原子力災害対策、被曝最小化のやりとり

2月定例会、3月1日に行った一般質問の詳細ご報告です。今回は、
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1、原子力災害対策、放射線被曝の最小化について
2、小名浜港周辺地域の一体的な整備・再生プロジェクトについて
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のうち、「1、 原子力災害対策、放射線被曝の最小化について」のやり取りを、以下に紹介します。 

 巨大地震・津波と原発の過酷事故が複合増幅した福島原発震災が発生して1年が経とうとしているが、福島原発事故は収束の見通しも立たず、余震も頻発する中、東京電力の発表でも今年に入り昨年より1000万ベクレル多い毎時7000万ベクレルの放射性物質の放出が続いている。
 放射性物質の拡散によって、市民は長期の低線量被曝と汚染食品による内部被曝の不安にさらされている中にあって、求められている市民の生存権を保障するため、いわき市の原子力災害対策、放射線被曝の最小化に向けた対応の強化について、以下伺う。

(1)緊急時の連絡通報、避難計画・防災訓練について

 原発事故に伴う防災対策重点地域について、国は従来の緊急時計画区域10キロ圏をあらため、30キロ圏までを緊急時防護措置準備区域として拡大し、地域防災計画の策定を義務づけるとしている。
 一方、東北大学の研究グループの調査によれば、「いわきと福島原発両地区の地下に構造上の異常が示され、それほど遠くない時期にいわきで大きな地震があったことから、福島で同じくらいの大きな地震が起こる可能性がある」とし、双葉断層などが活動しやすくなって強い直下型地震の危険性が高まっていると発表して、事故対応が続く福島原発での耐震や防災の対策の強化を指摘している。

ア、東京電力との緊急時における連絡通報について、いわき市が東京電力に体制の整備を申し入れた結果を尋ねるが、ホットライン開通の目処は立ったのか。
—答弁(行政経営部長)東京電力から本市に対しましては、原子力発電所の状況や原子力災害の収束に係る取組みなどについて、毎日、電子メールで前日の情報が提供されております。
また、本年1月1日からは、大事故に繋がる恐れのあるトラブル等につきましては、昼夜を問わず、県から電話による連絡体制が確立されており、更に、1月17日からは、本市の申し入れにより、福島第一・第二原子力発電所において発生したすべての事象やその応急措置の経過等についても、県から、逐一、ファクシミリにより、速やかに状況報告をいただいているところであります。
しかしながら、原子力発電所の有事の際には、一刻も早く、正確な情報を得ることが必要であると認識していることから、引き続き、東京電力に対し、本市との緊急時の連絡体制の整備を図るよう、強く申し入れて参りたいと考えております。

イ、地域防災計画の見直しといわき市独自の原子力防災対策について、国は4月改定の国の防災基本計画と防災指針を踏まえ、自治体に対し10月を目処に地域防災計画の策定を求めているが、いわき市は原発直下型地震や事故処理から廃炉過程での事故など、あらゆる原子力災害事態を想定した避難計画の策定や防災訓練のあり方を早急にまとめるべきではないか。
—答弁(行政経営部長)原子力防災対策につきましては、原子力災害で発生する様々な事態について、市や県の境界を超えて、広域的に対応しなければならないことから、今後、国・県などと緊密な連携を図りながら、今回の教訓を活かし、本市の実情に即した原子力防災対策の策定を目指して参りたいと考えております。

(2)福島原発の廃炉と原子力安全協定、原子力規制庁について

 東京電力は、福島県及び県議会が求める福島第二原発の廃炉を明言していないばかりか運転再開を断念していない。市民は、東京電力の態度に業を煮やしているが、いわき市が福島第二原発の廃炉を要求していないことにも不満を募らせている。

ア、国の原発事故に伴う防災対策重点地域の拡大を踏まえ、いわき市は従来の隣接自治体としてではなく緊急時防護措置準備区域として、事業者及び福島県と福島原発に関する原子力安全協定の締結を行い、協定の中に事故後の運転再開には本市の同意が必要であるとの同意条項を盛り込むべきではないか。
—答弁(行政経営部長)今回の事故を受け、県内の原子力発電所の運転再開は、当然、あり得ないものと考えております。市といたしましては、まずは、現在の原子力発電所の不測の事態の未然防止を図り、市民の皆様の安全・安心を確保することを第一義に、県や東京電力に対しては、原子力安全協定の締結を、国に対しては、緊急防護措置区域、いわゆるEPZとしての指定を、強く申し入れているところであります。

