住宅支援で政府交渉

 1月25日午後、衆議院第一議員会館で「原発事故子ども・被災者支援法」推進自治体議員連盟および福島原発震災情報連絡センターによる住宅支援についての要請書提出と政府交渉が行われた。
 福島原発事故から5 年。未だ事故収束の見通しも立たず、ふるさとを追われた避難者の方々は、苦しい避難生活を強いられたままだ。政府は、避難指示区域指定の解除、区域外避難者の住宅支援の2017 年3月打ち切り、損害賠償の2018 年3 月打ち切りという、被災者に打撃を与える方針を出している。このため、「支援法」の理念の具現化を政府に訴えてきた「原発事故子ども・被災者支援法」推進自治体議員連盟は、2016 年度の支援法関連予算のヒアリングと合わせて、改めて、政府に対し、住宅支援の継続と拡大を要望するため、緊急に要請書提出と政府交渉を実施したものだ。
 2016 年度の支援法関連予算のヒアリングでは、相変わらず支援法関連の予算が不透明で、国会に予算提出しているにも関わらず、予算額を示さないお粗末な説明に、あらためて予算内訳と額の回答を求めた。
 自主避難者に対する住宅無償提供打ち切りの見直しを求める要請について、「県が2年間家賃補助を行う事を公表。2年間以降がどうなるのか、延長の可能性は県が不明なので、国も不明、状況を見ながら県と協議」と、住宅の無償提供継続を事実上、否定した。
 復興庁の官僚答弁に、参加した避難者からは「避難者を、福島に帰らないワガママな奴だと考えているんですか?」「来年3月には住む所が無くなるかも知れないというドキドキ感は、あなた方には分からないでしょう」「あなたたちの感覚は、私たちの生活レベルと全然違うんですよ」「住宅支援打ち切りは子どもの貧困につながります。避難・移住の権利を認めてください。国は私たちの家賃を東京電力に支払わせてください」と口々に訴えた。
 政府による国策としての原子力推進政策の結果として起きた福島原発の過酷事故。責任ある原因者である政府の帰還強制、被災者切り捨て政策を許すわけにはいかない。政府に対し、住宅支援の継続と拡大を求める運動を強化していく必要がある。
 交渉概要は、以下の通り。

1)住宅支援についての要請書の提出

●「自主避難者」に対する住宅支援の見直しを求める要請書

内閣総理大臣 安倍晋三 殿
復興大臣   高木 毅 殿
国土交通大臣 石井啓一 殿                     2016年1月25日

               「原発事故子ども・被災者支援法」推進自治体議員連盟
               福島原発震災情報連絡センター

 福島原発事故から5年になろうとしていますが、福島第一原子力発電所は、事故収束の見通しも立たず、政府の原子力緊急事態宣言は未だ解除されておりません。長引く事故の影響の下、原発事故被災者は、ふるさとを追われ家族や地域が分断されたまま、長期の避難生活を強いられています。
 このような現状で、政府の原子力災害対策本部は、昨年6月「復興の加速化」の名のもとに、「年間積算線量20mSv以下・日常インフラの復旧・住民との協議」の3要件による、避難指示区域指定の解除・区域外避難者の住宅支援の2017年3月打ち切り、損害賠償の2018年3月打ち切りという、原発事故被災者に打撃を与える方針を打ち出し、福島県も「避難者に対する帰還・生活再建に向けた総合的な支援策」として、民間賃貸住宅の2年間の家賃支援策を示しました。
 しかし、多くの区域外避難者=自主避難者、特に小さな子どもたちを抱える親たちは帰るに帰れず、避難の継続を希望しています。そのため、避難者を支援する団体、さらに避難者を受け入れている多くの自治体も、住宅借上制度の複数年延長やその柔軟な運用を求めてきました。
 また、「原発事故子ども・被災者支援法」(以下「支援法」)では、「原子力発電所の事故により放出された・・当該放射性物質による放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分に解明されていない」ことを明確に認め、支援策について、被災者ひとりひとりが「居住、他の地域への移動及び移動前の地域への帰還についての選択を自らの意思によって行うことができる」ように、「そのいずれを選択した場合であっても適切に支援するものでなければならない」と謳っています。避難者の生活の最も重要な基盤のひとつとなる住宅への支援策は、本来、災害救助法に基づく「みなし仮設」として1年ごとに延長するのではなく、憲法が保障する生存権に基づき、同法で想定されていなかった原発事故汚染に対処するため、「支援法」に基づく抜本的な対策や新たな法制度が必要です。
 私たちは、国に対して、以下の通り要請します。
1、住宅支援について、避難当事者の意見を十分に聴取する場を設け、反映させること。
2、2017年4月以降の住宅支援施策について、「支援法」に基づく抜本的・継続的な住宅支援が可能となるよう、福島県の支援施策(収入要件、期間、補助率等)も含めて福島県と協議の上、見直すこと。
3、各自治体の空家活用施策や居住支援協議会での住宅確保要配慮者として避難者支援策を位置づけること。
4、原発事故汚染に対処するため、「支援法」に基づく新たな法制度を確立すること。

