東電元会長ら起訴相当!検察審査会が議決

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 福島原発告訴団は、東京電力福島第一原発事故の責任を問い、東電元幹部や旧原子力安全・保安院幹部らを含む33人を業務上過失致死傷などの疑いで2012年に告訴した事件で、東京地検が全員を不起訴処分としたため、2013年10月16日、東電元幹部だけに絞り勝俣恒久元会長ら6人を東京検察審査会へ審査申し立てを行いました。
 福島原発告訴団は、「6人は津波を予測でき、対策を決める権限もあった」と東電旧経営陣の責任を問い、多くの上申書を提出し、被害者証言集会の開催はじめ全国から要請ハガキを送るなど、東京検察審査会に「起訴相当」を強く求めてきました。

 これに対し、東京第五検察審査会は、不起訴とした東京地検の処分に対し、勝俣恒久元会長、武藤栄元副社長、武黒一郎元副社長の3人を業務上過失致死傷罪で「起訴相当」、小森明生元常務は「不起訴不当」、鼓紀男元副社長、榎本聡明元副社長は「不起訴相当」とする議決を7月23日に行い、31日公表しました。これを受けて、検察は再捜査をはじめることになりました。今後、仮に検察が再び不起訴としても、別の検察審査会が再び起訴相当と議決すれば強制起訴されます。起訴の流れは大きくなりました。

 東京第五検察審査会の議決書は、市民の立場から検察の証拠を読み込み、東電元幹部が事故を予見できたこと、結果を回避できたことを事実によって論証して、東京地検の論理を完膚なきまでに粉砕しました。

 議決書は、「事業者には高度な注意義務がある」として、「原子力発電は一度事故が起きると被害は甚大で、その影響は極めて長期に及ぶため、原子力発電を事業とする会社の取締役らは、安全性の確保のために極めて高度な注意義務を負っている」「福島第一原発の事故は、巨大な津波の発生が契機となったことは確かであるが、そもそも自然災害はいつ、どこで、どのような規模で発生するかを確実に予測できるものではない。」「根拠のある予測結果に対しては常に謙虚に対応すべきであるし、想定外の事態も起こりうることを前提とした対策を検討しておくべきものである。」と画期的な判断をしました。

 そして、東京地検が東電元幹部らの予見可能性・結果回避可能性を否定したことについて、「原子力発電所を扱う事業者として、安全性の確保のための対策をとることが必要である津波として認識することが可能であったといえれば、津波襲来に関する具体的な予見が可能であったというべきである。そして、この予測に応じて必要な対策を施した場合に、事故の結果が回避できたというのであれば、結果回避可能性も認められる。」としました。

 そこで、津波襲来に関する予見可能性ついて、「地震調査研究推進本部(推本)の『三陸沖から房総沖に書けての地震活動の長期評価について』(長期評価)とこれに基づく津波高の試算が重要な意味を持つと考える」と、推本が地震予測に関し権威を有する機関であり、その予測は科学的な根拠に基づくとして取り込むべきものと認めました。その上で、東京電力が2008年に15m超の津波を試算しながら対策を取らなかったこと、試算を受けて推本の長期評価を土木学会の検討に委ねた東電元幹部の対応を「時間稼ぎ」として推本の予測を「容易に無視できないと認識しつつ、何とか採用を回避したいとのもくろみがあった」と判断しました。
 また、勝俣元会長の「重要な点は知らなかった」と言う言い逃れにも、検察審査会は「信用できない」と断じ「想定を大きく超える津波が来る可能性について報告を受けたと考えられる。東電の最高責任者として各部署に適切な対応策をとらせることができた」と当然の判断を下しています。

 東京第五検察審査会が出した「議決書」は以下をご覧下さい。
■議決書https://docs.google.com/file/d/0B6V4ZwGwBEaxUFlzWXBRc1IwVVk/edit?pli=1

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 ●東京第五検察審査会の議決を受けて 福島原発告訴団団長の声明
 福島原発告訴団が申立を行った6人全員ではありませんでしたが、特に重大な責任を問われる3人に起訴相当、1人に不起訴不当の議決が出たことは、妥当な判断をして頂いたものと思っております。一般の東京都民からなる検察審査会が、被害者に寄り添った結論を出してくださったことを感謝いたします。
 検察庁はこの議決が、原発事故に対する国民の想いであることを理解し、直ちに強制捜査を含めた厳正なる捜査を開始して頂きたいと思います。
 福島の被害は今も形を変えながら拡大しています。一日も早く、この事故を引き起こした者が責任を取り、被害者が救済されることを願ってやみません。
 福島原発告訴団は、引き続き、責任追及を求める活動を続けます。
               2014年7月31日 福島原発告訴団団長  武藤 類子

●福島原発告訴団の弁護団 海渡雄一弁護士のコメント 
今回の決定は福島の人々の被害の重みを理解して出された画期的なものである。
東京電力の役員には、高度の注意義務があることを認めたことは画期的である。
推本*には高い権威があることを認めた。
東京電力が推本*に基づく対策を実施しようとしていたにもかかわらず、停止のリスクをおそれ、土木学会に検討を委ね、時間稼ぎをしていたと断罪している。
この決定を受け、検察はかならず、4人について起訴して欲しい。
検察が再度の不起訴に持ち込もうと、強制起訴の流れは変わらないだろう。
                    2014/07/31  弁護団 海渡 雄一

●福島原発告訴団の記者会見の動画は、以下をご覧下さい。
2014.7.31 福島原発告訴団 7.31起訴相当!記者会見
http://youtu.be/V_59gRFO_3E

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by kazu1206k | 2014-08-01 08:26 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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