学習会報告「住民の健康を守る! チェルノブイリと福島」

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 10月2日、福島原発震災情報連絡センターの院内学習会「住民の健康を守る! チェルノブイリと福島」が参議院議員会館で開かれた。
 「原発事故子ども・被災者支援法」の明日になかなか光がさしてこない今、待ったなしの対応を突きつけられているのが甲状腺がん等、子どもたちの健康問題。チェルノブイリと福島の現状を、インターネット放送OurPlanetの共同代表白石草(はじめ)さん、いわき放射能市民測定室「たらちね」の鈴木薫さんが語った。

詳細は、以下の記録映像を参照。
20141002 UPLAN 「住民の健康を守る!チェルノブイリと福島」。
http://www.youtube.com/watch?v=fKRnx27acFs&list=UUhjEbWVGnGHhghoHLfaQOtA


以下は、簡単なメモ。
●福島原発震災情報連絡センター佐藤和良共同代表のあいさつ
 福島原発震災情報センターは、3.11福島原発震災以降、子どもたちはじめ被災者、被害者の生存権を守るために、全国の自治体議員をつないで、運動をつくるために始めた。2011年11月いわき市で発足。自治体議員140人ほどで構成。
 内容的には、「命よりも金目でしょ」の原子力政策に対して、命を徹底的に守る中身をつくる;原発事故被曝者援護法を作れ、定期的な健康診断、疾病の医療費負担、将来の社会保障制度を作ることが必要と、健康管理手帳を被害者にくばり、過酷事故を国家補償の内容として被曝者援護法を作れという運動をやってきた。
 子ども被災者支援法が、骨抜きで、中身が実現されていない現実。子ども被災者たちの健康、補償が必要。今日は健康部分についての学習会。
 また、福島原発震災情報センターは、支援法の自治体議連400名の一部を担っている。来週10月8日、政府交渉、各省庁と交渉する。今日の学習の成果を持って政府交渉に臨みたい。
 チェルノブイリ、福島の現状から、人としての生存権をどう確立していくか、学びあいたい。

●第1部 「長期低線量汚染下での健康管理と医療〜ウクライナ取材報告」OurPlanetTVの共同代表白石草さんの講演
 去年3月、支援法が骨抜きになると確信し、チェルノブイリ、何が国家としてなされているのか、関心をもって取材した。

・取材概要;13年11月13日コロステンとキエフ、14年6月16日オデッサ(保養先)、プレステン(移住先)
・現地で、チェルノブイリ法、検診と保養プログラムを否定する人はいない。
 第1級;3km圏内 ともかく避難
 第2級;5mSv以上 強制避難
 第3級;1〜5mSv 避難の権利
 第4級;0.4〜0.9mSv
・コロステン;福島市と同じレベル。ヨウ素だけではコロステンが上、C134を加えると福島が上。

「チェルノブイリ 28年目の子どもたち 低線量長期被曝の現場から」20分のダイジェスト版上映
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 疾病率が上がっていることは現実。共通認識。放射能が原因かは不明。

チェルノブイリでは、土壌をベースに外部被曝、食物をベースに内部被ばくを推計しいる。それを合算したものをコミュニティ毎にコミュニティドーズを出している。パスポート線量。
国内パスポート=社会保障手帳に記入していく。
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先生の移動が少ないので10年以上勤務しているため、過去と比較しやすい。
汚染地域は各校に校医がいる。地域の小児科医が9〜5月は学校勤務。
看護師は子ども自身については詳しい場合が多い。
100%健康な子どもはいない。
事故当初、白血病・甲状腺癌は5〜10年に増える。その後は癌は落ち着いたが、2代目の子どもたちが通い出してから、慢性疾患が増えている。
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全国では統計集約はとっていない。
体育のグループ分け。健診ベースにルフィエテストで分ける。
ルフィエテスト;心肺機能のテスト
体育の授業中に突然死する子が増えたので、実施することになった。
ルフィエテスト導入後に準備Gグループが増えたという。

学校関係者/医療関係者に女性が圧倒的に多い。

白血病、12人中4人。健診していても発見が後れる子がいる。
大人も健康状態が悪い。
教師も数人死亡。

原発事故の影響、放射線は怖いと、現場の教師はいう。
キエフも健康状態がよくない。

★ステパノワ博士は、国際的にバッシングされている。
組織の中でも、1歩前に出ている。英語で発表する必要を感じ、意欲的に論文発表。
不信感も強い。取っつきにくいイメージが周囲にあるようだ。
長滝文科省リポートでは、ステパノワ論文は非科学的としようとしている。

