地域防災計画の見直しと原子力災害対策の強化

6月定例会、6月18日に行った一般質問の詳細ご報告です。今回は、
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1、地域防災計画の見直しと原子力災害対策の強化について 
 (1)地域防災計画の見直しについて
 (2)原子力災害対策の強化について
 (3)消防団員OBによる消防支援組織について
 (4)被曝の最小化対策について
 (5)「原子力事故による子ども・被災者支援法案」について
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のうち、「(1)地域防災計画の見直しについて(2)原子力災害対策の強化について」のやり取りを、以下に紹介します。

昨年の東日本大震災、福島原発震災から1年3ヶ月が経ちました。
いわきの復旧復興、いわきの再生を考える時、大切なことは、人間の尊厳を起点に生存権を保障し、人々の生活と仕事を再建するという、人間の復興であろうと思います。
ひとり一人の命が大切にされ、命をつないでいくことができれば、地域と産業の再生もまた可能であると確信します。

(1)地域防災計画の見直しについて

現在いわき市は、災害対策基本法に基づく自治体の防災業務計画である地域防災計画の見直し改定の作業を、24〜25年度の2カ年計画で進めています。
見直しにあたっては3.11東日本大震災、福島原発震災に対する初期対応はじめ災害対応の十分な検証が必要であり、依然、放射性物質の放出が続く福島原発事故への緊急対応も求められています。

ア、いわき市は、事故直後の市の避難対応など東日本大震災に対する災害対応の実態について、どのように検証しているのか。
—答弁(行政経営部長) 本市における災害時の対応につきましては、市地域防災計画の配備体制を基本としてきたところであり、今回の震災におきましても、市民の避難誘導活動や救急救助活動、ライフライン復旧活動等については、おおむね当該計画に沿った対応が行われていたものと考えております。
 一方、地震・津波による被害に加え、原子力発電所の事故など複合災害となったことにより、初動期における情報の集約や避難所の開設・運営、食糧・燃料など生活物資の調達及び配給に支障をきたしたほか、職員の応援体制の確立が遅れるなどの課題もあったと認識しております。

イ、防災無線のスピーカーが聞こえない津波対策の改善や緊急時の行動基準マニュアルの策定、原子力災害訓練、放射線モニタリングポスト設置による放射線の常時監視など原子力防災対策の改善など、これまで本会議で指摘されたにも拘らず対応しなかった問題は、どのように総括しているのか。
—答弁(行政経営部長) 防災行政無線につきましては、屋外拡声子局の音声等が聞こえづらい地域の方々に対し、戸別受信機による対応としてきたところでありますが、東日本大震災における課題等を踏まえ、屋外拡声子局の改修に併せてスピーカーの数を増やすこととしたほか、昨年8月からは、本市沿岸に大津波・津波警報が発令された際、屋外拡声子局からの肉声放送に加えてサイレン吹鳴を行うなど、より早くかつ明確な情報の伝達に努めているところであります。
 次に、原子力防災対策につきましては、平成11年の茨城県東海村におけるJCO事故を踏まえ、「防災対策を重点的に充実すべき地域(EPZ)」に本市が含まれるよう国・県に要望したものの、実現には至らなかったことから、まずは、国・県が主体となって対応すべきものと判断しておりました。しかしながら、今回の事故におきましては、事故の詳細や放射性物質の拡散状況の推移など市民の皆様の安全を守るために必要な情報収集が遅れ、その後の対応に苦慮したところであります。
 市では、これまでサーベイメーターや安定ヨウ素剤の備蓄などの対策を行ってきたところであり、事故後につきましては、国に対して放射線量の観測体制の整備を要望し、市内474箇所にモニタリングポストが設置されたほか、市独自の取組みとして、支所をはじめ公共施設における空間放射線量の測定、ホールボディカウンターの整備、自家用消費作物の検査体制の整備等を行ってきたところであります。
 今後につきましては、原子力発電所への立入調査権や事故発生時の連絡通報体制等について定めた原子力安全協定を締結するよう、福島県や東京電力に対し、なお一層働きかけるとともに、地域防災計画の改訂において、被害想定や避難計画などを定めた原子力災害対策篇の策定を進めて参ります。