2)政府側による2016年度支援法関連予算の説明
  復興庁配布資料
 http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/20151002torimatome.pdf

3)質疑、意見交換   

★2016 年度の支援法関連予算のヒアリング

○復興庁
2016年度予算は、国会審議中。確たる説明ができない。各省庁に問い合わせ中で、把握できていない。「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針」(2015.10)、予算要求に盛り込まれたものを入れ込んだ。年度明けにとりまとめる。2015年の施策とりまとめと基本的考え方は同じ。

Q;新規と終了した施策
A(復興庁);被災地健康支援事業(被災者支援総合交付金)を拡充。終了したものは、震災、原発事故の緊急応急的対応が終了したもの。

Q;事前に申し入れて設定しているので、国会に予算要求している、その中身を持ってこないのはなさけない。
「3ふくしまっ子体験活動事業、4自然体験・交流活動支援はどうか?」
A;被災者支援総合交付金は増えたが、切り分けていくらとは明確ではない。
Q;前年度対比いくらか?
A;福島県とやりとりする?
Q;2015年度で4億のはず。
A;個所付け。
Q;確認して、増減の比較を示してほしい。
A;今年度来年度にまとめて要求。福島県が申請してそれに交付する。メニューとして用意しているが、これにいくらと出せるかは不明。

Q;住宅確保
A;応急仮設住宅は来年度継続。公営住宅に入りやすくする。順次拡大。雇用促進住宅は検討中。
福島県の移転費用・民間賃貸住宅の家賃補助支援を検討;県の負担を国が面倒を見る。
Q;日経新聞は福島県は20億と見ていると報道。
A;国としていくら、ではない。

Q;住宅支援、県がやる支援に国が面倒を見る。
そもそも災害救助法による支援を延長、ではなく、法律では想定していなかった事態に対する支援が必要。
支援法に基づく支援をしてこなかった。唯一、公営住宅で母子避難の収入認定を2分の1にするしかない。
2017年以降も、福島県が一定支援することから、国としては何もしない、福島県がやる事へ支援するだけでいいのか?
A;支援法に基づく支援はこの書面のみ。
福島県がやる支援に国が直接やるべきだ、きめ細かく一人一人に届ける必要。県や自治体を通すこと。実際の運用は自治体に任せるが、国として責任を放棄するつもりはないので、その負担を担う。
Q;国が、きめ細かく 国の責任が明確でなければ、自治体もやりきれない。
原発事故の国の責任を示すことが重要。

★「自主避難者」に対する住宅支援の見直しを求める要請書への回答と質疑、意見交換
A(復興庁);住宅の確保がメイン。
1,避難当事者の意見。意見を良く聞くことは十分承知。いろいろな場に出向いている。全国での説明会。交流会にも出ている。
2、住宅支援施策、県が2年間家賃補助を行う事を公表。それ以降については、2年間以降がどうなるのか、延長の可能性が県が不明なので、国も不明、状況を見ながら県と協議。
3,住宅支援、公営住宅入居円滑化。できることはやっていきたい。
4,新しい立法をすることは考えていない。支援法の趣旨に則った方策はやっていきたい。

