集団的自衛権の行使容認反対、立憲主義の日弁連決議

民意を無視する安倍政権の暴走が止まらないが、日本弁護士連合会は5月30日の定期総会で「重ねて集団的自衛権の行使容認に反対し、立憲主義の意義を確認する決議」を採択し、『重ねて、政府が憲法解釈の変更によって集団的自衛権の行使を容認しようとすることに対し、立憲主義及び徹底した恒久平和主義に反するものとして、強く反対する』態度を示した。

●重ねて集団的自衛権の行使容認に反対し、立憲主義の意義を確認する決議

当連合会は、2013年5月31日の第64回定期総会における「集団的自衛権の行使容認に反対する決議」において、政府が、従来の確立した集団的自衛権の行使に関する政府解釈を閣議決定あるいは法律の制定によって変更しようとしていることに強く反対を表明した。

これまで政府は、一貫して、憲法第9条の下における自衛権の行使は、我が国に対する急迫不正の侵害(武力攻撃)があり、これを排除するために他の適当な手段がない場合に、必要最小限度の範囲のものに限って許容されるものであって、我が国が直接武力攻撃を受けていない場合に問題になる集団的自衛権の行使は、その範囲を超えるものとして憲法上許されないとしてきた。

ところが、政府は集団的自衛権の行使容認等に向けて、2013年12月に国家安全保障会議(日本版NSC)を設置した上、自衛隊を質・量共に強化し、その活動範囲を広げる等、実力による国際紛争への対処の方向性を強く打ち出し、従来の政府解釈の自衛権行使要件の緩和につながりかねない「国家安全保障戦略」、「平成26年度以降に係る防衛計画の大綱」及び「中期防衛力整備計画(平成26年度~平成30年度)」を閣議決定した。

そして、自衛隊法や周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律(周辺事態法)、国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律(PKO協力法)等の個別法を改正しようとしている。また、政府は、集団的自衛権の行使に関する憲法解釈の変更を閣議決定等によって行う方針を示した。

さらに現在、政府は、安倍晋三首相の私的懇談会である「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の報告を受け、憲法解釈を変更する閣議決定を行おうとしている。

このような憲法の基本原理に関わる変更を国民の意思を直接問う手続を経ることもなく、内閣の判断で行うことは、仮に集団的自衛権の行使に「限定」を付して認めるものだとしても、憲法を最高法規とし、国務大臣等の公務員に憲法尊重擁護義務を課して(憲法第98条第1項及び第99条)、権力に縛りをかけた立憲主義という近代憲法の存在理由を根本から否定するものである。立憲主義は、全ての人々が個人として尊重されるために憲法が国家権力を制限して人権を保障するというものであり、近代自由主義国家が共有するものであって、その趣旨は、個人尊重と人権保障にある。したがって、立憲主義の否定は、これらの価値を否定することにつながり、到底容認することができない。

憲法前文は、全世界の人々の平和に生きる権利を実現するための具体的規範たる平和的生存権を定め、憲法第9条は一切の武力による威嚇・武力の行使を放棄し、他国に先駆けて戦力の不保持、交戦権の否認を規定して、軍事力によらない徹底した恒久平和主義を実現しようとするものであって、これらは世界に誇りうる先駆的意義を有する。

憲法の徹底した恒久平和主義の下における外交・防衛政策は、軍事力によるのではなく、あくまでも平和的方法による国際的な安全保障の実現でなければならない。世界各国が相互に密接な経済的依存関係を有する今日、軍事力に頼るのではなく、平和的方法による地域的な共通の安全保障を追求することこそが現実的である。そのとき、世界に先駆けてあらゆる戦争を排した日本国憲法の先駆的意義こそが指針とされなければならない。

当連合会はここに重ねて、政府が憲法解釈の変更によって集団的自衛権の行使を容認しようとすることに対し、立憲主義及び徹底した恒久平和主義に反するものとして、強く反対する。

以上のとおり決議する。

2014年(平成26年)5月30日
日本弁護士連合会
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by kazu1206k | 2014-06-01 23:30 | 平和 | Comments(0)

佐藤かずよし


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