福島原発事故被災者の甲状腺検査で県議会請願

 9月25日、脱原発福島ネットワークは、福島県議会議長に対して「福島原発事故被災者の甲状腺等の検査体制の確立を国に求める意見書の提出に関する請願書」を提出した。
 これは、政府と東京電力が適切な避難措置をとらず住民が多量の放射線被曝をこうむり、特に子どもたちへの健康影響が懸念されており、チェルノブイリ原発事故後の子どもの甲状腺がんの多発報告の教訓に学び、甲状腺がんの未然防止のため、国・県が必要な検査・医療措置を講じて「早期発見」「早期治療」に努めることが肝要であることから提出された。
 すでに、福島県が本年3月に公表した、県民健康管理調査の子どもに対する甲状腺検査の結果から、福島県内の小児に対する望ましくない環境影響が指摘されているが、この甲状腺検査では、すべての子どもの甲状腺検査終了まで原発事故後3年以上の経過が見込まれ、その後検査は2年ごと、以降は5年ごとに検査を行うというもので、結節・嚢胞の所見があるにもかかわらず、精密検査の機会を提供しないことや、「県民健康管理調査」検討委員会の山下座長が、本年1月日本甲状腺学会会員の医師に対し、個別の相談等に「どうか、次回の検査を受けるまでの間に自覚症状等が出現しない限り、追加検査は必要がないことをご理解いただき、十分にご説明していただきたく存じます」と通知をして、セカンド・オピニオンを得る機会を奪うような行為したり、検査結果に対する情報提供のあり方にも重大な問題があることから、福島県の県民健康管理調査の甲状腺検査に国が積極的に関与し、国の責任において、「早期発見」「早期治療」のために現状を是正すること、対象の成人への拡大や血液検査・尿検査の追加、市町村の検査体制確立にむけた財政援助、甲状腺検査等の拠点病院の確保など、抜本的な検査体制の確立を国に求める意見書の提出の請願をおこなったものです。

以下、請願書です。

●福島原発事故被災者の甲状腺等の検査体制の確立を国に求める意見書の提出に関する請願書

福島県議会議長  斎藤 健治 殿
2012年9月25日

件名 
 福島原発事故被災者の甲状腺等の検査体制の確立を国に求める意見書の提出について

要旨 
 福島原発事故による被災者の健康維持について、国は「被災者の定期的な健康診断の実施その他東京電力原子力事故に係る放射線による健康への影響に関する調査について、必要な施策を講ずる」(原発事故子ども・被災者支援法第13条)とされており、特に甲状腺がんの未然防止ために、現在実施されている福島県の県民健康管理調査の甲状腺検査に国が積極的に関与し、国の責任において、「早期発見」「早期治療」のために現状を是正すること、対象の成人への拡大や血液検査・尿検査の追加、市町村の検査体制確立にむけた財政援助、甲状腺検査等の拠点病院の確保など、抜本的な検査体制の確立を国に求めること。

理由 
 福島原発事故が発生して1年半が経過したが、事故直後、放射性物質放出の正確な情報が、政府からも東京電力からも住民に提供されなかったことにより、適時・適切な避難措置がとられず、放射性物質の拡散方向を知らないまま避難した住民は、多量の放射線被曝をこうむった。このため、福島原発事故による被災者の放射線被曝の影響、特に子どもたちへの健康影響が懸念されている。
 「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援に関する施策の推進に関する法律」第13条は「被災者の定期的な健康診断の実施その他東京電力原子力事故に係る放射線による健康への影響に関する調査について、必要な施策を講ずる」としている。
 チェルノブイリ原発事故後、子どもの甲状腺がんの多発が報告されているところから、甲状腺がんの未然防止のため、国・県が必要な検査・医療措置を講じて「早期発見」「早期治療」に努めることが肝要である。
 福島県が本年3月に公表した、県民健康管理調査の子どもに対する甲状腺検査の結果では、5.0㎜以下の結節や20.0㎜以下の嚢胞を認めたものが13,460人(35.3%)、5.1㎜以上の結節や20.1㎜以上の嚢胞を認めたものが186人(0.5%)とされている。これについて、国内外の甲状腺超音波検査の結果は、10歳前後の小児に嚢胞が発見される割合が0.5〜1%前後とされ、この結果は、福島県内の小児に対する望ましくない環境影響であると指摘されている。
 福島県の県民健康管理調査の甲状腺検査では、すべての子どもの甲状腺検査終了まで原発事故後3年以上の経過が見込まれ、その後検査は2年ごと、以降は5年ごとに検査を行うというもので、結節・嚢胞の所見があるにもかかわらず、精密検査の機会を提供しないことは問題であり、検診間隔の短期化などの見守り予防対策が必要である。また、18歳以下の実施や血液検査・尿中セシウム等の尿検査についても未実施であり問題が残る。
 さらに、「県民健康管理調査」検討委員会座長が、本年1月日本甲状腺学会会員の医師に対し、個別の相談等に「どうか、次回の検査を受けるまでの間に自覚症状等が出現しない限り、追加検査は必要がないことをご理解いただき、十分にご説明していただきたく存じます」と通知をして、セカンド・オピニオンを得る機会を奪うような行為し、検査結果に対する情報提供のあり方にも重大な問題がある。
 いま必要なことは、福島県の県民健康管理調査の甲状腺検査に国が積極的に関与し、国の責任において、「早期発見」「早期治療」のために現状を是正すること、対象の成人への拡大や血液検査・尿検査の追加、市町村の検査体制確立にむけた財政援助、甲状腺検査等の拠点病院の確保など、抜本的な検査体制の確立を国に求めることである。
 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出するよう、地方自治法第124条の規定により、上記のとおり請願書を提出する。
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by kazu1206k | 2012-09-27 18:11 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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