Q;居住支援協議会を各自治体につくる方針で打ち出している。生活確保要配慮者に被災者を位置づけられないか。東京の空き屋対策とリンクしながら、被災者支援策を位置づけてほしい。
A(国交省);居住支援協議会、被災者かどうかに限らず住宅に困窮しているひとであれば、情報を提供する。地域に応じて、対象者を選ぶ。居住支援協議会に要望してほしい、国から一律に決めることではない。
Q;被災者の実態を見て、国からこういう方法ができるのではないかという提案。
A;情報提供はできる。
Q;仕組みを使っていく、空き屋空き室対策
A;活動の質は十分ではない、先進的な事例を情報提供
Q;被災者支援法という視点を持って、支援していくかを検討してほしい。国の政策としての居住支援協議会に、被災者を対象とすると国の施策として伝える通知をしてほしい。

Q;県には、署名を添えて要望書を提出した。打ち切るなといっていった。それを国に伝えてほしい。延長が必要だと、県に訴えたが、それが国につたわっていない。長期無償で延長してほしい、と国にも訴えているのに、ニーズがないように扱われるのは心外。意見聴取をしても、反映していない。
A(復興庁);自治体がニーズを知っている。把握しているのが自治体だけではない。具体的な支援をどう届けるのかを、より自治体が適切。状況によって内容によって、国がやるのか、県がやるのがいいのか、実地主体が決まる。仮設住宅の延長;県としてニーズがあると把握した上で、判断しているだろう。要望の反映ができるのはどういうものか。なるべく反映できることはしていきたい。
Q;住み続けることが認められない、打ち切りで崩す。それが優先順位が下がるのが理解できない。
A;仮設住宅の提供がおわることにたいして、出る人、移転費用や家賃補助を考えた。それに対して、県の負担を補助。公営住宅は広がっているので、選択肢が広がっている。
Q;せめてそのまま住み続けたいというのが一貫した要望。

Q;現場がわかるのは自治体。実働は自治体で、予算は国。国が決めればやれることが多々ある。まだまだ支援が必要な人だと考えるのか?帰らないわがままなやつと思っているのか?
先が見えないので、何も回答できないという話だが、今後が見えない状況が、2年3年立って5年になった。来年の3月にはどうなるのか、どきどき感。毎年、わかるか?
特別扱いしてほしいと言っているわけではない。住宅困窮している、と簡単にいえる状況にいない。

A;自治体がやるべきか、国がやるべきか。施策の内容による。適切か。責任転嫁に聞こえてしまうことはあっただろう。国・県・等で話し合って決めている。決まってっていないことは、話し合うと回答することになる。
Q;
A;支援が必要ではないとは思っていない。県がやると言っているし。県を支援していく。仮設住宅の1年ごとの更新で不安、という声は聞いている。形式的な事、国の予算は単年度。支援策は単年度。災害救助法、今後の県については、何とか2年を示されたと思う。
A;(国交省);住宅確保要配慮者;住宅にお困りの方という定義、等しく対象になり得る。情報提供は検討する。

Q;雪が降って寒い。国の人は冷たい。
原発事故で生活がめちゃめちゃ。住宅は基盤。家庭内が崩壊しながら5年やってきた。それが反映されないのはなぜか?国として責任、かんがえてますよ~という軽い感じ。県は帰そうとしていますが、20mSvのところに国の人が住んでください。細切れにしない、分断しない。地域内でも細かく分断されている。それが国、東電の責任。予算もきちんと示されない。国は一生懸命やっている、支援法に基づいてやっているとしっかり言ってほしい。
A(復興庁);反省。反映させたいと思いながらも、要望に添えないところがあるのは、やむを得ない。はっきり示せないのは申し訳ない。国としては責任を感じてやっていきたい。

Q;単年度なってしまうことだが、総理が、長期的な避難住宅提供を認めるという方針を示してほしい。実際の予算は仕方がないとしても。県の示した新たな支援策は、歓迎できない縮小したもの。継続してほしいというニーズに応じたものではない。打ち切るなと言っていたのに、打ち切った上での支援、
A;仮設住宅の提供が終わることに対して新しい方針を示すことは難しい。それ以外にできることは何か。公営住宅や家賃補助を考えている。

Q;予算規模が示されていない。ハード面の復興予算が付いているのに、
A;

