住宅、健康調査、保養、方針見直しで政府交渉

 5月21日参議院議員会館で開催された、「原発事故子ども・被災者支援法」推進自治体議員連盟による、『もう待てない!「原発事故子ども・被災者支援法」の基本方針の見直し、緊急課題の解決を求める院内集会・政府交渉』は、支援法の基本方針の見直し、住宅支援・健­康調査などの緊急課題に解決に向けて、政府に対し­要望書の提出を行い、これら懸案事項に関する政府交渉を実施しました。2回目の報告は、政府交渉のメモです。
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 ●政府交渉:午後2時~4時
① 「原発事故子ども・被災者支援法」の基本方針の見直し、緊急課題の解決を求める要請書、質疑交渉。
<緊急課題の解決について>
(1) 住宅提供(住宅借上制度)の提供期間の延長、転居等の柔軟な運用、新規受付の再開に国が責任を持つこと。
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 回答(内閣府防災担当):借り上げ制度=災害救助法の担当。応急仮設住宅。災害救助法出の対応は困難。住宅を不足しているので、特別に規定。特例的に1年ごと。賃貸住宅が確保されていくことが前提で、今後の対応検討。

質問;法律の体系、法制度のあり方から見たことを回答しているだけ。救助法の枠で考えるのがおかしい。広い枠組みで避難者の生活支援としての住宅確保度言う政策制度があり得るのか。現状起きていく実態を見て必要な施策を考えてほしい。

回答(内閣府防災担当);内閣府の立場のみ。どうするのか答えられない。

質問;支援法でもうたっている。復興庁の立場で回答を。借り上げ制度の延長で無償で、という要望は、自治体からも出ている

回答(復興庁);基本方針の中でも仮設借り上げは1年延長。その先は決まっていないが、直ちに追い出すことはしない。公営住宅については具体的な検討中。災害公営住宅のあり方も検討中。

質問(当時者);不足が大きい。「ただち~」は、いつか?長期的に確保してほしい。進学等も見通しが立たない。公営住宅優先、有料では困難。経済力がないと避難できないのはおかしい。災害公営住宅があっても、汚染地帯に帰られない。ニーズに合致していない。

回答(復興庁);住宅には要望いただいている。関係省、福島県とも相談しながら。環境省が宅地周りの除染は頑張っている。

質問(当時者);どけても、また来てしまう。福島高専の土壌は、一度きれいにしても、1年後は1万ベクレルを超えてしまう。避難することで被曝を避けている状況、短期的に回復する事例を示してほしいくらい。長期的安定して住居の提供を。従来の話から進んでいない。

回答(復興庁);住宅の要望は重要な問題と思っている。

質問;27年3月では、打ち切らないということだが、いつまでにめどをつけるのか政府方針として示すのか?

回答(復興庁);なるべく早めにお示ししたい。関係者の間で努力。

質問;借り上げ住宅の延長を早く決めてほしい。公営住宅の入居円滑化の報道を見ても、経済的困難に直面している避難者、賠償もろくに支払われていない人が、心理的に追い詰めることになる。延長の方向性であるということを、一刻も早く文書で公表を。

質問;公営住宅の空きはない。問題が起こる。入れない人は沢山いる。被災者だけ緩和するのは大きな問題となり、やっかみが起こる。そういう問題もちゃんと考えているのか?公営住宅の数を数えたのか?都と市区営住宅の数、被災者の居住地を調査してほしい。