免疫の低下
崎山さんは、メカニズムとして活性酸素が出て、免疫が全体低下し、心身全体に出る。複数の課題があることになる。

★チュクマ博士 ウクライナ報告「健康影響」の項を編集。
予簿原則に則って懸念のあることをきちっと網羅しようとした。
線量との関係が明確でないと関係性を認めないために、証明が困難。

甲状腺癌は子どもにはなかった病気で、他の要因がないので認めるしかなかった。
明確に因果関係をつけなければいけないことに、いらだち。医療/保健関係は感じている。
作業員の白血病が因果関係が認められていない。個人の線量が不明確とされている。

★日本政府のチェルノブイリ報告
2012年3〜4月 経産省 原子力被災者生活支援チームの取材。
団長は菅原郁郎(経産省NO2)。
健康被害はないとするもの。
チェルノブイリ法を否定するための報告。

実際に報告書に出てきている取材者にあった。
モスカレンコ市長;移住については個人的にはあまり評価できない。
情報公開が不足、国の責任。子どもの健康は一番大事。

ナスビット研究員(原子力ムラの典型的推進派)物理学者
3時間取材。チェルノブイリ法は当初賛成した。今は財政難で指定変更すべき。ゾーン指定が0.5mSv以上であることが厳しい。
子どもの健康管理は必要。

汚染とは何か
現地は0.5mSv以上を汚染地域とする。日本の事故直後の1mSv(千葉等)
それ以下も支援していることが、ナスビット氏には不満

教育科学省
28年目でプログラムが縮小されているのかと思ったが、しっかり実施されていた。

被災者登録制度;データセンター
1G;事故作業員 30km圏内で一定期間作業していた人全て。警備員、バスの運転手、捜査した人、等々。
2G;強制避難(30km圏内)、移住させられた(事故当時第1/第2ゾーン)
3G;3,4ゾーン
4G;2世

94年段階では、1Gのみを対象にしていた。
低線量長期被曝への対応の必要性を感じ、240万人のデータベースとなった。
登録すると特典;汚染しないものを買う補助金をごくわずか。治療等の補償があるので、国に守られている感覚でいるようだ。

保健省
放射線との相対的因果関係を証明するのが困難

専門家向け健康診断の手引き→日本語版はアワプラTVから

2003年2世に対応するために改訂
・指針の必要性;1つだけの疾病にこだわると、全体がわからず過小評価してしまう。正しい統計を取るために全体の評価を統一したい。
・子どもの心身の発達を総合的に評価する。

指針内容;
被曝状況によって5G分け
小児科/歯科/眼科/耳鼻咽喉科、神経科・血液/内分泌。外科・婦人科。

歯科;エナメル質を含めた健康影響評価がある。
風邪/感染症に年に3回以上かかることも、要リスク段階にチェックする。

問診票;体重/血圧/性的発達のチェックも重要。
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チェルノブイリ認定の病気
子どもの病気は、18歳までに認定が必要。その点が問題となってきている。先天性の病気
国際的に認められているものとウクライナ国内で認められている幅が違う。

健診後、認定ー保養(医療+教育)
病院、教育委員会、学校等からピックアップして保養に行かせる。
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保養は4兆円予算
チェルノブイリ 大人6割、子ども4割(5.4万)

7〜18歳;社会的困難のある子どもを優先して保養させる(260万/430万人)

★健康管理を巡る論点
・国の責任による体系的健診が全くない。
・大きな違いは、被曝者援護法の課題は、対象地域が限定的。
健康手帳をもらうのに、明確な線引き。原爆投下後69年後の裁判闘争が必要。
放射線との関係、起因性が明確ではないと認定できないと、被曝も国際的基準が必要。
チェルノは、線量の効果関係よりも、事故影響という形で認定している。

環境省の専門家会議;大詰めの論戦中。

支援されているかどうかの問題。
放射線の起因性を厳格化すると、時間がかかる。

チェルノブイリに学んで、一歩でも進めていきたい。

第2部 いわき放射能市民測定室たらちね 鈴木薫さんの講演
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ウクライナは、国を挙げての子どもを守るプロジェクト。今に至るのには10年かかったという話。大きな問題。
国を挙げて子どもを守るということをしていても原発を推進している。そこに厳しさがある。

たらちねは、2013年度アクティブに甲状腺検診のプロジェクト開始

今現在 サイトアップ嚢胞や結節の数等を集計している。
たらちねの健診では癌は見つかっていない
3100名(2013年度)、2014年1500名(大人も含め)

