一般質問報告1ー原発事故処理と健康対策、廃炉庁など

11月定例会、12月1日に行った一般質問の詳細を、3回にわけてご報告します。

1 浜通り拠点都市としてのいわき市の課題について(第1回)
 (1)福島原発事故処理への対応と健康を守る対策について(第1回)
 (2)原発事故収束・廃炉に向けた「事故収束廃炉庁」の設置要望について(第1回)
 (3)廃炉・再生可能エネルギー関連産業等の企業誘致促進について(第1回)

 (4)長期避難者の定住促進について
 (5)新・いわき市総合計画実施計画(平成27年度)と後期基本計画の中間見直しについて
 
2 平成27年度創世会予算要望への対応について
 (1)平成27年度予算編成と編成過程の透明化について
 (2)障がい者福祉の充実について

3 小名浜地区のまちづくりと小名浜支所の整備について
 (1)中心市街地活性化基本計画の策定と国による認定について
 (2)小名浜支所の整備について
  
4 再生可能エネルギー導入推進と東北電力の系統連係への接続保留問題について
 (1)再生可能エネルギー導入推進と東北電力の系統連係への接続保留の経緯等について
 (2)東北電力の系統連係への接続保留に対するいわき市の対応について
                                 
5 いわき市農業委員会の平成27年度建議書について
 (1)国県への要望について

第1回は、「1 浜通り拠点都市としてのいわき市の課題について」の(1)(2)(3)です。
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 35番、創世会の佐藤和良です。
 以下、通告順に従い一般質問を行います。

大きな第一点は、浜通り拠点都市としてのいわき市の課題について、であります。

 私は、6月定例会で「2万4千人の原発事故避難者を受け入れ、原発の事故処理と廃炉工程の拠点的役割を担う、浜通りの復興を支える拠点都市としてのいわき市の現状と課題について」お尋ねして、幾つか提言をさせて頂きました。
 市長は、9月の記者会見で「地理的特性や、本市の有する都市機能を最大限に活かし、既存の産業集積を活かした新たな産業の創出や、復興に携わる方々の研究・居住環境を提供するなど、浜通り地域の復興に向けた『ゲートウェイ』の役割も積極的に提供していきたい」と述べました。
 この「ゲートウェイ」発言は、いわき市が単に浜通りの門や出入り口である、という点を超えて、いわき市が浜通りの復興再生を進める、拠点都市としての位置と役割を、現に担っており、まさに、今後より積極的に担っていく、という方向性を示したものと理解しております。

そこで、1点目は、福島原発事故処理への対応と健康を守る対策について、です。
 
①まず、1号機ガレキ撤去に伴う放射性物質の飛散防止対策について、ダストモニターの設置場所の拡大や緊急時対応など、放射性物質の飛散防止対策はいわき市としてどのように実行したか、お尋ね致します。

—答弁(行政経営部長) 県の計画では、当初、常時監視するダストモニタを小川地区に、月1回測定する、可搬型のダストサンプラーを平及び川前地区に設置し、これら3地点における測定を基本としておりました。
 しかしながら、昨年8月の3号機における事象を踏まえれば、市としては、監視体制をさらに強化する必要があると判断し、県に測定箇所の増設を要望する一方、市独自に、市環境監視センターが所有する機材を活用し、新たに、四倉、三和、小名浜地区の3地点を加え、合わせて、市内6地点での測定体制を構築したところであります。
 その後、県に要望していた増設や体制強化が図られたことにより、結果として、1号機の建屋カバー解体作業が開始された10月22日からは、県により、市内6地点での連続測定が実施されておりますほか、また併せて、福島第一原発敷地内において、万が一、放射性物質が飛散し、敷地内ダストモニタの警報が発生した場合については、東京電力及び福島県から、速やかに本市へ通報する体制が整えられているところであります。

 次に汚染水対策です。東京電力と国は、福島第一原発の原子炉建屋周辺の地下水を汲み上げて地下水位を調整するサブドレン43本から汲み上げた高濃度放射性物質汚染水を、サブドレン他水処理施設でトリチウム等をのぞく放射性核種を除去して海洋放出しようとしています。
②このサブドレン地下水の放出問題について、放出に反対している漁業者に責任を押し付けるのではなく、東電と国が説明責任を果たすべきですが、いわき市として東電と国に市民説明会の開催を求めているか、お尋ね致します。