回答(内閣府);仮設住宅の延長について、福島県との協議していることは事実。文書で公表。元々の考え方。1年ずつ延長はできることは公表済み。

回答(復興庁);報道について、入居に円滑化、報道発表した事実はない。決定ではない。実施に向けた作業の中ででた報道。公営住宅の数は、復興庁では把握していない。

質問(当時者);公営住宅の入居円滑化は望んでいない。なのに、そのことで追い詰められ、バッシングされるのは、心外だ。

質問;公営住宅の内容。現実のニーズと合致していない。解決しない。

質問;災害救助法の1年方式。支援法ができたのに、3.11以降の新事態に対応していない。
要望;被災者の声を聴く場を設けるべきである。

福島瑞穂議員
住宅は連携をとり、早い段階で安心が得られるよう、今後交渉していく。

<基本方針の見直しについて>

1、支援対象地域について

(1) 支援対象地域は、福島県内の33市町村のみでなく、放射性物質汚染対処特措法に基づく汚染状況重点調査地域はじめ年間追加被曝線量が国際放射線防護委員会(ICRP)勧告の一般公衆の被ばく限度量である年間1mSv以上となる全地域及び福島県の全域とすること。
(2) 準支援対象地域は、支援対象地域より広い地域で、高線量や汚染が観測・確認された地域でも適切な支援が実施されるよう拡大すること。
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 回答(復興庁);基本方針で対象地域を決定。発生後積算20mSv以上に達する恐れのある地域、避難地域と連続しながら相当な線量。それに限らず、準ずる者を支援する。支援対象地域に留まらず、準支援対象地域を決めた。相まって必要な施策を届けたい。

質問;千葉県流山市、重点調査地域として、除染等。基本方針では対象外。整合性がない。なぜ指定されなかったのか?

回答(復興庁);準支援対象で幅広く対応する。必要な施策をしている。

質問;測定をして除染をしたのはなぜか?健康に不安があったからではないか。20mSvに連動させるというが、健康調査は検討すらされていない。自治体は除染・測定を続ける。

回答(復興庁);20mSvと連動させたのではない。

質問;20mSv以上に連続する準支援対象地域はどこか?

回答(復興庁);対象地域の見直しは検討していない。準支援対象地域は復興庁のHPに掲載している。

質問;基本方針案後、国に準じた施策を基礎自治体が乗り出す。基本方針以降、自治体や市民の活動をどう受け止めているのか?

回答(復興庁);色々な声を聞いている

質問;黙って聞いて、何一つ反映されていない。公聴会等でも。基本方針は霞ヶ関文学。表を見ると既存施策が並び、全国が対象。一度たりとも、ちゃんと聞いてください。

回答(復興庁);基本方針のパブコメ、27年3月までだったのをそれ以降も適切に対処すると加えた。

質問(当時者);物事に折り合いをつけられるが、命には折り合いがつけられない。疲れ果てて、こなくなっている人が多い。今、復興庁中心にやっている議論はフェアではない。当事者について、行政当事者ばかりを見ている。実際に避難している人、自主避難者に直接ヒアリングをしたことがあるか?

回答(復興庁);あります。NPOを通じた情報支援事業。避難者に集まっていただいて、直接話を聞いた。札幌、いくつが募集中。避難者を多いところを、会場多く実施する予定。

質問;やりとりは公開されるか。

質問;どこで実施したのか、昨年分も掲載している可能性。

2、支援対象地域で生活する被災者への支援について

(1) 子どもたちの宿泊移動教室や長期休暇時のリフレッシュ保養への支援拡大、制度化を実現すること。
(2) 心身の健康保持のため保護者等の保養休暇制度を創設すること
(3) 教職員に対する低線量被曝に関する放射線防護教育を実施すること。その場合、法第一条で明記された「放射性物質による放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分に解明されていない」という観点を十分に踏まえ、既成の安全論のみに依拠せず、危険性を指摘する主張や意見、予防原則の考え方なども重視すること。
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回答(文科省青少年課)(1) 保養について=移動教室、キャンプ支援、交流事業、福島県に補助、要綱作成。補助事業の申請状況は、小中学校46校(昨年比同じ)、幼稚園・保育園163(1.5倍。5割が県外)申し込み始まったばかり。社会教育団体の申し込みは6/2からスタートする。

回答(文科省初中局)(3) 教職員セミナーを開催し適切に実施。科学的に十分解明していない点を含めて実施。

質問;前向きに進んでいることの1つ。県外への保養が推進できる補助制度。4/25福島県の社会教育課のヒアリング。県外の保養活動のグループ、この規定ではハードルが高いのではないか。就学前は保護者にも補助。ただし、計画に位置づけてること、全員参加が前提。融資では対象にならないとの回答。期間の短縮?柔軟な対処が可能か?

回答;福島県教育委員会は、国からの要綱を受けとめている。学童保育は、社会教育団体ではないと県教委が言うので、年間計画・予算を持ては対応可能とさせた。全員参加の条件も確認する。多くの子どもたちに活動に参加してほしいと思っている。要綱に反しない、柔軟に呼んで対応してほしい3.2億円=福島県で10億円の予算。お金が足りなくなることを恐れている。県外長期、検討しつつ相談していきたい。今後事業を見直し、来年度の概算要求へつなげたい。

質問;教職員への研修?具体的内容は都道府県に任されるのか?