福島県 A1 何もない、A2何かある、B等々判定。
集団検診。技師が見るため、話ができない。
親の付き添いは不可。2ヶ月後に結果通知。
A2は、どういうないような不明なので逆に不安。情報開示の手続き。
A2の結果内容の詳細を知りたいという申し込みも多い。

血流を見る機能もあるので、がん化していると、血流が流れ込んでいる。
それで確認ができる。
データ管理して、将来的に必要な写真は再出力可能。

放射線の関係と病気の関係を決定づけることは困難。
甲状腺癌に限れば、染色体の検査をすると、7番目の染色体が4割に異常。切除した甲状腺をチェックするしかない。
科学的な検証をしなければ。
福島県立医大はわかっていても、何もしていない。きちっと科学的に検証すべき。
子どもたちの健康を守るには科学的な検証が必要。

チェルノブイリの疾患

不整脈を持つ子が増えている。珍しいものだった。

「がん」がセンセーショナル。それに匹敵し、それ以上に命に関わる慢性疾患が出始めている。世の中が注目してほしい。

西尾先生は、甲状腺癌が出始めるのは10年後。蔓延する。
福島県の子どもを守る立場の母親たちも疲れ果てている。暮らしの中に取り込んで発信することができないでいる。
この問題を考える活動が尻すぼみになってしまって、10年後にそういう土壌がないような自体はすごく困る。

★β線ラボ
放射線はα、β、γ線の3種類がある。
γ線は拾って測定しやすい。
人体に非常に有害な影響を与えるストロンチウムやトリウムはβ線。ゲルマでもβは測定できない。
ストロンチウムはカルシウムと似ていて、骨に吸着しやすい。歯がもろくなるのだろう。
チェルノブイリでは、成人男性の体からストロンチウムが検出された。

大量に降っている。
土壌にどれだけ沈着しているか、ほとんど測定されていない。
専門的な機関が、国の依頼を受けて測定。1資料測定に20万円かかる。
ストロンチウム90は目の前にあるので、測る必要がある。
来年4月から依頼を受けての測定開始予定。
トリチウムは水素系/水と分離ができない。
原発から毎日水を流しているので、ストロンチウム/トリチウムが流出している。定点観測。京都大の今中先生、海洋学の湯浅一郎さん、工学博士の天野光さんに顧問。海洋学の水口さんにも相談にのってもらっている
液体シンチレーションカウンターで、α線もオプションをつけ将来的に計測可能。

球美の里の福島事務所。
第32次保養、本日出発。通年で保養活動をしているのは球美の里のみ。
文科省の保養助成;1団体年に1回で、別団体立ち上げが必要だった。
医療面のケアまで体制が整っていないが、チェルノブイリ基金の経験があるため、どんどん保養が必要との意識。
広河隆一;今、チェルノブイリだったら管理区域0.23μSvには人は住んでいない。福島では、除染の対象区域でしかない。人も子どもも住んでいる。
地表1mで測定する数値。そこに普通に子どもを住まわせている実態。
そんなこといっている場合か。使命感を持って出せというが、そんなの無理。生活実態、コミュニティ優先になる

お母さんたちのカフェ;
知識がない人が多い。セシウムも知らない。
福島の事故レベル7とは何か。チェルノの福島の差。年間5mSvの外部被曝。移住と居住の違い。
内部被ばくと外部被曝、国の食品セシウムの基準値。
自分たちが住んでいる地域の蓄積量。
半減期、外と生物学的半減期。セシウム137等々

ワークショップ形式で学びを深めてほしい。

子どものことを心配しても、深く入り込む人は少ない。コミュニティの中で孤立したり。
避難ママ;チェルノブイリはごそっと避難させて、住居や仕事も用意。
実の親と縁を切って避難。新しい環境、仕事、コミュニティ。夫婦間。貧困。
自己責任。心身共に病になったり、戻る人もいる。
チェルノブイリに学ぶ。30年近く経っているのに未だこの状況。福島の状況。
低線量被曝に甘えて、人を住まわせ続けている。初期被曝と追加被曝。
子どもたちの未来をつくるために。
給食の米に、福島産を使う。自宅からご飯だけ持ち込むことが可能といわれていたのに、弁当か給食かの2者選択。ハードル上げられて孤立が心配。再度教育長との話し合いを持つ予定。
いわきは原発収束の基地。
こどもの健康と経済活動が引き替えにさせられている。
放射能に色々な問題を絡ませられている。
シンプルに考えれば将来に何が必要か。

目を離さず見つめ続け、応援し続けてほしい。

β線ラボの測定料を安くしたいので、寄付を募っている。
地域の方に活用していただけるよう値段を下げていきたい。
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by kazu1206k | 2014-10-05 15:18 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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