ウ、自主防災組織が機能したかどうかについて、どのように検証しているのか。
—答弁(行政経営部長) 自主防災組織は、「自分たちの地域は自分たちで守る」という考え方に基づき、おおむね自治会や町内会単位で結成されており、平常時は、防災訓練等を通じて地域住民の防災意識の高揚を図るとともに、災害発生時は、災害情報の収集・伝達、消火器等を使用した初期消火活動、地域住民の避難誘導等を行うこととされております。
 しかしながら、今回の震災におきましては、過去に例をみない大規模かつ複合した災害となり、とりわけ沿岸部におきましては、地震後まもなく巨大津波が襲い、自らの命を守ることが精一杯であったこと等から、同組織に求められていた役割を果たせる状況になかったのではないかと認識しております。

エ、今後、地域防災計画改定案の作成日程はどうなるか。
—答弁(行政経営部長) 地域防災計画の改訂につきましては、今年度から2年間で作業を進めることとしております。
 まず、風水害、震災及び津波対策につきましては、今年度は、東日本大震災における被災状況や災害対応の分析、自然条件や社会条件の評価・検証を行うとともに、今後起こりうる地震・津波災害等による被害状況を予測する「災害アセスメント調査」を実施するほか、初動体制を中心とした市災害対策本部の組織及び事務分掌の見直しを行うこととしております。
 また、平成25年度につきましては、今年度の調査結果等をもとに計画の素案を作成し、国の防災基本計画や県の地域防災計画との整合性、さらには、有識者の意見やパブリックコメントの内容も踏まえ、市防災会議において改訂計画を決定することとしております。
 次に、原子力災害対策につきましては、今年度は、原子力発電所事故など緊急時の連絡通報体制の構築や初動体制の整備、災害時の被害想定や避難計画等の検討を行い、当該対策計画の暫定版を策定することとしております。
 また、平成25年度につきましては、今年度実施する災害アセスメント調査の結果を踏まえ、より詳細な災害想定に基づいた避難計画等を策定することとしております。

(2)原子力災害対策の強化について

原発事故に伴う防災対策重点地域について、国は従来の10キロ圏をあらため、30キロ圏までを緊急時防護措置準備区域として地域防災計画の策定を義務づけるとしています。

ア、2年計画で進めるとされる福島第一原発4号機の核燃料取り出しについて、原発直下型地震の危険性の指摘も踏まえ、いわき市として、東京電力と国に計画の前倒しを強く求めるべきではないか。
—答弁(行政経営部長)福島第一原子力発電所1~4号機につきましては、平成23年12月21日に東京電力、資源エネルギー庁、原子力安全・保安院がとりまとめ、政府・東京電力中長期対策会議において決定された「1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」に基づき、現在、事故収束に向けた取り組みを実施しております。
この中で、4号機においては、同ロードマップに基づき、平成24年度中にガレキ撤去、平成25年度中頃に燃料取り出し用カバーを設置、同年12月に取り出し作業を開始することとしております。
 市といたしましては、これまでも国及び東京電力に対して福島第一原子力発電所の一刻も早い事故収束を要望・申入れて参りましたが、今後につきましても、市民の皆様の安全確保を図ることを何よりも最優先する観点から、議員お質しの点も踏まえ、一層強く早期収束を求めて参ります。

イ、国の原発事故に伴う防災対策重点地域見直しによる、いわき市の緊急時防護措置準備区域の方向性を踏まえ、事業者及び福島県との福島原発に関する原子力安全協定締結による運転再開の同意条項化について、いわき市としてどう取り組んでいくのか。
—答弁(行政経営部長) 市といたしましては、今回の事故を受け、現在の原子力発電所の不測の事態の未然防止を図り、市民の皆様の安全・安心を確保することを第一義に、まずは、原子力安全協定の締結を県や東電に対して申し入れを行っているところでありますが、併せて、福島第一原発の事故当時、十分な情報提供がなされなかったことを踏まえ、東京電力との通報連絡体制の構築に向け、協議を重ねているところであります。