—答弁(行政経営部長) サブドレンからくみ上げた地下水の放出は、漁業者をはじめ、市民の皆様がその安全性に大きな懸念を抱くものでありますことから、市といたしましては、去る11月26日に、市長自らが東京電力に対し、サブドレンからのくみ上げをはじめ、海洋に排出する地下水に係る監視体制の整備やモニタリングの厳格化について、市民に対して分かり易く丁寧な説明をするなど、情報公開に万全を期すよう、改めて強く申し入れたところであります。
 今後も、引き続き、国と東京電力に対して、適時適切に、市民への説明責任を果たすよう求めて参りたいと考えております。

 汚染水対策は、凍土遮水壁の効果も疑わしい状況で、2号機トレンチの止水も失敗してしまいました。安倍首相の国際公約「アンダー・コントロール」は、制御のめどすら立たず、展望のない計画に漁業者も市民も納得しておりません。
 5月下旬始まった地下水バイパスでは、11月中旬までに35回、55,908トン、トリチウム約115億ベクレルを海洋放出しました。
 改めて国と東電に対し、いわき市として、海洋汚染と風評被害を拡大するサブドレン汚染水の海洋放出を中止し、抜本的な汚染水対策の確立を求め、市民への説明会を開催するよう求めることを要望します。

③次に、除染業務委託の実態について、福島労働局による今年1~6月の除染事業者に対する監督指導結果では、調査した延べ313事業者のうち186事業者で335件の違反が見つかり、是正勧告書を出して改善を指導しています。違反率は59.4%です。
 違反内容は、時間外労働の割増賃金が低く算定されていたり、内部被曝測定の受診時間を労働時間と見なさなかったりするなど、労働条件違反が160件。正確な外部被曝線量が測定されていないなどの安全衛生違反が175件です。
 これらの業務に従事する労働者の労働条件と安全衛生の確保、公共工事での元請け業者の下請け業者への所謂「業務丸投げ」や無許可業者の請負の禁止などの法令遵守が必要です。いわき市の除染業務委託における実態はどうなっているか、お尋ね致します。

—答弁(行政経営部長) 本市の住宅除染業務における、労働条件や安全衛生の法令違反につきましては、労働基準監督署と連携し、適宜、適正な関係法令の遵守徹底について
指導を行っているところでありますが、現在受注している7事業者のうち5事業者において、労働基準監督署から、作業員に対する労働条件の非通知など、労働条件関係違反が2件、マスクの未着用など、安全衛生関係違反が16件指摘されましたが、既に是正したところであります。
 また、業務の一括下請けにつきましては、作業の工程などを確認するために月2回実施している、市と元請け業者による定例会議において、作業の進捗状況及び業務内容について、直接説明を受けるとともに、現場においても、一括下請けではないことを確認しております。
 さらに無許可業者の請負の禁止につきましては、「いわき市元請・下請関係適正化指導要綱」に準拠し、「建設工事の施工」に該当する業務において建設業の許可を有していない業者が下請負人となっていないか、書面および現場にて、問題の無いことを確認しております。
 今後も、不適切な除染作業防止のため、労働条件や安全衛生の関係法令の遵守はもとより、元請け、下請け関係の適正化に努めてまいります。

④次に、福島県民健康調査の甲状腺検査データについて、11月11日の福島県民健康調査「甲状腺検査評価部会」では、肺転移やリンパ節転移など手術症例が部分的に明らかになり、遠隔転移例はかなり深刻で、103例の甲状腺がん及びその疑いは有病率で比較すると通常の60倍で「多発」か「過剰診断」かのどちらかしか理由はないこと、福島県民の声を聞く機会を設けること、福島の甲状腺検査を縮小しないことが確認され、手術症例や遺伝子研究などのデータは誰のものかの議論では、「福島県、県民のもの」という考えが福島県から確認されました。
 しかし、11日の部会や記者会見では公表しなかった遺伝子データに関する分析結果を、福島県立医科大学の鈴木教授は11月14日の日本甲状腺学会で発表しました。甲状腺検査データは「福島県、県民のもの」であることから、福島県、県民との情報共有より学会発表を優先する行為は、誠に遺憾であります。いわき市として適正な情報共有を求めるべきではないか、お尋ね致します。
 
—答弁(保健福祉部長) 「県民健康調査」における甲状腺検査のデータの取扱いにつきましては、県が設置している「県民健康調査検討委員会」や、同委員会の「甲状腺検査評価部会」の場において議論されているところでありますので、今後の動向、並びに
実施主体である県の対応を注視して参りたいと考えております。

