一般質問報告1ー汚染地下水の放出、放射性物質の飛散、作業安全など

9月定例会、9月8日に行った一般質問の詳細を、3回にわけてご報告します。

1 福島第一原発事故及び廃炉ロードマップに対するいわき市の対応について(第1回)
 (1)汚染水問題、あらたな汚染地下水の放出計画について(第1回)
 (2)がれき撤去に伴う放射性物質の飛散と汚染防止について(第1回)
 (3)国及び県の関連協議機関おけるいわき市の対応について(第1回)
 (4)作業の安全確保について(第1回)


2 新病院建設事業の進め方について
 (1)いわき市新病院デザインビルド事業者選定委員会の審査と附帯意見について
 (2)事業契約の締結及び今後の対応について

3 (仮称)イオンモールいわき小名浜と中心市街地活性化基本計画について
 (1)(仮称)イオンモールいわき小名浜の新設と周辺対策について
 (2)中心市街地活性化基本計画の策定検討について
 
4 鹿島地区のまちづくりと鹿島公民館の整備について
 (1)鹿島地区まちづくり構想と震災後の鹿島地区の現状について
 (2)鹿島公民館の整備について                                  
第1回は、「1、福島第一原発事故及び廃炉ロードマップに対するいわき市の対応について」です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 35番、創世会の佐藤和良です。
以下、通告順に従い一般質問を行います。

大きな第一点は、福島第一原発事故及び廃炉ロードマップに対するいわき市の対応について、であります。

 福島原発震災から3年半、福島第一原発事故は収束にほど遠い現状にあります。東京電力と国は「1~4号機の廃炉措置等に向けた中長期ロードマップ」を国民に示して作業を進めています。

1点目は、汚染水問題、あらたな汚染地下水の放出計画について、です。
 
①まず、地下水バイパスによる汚染地下水の海洋放出について、5月からこれまでの回数、総量、放射能濃度など実施状況はどうなっているか、お尋ね致します。

—答弁(行政経営部長) 東京電力によりますと、地下水バイパスによる地下水の海洋排出は、本年5月21日から8月末日までに合計18回実施されており、総排出量は2万9,634tとなっております。
 また、排出した地下水の放射性物質濃度はいずれも、東京電力が定めた排出基準を下回っているとのことであります。


 地下水バイパスは、漏れた汚染水貯蔵タンクの下流にある観測井戸12本からくみ上げた地下水で、トリチウムが1ℓ当り1500Bqという東京電力の目標値を超えたものまでブレンドして放出している、放出総量を規制しない無責任なものです。
 地下水バイパスの効果も判然としないまま、今度は、建屋周辺の地下水を汲み上げるサブドレン43本から高濃度汚染水を汲み上げ、水処理施設で処理したあと海洋放出する、新たな汚染地下水の海洋放出計画を漁業者に説明しています。
②このサブドレンから汲み上げた汚染地下水のあらたな海洋放出計画について、いわき市は東京電力並びに国からどのような説明を受けているのか、お尋ね致します。

—答弁(行政経営部長) 今回の、建屋近傍の井戸、いわゆるサブドレンから地下水をくみ上げる計画につきましては、8月25日の廃炉・汚染水対策福島評議会において、建屋付近への地下水の流入を抑制するため、地下水をくみ上げ、浄化した上で、地下水バイパス計画で設定した基準値と同様の排出基準を満たすことを確認した後に、港湾内に排出する方針であり、今後、原子力規制庁による浄化設備の設置に係る実施計画変更の審査及び認可を得るとともに、浄化設備の性能等を確認した上で、漁業者をはじめとする関係者に丁寧に説明し、理解を得ていきたいとの説明が、国及び東京電力からなされたところであります。


この計画もトリチウムは全量放出です。建屋周辺で一度汚染された汚染地下水を水処理後放出するのは、地下水バイパスに「苦渋の決断」をした漁業者はじめ住民にとっては耐え難いことです。
汚染水の海洋放出が与える影響について、いわき市は生態系への影響はじめ汚染水の海洋放出が環境と社会に与える影響についてどう判断しているのか、お尋ね致します。

