原発事故被害者に寄り添い支援を続ける共同宣言

福島県弁護士会、山形県弁護士会、新潟県弁護士会は、福島原発事故による『被害者のそれぞれの選択を尊重し、福島県内に滞在する被害者、避難を継続する被害者、そして帰還または定住を選択する被害者につき、そのいずれを選択した場合であっても、適切な支援を受けられるよう、被害者に寄り添い、共同して支援を続けていく』宣言を3月11日付けで公表しています。以下、紹介します。

●原発事故被害者に寄り添い、支援を続けていくことの共同宣言

第1 宣言の趣旨

福島県弁護士会、山形県弁護士会、新潟県弁護士会は、東京電力福島第一原子力発電所の事故(以下「福島原発事故」という)によって、被害にあった方々(以下「被害者」という)が、その滞在、避難、帰還、定住いずれを選択した場合であっても、適切な支援を受けられるよう、被害者に寄り添い、共同して支援を続けていくことをここに宣言する。

第2 宣言の理由

 1 2011年(平成23年)3月11日に発生した福島原発事故は、福島県民を中心とする多くの国民に避難を余儀なくさせ、被ばくさせ、生活や財産、営業、雇用、教育、地域コミュニティーなどを、広範に、継続的かつ長期的に根底から破壊し、あらゆる人権を侵害し続けている未曾有の公害事故というべきものであり、その影響は、福島県民全員に及ぶものである。
 2 これまで、福島県弁護士会は、福島原発事故の地元弁護士会として、避難した被害者、滞在した被害者、そして避難後に帰還した被害者に対し、様々な法的支援を行ってきた。
 また、山形県弁護士会、新潟県弁護士会は、もっぱら福島県内から避難した被害者に対する法的支援に携わってきた。
 3 福島原発事故から3年が経過した今もなお、除染作業は停滞した状況にあり、避難の有無にかかわらず、福島原発事故後も福島県内において生活し、滞在する選択をした多数の福島県民は、目に見えぬ低線量放射線被ばくの恐怖と謂れなき差別への不安による心理的負担や、放射線防護のための心理的・肉体的・経済的負担等を余儀なくされている。
 また、福島原発事故後、山形県や新潟県など福島県外に避難する選択をした被害者も、避難により、家族、親戚、友人らと離ればなれになり、住み慣れたわが家を離れ、故郷を離れ、避難先における住環境、就労先、通学・通園先等の確保、移動に伴う負担等のため、さまざまな心理的・肉体的・経済的負担を余儀なくされている。なお、2014年(平成26年)2月13日現在、山形県内へ避難した被害者等は6,067人、新潟県内へ避難した被害者等は4,757人である(復興庁ホームページ)。
 そして、避難生活の負担及び苦労や様々な事情を抱え、福島県内への帰還を選択する被害者もいる一方で、低線量被ばくへの不安や就学などの事情で避難先での定住を選択する被害者もおり、そのいずれかの選択の間で現に決断を迫られている被害者もいる。
 さらには、上記各選択においては、世帯の構成員ごとに異なる選択を余儀なくされることもある。
 しかし、そもそも、福島県内への滞在、福島県外への避難、避難先からの帰還、避難先での定住のいずれの選択も、被害者である福島県民にとっては苦渋の決断であり、福島原発事故がなければ自然豊かな故郷で安心して暮らし、かかる苦渋の選択をする必要もなかったものである。
 4 このような選択を尊重し、支援するために、2012年(平成24年)6月21日に「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」(以下「子ども被災者支援法」という。)が成立したものの、残念ながら、基本方針の策定に時間がかかり、支援内容も必ずしも十分なものとは言えない。
 また、福島原発事故から3年を経ても除染は遅々として進まず、さらには、そもそも十分とはいえなかった賠償の打ち切りも始まっている。
 さらには、避難先における借上げ住宅に関しても、子ども被災者支援法では国が「移動先における住宅の確保に関する施策」を講ずることとされているにもかかわらず、現時点では、2015年(平成27年)4月以降の具体策は示されていない。もとより、借上げ住宅の根拠法が災害救助法とされ、供与期間の延長が繰り返されるなど、支援がいつまでなのかが不透明な点が解消されない結果、避難している被害者は、今後の生活設計すらままならず、不安な状況を強いられている。
 以上のとおり、本来、国民の生命・身体、生活の安全を守るべき国の支援政策や賠償政策が不十分と言わざるを得ない中、弁護士又は弁護士会による支援が不可欠である。
 前述のとおり、福島県弁護士会、山形県弁護士会、新潟県弁護士会は、福島原発事故後、それぞれの立場で、継続して被害者の支援を行ってきたものであるが、被害者の選択を尊重したさらなる支援のためには、主として滞在した被害者を支援してきた福島県弁護士会と、もっぱら避難した被害者を支援してきた山形県弁護士会、新潟県弁護士会とが、それぞれの経験、知識を結集するとともに、その橋渡し役となることが必要である。
 5 よって、福島県弁護士会、山形県弁護士会、新潟県弁護士会は、被害者のそれぞれの選択を尊重し、福島県内に滞在する被害者、避難を継続する被害者、そして帰還または定住を選択する被害者につき、そのいずれを選択した場合であっても、適切な支援を受けられるよう、被害者に寄り添い、共同して支援を続けていく旨、ここに宣言する。

2014年(平成26年)3月11日

福島県弁護士会      
会 長 小 池 達 哉 

山形県弁護士会      
会 長 伊 藤 三 之 

新潟県弁護士会      
会 長 味 岡 申 宰 
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by kazu1206k | 2014-03-30 17:34 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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