イ、4月発足予定の(仮称)原子力規制庁について、本市は今回の原子力発電所災害を踏まえ確実な規制が図られること、原発立地地域に近接する本市に前線基地を設置する必要性があることを国に対し強く働きかけるとしていたが、その結果は実現に向かっているのか。
—答弁(行政経営部長)市といたしましては、原子力災害の確実な安全対策等が講じられるよう、これまでも国に対し、今年4月に発足予定の「原子力規制庁」をはじめ、原子力災害の克服等に関連する国の機関の誘致などを強く求めてきたところでありますが、現在のところ、本市に設置する方針は示されておりません。今後におきましても、引き続き、国に対し、原発立地地域に近接する本市にこそ、その前線基地を設置する必要性を強くアピールし、本市への誘致を促進して参りたいと考えております。

ウ、いわき市は、原発直下型地震を想定し、市民の安全・安心を確保し生存権を守るため、東京電力に対し福島第二原発の廃炉を要求すべき時ではないか。
—答弁(行政経営部長)東京電力福島第一原子力発電所につきましては、1号機から6号機の全てを廃炉に、また、福島第二原子力発電所につきましても、再開は、当然、あり得ないものと考えております。多くの市民の方が不安の中での生活を余儀なくされている現状を踏まえ、まずは、今現在の安全確保を第一義にとらえ、原子炉格納容器から燃料棒を取り出し、別な場所に保管するど、確実な安全対策を講じるよう、引き続き、国や県、東京電力に対し、強く働きかけを行って参ります。

(3)健康管理、モニタリング体制の強化について

ア、空間線量マップの作成について、α線、β線核種の調査とマップの作成をどのように進めるのか。
—答弁(行政経営部長)現在、市が公表している放射線量マップにつきましては、ガンマ線測定用のサーベイメータにより、セシウムなどに由来するガンマ線の空間線量を測定したものであります。お質しのアルファ線及びベータ線の核種の調査につきましては、それぞれ専用の測定機器や専門の分析技術が必要となるため、市独自で対応することは非常に困難な状況にありますことから、国や県と協議して参りたいと考えております。

イ、食品等簡易検査機器の配備について、市民の持ち込み食品の測定検査は、各支所または他の公共施設においてどのように実施するのか。
—答弁(行政経営部長)市といたしましては、市民の方が栽培した自家消費用作物に対する不安感を解消するため、放射能を検査することができる放射能簡易分析装置、いわゆるベクレルモニターを公民館や支所などの公共施設を中心に、分散して配備する計画であり、現在、その配備先を調整しているところであります。
 また、先月末、ベクレルモニターの一部が納入されたところでありますが、機器の調整等を行うための期間や環境整備が必要であることなどから、年度内に一部供用を開始することができるよう、体制を整備して参りたいと考えております。

ウ、学校給食等の検査について、小中学校及び保育所等の全食材を検査するために、共同給食調理場などの簡易検査機器の整備台数をさらに増やすべきではないか。
—答弁(教育部長)現在、検査機器が未設置とされる施設への配備など、より多くの食材を検査できる体制を構築するために取り組んでいるところです。

エ、農地の土壌汚染測定器について、農業者が自分の農地について汚染度がすぐ分かるように、現場で測定可能な小型測定器を早急に整備すべきではないか。
—答弁(農林水産部長)農地の土壌汚染を測定する小型測定器につきましては、昨年6月に1台導入し、JAと連携しながら、農地等の簡易的な表面検査などに活用しているところであります。
 なお、土壌汚染測定器は、GPSなどの機能を備えた測定器など、様々な機器がありますことから、その情報収集等に努めながら、土壌調査を効率的かつ効果的に実証するため、関係機関・団体と連携を図り、農業者のニーズに柔軟に対応できますように小型測定器の整備拡充も視野に入れながら、検査体制の構築を検討して参りたいと考えております。

オ、海水浴場などのモニタリングについて、砂浜や海浜のモニタリングをどう進める計画か。
—答弁(行政経営部長)海水浴場の放射性物質モニタリングにつきましては、環境省が平成23年9月からおおむね2ヵ月に1回のペースで、海水、砂浜の土壌及び空間線量について8地点で測定しているところであります。
 市といたしましては、海水浴場の開設に向け、より詳細な調査が必要であることから本年1月から、市独自にNPO法人に委託し、市内の全海水浴場合わせて 26地点における砂浜の土壌及び空間線量の測定を、月1回実施しているところであります。また、海水浴場以外の海浜等のモニタリングにつきましては、県が港湾及び漁港において海水や海底土壌を月1回以上測定しております。
 今後は、人が多く集まる砂浜などのモニタリングについて、管理者である県と協議する中で、検討して参りたいと考えております。