—答弁(行政経営部長) 東京電力によりますと、排出を検討している地下水の放射性物質の排出基準は、WHOが定める飲料水における水質ガイドラインを大きく下回っており、周辺環境への影響は極めて少ないとされております。
 しかしながら、サブドレンからくみ上げた地下水の海への排出は、漁業者をはじめ市民の皆様がその安全性に大きな懸念を抱くものでありますことから、市といたしましては、海洋に排出する地下水に係る監視体制の整備やモニタリングの厳格化、さらには市民への情報公開に万全を期すことなどについて、国の廃炉・汚染水対策福島評議会や県の廃炉安全監視協議会を通じて、国及び東京電力に対し、強く求めて参りたいと考えております。


 サブドレン汚染地下水の海洋放出は、放射能を野放図に大量放出することになり、希釈すればいいというものではありません。汚染地下水の放出という海洋汚染拡大は、生体濃縮による海産物の汚染から人体への影響の懸念が広がります。
④そこで、サブドレンから汲み上げた汚染地下水のあらたな海洋放出計画に関する東京電力の説明責任等について、です。漁業者ばかりでなく海に関連する事業者はじめ市民に開かれた説明会の開催や漁業者はもとより海に関連する事業者はじめ市民の理解と同意がないまま実施を強行しないよう、東京電力並びに国に求めるべきと考えますが、いわき市はどう対応するのか、お尋ね致します。

—答弁(行政経営部長) 東京電力におきましては、サブドレンからくみ上げた地下水について、漁業者をはじめとする関係者に丁寧に説明し、理解を得ること無しに海洋に放出することはないとしておりますが、市といたしましても、当該計画は、汚染水問題の根本的な解決に向けて、国と東京電力が総力を挙げて取り組む総合的な対策の一環として実施を検討しているものでありますことから、その安全性の検証や徹底した監視体制の整備を含め、計画内容についてしっかりと説明責任を果たすよう、国と東京電力に対し、改めて強く求めて参りたいと考えております。

④−2是非強く求めていただいて、県漁連なり市漁協なり、結局は自分らの責任で苦渋の選択をせざるを得ないという追い込み方が東京電力のやり方なんです。そういう意味では漁業者に責任を押し付けるような手法はもってのほかだと思います。やはり、海は漁業者の生活権がありますし、国際的にも大きな問題になるわけです、国民全体の課題ですから、そういう意味では少なくとも我々市議会としは市民に対する丁寧な説明、説明会を是非とも開いてほしいと思いますが、市長のご所見を承りたいと思います。

—答弁(市長) 汚染水の問題につきましてでありますが、先ほど議員がおっしゃる通り漁業者にその責任を求めるのは、非常に酷ではないかとわたくしも感じております。
 そういった中、わたくしは県が前面に出て国と相対していくのが筋ではないかというふうに思っているところであります。東京電力あるいは国に対して市としても言うべきことは言って参りたいと思います。  

⑤次に、抜本的な汚染水対策について、実効性に疑問が指摘されている原子炉建屋周辺の凍土遮水壁の中止とスラリー固化などの遮水壁の導入、汚染水のコンクリート固化の検討など、抜本的な放射能汚染水対策を、いわき市として、あらためて国と東京電力に求めるべきではないか、お尋ね致します。

—答弁(行政経営部長) 国におきましては、「汚染水問題に関する基本方針」並びにその追加対策の中で、「汚染源を取り除く」、「汚染源に水を近づけない」、「汚染水を漏らさない」という3つの柱を掲げ、国が前面に立ち、責任を持って重層的な対策を講じることとしております。
 しかしながら、原子炉建屋周辺の坑道、いわゆるトレンチにおける高濃度汚染水の抜き取り工事が難航し、凍土遮水壁による対策にも遅れが生じるなど、未だその効果が目に見えてこないことから、市といたしましては、国及び東京電力に対し、国内外のあらゆる知見を結集し、一日も早く汚染水問題の解決に向けた道筋が確かなものとなるよう、引き続き強く求めて参りたいと考えております。


世界三大漁場の三陸沖、豊かな恵みを生む常磐沖、潮目の海は市民の宝です。サブドレン汚染水の海洋放出は、実害そして風評被害も拡大する展望なき計画です。漁業者も市民も納得できるものではありません。いわき市として言うべきことをきちんと言って頂きたいと思います。
 
