福島原発震災情報連絡センター第4回総会開く

 4月25日〜26日、福島原発震災情報連絡センターの第4回総会&被災地スタディツアーが福島県いわき市いわきゆったり館などで開催され、大分県、大阪府下、新潟市、静岡市、東京都区、千葉県下そして地元福島県いわき市などから、被災者支援の活発な活動を続けている全国の自治体議員が参集した。震災センターでは、この1年、原発震災で強要される汚染と被曝を強いられる人々の「生存権」、特に子どもたちの命と健康を守るために、「原発事故子ども・被災者支援法」の理念に基づく基本方針の早期策定及び具体的施策の実現にむけて、「『原発事故子ども・被災者支援法』推進自治体議員連盟」の結成を呼びかけ、政府交渉などの活動を強化してきました。
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 日程の1日目は、研修として、いわき市から被災自治体の取り組み報告ーモニタリングと除染、地域防災計画原子力災害対策編、食品測定、WBC、甲状腺検査などの報告、福島県生活環境部から、避難者支援、県民健康調査、自然体験活動などの報告、市民活動の報告としていわき放射能市民測定室たらちねから甲状腺検査、いわきの初期被曝を追及するママの会から市内の小学校測定、学校給食の食材問題などが報告され、質疑応答が行われました。また、福島原発震災情報連絡センターが実施したアンケート調査から避難者支援や保養の受け入れの現状が報告されました。
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 総会では、「2013年度活動報告」「2013年度会計報告並びに監査報告」「2014年度活動計画(案)」「2014年度予算(案)」「役員選出」などが審議されました。
 また、2日目は、いわき市をへて楢葉町から富岡町を視察するとともに、「原発・除染労働の実態について」全国一般いわき自由労働組合の桂書記長からも話を聞きました。
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●以下は、承認された「2013年度活動報告」と「2014年度活動計画」の抜粋です。

「2013年度活動報告」
1.原発震災で強要される汚染と被曝を強いられる人々の「生存権」(憲法25条)を保障し、特に子どもたちの命と健康を守る活動
(1)「原発事故子ども・被災者支援法」の理念に基づく基本方針の早期策定及び支援施策の強化、「健康管理手帳」・定期的な健康診断・医療行為の無償化などに向けた活動
・2013年6月、高木基金補助事業成果を報告。ウクライナ訪問を通した福島原発事故に対する施策・制度的な比較という問題意識でまとめた報告は関心を集め、「原子力市民委員会」での検討作業にも利用された。
・2013年8月、当センターが核となり、広く超党派に呼びかけ、「『原発事故子ども・被災者支援法』推進自治体議員連盟」(以下「自治体議連」)を結成。政府交渉などを重ねてきた。
・支援法の具体化や基本方針に関する意見書として、会員が関わりながら小金井市、佐倉市、新潟市、静岡県内各市などで可決。
(2)非汚染食品を送り届ける活動や各種測定機器及び検査機器等の購入など
・静岡からいわき市の保育所への非汚染食品の送り届けなど、会員が取り組んだ。
(3)妊婦や児童・生徒の避難、疎開、保養などの受け入れ・制度化の実現
・静岡の「わくわくピクニック」、岡山の「春休み・夏休み保養プラン」をはじめ、各地で会員が関わって保養プロジェクトに取り組んだ。

2.社会や経済、地域のあり方の転換を伴う原発震災からの「復旧・復興」を実現する活動
(1)100年を超える期間を射程にした自然災害に強いまちづくり、分散型エネルギー、交付金依存からの脱却、一次産業の育成や新たな地域経済、過度なエネルギー依存のライフスタイルからの転換
・(2014年明らかになった背景)現在、すでに福島および被災地の復興は阪神大震災の時と比べて明らかに遅れている。被災地だけでなく全国で展開される「防災減災」事業や今後のオリンピック特需により、今後も工事関係の資機材や人手の不足が見込まれ、これが復興の足かせとなる懸念があることも見ておく必要がある。
・4月の総会時、いわき市の「道山林」視察などを通して、巨大堤防とは異なる防災のあり方を見学した。

