福島原発事故対応と廃炉、賠償など公開質問状提出

 脱原発福島ネットワークや双葉地方原発反対同盟、ハイロアクション福島原発40年実行委員会など市民グループ8団体は、5月15日連名で東京電力株式会社の廣瀬代表執行役社長宛の「福島原発における事故対応と廃炉、賠償等に関する公開質問状」を福島復興本社に提出しました。
 公開質問状では「わたくしどもは、地震対策、津波対策、老朽化対策はじめ、2010年6月の第一原発2号機における全電源喪失事故など度重なる事故等に対し、過酷事故の防止のため、20数年にわたり提言と警鐘を東京電力に対して行なって参りました。
 しかし、東京電力の過信と傲慢さが、これらの対策を怠り、福島第一原子力発電所の冷却材喪失事故を引き起こし、福島県民はじめ全国、全世界の安全・安心を灰燼に帰しました。東京電力の安全軽視、効率優先の利潤追求最優先の企業体質が、最悪の過酷事故を招いたのです。」として、30項目の質問を提出したもので、5月27日に具体的な文書回答を求めています。
 市民団体は、「原発震災前、わたしどもと東京電力の毎月の交渉は、2011年2月23日、楢葉町 福島第二原発ビジターホールでの「福島第一原発1号機の40年超運転に反対する申入書」の提出が最後でした。第一原発の爆発により、予定していた3月23日の交渉が開催不能となり、実に2年3ヶ月ぶりの東京電力との交渉」としてます。公開質問状の内容は、以下の通りです。

●福島原発における事故対応と廃炉、賠償等に関する公開質問状

2013年5月15日
東京電力株式会社 代表執行役社長 廣瀬 直己 様

 貴社は、わたしどもが20年来一貫して警告してきた原子力発電所の安全確保を怠り、2011年3月11日、原子炉過酷事故を回避できず、原発震災を引き起こしました。
 3月11日、マグニチュード9.0の巨大地震と巨大津波による、貴社福島第一原子力発電所における外部電源及び非常用電源の喪失に伴う冷却材喪失事故に対して、貴社の初期対応が失敗した結果、炉心溶融、水素爆発が引き起こされ、今なお、未曾有の危機が続いています。
 最悪の放射能汚染事故は、空気と水、大地、海洋を汚染し、依然、大量の放射性物質を環境中に放出し続けています。事故直後、放射性物質の放出についての正確な情報が、貴社から自治体・住民に提供されなかったため、適切な避難措置がとられず、住民の避難が遅れ、放射性物質の拡散方向を知らないまま避難した住民は、多量の放射線被曝をこうむりました。現在も、妊婦や乳幼児はじめ16万余の住民が避難を余儀なくされ、200万福島県民はじめ多くの国民が放射線被曝の脅威と健康不安にさらされ続けているのです。
 わたくしどもは、地震対策、津波対策、老朽化対策はじめ、2010年6月の第一原発2号機における全電源喪失事故など度重なる事故等に対し、過酷事故の防止のため、20数年にわたり提言と警鐘を貴社に対して行なって参りました。
 しかし、貴社の過信と傲慢さが、これらの対策を怠り、福島第一原子力発電所の冷却材喪失事故を引き起こし、福島県民はじめ全国、全世界の安全・安心を灰燼に帰しました。貴社の安全軽視、効率優先の利潤追求最優先の企業体質が、最悪の過酷事故を招いたのです。
 口先の謝罪や福島第一原子力発電所1~4号機の廃炉のみでは、ふるさとを追われ、財産を奪われ、人間関係と地域社会の絆を断ち切られた上に、放射線被曝の脅威にさらされ心身ともに蝕まれている福島原発事故被害者の心痛は増すばかりです。
 貴社は、原子炉内情報や使用済核撚燃料、高レベル汚染水などのサイト内情報を適切に公開していません。奮闘されている多くの作業員の放射線被曝管理や放射線防護も問題になっています。更に、貴社の責任回避、不適切な損害賠償などによって、事故被害者である福島県民等の生活と生業は、依然、先行き不透明感に覆われ困難と疲弊を極めています。
 原発震災前、わたしどもと貴社の毎月の交渉は、2011年2月23日、楢葉町 福島第二原発ビジターホールでの「福島第一原発1号機の40年超運転に反対する申入書」の提出が最後でした。第一原発の爆発により、予定していた3月23日の交渉が開催不能となり、実に2年3ヶ月ぶりの貴社との交渉となります。
 私たちは、福島第一原発事故の早期収拾、放射線防護の徹底、被災地の原状回復と完全な損害賠償はもとより、福島原発全原子炉の廃止と脱原子力へのエネルギー転換を、貴社に対して強くもとめながら、下記の通り質問致します。項目毎に明快かつ具体的な文書回答を求めるものです。



1、東京電力福島第一原発事故の現状と今後の対応について

(東北地方太平洋沖地震・津波の影響、敷地形状)

① 東北地方太平洋沖地震・津波による非常用復水器の破損をはじめとする原子炉機器配管への影響を明らかにされたい。
② 福島第一原発は東日本大震災において海側に5㍍余りせり出したと聞き及んでいる。そのため地形全体が隆起、陥没により地下水脈や地形に大きな変化が生じていると推測されるが、福島第一原発の敷地形状に関する調査の結果を示されたい。