2点目は、がれき撤去に伴う放射性物質の飛散と汚染防止について、です。

 昨年8月19日、第一原発3号機の大型がれき撤去作業中に、放射性物質の粉じんが飛散して、作業員2人が被曝し、南相馬市の避難区域外の水田14カ所と20キロ圏の避難区域内5カ所で収穫された米から基準値を超えるセシウムが検出、8月中旬に出始めた稲穂に付着していました。

3号機でのがれき撤去に伴う放射性物質の飛散と水田等の汚染実態について、いわき市の実態も含めて、いわき市はどのように把握しているか、お尋ね致します。

—答弁(行政経営部長) 福島第一原発3号機のガレキ撤去作業に伴う放射性物質の飛散に係る事象につきましては、ガレキ撤去が行われていた昨年8月19日に、県が設置している双葉郡のモニタリングポストにおいて、空間線量率の一時的な上昇が確認されたものの、本市に設置されているモニタリングポストにおいては、有意な変動は確認されておりません。
 また、本市において収穫された平成25年産米の放射性物質の全量全袋検査におきましても、国の基準値であります1kg当たり100ベクレルを上回る米は
検出されていないことを、確認しております。

⑦続いて、1号機の原子炉建屋カバー取り外しとがれき撤去計画について、です。東京電力が対策とする作業時の散水、ちりを吸引する局所排風機、防風シートの導入などの効果は不透明で、現状では飛散抑制対策が不十分であることから、いわき市として実効性のある十分な放射性物質の飛散防止対策の確立を求め、当面、1号機の原子炉建屋カバー取り外しとがれき撤去計画の凍結を、東京電力に対して求めるべきではないか、お尋ね致します。

—答弁(行政経営部長) 福島第一原発1号機のガレキ撤去につきましては、これまで、本市を含む関係自治体が、県廃炉安全監視協議会などを通じ申し入れていた、ガレキの飛散抑制を踏まえた作業手順や、悪天候時の作業中止基準などについて、去る8月25日に開催された廃炉・汚染水対策福島評議会において、東京電力から説明がなされ、それぞれの対策が確認されたところであります。
 これを受け、東京電力は、1号機カバー解体への着手を予定しているところでありますが、今般のガレキ撤去作業は、廃炉に向けた中長期ロードマップに基づき、1号機燃料プールからの燃料取出しのために行う重要なプロセスの一つでありますことから、市といたしましては、東京電力が実効性のある飛散抑制対策を着実に実行し、再び放射性物質の飛散を引き起こすことのないよう、廃炉・汚染水対策福島評議会や県廃炉安全監視協議会等を通じ、国及び東京電力に対し、引き続き、強く求めて参りたいと考えております。

⑦−2 国・県の関連協議機関については、次にお尋ねいたしますが、廃炉プロセスの中でガレキの撤去は重要だというのは当然でありまして、問題は飛散防止です。その意味で南相馬市の方ではダストモニターを新たに6カ所設置する予算措置をするということが伝わっております。昨年8月は幸いにも風向きによって被害はありませんでしたが、いわき市も風向きによっては被害が出る可能性もあるわけです。その意味でダストモニターの設置場所の拡大と緊急時の体制の確立が必要かと思いますが、その点はいかがでしょうか。

—答弁(行政経営部長)  議員のご指摘がありましたように自治体によっては設置している。本市にも1台県の方で設置するということでございますが、その辺は第一番には協議会、評議会において、十分な対策を東京電力に要請しておりますし、またその協議会の中で飛散防止対策の効果、それについては一定の県の廃炉安全監視協議会の中で確認されているということもあります。ただ、不測の事態の時に有意な変動がある・ない、そういった部分もありますので、設置については検討させていただきたいと思います。


 もし万が一出た場合のダストモニターの設置は1カ所では心もとないと思いますので、検討の程お願いします。

3 点目は、国及び県の関連協議機関におけるいわき市の対応について、です。

国の廃炉・汚染水対策福島評議会及び県の福島県原子力発電所の廃炉に関する安全監視協議会におけるいわき市の対応内容について、これまでのテーマに対するいわき市の意見・要望やそれに対する国及び東京電力の対応など、これまでのやりとりはどのようなものか、お尋ね致します。

