再生可能エネルギー買取り中断問題で国に要望書

 東北電力が再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(FIT)に基づく電力買取り契約手続きを中断した問題で、いわき市議会は6日、緊急に安倍内閣総理大臣・麻生財務大臣・小渕経済産業大臣・竹下復興大臣宛に「再生可能エネルギーにおける系統接続等に関する要望書」を提出した。
 意見書では、系統接続保留は「本市の再生可能エネルギー推進と産業振興の根幹を揺るがす事態」「本市はもとより被災地全域の復興の勢いを減退させる」として、送配電網の増強、電力系統の広域運用強化、既に事業着手した発電事業者への経過措置、系統接続保留の早期解除などを求めた。
 東北電力は、9月30日、再生可能エネルギー固定価格買い取り制度に基づく太陽光発電設備と風力発電設備などの新規受け入れを中断すると発表し、10月1日から、特別高圧と高圧で連係する発電事業者からの新規申し込み分と申請済みで契約に至っていない分の回答を保留している。低圧で連係する住宅用太陽光は対象外。
 東北電力管内では、買い取り制度対象とした太陽光や風力発電の設備認定量は5月時点で約1149万キロワット。福島県内の5月時点の設備認定量は439万3339キロワットで、8月末時点の太陽光発電の導入実績は31万7725キロワット。

 以下に要望書を掲載。

●再生可能エネルギーにおける系統接続等に関する要望書

東日本大震災及びこれに伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故から3年6か月が経過した現在、本市では、いまだに原子力災害が収束していないことに加え、双葉地域からの2万人を超える避難者を市内に受け入れながら、日々の課題や長期にわたる困難な課題に向き合い、全市を挙げて着実な復興事業の推進のために心血を注いでいる。
ふくしま全県、浜通り地域、そして本市いわきの真の復興を成し遂げるためには、原子力に依存しない、安全・安心で持続的に発展可能な社会が必要との認識のもと、再生可能エネルギーの飛躍的推進を復興事業計画の重要な柱と位置付け、浮体式洋上風力発電や太陽光発電事業を核とした産業の振興を図るべく、市としての施策を全力で推進してきたところである。
また、平成26年4月11日に閣議決定されたエネルギー基本計画において、世界初の本格的な事業化を目指した大型浮体式洋上風力の実証研究や独立行政法人産業技術総合研究所「福島再生可能エネルギー研究所」の本年4月開所等の取組を踏まえ、福島の再生可能エネルギー産業拠点化を目指すと明記されたところである。
このような中、9月30日の東北電力株式会社による系統接続保留が決定されたことは、本市の再生可能エネルギー推進と産業振興の根幹を揺るがす事態であり、復興施策との協調のもとで事業展開を行ってきた再生可能エネルギー関連事業者の意欲を挫くことは明白であって、本市はもとより被災地全域の復興の勢いを減退させるばかりか、我が国経済の発展に与える損失は重大である。
よって、国においては、再生可能エネルギー事業の更なる推進を図るため、次の措置を講ずるよう強く要望する。

1 送配電網を増強するとともに、電力系統の広域運用の強化、揚水発電や蓄電池の活用等により、電力需給の調整力を確保すること。
2 既に事業を着手した再生可能エネルギー発電事業者への経過措置及び系統接続保留の早期解除のための対策を講ずること。


内閣総理大臣 安倍晋三 様

平成26年10月6日
           いわき市議会議長
               根本 茂

●資料:地域別のFIT制度により導入された設備容量(移行認定分を含む)
(出典:資源エネルギー庁データ等よりISEP作成)
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 2014年6月末までに導入された自然エネルギーの発電設備の設備容量を電力会社の管内毎に整理したもの。最大電力に対する比率が最も高い地域は九州電力管内で23%。その他の地域は概ね8~17%程度。さらに東日本や中西日本の広域での比率はそれぞれ10%、14%程度に過ぎない。
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by kazu1206k | 2014-10-07 19:20 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


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