(原子炉格納容器の現状と対策)
③ 1~3号機がメルトスルーに至り原子炉格納容器までデブリが流れ落ちていると聞き及んでいる。デブリが格納容器のどこまで流れ落ち、沈み、形状や温度分布などどうなっているのか、明らかにされたい。
④ 格納容器に落ちた燃料の取り出しは前例がなく、高度な技術的開発が必要と聞くが、今日的技術がそこまで到達しているのかどうか、明らかにされたい。
⑤ 冷却水は約400立方㍍/日と聞き及んでいるが、1号機から3号機まで1日何トン投入され、漏れ出ているのは何トンか、また投入された冷却水は全量回収されているのか、明らかにされたい。
⑥ 格納容器が一部破損し、投入された冷却水が漏れ出て地下水と混ざり、その一部が地下水脈に当たり、放射性物質が直接海に流れ出ている危険性はないかどうか、明らかにされたい。

(再臨界・再溶融の想定)
⑦ 1号機~3号機及び4号機燃料プール等における再臨界・再溶融の想定及びその防止策を明らかにされたい。

(汚染水処理対策)
⑧ 汚染水対策として2015年まで70万トンの容量を確保するとしているが、廃炉作業が40年~50年とした場合、約2年後には貯蔵タンクの容量が不足する見込みである。汚染水及び処理済み水の全量を貯蔵できる容量を継続して確保できるよう、タンクの増設問題や耐用年数を十分考慮しているのか、長期的な汚染水処理の計画及び実現可能な対策を明らかにされたい。
⑨ 地下貯水槽と漏洩した汚染水について、モニタリング、周辺環境への影響評価を的確に行っているのかどうか、明らかにされたい。
⑩ 汚染水タンクのパッキンの耐用年数が5年程度の評価と聞き及んでいるが、その長期的対策と手法を明らかにされたい。
⑪ トリチウムは現段階では、科学的にも物理的にも、普通の水と分離することは難しいとされているが、今後の方針を明らかにされたい。
⑫ 地下水バイパス効果により、どの程度の量の地下水流入を抑制できるのか、明らかにされたい。
⑬ 海側遮水壁の設置について検討していると聞き及んでいるが、今後、地下水流入抑制の抜本策とあわせ、長期的な海洋汚染防止対策の進め方やスケジュールを明らかにされたい。
⑭ 他核種除去後の処理水及び地下水バイパス水などの海洋放出について、漁業者の同意を得られない場合の対応を明らかにされたい。

(原子炉及び使用済み燃料)
⑮ 1号機から3号機の原子炉及び1号機~4号機の使用済み燃料の処理が最優先課題と「IAEA」が提唱しているが、その問題解決の諸方策は何か、明らかにされたい。
⑯ 使用済み燃料のプール貯蔵から乾式貯蔵への転換の見通し及び期間を明らかにされたい。

(作業員の被ばく管理、要員計画)
⑰ 作業員の被ばく管理の現状及び放射線防護対策、要員計画を明らかにされたい。

(放射能汚染及び除染、汚染物の管理貯蔵)
⑱ 福島県内外に及ぶ広範な放射性物質の放出による食品及び農地の放射能汚染に対する対策を明らかにされたい。
⑲ 放射能汚染地の除染対策及び除染による汚染物の管理貯蔵について、明らかにされたい。

(バックアップ体制、その他)
⑳ 1号機~3号機での原子炉内の「温度計信頼性評価結果」の「監視対象」の略語記号を明らかにされたい。

2、東京電力福島第一原発及び第二原発の廃炉について

(廃炉の工程)

① 第一原発及び第二原発における廃炉の工程とその見通しを明らかにされたい。
② 廃炉工程における高レベル放射性廃棄物の「暫定管理」と「総量管理」について、明らかにされたい。

3、東京電力福島第一原発事故の原因及び責任と損害賠償について

(事故の原因及び責任)

①本件事故の根本原因を、明らかにされたい。
②本件事故の責任の所在を、明らかにされたい。

(健康と人権)
③本件事故による被曝者の健康管理及び医療支援についての対応を明らかにされたい。
④本件事故による被災者及び避難者への生活支援についての対応を明らかにされたい。

(損害賠償)
⑤本件事故の損害賠償について、そもそも貴社が国策により原発を稼働させ事業を行っていたものであり、加害者である貴社や国が一方的に賠償範囲を示すこと自体、損害賠償の在り方として不正常だが、これを改善する考えがあるか、対応を明らかにされたい。
⑥本件事故による被害者には、放射線被曝による健康管理・避難・医療・除染など生活上、生業上、健康上など全ての物質的身体的精神的な損害はじめ、全産業における風評被害など現実に被っている全ての損害を賠償の対象とすべきものの、現状では被害に見合った十分な賠償に至っていないが、今後の対応を明らかにされたい。
⑦本件事故による被害者には、被害に見合った十分な賠償を受ける途が確保されるべきであり、本件事故の損害賠償請求権について消滅時効を援用しないことを確約すべきであるが、対応を明らかにされたい。
⑧本件事故による不動産、財物賠償について、現行の方式では被害に見合った十分な賠償とはいえず、公共事業の立ち退き補償並みの賠償を求める声など、被害者が自立した生活再建、新たな生活への転身が可能となる賠償額の保証が求められており、少なくとも被害前と同等の住宅を再取得することが可能な賠償が必要である。今後の対応を明らかにされたい。

以上

風下の会福島    脱原発の日実行委員会福島   脱原発福島ネットワーク 
ハイロアクション福島原発40年実行委員会    福島原発30キロ圏ひとの会   
福島老朽原発を考える会  双葉地方原発反対同盟  ふくしまWAWAWA−環・話・和ーの会 
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by kazu1206k | 2013-05-15 14:34 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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