一般質問報告1−総合戦略、イオンモール、福島原発事故への対応

6月定例会、6月15日に行った一般質問の詳細を、3回にわけてご報告します。

1 浜通り拠点都市としてのいわき市の現状と課題について
 (1)いわき創生総合戦略の策定について(第1回)
 (2)(仮称)イオンモールいわき小名浜の着工延期への対応について(第1回)
 (3)福島原発事故への対応と市民を守る対策について(第1回)

 (4)道路側溝土砂の処理について
 (5)川前町下桶売字荻・志田名地区の再生について
 
2 新シアター「いわきPIT」について 
(1)新シアター「いわきPIT」との連携と支援について

3 視覚障がい者の生活支援について
 (1)中途視覚障がい者への生活支援について
 (2)盲導犬について
  
第1回は、「1 浜通り拠点都市としてのいわき市の現状と課題について」のうち、「(1)いわき創生総合戦略の策定について」 「(2)(仮称)イオンモールいわき小名浜の着工延期への対応について」「(3)福島原発事故への対応と市民を守る対策について」の途中まで、です
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35番、創世会の佐藤和良です。
わたくしは、当選以来これまで11年間、毎定例会欠かさず本会議で質問に立たせて頂きました。今回で43回目となります。
あらためて、市民の皆様はじめ議員並びに執行部各位に感謝を申し上げ、以下、通告順に従い一般質問を行います。

福島原発震災から4年3ヶ月。国は、福島第一原発事故による原子力災害を含む東日本大震災の集中復興期間を平成27年度で終了するとし、来年度から復興予算の削減や地元負担を求めています。しかし、未だ復興は道半ばであります。復興庁の設置期間は2021年3月31日までとなっております。原子力災害の原因者の一翼である国は、モノの復旧から人間の復興が成し遂げられるまで、被災者に寄り添い十分な保障をしていく責務があると考えるところです。

大きな第一点は、浜通り拠点都市としてのいわき市の現状と課題について、であります。

1点目は、いわき創生総合戦略の策定について、です。

国の「まち・ひと・しごと創生法」公布により、国の総合戦略を勘案して、いわき市もいわきの実情に応じた、まち・ひと・しごと創生に関する施策についての基本的計画を策定する努力義務が生じました。今年度中に、いわき創生総合戦略を策定するため、庁内の検討組織「いわき創生推進本部」と庁外の検討組織「いわき創生戦略会議」が設置されました。そこで、いわき創生総合戦略の「基本目標」や「基本的方向」「具体的施策と重要業績評価指標」等の策定に向けて、地方自治と地方分権推進の立場から伺います。
 
①まず、いわき創生総合戦略の策定に向けた庁内・庁外体制について、庁内各プロジェクトチーム及び庁外各作業部会には、力量的に十分な人材を機能的に配置しているのか、お尋ね致します。

—答弁(行政経営部長)
 いわき創生総合戦略の策定体制といたしましては、本市の人口減少及び少子高齢化という構造的課題に対応した具体的な施策等を調査・研究するため、国が総合戦略で掲げている「まち・ひと・しごと」の各分野ごとに、庁内においては、「いわき創生推進本部」内にプロジェクトチームを、庁外においては、「いわき創生戦略会議」内に作業部会をそれぞれ設置したところであります。
 そのメンバーといたしましては、庁内のプロジェクトチームにおいては、関係部署において、意欲をもって業務にあたっている中核的役割を担う職員を選定し、また、庁外の作業部会においては、産業界や地域金融機関、まちづくり団体など、市内各界各層の第一線で活躍されている方々にお集まりいただいているところであり、いずれも、経験・知見・ノウハウを十分に発揮し、本市の将来を見据えた実効性の高い施策を企画・立案できる人材で組織しているものと考えております。

②次に、「(仮称)いわき市人口ビジョン」について、双葉郡からの避難者については、2月定例会の代表質問で行政経営部長は「双葉郡から約24,000人の避難者を受け入れているという特殊事情など、本市を取り巻く社会経済情勢の変化を踏まえ、地方版総合戦略を策定してまいりたい」と答弁しましたが、原発避難者の定住促進を積極的に位置づけ、「(仮称)いわき市人口ビジョン」の基本骨格を考えるべきではないか、お尋ね致します。

