廃炉収束・被曝労働で、東電に要請

5月22日、東電交渉(再開第20回)が東京電力(株)平送電所で開かれた。
冒頭、「福島第一原発・廃炉収束・被曝労働に関する要請書」を提出。その後、「K排水路からの高濃度汚染水の海洋放出と厳正な処置を求める抗議書」に対する東京電力の回答を受け交渉した。また、1号機カバー解体工事問題等も説明を受けた。
『福島第一原発・廃炉収束・被曝労働に関する要請書』は、以下の通り。

福島第一原発・廃炉収束・被曝労働に関する要請書

東京電力株式会社 代表執行役社長 廣瀬 直巳様       2015年5月22日

 貴社と国は、廃炉について、「準備」に10年、「デブリの取り出し」に15年、「処分解体」に20年と、およそ30年から40年かかると想定している。しかし、今、様々な困難に直面し、その成否は予断を許さない事態になっている。

 第一に、放射線被曝「法定限度」(5年間で100mSv)に近づいた従事者が増えている。
 第一原発では、今年3月まで100mSvを超えた従事者は174人で現場を離れた。50mSvを超え75mSv以下が2,349人で、これも同様である。更に、年20mSvを超えた従事者8,658人は被曝労働から外れ別の部署に配置転換していると思われ、それらの被曝従事者の数は全体の20%に当たる。このペースで行けば法定限度を超える従事者は激増すると見られる。NHKの調査では「デブリの取り出しの時期には現在の8割に減る」「廃炉の時期には現在の4分の1になる」と下請け企業が答えている。

 第二に、原発の内部を熟知した従事者が次々と現場を離れている。
 年齢別従事者を見ると50歳~70歳代が43%を占めている。法定限度に近づき配置転換と離職した従事者は、現場を熟知した人物に直結している。その結果「技術の伝承」が困難になりつつある。

 第三に、若い従業員の中に「原発離れ」が起きている。
 少子・高齢化の進展と原子力自体の人気の低下は就職説明会においても減少が著しくなっている。

 第四に、下請け企業の中に近い将来「会社を廃業する」と答えており減少は避けられない。
 同調査によれば「このまま会社を継続する」と答えた企業は53%、「今後は分からない」が30%。「廃業」が15%と答えている。「従業員が集まらない」が廃業の最大の理由となっている。

 第五に、貴社の「競争入札」の導入と「手当増額」が労働現場に様々な影響を与えている。
 同じく同調査によれば、下請け企業は「利益率が事故前から半減した」と答え、その理由を「東京電力の競争入札が影響している」と答えている。去年11月に「1万円上乗せ」されたが、末端に行けば行くほど受注金額の中に組み込まれ手元に入らず、従事者に大きな失望与えている。

 第六に、労働災害の増加、労働法令違反が続き事態は沈静化していない。
 放射線が飛び交う現場で多数の企業と従事者が錯綜して作業している状況にあり、正常な労使関係と労働専念義務が脅かされている。

 一見「小康状態」に見える廃炉収束作業は、一皮むけば、若年者と企業の原発離れ、厳しい放射線被曝と補償のない使い捨て労働、労災事故の多発などの過酷な現場になっている。貴社と国は、これを改革しなければ廃炉収束作業の「明日はない」ことを知るべきである。下記の通り要請し、回答を求める。



1.「廃炉準備・燃料デブリ取り出し・処分解体」をやり遂げるためには「放射線被曝法定限度・技術的伝承の低下・若年者離れ・競争入札と企業離れ」など避けて通れない課題である。貴社はそれらを克服する具体的計画を明らかにすること。この場合、検討されている緊急時被曝限度250mSvと1000mSvの生涯線量導入は決してあってはならないことを申し添え、併せて貴社の本問題に対する見解を示すこと。

2.様々な法令違反や事故の続発の克服に当たっては、貴社は単なる発注者ではなく、原子力施設の所有者、原発事故の当事者であるとの意識を持ち対策を講じること。

3.貴社と元請企業は「直接雇用」を高める具体的方策を示すこと。

4.「廃炉収束」作業では様々な隠ぺいなどが続いているため、市民による福島県民代表からなる「市民監視委員会」を設置すること。

以上

命を守る三春の会   風下の会福島   脱原発の日実行委員会福島  脱原発福島ネットワーク
脱原発緑ネット  ハイロアクション福島  福島原発30キロひとの会  双葉地方原発反対同盟 ふくしまWAWAWA―環・話・和―の会
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by kazu1206k | 2015-05-22 23:26 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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