—答弁(市長) 国の「廃炉・汚染水対策福島評議会」におきましては、国が主体的に進めるべき廃炉・汚染水対策に係る包括的な取組みについて継続して求めているところでありますが、一例を挙げますと、県民に対し、廃炉に向けた取組みを、分かりやすく説明すべきとの要望に対しては、子ども達にも分かりやすい資料の作成に取り組むとともに、いち早く労働環境の改善を進めるべきとの要望に対しては、大型休憩所や給食センターの設置、全面マスク省略可能エリアの拡大などの対応が図られているところであります。
 また、県の「原子力発電所の廃炉に関する安全監視協議会」におきましては、「廃炉に向けた中長期ロードマップ」に基づく個別の取組みについて質疑や確認がなされており、4号機使用済み燃料プールからの燃料取り出しや、地下水バイパス計画、1号機ガレキ撤去作業における安全対策などについて、現地調査を通じて実態の確認を行った上で、それぞれに対して万全な体制で着実に取り組むこと、そして県民に対して、わかりやすく速やかな情報提供を行うことなどを強く求めているところであります。

福島第一原発事故及び廃炉ロードマップへの対応について、関連協議機関はじめ国及び東京電力に対し、いわき市は今後どのような点に留意して対応するのか、市長のご所見を伺います

—答弁(市長) 福島第一原発の廃炉に向けた取組みにつきましては、数十年に及ぶ廃炉作業期間中、多くの市民が不安を抱えたままの生活を強いられますことから、まず、国に対しましては、全ての県内原発の廃炉方針の早期決定はもとより、今般、新たに発足した、原子力損害賠償・廃炉等支援機構のもと、国内外の英知を結集し、廃炉に向けた確実な安全対策や、汚染水対策を万全な体制で着実に進めるための現場作業員の適正な労働環境の確保、さらには、東京電力に対する監視体制の強化などについて、国が前面に立ち、主体的に全力を挙げて取り組むよう、求めて参りたいと考えております。
 また、東京電力に対しましては、「廃炉に向けた中長期ロードマップ」や、「汚染水問題に対する基本方針」に基づき、廃炉・汚染水対策を確実に実行することはもとより、一つひとつの方策について、その効果をしっかりと検証し、確たる実効性を担保するなど、あらゆる経営資源を投入して、廃炉・汚染水問題の早期解決を図るよう、引き続き強く求めて参りたいと考えております。


東京電力と国の対応は、果たして市民の命を最優先に考えているのか疑問です。30年以上続く廃炉過程を考えれば、東京電力と国に追従するではなく、いわき市として腰の据えた施策展開が必要です。いわき市の原子力対策の総合的な強化をどう図るのか、というのは大きな課題ではないかと指摘しておきます。

4点目は、作業の安全確保について、です。

⑩6月定例会での私の質問に対して「東京電力への主体的な現場管理徹底の申入れ」並びに「国へのドクターヘリを含む救急医療体制の充実を機会を捉えて求める」と答弁しましたが、その結果はどうか、お尋ね致します。

—答弁(行政経営部長) 東京電力によりますと、現場作業員の安全確保に向けた取組みとして、本年8月から、移動式休憩所の運用を開始するとともに、協力企業の作業員に対し、適切な労働賃金の確保や労働環境改善を目的としたアンケートを実施し、今後の取組みに反映していくとのことであり、本年4月から、入退域管理施設内に、医師が常駐する救急医療室が設置されたことを含め、これまでの申し入れを踏まえ、一定の進捗が図られているものと受け止めております。
 市といたしましては、去る8月25日に開催されました「廃炉・汚染水対策福島評議会」においても、市長自らが、改めて作業員の適正な労働環境の確保を求めたところであり、今後とも、着実な廃炉作業の推進に不可欠な作業員の安全確保及び労働環境の改善に向けて、東京電力に対し、強く求めて参りたいと考えております。


過日、作業員の賃金でも訴訟に持ち込まれ、6000人の方が毎日作業をされています。今後数十年に渡って人員の確保が担保されていくのか大事な点です。いわき市が拠点ベースキャンプになっていますので、今後ともこの課題に鋭意努力して頂くことを要望して、次の質問に移ります。

e0068696_204244.jpg

[PR]
by kazu1206k | 2014-09-09 20:05 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


by kazu1206k
プロフィールを見る
画像一覧