Q;住宅支援策を継続してほしい。避難者全体が継続して支援を受けられるようにしてほしい、といっている。災害救助法に支援の打ち切りと激変緩和処置と書いてない。
A;2年提供し、1年ごとに自治体と協議して必要に応じ延長する。
Q;現状において、必要である事は認めているのに、対応するのは国の責任。県と協議して打ち切るのはよろしくない。国民側にたっているのか?霞ヶ関・県の行政官の取り決めておわっているのではないのか?
A;

Q;切り捨ての方向。帰還する人には支援するが、実際に収入基準で半分切り捨てられる。
A;仮設100%全員という訳にはいかない。
Q;原発事故がなかったらこんな事はないわけで、その責任は問われる。不作為。救済しなければならない。全ての救済。事故被災者、被害者を救う必要がある。
A;100%をこれ以上続けるのが適切なのかという判断を県がされて。

A;一律に提供された仮設をどうするか。被災者をすべからく救済すべき、やれることやれないこと。苦しい状況にある人を。

Q;いわき市から東京に避難している。避難ママの声を届けてきましたが、とどいているんですね?
届いてはいる、いろいろなニーズがある。今、問題は新たな貧困を生み出さないでほしい。収入要件にあっても、貧困、子どもの抱えて路頭に迷うのが怖い。いのちそのものを守ることより優先されるニーズとは何か?
A;仮設住宅の提供が終わることについて、困るという声が届いている、何かしら支援が必要と考えてはいる。少しでもできること。十分ではないとはわかるができることをやっている。
Q;災害救助法の担当者に伝えてほしい。災害救助法の延長は可能だと言うことを。

Q;住宅支援についてはこれで変わることはないだろう。他で何とかやってくれ。生きてはいけない。生活レベルではない。住宅支援はなくなるけど、立派な建物が立っても、全然支援にはならない。
A;県で復興のために予算が投じられていること、避難者にメリットがあるという話ではない。それでありがたいと感じている人もいる。

Q;毎月、新宿のホームレス支援している。住まいは人権、権利。を認識してほしい。震災で家が無くなって新宿で野宿している人がいる。人間の権利としての住まい、その権利を奪うことに繋がっている。国が基本的な考え方を示し、自治体が具体化する。生活困窮者自立支援制度は国が示して、自治体が選んで実践する。責任関係が全く逆になっている。一人一人が困っていることに寄り添って支援することが貧困支援。5年経過して、ダブルワークして、子どもが一人でアパートにいる。」そういうことを含めて対処するのが国の責任。自分自身で政策をつくって、示す。原発事故災害で、野宿、貧困に追い込むんですか?
A;仮設住宅の供給は終わってしまうので、
Q;国が方針を示してすべき。民間住宅の家賃補助は、
A;国が方針を全く示していないわけではない、大きな方向性を政府の方針として閣議決定している。

Q;福島県中通から母子避難。甲状腺がんが100人200人出ています。恐怖していたことが現実として起きている。実害があるから、正当に避難している。国が福島の 支援法に命をふきこんで。非人道的な、被曝。基本的人権すら守られない。収入基準を引き上げてほしい。子どもが18歳以下、1mSV地域、広く収入要件を緩和を。同じ自治体の中で移転できるような対応。格安で住宅提供を。
今から避難したい人に住宅を。東電に家賃を負担させてください。中長期で。5,6年で復興
A;

Q;被災者のニーズと、各自治体の支援策の調査もしてほしい。自治体の被災者への支援政策。打ち切り後も支援策を続けるような方向性。後で補填するような予算編成してほしい。
A;他の自治体で、独自の支援策をやっているところはあるので、国としてできることを支援していきたい。

Q;精神疾患で生活保護。阿佐ヶ谷で国境なき医師団が支援している。国も対応してほしい。

Q;支援法の理念を実施すること
Q;何をするための公務員なのか?国外で沢山のお金をバラまいている。もっと先にすることがあるはず。福島の避難者支援をする予算を取ってきてほしい。


確認
予算の内訳を、阿部知子事務所に回答
要望書の回答を、文書で改めて回答。


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子ども被災者支援法自治体議連による政府交渉
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by kazu1206k | 2016-01-30 15:07 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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