—答弁(行政経営部長)
 「人口ビジョン」の取りまとめに当たりましては、本市人口の将来見通しはもとより、現在、受け入れている避難者の動向につきましても、踏まえるべき重要な要素であると認識しております。
 一方、双葉郡の復興については、現在、国、県及び双葉郡の町村において議論が進めているところであることから、これらの方向性を注視するとともに、先行して策定作業が進められている福島県の人口ビジョンとの整合を図る中で、県との協議を進めながら、本市としての人口ビジョンをとりまとめて参りたいと考えております。

市民意向アンケート調査について、2月定例会代表質問への行政経営部長答弁では「策定にあたり、市民ニーズを適確に反映するため、結婚・出産・子育てなどに関する市民の意向を把握するためのアンケート調査を実施する」としましたが、どのように実施して市民ニーズを適確に反映するのか、お尋ね致します。

—答弁(行政経営部長)
 本市の「人口ビジョン」及び「総合戦略」の策定に向けましては、結婚・出産・子育てなどに関する市民の意向を把握しながら、取りまとめを行うことが不可欠であり、2月定例会時点では、市単独でのアンケート調査の実施を予定しておりましたが、その後、福島県から、子育て世代や高校生等を対象とした「地域創生アンケート調査」を全県的に実施し、その調査結果を各市町村に提供する方針が示されたところであり、本市が想定していた調査と同様の趣旨・内容であることから、基本的には、当該調査の結果を最大限に活用して参る考えであります。
 このほか、市といたしましても、各種統計資料や、これまで実施してきた、人口や子育て等に関する調査の結果等について分析を進めるほか、県のアンケート調査を補完する意味から、結婚や出産、子育て、あるいは、将来の進路希望等について、若い世代の方々と直接、意見交換の機会を設けるなど、独自の調査も織り交ぜながら、市民の皆様のニーズをきめ細かく、的確に把握して参りたいと考えております。

財源について、国は全国一律の地方創生メニューを提示して「頑張る自治体」を応援する手法をとっていますが、地方分権の推進の立場から、地方創生の財源は、そもそも地方へ自主財源として渡すべき財源と考えます。地方分権推進の立場から、市長は国に財源移譲を積極的に求めるべきではないか、お尋ね致します。

—答弁(市長)
 私はこれまで、市長就任時に掲げた、いわゆる「医」・「職」・「住」の課題解決に向けて全力で取り組んで参ったところであり、本年度は「新・市総合計画後期基本計画」の見直しなど「将来に向けたまちづくりの推進」を通して、「明るく元気ないわき市」の礎をしっかりと築き上げて参りたいと考えております。
 その一方で、現在、本市が置かれている状況は、東日本大震災からの復興や、原子力発電所事故に伴う風評被害の払拭、避難者を受け入れながらのまちづくりの検討など、他自治体にはない、特殊な環境下にあります。地方が自主的・主体的にまちづくりを進めるためには、地方の特性に即した課題解決を図るため、地方自らが決断し行動することが何よりも重要であり、本市においても、私自身が迅速な判断のもと、機動的に対応することが求められていると認識しております。
 このことから、国に対しましては、私が市長就任時に市民の皆様にお約束しました「医」・「職」・「住」の課題解決のように、地方が自主的・主体的に、地域固有の課題解決に向け取り組めるよう、なお一層の地方分権を推進するとともに、地方の責任と負担に応じた財源の移譲を実現することが、地方が活力を取り戻すために重要であることを、今後とも、あらゆる機会を通じて訴えて参りたいと考えております。

総合戦略が、市民意見を十分反映し、東日本大震災と原発事故からの再生にむけた長期課題に対応することを要望して、次に移ります。

2点目は、(仮称)イオンモールいわき小名浜の着工延期への対応について、です。

イオンモール株式会社は、いわき市との事業実施基本協定に基づき平成26年4月に策定した「小名浜港背後地(都市センターゾーン)開発事業計画」において、本年3月の都市センターゾーンの更地化後、複合商業施設の建設に着工し、入居テナントの募集を行い、平成28年春の開業を目指すとしてきました。しかし、予定施工業者との協議の中で、作業員の確保や資材調達等に時間を要するとして、着工時期を約半年程度遅らし、施設建築期間も一年間以上の期間が見込まれると、整備スケジュールの変更を行いました。

