いわき放射能市民測定室の調査報告

いわき放射能市民測定室たらちねの主催による「原発事故から1年、みんなが元気でいるために! 木村真三先生&たらちねの調査報告会」が2月19日の日曜日午後1時30分より、内郷のいわき市総合保健福祉センターで開催されました。たらちねの測定オペレーターのお二人から、測定開始以来の昨年11月12月の測定報告が行われました。その部分を紹介します。
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『測定器をわたしたちにゆだねていただきました寄贈者、関係者のみなさま、ご支援のみなさま、ありがとうございます』の言葉から、『<たらちね>は母親のまくら言葉です。母親そのものです。わたしたちは<たらちね>という古い言葉から出発しました。古代の母親は大きな権限と責任をになって家族や共同体を守ってきたと伝えられます。現代の母親も子育てや仕事をつうじてそういう役割を自然としていることになります。しかしあの原発事故は、それをもっと意識的に考えるように、わたしたちを促しました。集会、デモにも参加するけど、測定ということもあったね。そういうはじまりかたでした』と報告を始めました。
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『はじめは、γ線測定、放射能の理論など難しくて不安でした。いまもわからないことが多々ありますがともかく当たって砕けるつもりで、ときどき立ち止まりながら家事をこなすように測定に関わっています』
『測定器が4台。予約受付、結果説明、レポート作成など測定ばかりの仕事ではありません。実際に測定のご依頼を受けるまでに測定器についてよく知るために、馴らし運転をしました。いろいろの食材で測定の実験です。そのあいだ、放射能に関する知識を得ることも必要でした。』
『安全神話のなかにいたわたしたちにとって、放射能の危険にどう備えるか、その準備はお粗末でした。ホールボディ測定器をもっていたのは核施設だけです。にわかに取り寄せた数台で、どうやって逃げ延びた数万人を測るのでしょうか。わたしたちもまた全く知らなかったこの機械を使い始めました。わたしたちに預けられたのですから。馴らし運転から一般的な傾向をつかみました。それを基礎に測定を開始し、異常をチェックすることはできたのでしょうか』
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『測定が開始されてもう4ヶ月目に入りましたが測定結果について目立ったことをお話しします。食材については、ご依頼の検査数は1月までで約800点です。現在のところ放射性セシウムに着目するのが普通ですが、それが比較的高い濃度(1キロあたり数十から千ベクレルくらいまで)で検出される食材には特徴があります。事故前から含有率の高かったキノコ類。セシウムの同族元素のカリウムを比較的多く含んでいる果物類。野生の植物、動物。汚染は表土が一番高いので、そこで成育する植物』
『井戸水からはほとんど検出されません。地下に浸透するのは時間がかかるようですので見守る必要があります。比較的高い放射性セシウムを含有するもののほかはほとんど1キロあたり10ベクレル以下です。乳幼児をかかえるお母さんがたは限りなくゼロを求めます。お年寄りは、「60過ぎだがら、それにしても大変なこった」。数字に慣れてしまうと危ういです。汚染から誰も逃れられなくなっているのです。汚染が当たり前になっているのです』
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『ホールボディは約千人のかたが検査を受けられました。お子さんを連れた働き盛りのお父さんお母さんの家族が大半です。馴らし運転でつかんだデータをもとにスクリーニングをします。この機械で300ベクレル以上が出たら測定に特に注意をはらいました』
『300ベクレル以上検出されたひとには二つのグループがありました。
①着衣がいくらか汚染され、それからのγ線が、体内から出たものとして計算され高めの数値が出てしまった。
②じっさいに体内にある程度のセシウムを取り込んでいる。
2番のひとは、食物による場合もありますが、ほとんどは野外の活動で防備をせずに吸引したと考えられます。聞き取りによって、そう判断できました。
1番からは別のことがわかります。衣類は洗濯をした方がよい。洗濯の乾燥は風のある日などは外に干さない方が良い。
すでに地表にある汚染が除去されないまま、風でかき回されたり、拡散したりしています。ちいさな工夫と防備で自分自身を守らなければなりません』
『ホールボディ検査はもう当初の意味合いが失われ変わってしまいました。2011年3月の被曝を復元するという狙いは、測定の遅れや不足で時期を失ってしまいました。国の政策施策の失敗です。もはや一般的な汚染のもとでの保健測定ということになります』

『わたしたちは、刻々と変化する汚染状況やひとの生活活動の要請に応じて測定のありかたを変えていくつもりです。食材の測定をつづけながら、食材の生育環境である耕作地や内水・海洋の測定。それは子供たちの遊び・成育の環境でもあるでしょう。身体放射能についても、より精確な測定を目指します』
『食材の基準については4月から新しくなりますが、新基準をふまえて、食材供給者、流通業界がどう対応するのか注目しています。たらちねは、わたしたちにできることで、心配な皆さんにとことんおつきあいします。よろしくご利用下さい。いっしょにがんばります』

たらちねの調査報告の詳細については、下記をご覧下さい。
http://www.iwakisokuteishitu.com/pdf/workreport.pdf
木村真三さんの報告は次の機会に。
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by kazu1206k | 2012-02-26 18:47 | 地域 | Comments(0)

佐藤かずよし


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