カ、警戒区域等を通行した車両について、スクリーニングや除染の指導・監督の徹底や自動車関連団体に対する聞き取りを行うなど、実態把握と適切な対応策を実施することについて、国や県、東京電力に対し強く求めた結果、改善されているのか。
—答弁(行政経営部長)市といたしましては、国や県、東京電力に対し、警戒区域等を通行した車両に対するスクリーニングや除染の指導・監督の徹底と自動車関連団体に対する実態把握などの
実施について、その都度求めてきたところであります。このうち、スクリーニングについては、引き続き、Jヴィレッジにおいて実施されているものの、その他の車両対策については、具体的に示されていないのが現状でありますので、国や県、東京電力に対して、スクリーニングや除染の指導・監督の更なる徹底と、自動車関連団体の実態把握と適切な対応について、早急に対策を講じるよう、一層強く求めて参ります。

(4)放射性物質の吸引対策、抵抗力を高める保養について

ア、放射性物質の吸引をより少なくすることについて、春風や花粉の時期を迎え、子どもの生活の場での放射性物質の吸引をより少なくするために、マスク着用の励行を推奨すべきではないか。
—答弁(保健福祉部長)国・県においては、地面が乾燥している時に強い風が吹くと、じん挨が地面から舞い上がりやすくなるため、被ばく線量や、じん挨の吸入量の低減を図る観点から、外出時のマスクの使用や帰宅時のうがい、手洗いを心がけるよう呼びかけているところであり、市といたしましても同様に呼びかけて参りたいと考えております。

イ、本年3月末まで県が実施している「ふくしまっ子体験活動応援補助事業」について、いわき市は学校や公民館等を通じた活用促進を図るとしているが、市民からは福島県内に限定している実施場所や保護者1名という補助対象者枠の拡大、さらに実施期間の延長などの要望が出されており、この際、市民が活用しやすいよう、県に改善を求めるべきではないか。
—答弁(教育部長)「ふくしまっ子体験活動応援補助事業」につきましては、来年度におきましても、県の重点事業として、夏および冬の長期休業中の実施が予定されておりますが、要綱等、詳細につきまして、これから詰めていくものと聞いておりますので、市民の皆様にとって活用しやすいものとなるよう、県に働きかけて参りたいと考えております。

ウ、子どもたちの抵抗力を高める保養について、将来を担う子どもたちの心と体の健康と健全な発達のために、子どもたちの抵抗力を高めることが必要だ。姉妹都市や受け入れ可能な基礎自治体と保養受け入れに関する協定を結んで送り出すことや、本市が保養施設を建設することも視野に、小中学校等の長期休業期間中の子ども保養事業をいわき市として創設すべきではないか。
—答弁(教育部長)子どもたちの心身の健全な育成に向けては、様々な取り組みをしているところであり、議員お質しの件につきましては、「ふくしまっ子体験活動応援補助事業」の活用促進を図るとともに、全国の自治体やNPO等の活動を紹介するなど、保護者等に向けた情報提供を行ない、市民の皆様が参加しやすい環境整備に努めながら、国、県、他自治体等の取り組み状況を見極め対応して参りたいと考えております。

(5)仮称「原発事故被曝者援護法」制定の働きかけについて

 いわき市議会は、昨年8月に東日本大震災復興特別委員会の第一次提言で、「市民の長期的健康管理については、市が責任をもって県と連携して推進させるとともに、(仮称)原発事故被曝者援護法などの特例法の制定、被曝者健康手帳の交付及び定期通院・医療行為の無償化・社会保障などを国の責任において行うことを要請すること」を執行部に求め、12月定例会では「(仮称)原発事故被曝者援護法の制定を求める意見書」を満場一致で採択して衆参両院議長と内閣総理大臣等関係大臣に送付し「国の責任において、特例法として(仮称)原発事故被曝者援護法を制定し、被曝者健康手帳の交付及び定期通院・医療行為の無償化・社会保障などを法的に保障すること。」を要請した。

ア、今国会に上程されている福島復興再生特別法に不足している健康管理、生活支援の面を補う特例法制定の動きが、与野党内で活発になっており、いわき市として、これまでの国及び県に対する働きかけをふまえ、今後、特例法制定を積極的に働きかけるべきではないか。
—答弁(保健福祉部長)原発事故に伴う放射線被ばく者に対する援護措置を定めた特例法の制定を求めることにつきましては、現在、国・県が実施しております県民健康管理調査や内部被ばく線量調査等により、市民の放射線被ばく等を含めた健康状態が明らかにされることになっておりますことから、これらの調査結果を踏まえ、市として必要な対応を検討して参りたいと考えております。