3.脱原発に向けての情報や経験の交流を行う活動
(1)福島現地の運動と連携し、情報や経験の交流を進める
・4月25日、いわき市で開催した総会と併せて研修会を企画し、政府の原子力政策に抗った歴史や原発事故に至る福島県政の状況などを佐藤前知事から、原発事故後の基礎自治体における原子力災害対応の実際の報告をいわき市職員から、それぞれの講演・報告を受け、議論した。また、翌日には富岡町、仮設住宅、復興商店街、市民放射能測定室「たらちね」などへの視察をおこない、被災地の現場を訪問して被害者の声を聞くことから、被災地支援、被害者支援の方向性を探った。
・被災者支援に関わる自治体アンケートを企画、準備した(発信・集約は今年度)。
(2)「原発事故子ども・被災者支援法 市民会議」や「脱原発首長会議」との連携
(3)NPO/市民団体や研究者と連携し、脱原発、原発再稼働の阻止、原発安全規制の強化、放射能被害対策、除染・震災廃棄物問題などについて情報収集と研究を進め、必要な課題について政府、政党、国会議員に対して政策提言や申し入れ
・((2)と(3)一括)自治体議連を通して、また各市民団体と連携し、「支援法」基本方針の策定や具体化に向け、全国運動・署名運動へ積極的に関わり、各政党の国会議員への働きかけや調整等で力を発揮した。
(4)世界脱原発運動と連携し、国際交流
・日本政府に対し「避難基準の厳格化」などを求める勧告をおこなった国連人権委員会特別報告者アナンド・グローバーの報告院内集会(3月26日)への参加等、機会をとらえて情報収集に努めた。
(5)ニュースペーパーを年2回発行
・ニュースペーパーは1回のみの発行(7月)となったが、ML等で適宜情報を発信した。

「2014年活動計画」

 わたしたちは被害当時者に寄り添い、センターの設立趣意書に掲げた方針(※末尾参照)に基づき、自治体議連や関連団体と連携し、特に2014年度は、以下の活動に重点的に取り組む。

1.被災者の「生存権」の確立・保障に向けた活動
・原発震災による被曝者への国家補償を明確にした上での「健康管理手帳」の交付、定期的な健康診断・医療行為の無償化・社会保障を組み込んだ(仮称)「福島原発被曝者援護法」の制定への取り組み
・支援法の拡充・具体化への取り組み
・被災者・避難者からの聴き取り、被災者支援に関わる自治体施策などの情報収集およびその整理・公表
・目的の実現に向けて必要な課題について、自治体議会での意見書、政府・国会への要請・交渉行動
・保養・一時避難、非汚染食品提供、被災地の放射能検査などへの支援

2.原発震災後の被災地域や全国の社会・経済・地域のあり方を問い直す取り組み
・震災後3年を経た被災地域や被災者の実情把握と課題の整理、2020年東京オリンピックに向けた被災地および全国の「復興・復旧」事業の実態の把握

3.福島と全国の往還活動や情報発信、センター内部での情報交換を活性化することを通して、世論の喚起や社会の理解の深化へつなげる取り組み
・ニュースペーパーを最低年1回発行するとともに、MLでの情報発信に務め、また会員からの情報提供の活性化をお願いする。Facebookの活用なども検討する。
・各自治体への要請、議会での勉強会の開催など、会員の活動の活発化を図るため、センターとしての支援・情報提供をおこなう。

4.その他
・ウクライナ現地への再視察を追及する。目的は、小児甲状腺ガンはじめ各種疾病の発症とその治療体制などの政府行政の対応の歴史的経緯と長期的健康管理などの課題を視察調査することにより、福島原発事故後の我が国の対応を検証し、今後の長期的健康管理や医療体制構築などの施策策定の提言に資するものとする。なお、混乱する政治情勢下、被災者の現状も把握したい。

※参考:福島原発震災情報連絡センター設立趣意書(2011.10)抜粋「目的と活動」

1.原発震災で強要される汚染と被曝を強いられる人々の「生存権」(憲法25条)を保障し、特に子どもたちの命と健康を守る。
(1)非汚染食品の提供、放射能測定器購入などへの支援
(2)福島県外への避難・疎開の受け入れの拡大とその制度化の実現
(3)「被曝者健康手帳」の発行と定期的な健康診断、医療行為の無償化、社会保障を組み込んだ「福島原発被曝者援護法」の制定を目指す
2.社会や経済、地域のあり方の転換を伴う原発震災「復旧・復興」の実現
(1) 100年を超える期間を射程にした自然災害に強いまちづくり、分散型エネルギー、交付金依存からの脱却、一次産業の育成や新たな地域経済、過度なエネルギー依存のライフスタイルからの転換など、自治体の新しい姿を目指す
(2)これらを実現・推進するための法的枠組みの研究
3.福島と全国の情報や経験の交流
(1)福島の情報発信としての「語り部」、福島の現実に学ぶ活動など、往還運動を進め、脱原発社会実現のため情報や経験の交流を図る
(2)その他、志を共にする市民運動やNPOなどとの連携や情報交換を進める
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by kazu1206k | 2014-04-28 07:57 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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