⑤まず、いわき市とイオンモール株式会社の事業実施基本協定では、複合商業施設建設に関する期間の定めがありませんが、大幅な整備スケジュールの変更について、いわき市としては協定遵守の立場からどのような対策をとってきたのか、お尋ね致します。

—答弁(都市建設部長)
 本市とイオンモール株式会社は、協働で開発事業計画を策定し、「小名浜港背後地都市センターゾーンにおける開発事業の実施に関する基本協定」に基づき、相互に協力しながら、市は、震災復興土地区画整理事業等の基盤整備事業を実施・調整し、同社は、複合商業施設を建設することとしております。
 このようなことから、市といたしましては、今年度末の基盤整備事業の完了に合わせた複合商業施設の開業を目標とした「開発事業計画」の実現に向け、これまで、基盤整備事業の工事進捗に努めるとともに、イオンモールに対し、基盤整備事業に関係する施工業者が集う調整会議への参画を促すなど、情報の共有化を図り、併せて、同社の「福島県商業まちづくりの推進に関する条例」に基づく手続きにおいて、市民への説明会開催の広報や、福島県商業まちづくり審議会における事業説明などを実施して参りました。
 更に、イオンモールから、整備スケジュールの遅れの報告を受けたのちは、早期着工に向け、同社が決定した設計者と、複合商業施設との調整のため、設計協議を進めてきたところであります。

⑥次に、今後の整備スケジュールについて、複合商業施設建設工事の着手時期、入居テナントの募集時期、オープン時期など、今後、整備スケジュールをどのように進行管理する考えか、お尋ね致します。

—答弁(都市建設部長)
 複合商業施設の整備スケジュールにつきましては、資材の調達や作業員の確保等の課題があることから、イオンモールでは、正式に建築工事請負業者が決定し、具体的な工事工程が明らかになった時点において、市民の皆様へ、開業時期までのスケジュールをお知らせしたいとしております。
 また、テナント募集時期については、開業の約1年前から募集を行い、その情報発信については、市や商工会議所と連携し、実施したいと伺っております。
 いずれにしましても、イオンモールが正式に施工業者を決定し、すみやかに建築工事に着手できることが肝要であることから、市といたしましては、今後につきましても同社との情報共有や連絡体制を密に、具体的な設計の内容について、基盤整備事業の工程調整を図りながら、関係機関等との協議や諸手続きを円滑に進め、更に、着工後につきましては、進捗の定期的な報告等を求め、市民の皆様への情報発信に努めて参りたいと考えております。

いわき市復興のシンボルとされる小名浜港背後地開発事業について、市民が先行きの不安を感じないよう、いわき市がしっかり進行管理していくことを要望して、次に進みます。
 
3点目は、福島原発事故への対応と市民を守る対策について、です。

 6月12日、国と東京電力は、廃炉に向けた中長期ロードマップを2年ぶりに改定し、溶融燃料の取り出しを2年から3年延期しました。また同日、国は福島復興指針の改定を閣議決定して、居住制限区域と避難指示解除準備区域の避難指示を2017年3月までに解除し、精神的損害賠償も2018年3月までで打ち切ることを明らかにしました。
 しかし、5年目の福島第一原発事故は未だ収束せず、大気中への放射性物質の放出、海洋への汚染水の流出が続き、死亡労働災害が相次ぐ中で7,000人を超す作業員が過酷な現場作業を続けております。