(再質問)
県の対応を見守るということでありますけど、やはり、県自体がデータを福島県民のものだということを基本的に確定、確認している事項ですね、学会の方を優先するという在り方自体が、県民の健康を本当に守るという立場よりも、疫学データ等を得るということが先に立っているのではないかという不信感を県民の中に植え付けるということになるのではないか。その点はいかがですか。


—答弁(保健福祉部長)この点につきましては、県において現在進行形で動いているということ、さらには、甲状腺検査の枠組みといいますか、協議で言いますと検査まででして、その先の情報をどうするかということについて、おそらく先ほど申し上げました、検討委員会や評価部会の中でこれから明らかにされていくのではないかという風に思っているところであります。

要望:県民のものであるデータをまず県民に知らせるのが先であって、学会に知らせるのはその次でいいのではないかと思う。部長に言っても部長はそれと同じ答えになるでしょうから、県民側に寄り添うという行政の基本的姿勢にしていただきたいということを要望して、その点を県の方にも市の方から強調していただけないかということを申し上げます。

⑤次に、福島原発事故後の疾病の現状について、県民健康調査により小児甲状腺がんの発症で54人が手術を余儀なくされ、厚生労働省の人口動態調査から原発事故後に福島県内での急性心筋梗塞や全ガンの増加も指摘されております。
 市民から県内における福島原発事故後の疾病の現状について、情報提供を求める声がありますが、いわき市として、わかりやすく情報提供を行う考えはあるか
、お尋ね致します。

—答弁(保健福祉部長) 疾病の現状についての情報提供について、本市におきましては、がん、心疾患、脳血管疾患などの生活習慣病の増加傾向が原子力発電所事故以前から続いていることから、市民が生活習慣の改善に取り組み、その発生予防と重症化予防を実践していただくため、本市の健康増進計画である「健康いわき21」において、全国や県と比較した死因の状況を掲載し周知を図っているほか、健康教育の場を活用し各種情報を提供しております。
 今後につきましても、市民の健康づくりに関する意識の醸成を図るため、機会を捉えて、分かりやすい情報提供に努めて参りたいと考えております。

放射線障害対策について、放射線障害検査のために心電図検査回数の増など学校検診の拡充やかかりつけ医での血液検査の実施、甲状腺検査も含め現行健康保険制度の適用による医療給付の実現が必要と考えます。
 現状は、かかりつけ医での甲状腺検査や血液検査は医療給付の対象でも、健康診断は、特定健診等の義務化されたものだけで医療給付の対象ではありません。
 文科省は学校検診の拡充について、自治体から放射線検査等、実施したい意向があれば、必要な協力をおこなうとしていますが、子どもたちの健康を守るため、放射線障害対策として学校検診での心電図検査回数の増やかかりつけ医での血液検査などの放射線障害対策の実施を検討すべきではないか
、お尋ね致します。
 
—答弁(保健福祉部長) 小中学校における心電図検査につきましては、学校保健安全法施行規則により、小学校1年生と中学校1年生に実施することとされておりますが、本市におきましては、それに加え小学校4年生についても実施しているところであります。
 また、血液検査につきましては、避難区域等の住民などを対象に行われている県民健康調査「健康診査」の検査結果において、年度の違いによる明らかな傾向の変化が見られないことや、「原子放射線の影響に関する国連科学委員会」の報告書において、「今回の福島第一原子力発電所事故によるがんや遺伝的な影響については、増加が観察されるとは予想されない」とされておりますことから、本市といたしましては、新たな放射線対策を実施する必要はないものと考えております。
 市としましては、引き続き、現在実施されている県民健康調査の枠組みの中で、市民の健康管理を推進して参りたいと考えております。

要望:今、国連科学委員会の報告を根拠に検査は必要ないという否定的発言でありますけど、実は国連科学委員会の前にWHOの報告書がもう一方、国際的報告書としてありまして、WHOの報告だと国連科学委員会の報告とは正反対の報告を出しているんです。そちらは増えると。だから「転ばぬ先のつえ」で、検査体制をきちんとすべきだということが言われているんです。今、国の方の健康管理専門委員会も、この国連科学委員会の方だけを取りあげて、WHOの報告を取りあげていないんです。非常に偏った議論が今進んでいるので、この点はまた改めて議論をしたいと思います。ですから、行政当局に於かれましても、国連科学委員会の方だけでなくてWHOの報告書も是非、原文を読んでいたたきたいと思っております。

