域通行車両のスクーリニング強化等、市内における放射性物質の拡散防止などの対策について、今後、本市はどのように対応するのか、お尋ね致します。
 —答弁(行政経営部長)市といたしましては、除染作業に係る施工内容やその実施地域の放射線量に応じて被ばく管理を行うこと、更に、作業によって生じる廃棄物等については、関係法令等に基づき適正に処理することについて、国や県等から改めて事業者に対して周知徹底を申し入れるよう、強く働きかけて参る考えであります。
また、警戒区域等を通行した車両につきましても、スクリーニングや除染の指導・監督を徹底することや、自動車の関連団体に対する聞き取りを行うなど、実態把握と適切な対応策を実施することについて、国や県、東京電力に対し、強く求めていく考えであります。

川前町志田名・荻地区について、農地除染や土壌改良など「放射能からの地域再生プロジェクトのモデル地区」として整備計画を検討すべきではないか、お尋ね致します。
 —答弁(行政経営部長)市といたしましては、市内の他地域に比べ、線量が高い川前町志田名・荻地区につきましては、優先的に除染を行う方向で取組んで参りましたが、除染により生じる廃棄物の仮置き場について、地区内での合意が得られなかったことから、一旦、着手を見合わせていたところであります。
その後、改めて住民の皆様から、仮置き場として、国有林の候補地が示されたことから、環境省や林野庁などとともに現地調査を行い、その設置可能性について国に検討を依頼するとともに地域の皆様との協議を進めているところであります。
今後は、地域内における詳細モニタリングを拡大するとともに、試行的な除染をくり返し、効果的・効率的な除染の実施手法を確立して参りたいと考えております。

⑱−2 地元の住民は仮置き場に地区外の除去物を持ち込むな、おかないという確約が欲しいと要望していますが、その点の整理はされたんでしょうか
 —答弁(行政経営部長)除染により発生した廃棄物の仮置き場は、周辺住民のご協力ご理解が不可欠と認識しています。基本的には廃棄物の発生した地域で一時期保管する地域内処理で実施する必要があると考えます。しかし底地が国民共有の財産である国有林に設置された場合には、志田名・荻地区に利用を限定してそれ以外の除染廃棄物の搬入を制限することは現時点では約束、断言することは困難であると考えています。

それではこの計画は頓挫する可能性が高いことになります。やはり自区内で処理すると基本的に立てないとまた難しくなる。そのへんを理解を得る形で進めていくことが大事なので、再考をお願いしたいと思います。

放射性物質汚染災害廃棄物の中間貯蔵施設について、本市は、東京電力社有地または国有地に設置することを関係機関に強く求めるべきではないか、お尋ね致します。
 —答弁(行政経営部長) 市といたしましては、放射性物質汚染災害廃棄物や除染によって生じた廃棄物等の処理を速やかに実施するため、これまで国に対して、中間貯蔵施設及び最終処分場の早期確保を図るとともに、その確保に至るまでの間の仮置き場の設置についても、国の責任において、市民に対する説明責任を果たすこと、確実な安全基準を構築すること、更には国有地を提供することなどについて、強く要望してきたところであります。
 今後とも、引き続き国に対し、強く求めて参りたいと考えております。

3点目は、原子力災害に伴う専門部署の設置について、です。

原発事故対策前線基地としての本市の現状を踏まえ、市民の放射線被曝低減や事故処理・廃炉過程の安全対策、各産業、各業種、各企業、個人の被害補償や損害賠償にいわき市が責任を持ってバックアップすることなど、原子力災害の復旧・復興に対応するため、東京電力・国・県との折衝はじめ今後全ての原子力に対応する部門として、原子力対策課を設置すべきではないか、お尋ね致します。
 —答弁(行政経営部長)市といたしましては、7月に災害対策本部に原子力災害プロジェクトチームを設置し、関連業務の総合調整などを行うとともに、11月に市放射線量低減アドバイザーの委嘱を行い、その指導や助言を受けながら、より専門性の高い施策の検討などを行ってきたところであります。
 今後も引き続き、モニタリングの充実強化や除染の推進など、長期にわたって様々な取組みを
展開する必要があると認識しておりますことから、現在、新たな組織の設置について検討しているところであります。
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by kazu1206k | 2011-12-08 15:39 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


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