回答;講師派遣 社団法人エネルギー環境理科教育推進研究所。県教委では、教員用の指導資料を作成したときいた。伊達市の副読本。

3、支援対象地域以外で生活する被災者への支援について

(1) 移動支援のため高速道路の乗降区間内利用等の改善を図ること。また、自家用車や高速道路以外の移動支援も整備すること。
(2) 母子避難に伴う託児施設の確保や移動先における就学・就業支援の促進・拡大を図ること。
(3) 家族と離れて暮らす子どもに対する各種支援を進めること。


回答(国交省高速道路課・鉄道課)(1) 原発事故避難者への無料措置、緊急限定的措置。避難元と避難先の最寄りインターで連続した場合のみ。子どもが離れている親と会うための措置。・鉄道は民間事業者。移動支援として運賃の低減。

回答(厚労省)(2) 母子避難に伴う保育所の確保・・避難先の自治体において保育をしなければならない。入所手続きは、避難先で申し込む。避難世帯の状況を鑑み優先的に入所を通知。・就業支援。雇用機会の創出。帰還と避難先両面で支援。ハローワークできめ細やかな雇用相談。雇い入れの支援。帰還者就職支援事業。・就学・・文科省

回答(厚労省)(3)・避難生活の長期化。心含め健康面。子どもに対する支援。保育料の減免した市町村に公費負担する。児童福祉施設での給食の放射線検査費用の補助。親を亡くした子どもへの支援。今年度、各種支援をパッケージ化して補助金を創設。
子どもを持つ家庭への訪問。保健師専門相談。安心してすごせるスペース確保のための改修事業。全額国費負担。


4、放射線による健康への影響に関する調査、医療の提供等および国際的な連携協力について

(1) 健康被害を未然に防止する観点から、健康調査の範囲を拡大し、放射線量の低減及び健康管理に万全を期すること。
(2) 全ての被災者に健康管理手帳を交付すること。
(3) 全ての被災者の定期的な健康診断、子どもの生涯にわたる健康診断を実施すること。
(4) 甲状腺がんの未然防止のために、現在実施されている福島県の県民健康調査に国が積極的に関与し、国の責任において、「早期発見」「早期治療」のために現状を是正すること。
(5) 血液検査、尿検査等の追加、市町村の検査体制確立にむけた財政援助、甲状腺検査等の拠点病院の確保など、抜本的な検査体制の確立を図ること。
(6) 大人も含め全被災者の医療費負担の減免を行うこと。
(7) チェルノブイリ事故による影響について、小児甲状腺癌以外の健康被害に関する最新の医学的知見や報告(事故25周年国際会議の報告等を含む)などの情報の収集や調査研究を進め、今後の対策に活かすこと
(8) 健康調査や医療については、法の第一条や原子力規制委員会設置法の参院付帯決議を踏まえ、ICRPの知見や基準のみならず、ECRRなどの主張も参考にすること。


回答(環境省)(2)、(3)、(6)は「専門家会議」への要請書の項で回答。(1)、(4) 、(5)、(7) は、復興大臣宛文書なので回答を用意していない。

5、意見の反映等および法の見直しについて

(1)被災者の意見を反映するため常設の被災者等協議会を設置し、施策策定に参画させること。
(2)支援対象に指定された地域を「放射線量に係る調査の結果に基づき、毎年支援対象地域等の対象となる区域を見直す」(附則第2項)に基づき指定から除外する場合は慎重に対処し、健康調査・医療提供など必要な支援策が継続できるようにすること。
(3)施策の拡充や見直しにあたっては、被災者の声はもちろん、支援活動に従事する者などの意見も聴取すること。


回答(復興庁)被災者等協議会は作らない。色々なチャンネルで聞いていく。見直しの方針はない。

質問;何ができるか考えていきたい、ではなく、意見聴取したときに何をやらなくてはいけないのかを考えてほしい。

質問;個人がいって意見を述べる機会はあるのか?

