原発事故被災者の住宅支援、健康診断等で要請・政府交渉

 10日8日、「原発事故子ども・被災者支援法」推進自治体議員連盟の「住宅支援と健康調査に関するシンポジウム・政府交渉」が参議院会館B101号室で開催された。
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 11時からのシンポジウムでは、国会議連から荒井聰会長、福島瑞穂顧問、川田龍平事務局長らがあいさつ、自治体議連が進めてきた避難者支援に関する住宅支援や保養などの自治体調査の結果を中山新潟市議が報告、「住民の健康管理と健康調査のあり方」について、子どもたちを放射能から守る全国小児科医ネットワークの山田真医師、「住宅支援と健康調査に関する新法の制定」について、原発事故子ども・被災者支援法市民ネットワークの海渡雄一弁護士が講演した。
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 14時から16時まで、避難者への住宅支援や支援対象地域内外での健康調査など緊急課題の解決に向けて、復興庁、内閣府、経済産業省、環境省、厚生労働省、文部科学省など政府関係機関に対して要望書の提出を行い、地方自治体議員と避難者が政府交渉を実施した。
 要請は、政府が避難者の意見を聞く場を設け、生活再建や医療福祉などの面で避難者を総合的に支援するための新たな立法措置を講じるよう求めたのに対し、政府は「基本方針に従って進める」と繰り返し、新たな立法には消極的な姿勢を示したため、参加者からは、政府の支援策が避難者の実情に即していないとの批判が相次いだ。
 山田真医師は、「避難者への支援の実情は県や自治体によってまちまち。自主避難者には福島から情報が届かず、不安が広がっている。避難者のニーズを実際に聞いているのか」と質したのに対し政府側は、「福島再生加速化交付金を活用して自治体に相談員を配置したり、住民意向調査を行ったりしている」と、帰還の加速に力点を置いた対象地域も県内が中心という答弁に終始。
 また、避難者への住宅支援について、災害救助法に基づく居住期間の1年ごとに延長の運用を改め、新たな立法措置で長期の住宅供与を実現し、避難者の生活実態や意向に応じて更新や住み替えができる制度を実現するよう求めたのに対し、政府側は、「恒久的な住居として公営住宅に住めるよう、避難者の応募要件を緩和している」と開き直った。
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 要請書は以下の通り。

原発事故被災者に係る生活・住宅支援、健康診断及び健康影響調査、医療支援を求める要請書

内閣総理大臣 安倍晋三 殿                    2014年10月8日
復興大臣 竹下 亘 殿 
環境大臣 望月義夫 殿
厚生労働大臣 塩崎恭久 殿
経済産業大臣 小渕優子 殿
                   

「原発事故子ども・被災者支援法」推進自治体議員連盟

 福島原発事故から3年7ヶ月、原発事故被災者は、今なお13万人余がふるさとを追われ、家族や地域が分断されたまま、全国の応急仮設住宅などで避難生活を強いられている。
 福島県の「福島県避難者意向調査」の調査結果によれば、避難者の6割以上が住まいについて不安を感じ、4割以上が仮設住宅等の入居期間延長を求め、また4分の1が仮設住宅等の住み替えについて柔軟な対応を求めている。
 また、放射性物質汚染対処特措法に基づく汚染状況重点調査地域として指定された市町村を中心に、子どもや住民に健康調査が実施されないことへの不安から、自主的な甲状腺検査などの動きが広がっている。
 「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」(以下「法」)は、「(被災者の)支援対象地域からの移動の支援」「移動先における住宅の確保」(法第九条)、「定期的な健康診断」「健康への影響に関する調査」(法第十三条第2項)、「子ども及び妊婦」や「その他被災者」への「医療の提供」や「費用負担の減免」(法第十三条第3項)等の施策を講ずることを定めているが、政府の「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針」や「被災者に対する健康・生活支援施策パッケージ」は、法の趣旨から逸脱しているため、政府の不作為に対する被災者の不満や批判の声が広がり、法の実現を求める動きが始まっている。
 本議員連盟は、法の基本理念に基づき、原発事故被災者に係る生活・住宅支援、健康診断及び健康影響調査、医療支援等、以下の具体的施策の実現を要請する。


1、原発事故避難者の生活を総合的に支援すること。
① 国は、避難者の意見を聴く機会を速やかに設けた上で、生活再建・医療福祉など、原発事故避難者を総合的に支援する新たな立法措置を行うこと。
② 避難先の地域特性や避難者のニーズに応じて自治体が講じている施策についても、国が適切な支援を行なうこと。

2、国は、避難者の住宅確保のための本格的な施策の実施や新たな立法措置を行なうこと。
① 災害救助法に基づく仮設(みなしを含む)住宅などの応急的な対応で1年ごとに延長するという運用をあらため、新たな立法措置において、避難者への住宅供与期間を相当長期化させ、避難者の意向や生活実態に応じて更新ができ、柔軟に住み替え・転居を認める制度とすること。
② 国による新たな立法措置においては、避難者の意向や生活実態に応じて、新たに避難を開始するものも含め避難、帰還、帰還後の再避難を柔軟に認め、国の直轄事業として住宅供与等を行なうこと。
③ 国は、借り上げ住宅制度の打ち切りを前提にした「公営住宅への入居」方針を見直すとともに、有償の住宅への移転・切替えのあっせんをやめること。

3、原発事故被災者への定期的な健康診断と医療給付の実現、事故由来の放射線による健康影響に関する調査及び医療支援に関する新たな立法措置を行うこと。
① 国は、原発事故被災者への定期的な健康診断と医療給付について、放射線障害検査のため、心電図検査や回数の増など学校検診の拡充、かかりつけ医での血液検査の実施、甲状腺検査も含め現行健康保険制度の適用による医療給付の実現を図ること。
② 事故由来の放射線による健康影響に関する調査について、国の直轄事業として、福島県及び放射性物質汚染対処特措法に基づく汚染状況重点調査地域として指定された区域において、継続的かつ長期的に実施するために、新たな立法措置を行うこと。
③ 平成23年3月11日において、福島県及び放射性物質汚染対処特措法に基づく汚染状況重点調査地域として指定された区域に住所を有し18歳未満であった者の、事故由来の放射線に起因しないといえない甲状腺がん等疾病について、医療費の給付に関する新たな立法措置を行うこと。

4、法第十四条「被災者の意見の反映」の遵守、基本方針の見直しを行うこと。
① 「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」の報告取りまとめについて、法第十四条「被災者の意見の反映」を遵守し、取りまとめに際しては、被災者からのヒアリングの実施と取りまとめ案のパブリックコメントを行うこと。
② 国は、法第十四条「被災者の意見の反映」を遵守して、福島県内及び汚染状況重点調査地域の住民など被災者から意見聴取を行い、支援対象地域並びに基本方針の見直しを図ること。
③ 国は、法第十四条「被災者の意見の反映」を遵守して、被災者の意見を反映するため常設の被災者等協議会を設置し、施策策定に参画させること。

以上
                                      
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by kazu1206k | 2014-10-13 22:00 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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