(6)稲の作付けと農地除染への対応について

 放射性セシウムの新基準値が4月から1キロ当り100ベクレルになるが、国は、平成24年産稲の作付けに関して、23年産米の放射性物質調査を基本に1キロ当り500ベクレル超は作付制限とすることを公表した。これを受け、JA福島中央会は、1キロ当り500〜100ベクレル地域も除染を条件に作付けを認める方針だが、県が推奨する農用地除染に伴う表層土と下層土を30センチほど入れ替える「反転耕」には、良質の表土が失われ稲の生育に影響するとの指摘や山間地の狭隘な耕地にトラクターに特殊機具を付けた1台1千万円前後の大型農業機械は入らない、大型農業機械の導入は最初から経済的困難との指摘もある。

ア、30キロ圏内農地の除染について、川前町志田名・荻地区はじめ大久町など30キロ圏内農地の除染は、24年度中どのように実施していくか。
—答弁(農林水産部長)農地除染につきましては、市除染実施計画におきまして、優先地区とされております川前、久之浜・大久、小川、四倉の一部地区を、平成24年度に実施することとしております。また、その実施に当たりましては、農用地土壌調査の結果や空間放射線量の推移等を踏まえまして、効果的・効率的な方法を見極め、農地所有者等との合意形成を図りながら、関係団体等と連携して取り組んで参りたいと考えております。

イ、昨季に作付けした農地除染の場合、大型機械を使った「反転耕」と深さ30センチまで耕す「深耕」しか除染費用が補助されないのは問題であり、国に対して改善を求めるべきではないか。
—答弁(農林水産部長)議員お質しのように「放射性物質汚染対処特措法」に基づく、「除染関係ガイドライン」で示されました大型機械を使用する「反転耕」、「深耕」という農地の除染方法のみでは、本市のように作土が浅いほ場での耕盤破壊や狭小ほ場では、機械が利用できないなどの諸課題が多く、当市のほ場の実情から見ましても必ずしも、そぐわない点があるものと認識をしております。
 市といたしましては、これまでも再三にわたりまして、農地の除染については、国の責任において全額負担となるように要望してきたところであり、今後とも地域の実情に即した除染方法を、今般の「特措法」による財政支援措置の対象とされるように要望して参りたいと考えております。

ウ、放射性物質を吸着する「ゼオライト」の購入費用について、「反転耕」と「深耕」の時に併せて散布した時のみ費用を助成するというのも問題で、必要な農業者には無償供与するよう国に改善を求めた上で、いわき市独自に必要な農業者には無償供与すべきではないか。
—答弁(農林水産部長)国におきましては、特措法上の財政支援にあたりまして、農地除染のためのゼオライト等の放射性物質吸着資材の施用のみでは、放射性物質の除染とはならないとする見解のもとで、吸着資材を施用する場合は、国の「除染関係ガイドライン」上の反転耕や深耕と同時に施用する工法を示しております。このため、市といたしましては、当該ガイドラインに即して、農地の除染を実施して参りたいと考えております

(7)放射性物質汚染災害廃棄物への対応について

ア、2月8日、廃棄物埋立施設「いわき市クリンピーの森」の所在地である渡辺町区長会から2度目の要望書が提出され、「渡辺町に放射性焼却灰埋立処分を行なわない」「既に埋設した焼却灰については早期に移動を」求めた上で、「土壌や生産物の放射能濃度を、町民が自由に測定できる装置を町内に設置する」「埋立する放射性焼却灰及び施設の高級安全管理容量を報告する」ことなどを求めているが、市民の廃棄物埋立を引き受けている渡辺町の要望に対してどのように対応するのか。
—答弁(生活環境部長)清掃センターや埋立処分地などの廃棄物埋立施設の管理にあたりましては、施設周辺の皆様の理解と協力をいただきながら、適正な運営に努めてきたところであります。
 特に、今般の放射性物質の問題が発生してからは、地域の皆様の要望等を踏まえ、モニタリング体制の強化や測定データの公表などに努めてきたところであり、今回の要望に対しても、地域の皆様の更なる安心感の確保と言った観点から、誠意を持って対応して参りたいと考えております。
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by kazu1206k | 2012-03-05 16:06 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


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