回答(復興庁);三菱総研に委託し、NPO通じた情報支援事業を実施。

② 「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」への要請書、質疑交渉。
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1.「支援法」の趣旨や国会決議を踏まえ、放射線被害に関する従来知見に対する批判的な意見を反映させること

(1)批判的な識者を常任の委員会メンバーとして複数名追加すること
(2)会議の進捗と併行し、「放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会」(http://www.foejapan.org/energy/news/130130_2.html)などとの定期・不定期の意見交換の機会を設けること


1)回答(環境省)実施は困難。臨時で招くこと、ヒヤリングは可能。

2)回答(環境省)ご意見、議論をこういう場で聞かせていただき、意見交換したい。

2.健康管理のあり方の抜本的改善を図ること

(1)健康調査などの範囲を拡大し、少なくとも「汚染状況重点調査地域」とされている地域を含めること
(2)検査内容を強化すること
(3)住民への説明や情報公開を徹底すること


回答(環境省)(1)(2)福島県近隣県については、有識者会議が設置され、健康調査のあり方が議論されている。国連科学委員会等の知見に基づき意見交換。県民健康調査を丹念に実施。その他の県では特段の必要がないと判断されている。

(3)福島県内で4回、福島県12回、近隣県各2回。車座集会;モデルケース。懐疑的だった方が理解。成果があった。川内村の保健師(長崎大学院生)。浪江町、富岡町、保健師等への支援活動。・情報公開、福島県のHP、県立医大の先生、52回158回実施、1600人以上参加。

3.今後の健康被害対策では、下記を実現すること

(1)原子力規制法や被爆者援護法、東海JCO事故時の賠償・補償基準から後退しないこと
(2)健康管理手帳を交付し、検査機関への受診や医療の無償化等を図ること


回答(環境省)健康管理手帳は、専門家会議で検討中。賠償は文科省。

質問;議員立法として成立している。法の精神からずれている内容になっている。法律の求めている内容を施行実行してほしい。内閣府、各省庁が協力していない状況が問題だ。

質問;住民の説明は抜本的に見直してほしい。低線量被曝、安全神話がはびこるような状況を少人数で実施している。パブリックな場では行われていない。
影響がないわけではない。パブリックな場で、御用学者が審議会で内輪で話を決めていても、信用できない。
関係6省庁のリスクコミュニケーション、問題に非常にある。一方的なWHOの一部のみ。アンスケア報告の一部のみを流用し、刷り込みしている。大きな問題、心配。
チェルノブイリで信じていることが本当ではない。現場の医師や政府が批判している報告。政府に乗らない情報をチェックしてほしい。情報をちゃんと見てほしい。

●宿題;就学支援、要請書を提出しているので、答えるべき担当者。復興庁がコーディネイトしてください。

質問(井戸川前双葉町長);東電や国がすべきことをしないで、被害者に押しつけられている。環境省と市民が議論する事自体がおかしい。被害市町村が議論すべきなのに、その枠組みが壊された。被害立地市町村を排除したまま、動いている。環境省が決めるのではなく、自治体が関わって決めるはず。基礎自治体の権利を除外されている。国民を愚弄している。専門家という言葉はない。住民が決める。

質問;専門家に限定なので、国の重要な施策を決める場だから。崎山さんは専門家。実際のメンバーは、ごく限られた御用学者。専門家は沢山いる。本当は当事者市民の代表が入るべき。専門家会議、4回傍聴。仲間内の議論をぼそぼそとしている。崎山さんが参加した回はまともな議論をしていた。他の委員は、放射線量の危険性を議論する場ではなく、許容できるか、我慢量を議論している場だと、主張していた。我慢量は、国民自身が判断するものではないか。

回答(環境省)我慢量は把握していない。専門家会議は、基本方針に 被曝線量を把握、健康管理、医療の問題。

回答(環境省)意見は伝える。固める趣旨はない。

●まとめ:自治体議連中山事務局長
なかなか変わらない。しかし、少し前進がある。今も議論を重ねている。崎山さん以外の参加もあった。市民・専門家委員会の場の設定もあり得る。少しずつ、突破口にして、分厚い行政の壁を打ち破っていきたい。これからも何とか力を発揮していきたい


*詳しいやり取りは、下記の画像をごらんください。
20140521 UPLAN【切ない政府交渉】
UPLAN もう待てない! 原発事故子ども・被災者支援法の基本方針の見直し、緊急課題の解決を!
http://www.youtube.com/watch?v=tUyMdjtfTiA
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by kazu1206k | 2014-05-24 10:10 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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