ウ、避難計画や緊急時体制の構築を含め原子力災害対策計画については、暫定版の策定を早急に行うべきではないか。
—答弁(行政経営部長)市の原子力災害対策計画につきましては、国の(仮称)原子力規制庁の発足に合わせて実施される防災基本計画及び防災指針の改定後、半年を目処に策定することとされておりますが、関連法案が現在審議中であり、今後の具体的なスケジュールが未だ明確になっていない状況にあります。
 こうした状況を踏まえ、福島第一原子力発電所事故の早期収束が求められる中では、一刻も早い計画策定が求められる状況にあり、国の計画を待つことなく暫定版の策定に取り組むこととしております。
 このことから、現在、市独自に第一原発事故避難の検証や、福島第一、第二原子力発電所に係る東京電力との通報連絡体制の構築に向けた協議を行っているところであり、今後、有識者の意見などを踏まえながら、原子力災害発生時の初動体制や、正確な情報の伝達・周知体制の確立等を進めるとともに、県の動向も見極めながら、年内策定を目指し、早急に取り組んで参ります。

エ、東京電力は先月、去年9月に旧緊急時避難準備区域が解除された住民への精神的な賠償について、1か月あたり1人10万から12万円の賠償を継続する方針を示したが、いわき市の原発30キロ圏内は緊急時避難準備区域に指定されず、精神的な賠償が実施されていないことについて、市長は6月4日の記者会見で「精神的な賠償に差が出るとして、実態を調べる」考えを示したが、いわき市の原発30キロ圏内住民の精神的な賠償について、どのように対応するのか。
—答弁(行政経営部長)精神的損害の賠償につきましては、本市は自宅へ帰還した時点で終了し、最長でも平成23年9月30日までとなっておりますが、広野町等は、既に緊急時避難準備区域が解除されているものの、インフラ復旧状況等を踏まえ、賠償が継続されており、本年8月頃に終期を検討するとされたものであるなど、福島第一原発から30km圏内で隣接する地域において、賠償期間に約1年の差が生じているものであります。
この背景としては、平成23年4月22日の屋内退避区域の解除など避難指示区域見直しの際に、広野町等については、未だに安定しない発電所の状況に鑑み、緊急対応が求められる可能性があることから、「緊急時避難準備区域」に指定されましたが、本市は緊急時に備えて住民が自力で避難できる態勢が整っているとされ、新たに区域指定されなかったことが、その後の賠償に差が生じた要因と考えられます。
このように、隣接した地域の住民間で賠償に差が生じ、感情的には割り切れないものも残りますが、政府によって一応の線引きがなされた結果であり、現時点においては、やむを得ないものであると考えております。

オ、住民は割り切れない思いでいる。現に空間線量率も高く汚染されている現状の中では、賠償に差が出るというのは、いわき市民として納得できるものではないのが基本、割り切れとするのか。
—答弁(行政経営部長)賠償については、原子力損害賠償紛争審査会の最終指針が示されていない状況にあり、本年4月にも明確な指針の作成や県民への適正な賠償を求め、知事が会長である福島原子力損害賠償対策協議会において国、東電に対し緊急要望、要求活動を行い、5月18日に東京電力に東電から回答が示されたところであります。
これらの要望の中では、旧緊急時避難準備区域については早期に帰還した方と現在においても避難されている方では賠償が異なるとし、同等の賠償を求めることとしている他、財物についても被害の実態に見合った賠償を要望しておりまして、いずれも検討を進めるとの回答がなされたところであります。
このことを本市の30キロ圏内にも準用するとすれば、早期に帰還した方と最長で平成23年9月30日までに帰還した方とで賠償額に差が生じておりますことから、同様の考え方に基づいて進める必要があるものと考えられます。
このことから、今後の国および東電の動向を注視しながら、平成23年9月30日までとなっておりますが、その間についての適正な賠償を要望して参りたいと考えております。

賠償の問題については、紛争解決センターもありますが、やはり基礎自治体として、いわき市としてきちんと住民を守るという立場から事を進めて頂きたいと思います。










 
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by kazu1206k | 2012-06-19 19:55 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


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