2点目は、原発事故収束・廃炉に向けた「事故収束廃炉庁」の設置要望について、です。

政府機関として「事故収束廃炉庁」の設置による国の責任ある体制確立を求めるべきとした昨年11月定例会での質問に対して、市長は「国の責任と役割を明確にすることによって、内外の英知・技術の集結が可能となるとともに、財政的な裏付けが担保されることにより、現場作業員の長期的・安定的な確保が図られるなどの観点から、有効な手段である」と答弁しました。市長はこの1年どのような対応を行ったのか、お尋ね致します。

—答弁(行政経営部長) 市といたしましては、福島第一原発の廃炉及び汚染水対策は、これまで原発政策を推進してきた国が責任を持って取り組むべきものと考えておりますことから、本年3月8日の安倍内閣総理大臣への要望をはじめ、昨年12月から本年10月までの間、都合7回にわたり、国などに対し、責任主体である国が前面に立ち、盤石な体制で廃炉に取り組むよう、要望してきたところであります。

⑧過日、いわき経済同友会のフランス視察団も政府機関として責任を持った「廃炉庁」の設置の必要性を指摘したようですが、今後は、どのように要望活動をすすめる考えか、お尋ね致します。

—答弁(行政経営部長) 国におきましては、本年8月18日、国が前面に立って、福島第一原発の廃炉を適正かつ着実に進めることができるよう、支援体制を強化するため、原子力損害賠償支援機構の業務に廃炉支援業務を追加し、「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」を新たに発足させたところであります。今後、廃炉に関する具体的な戦略プランの策定や、研究開発の企画・立案を実施することとしております。
 市といたしましては、同機構を中心とした新たな枠組みにより、廃炉作業の進捗や研究開発にどのような変化がもたらされるか、その成否を注視するとともに、いかなる体制においても、国が前面に立って、主体的に全力を挙げて取り組むよう、今後も引き続き、強く求めて参りたいと考えております。

3 点目は、廃炉・再生可能エネルギー関連産業等の企業誘致促進について、です。

⑨まず、福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想は、「今もなお避難されている原災地域の住民の方々に対し、新たな魅力ある雇用の場を創出することで、自立の一助となるべく検討を進めてきた」と帰還政策の一環ですが、浜通り拠点都市としていわき市の位置をアピールし、主要プロジェクトや関連企業の誘致を積極的に進めるべきではないか、お尋ね致します。

—答弁(行政経営部長)「福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想」に位置付けられた主要なプロジェクトの実現に向け、国は、11月6日に「ロボット研究・実証拠点整備等」及び「国際産学連携拠点」に関する個別検討会を、12日には「スマート・エコパーク」に関する個別検討会を、それぞれ設置したほか、関係省庁や県、市町村で構成する「推進会議」を年内を目途に設置することとしております。
 また、県は、国における構想の具体化の動きを加速させることを目的として、「福島県イノベーション・コースト構想の具体化に関する県・市町村検討会議」を、11月28日に設置したところであります。
市といたしましては、これらの国・県が設置する会議に参画し、双葉地域に隣接し、首都圏に近接している本市の地理的特性や、本市が有する既存の産業集積を活かして、浜通りの復興に向けた「ゲートウェイ」の役割を担うという基本的な考え方に基づき、国際産学連携拠点やエネルギー関連産業など、主要なプロジェクトの誘致を実現できるよう、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

企業誘致促進策について、廃炉・再生可能エネルギー関連産業などの誘致に向け、不足する産業用地の確保のために、四倉工業団地第2期分譲工事の推進を積極的に働きかけるべきではないか、お尋ね致します。

—答弁(商工観光部長) 震災発生以降、本市の工業団地におきましては、仮設施設の設置や、企業による土地取得もあり、活用可能な用地は極めて少ない状況にあるため、市といたしましては、市内の空き工場等の情報を収集し、問い合わせいただいた際に、
適宜情報提供するなどの対応を行っております。
 このような状況の中、県においては、再生可能エネルギー関連産業などの企業誘致の受け皿として、いわき四倉中核工業団地を「復興工業団地」として位置付け、第2期造成を決定し、現在、その整備内容や手法等について検討を進めているところであります。
 市といたしましては、当該団地の早期整備を主体的に進めるよう県に働きかけるとともに、道路や排水施設などの関連公共施設も含めた工業団地全体の整備に対し、十分な財政支援を措置するよう国に要望しているところであります。
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by kazu1206k | 2014-12-02 18:55 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


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