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小野町分場のかさ上げ反対、町長に意見書

 いわき市議会は、2月定例会で「小野町処分場に係る嵩上げ計画を容認しないことを求める意見書」を可決しました。
 小野町一般廃棄物最終処分場は、田村郡小野町につくられた、関東の自治体ゴミ焼却施設からでる主灰や飛灰などの廃棄物の最終処分場です。1996年から廃棄物が搬入され2011年に搬入が終了しましたが、いわき市民の水道水源である夏井川上流に位置するため、市民の飲料水がダイオキシンに汚染されては大変と多くの市民が建設に反対し、議会請願や裁判で争われました。
 事業者である株式会社ウィズウェイストジャパンは、いわき市と公害防止協定を締結していますが、2007年には協定に違反して施設の変更に係る事前協議を行わないまま、処分場の埋立容量を10%近く増量する事案が発生しました。設置許可を福島県が軽微な変更として受理したため、いわき市が同社と福島県に白紙撤回を申し入れて福島県の調停となり、いわき市議会も埋立容量変更を許さないとする反対決議を可決した経緯があります。
 この時、いわき市は小野町から「今後増量を考慮する状況にない」「事業者への土地の賃貸契約については延長は考えていない」との説明をうけて、不本意ながら、県の調停案を受け入れ増量を認めたのです。今回のかさ上げ計画は、8年前に「今後増量を考慮する状況にない」とした小野町の説明を反古にする内容で、いわき市としては到底認められず、反対するのは当然です。
 3月2日に行った、私の代表質問に対して、市長は、「許可権者である県、当該処分場の立地自治体であり、当該処分場の土地所有者でもある小野町及び事業者に対し、引き続き、計画反対の意思を示してまいります。また、平成19年に、当該処分場の今後の増量に対する考え方を問う本市の照会に対し、小野町は「今後増量を考慮する状況にはない」と回答していることから、同町に対しましては、この考え方を今後も堅持するよう求めてまいります。私は、市民の安全・安心を確保するため、この嵩上げ計画について、今後も断固たる反対の意思を貫いてまいります。」と答弁しました。
 以下に、いわき市議会による小野町町長宛の「小野町処分場に係る嵩上げ計画を容認しないことを求める意見書」を掲載します。

●小野町一般廃棄物最終処分場に係る嵩上げ計画を容認しないことを求める意見書

 本市の水道水源の一つである夏井川上流部にあたる小野町南田原井地内で、株式会社ウィズウェイストジャパンが設置した小野町一般廃棄物最終処分場について、同処分場の環境対策協議会において、事業者から処分場を嵩上げし埋立容量をさらに増量させたい旨提起された。
 同処分場は、平成18年から平成19年にかけ、当初計画の埋め立て満了を前に事業者が増量を計画し、本市が当該計画に反対したことから、福島県が調停に入り、これを受け、平成19年にやむなく増量を容認する経過があった。またその際、同処分場の今後の増量に対する考え方を問う本市の照会に対し、小野町から、今後、増量を考慮する状況にはないと考えているとの回答を得ているところである。
 そもそも同処分場については、埋め立てられる廃棄物により本市の水道水源が汚染されることは許されないとの理由により市民の反対運動が展開された経緯があり、また、本市議会としても平成7年12月定例会で水道水源の安全性の確保に係る請願及び水道水源の安全性確保を求める意見書を可決し、同処分場の建設が市民に不安を惹起していることから、必要な安全策を講ずることを求めたところである。
 さらに、平成19年2月定例会では小野町一般廃棄物最終処分場に係る埋立容量の変更に反対する決議を可決しており、こうした立場からも今回の再度の埋立容量の増量は決して認めることができないものである。
 よって小野町においては、平成19年に本市に示した考え方を堅持し、今回の嵩上げ計画を容認することなく、同処分場の廃止に向けた対応を強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

平成27年3月19日

 小野町長  大和田  昭 様
                     いわき市議会議長  根 本  茂 
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by kazu1206k | 2015-03-22 18:30 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


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