県民健康管理調査検討委員会は出直せ

 10月3日、東京電力福島第1原発事故を受けた福島県の県民健康管理調査の検討委員会に先立ち、福島県が事前に委員を集め秘密の「準備会」を開き、調査結果への見解のすり合わせや「がん発生と原発事故に因果関係はない」ことを共通認識とした上で、検討委でのやりとりを事前に打ち合わせ、出席した専門家に準備会の存在を外部に漏らさぬよう口止めもしていたと報道された。
 検討委員会は、座長が山下俊一・福島県立医大副学長で、広島大などの放射線医学専門家、県立医大教授、国の担当者ら19人で構成され、県立医大が福島県から委託されている県民健康管理調査について助言するとされ、これまで計8回開催されている。
 9月の第8回検討委の直前にも県庁内で準備会を開いている。子供の甲状腺検査で、原発周辺13市町村の3万8114人のうち、一定以上の大きさのしこりが見つかった2次検査対象者186人の中の1人から甲状腺がんが初めて確認されたため、準備会では「原発事故とがん発生の因果関係があるとは思われない」との見解を確認した上で、検討委員会でも委員が事故との関係を質問し、調査した県立医大が回答する「シナリオ」も話し合ったとされ、福島県が運営の誘導と意見調整をしていたとみられている。
 9日、福島県の総務部長を委員長とする内部調査委員会は、5〜8日までの聞き取り調査で「事前の意見調整や誘導の事実は認められなかった」という調査結果を公表し、本番前の準備会の秘密開催、「進行表」が6回分作成され、2回の進行表で誘導疑惑の記述があったことなど、運営について「県民に疑念を抱かせかねない行為があった」と不適切対応を認めて今後の検討委員会の運営見直し策を示した。
 10日、佐藤雄平知事は県議会で、この問題について「疑念を抱かせかねない行為があったことは県民の皆さんに大変申し訳なく思う」と陳謝し、今後の検討委員に外部委員を追加して客観性を高めたり、検討委員会を定期的に開催することなどの改善策を表明したという。
 福島県は、この問題の幕引きに懸命であるが、このままで果たして現状は改善されるのか。
 事故直後の緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)情報を県民に知らせず避難を誤らせ無用の被曝を拡大した上、受診した予測結果の電子メールを削除した問題はじめ、事故以来あまりにも県民を無視した対応をとり続けてきている福島県の体質を看過できない県民は多い。
 このような運営をしている県民健康管理調査検討委員会で、放射線被曝からほんとうに子どもたちをはじめ県民のいのちと健康を守ることがきるのか。
 県民の命と健康を守るために、本件について、1第3者調査委員会の設置による事実関係の徹底究明、2.座長など責任の所在の明確化、3.検討委員会の公正性と透明性を確保する組織改編と委員の改組、などを福島県知事に求めていきたい。
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by kazu1206k | 2012-10-11 18:35 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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