⑦まず、K排水路等の高濃度汚染水の流出問題について、原因究明と再発防止など対策の実施状況を、いわき市としてどう確認・検証していくのか、お尋ね致します。

—答弁(行政経営部長)
 汚染水流出問題につきましては、本年2月24日に、汚染された雨水がK排水路を通じて港湾外に流出していたこと、また、同排水路の放射性物質濃度が以前から高く、汚染水が港湾外に流出していた可能性を把握しながら、公表が遅れたことが明らかになったことから、市といたしましては、同26日に東京電力に対し厳重に抗議し、原因究明と再発防止対策の実施を申し入れるとともに、同27日に県の廃炉安全監視協議会において、現地調査を行い、その原因と再発防止対策を確認しております。
 また、先月29日に発覚した高濃度汚染水を移送するホースからの漏えいについて、今月3日に開催された、県の廃炉安全監視協議会環境モニタリング評価部会において、東京電力から原因と再発防止対策について説明を受けたところであります。
このような度重なる汚染水の漏えい事故等を踏まえ、国は福島第一原発内から敷地外へ影響が出るリスクの総点検を東京電力へ指示したところであり、東京電力では、その点検結果をもとに、適切な対策を進めることとしております。
市といたしましては、その進捗状況を注視するとともに、国の廃炉・汚染水対策福島評議会や、県の廃炉安全監視協議会を通じて、対策の安全性や確実性を確認し、検証して参りたいと考えております。

トリチウム汚染水の海洋放出について、処理水としてトリチウムが残留したサブドレン地下水等を無制限に海洋放出することは、海洋汚染の防止に逆行する行為であり、いわき市としても明確に反対すべきではないか、お尋ね致します。

—答弁(行政経営部長)
 東京電力が排出を検討している地下水の放射性物質の基準、いわゆる排出基準は、WHOが定める飲料水のガイドラインにおける基準を大きく下回っており、周辺環境への影響は極めて少ないとされておりますが、国の「トリチウム水タスクフォース」におきましては、海洋への排出のみならず、コンクリート等で固化することによる埋設廃棄や、トリチウムのみを分離することによる減容貯蔵などを評価・検討するとともに、トリチウムの分離技術の開発にも着手するなど、様々な選択肢について、検討を進めているところであります。
 市といたしましては、いかなる対策を実施する場合であっても、人体に対して影響を及ぼすことのないよう、国の廃炉・汚染水対策福島評議会や県の廃炉安全監視協議会を通じて、国及び東京電力に対し、強く求めて参りたいと考えております。

⑧-2 6月12日、いわき市漁協の理事会では7支所全部が「現時点では容認できない」と反対意見を表明しました。いわき市もあらためて反対の意志を示すべきと考えます。市長のご所見を伺います。

—答弁(市長)
漁業関係者と十分意見を交わしながら対応してまいります。

市内のモニタリングポスト等の異常値について、市内各所でのモニタリングポスト等の異常値が確認され線量上昇なのか不明ですが、原因究明と再発防止など、いわき市としては、どう対策をたて対処しているか、お尋ね致します。

—答弁(行政経営部長)
 モニタリングポスト等につきましては、設置主体である原子力規制委員会が、空間線量の常時測定及び測定値の公表、更には、定期的な保守点検や、異常値発生時の対処などを行っております。
 市といたしましては、これまでも、異常値の検出事案等が発生した際には、同委員会からの通報を受け、周辺における他のモニタリングポスト等の空間線量に変化がないことを確認しながら、原因究明や再発防止を求めてきたところであります。
 今後とも、同委員会と連携を図りながら、正確な情報の把握に努めて参りたいと考えております

⑩次に、医療費助成事業について、です。放射線障害対策として医療費助成事業の助成対象者の枠を2011年3月11日に18歳以下であった全ての市民に拡大すべきではないか、お尋ね致します。

—答弁(保健福祉部長)
 放射線障害対策として、医療費助成の対象を拡大することにつきましては、「原発事故子ども・被災支援法」において、東京電力原子力事故に起因する疾病が発生した場合の医療費の減免について規定されておりますことから、市といたしましては、市民が法による支援を適正に享受できるよう、福島県や県内自治体と連携を図りながら、必要に応じ国に働きかけて参りたいと考えております。なお、県における取り組みといたしましては、県民健康調査において生じた19歳以上の方の甲状腺治療に伴う医療費支援を実施することとしており、現在、具体的な準備を進めている状況にあります。

(第2回につづく)

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by kazu1206k | 2015-06-16 18:09 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


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