住宅無償提供継続を求め福島県交渉

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 7月8日午前、福島市の自治会館1階会議室で、原発事故被害者団体連絡会(ひだんれん)、原発被害者訴訟原告団全国連絡会(原訴連)による「原発事故避難者の住宅無償提供継続を求める福島県との交渉」が行われた。

 福島原発事故から5年余、被害者の苦しみは今も続く。被害の全てを償わないまま政府と福島県は、来年春をめどに避難指示区域外からの避難者の住宅無償提供を打ち切ろうとしている。5月30日の福島県に対する住宅の無償提供を求める申し入れに続き、第1回の話し合いを持った。
 冒頭、住宅無償提供打ち切り前提の訪問・説得はやめてなど5項目の要請(下段に掲載)。

 今回のテーマは
①意向調査の戸別訪問について
②住まいに関する意向調査について 

・・福島県職員と受け入れ自治体職員による戸別訪問により、威圧感や退去を強制されるのではという不安から体調を崩した例も報告された。
■福島県は、全国10都道府県に避難した約1万800世帯を対象に戸別訪問。6月26日までに約77%の訪問を「終えた」としているが、この中には避難者と会えなかったケースが含まれ、実際に避難者と会って意向確認できた数字は不明だ。福島県のアンケート調査に未回答の避難者を中心に、健康状態や仕事、子どもの就学、福島に戻るか否か、困り事などを確認するのが目的とされ、「トラブルが起きているという認識は持っていない」とした。
■東京都の避難者は、訪問者が「開口一番『来年3月31日で出て行ってもらわなければ困る』『ここは公務員宿舎だから国に返さなければならない』と言われる」と責め立てている実態。電車に乗っている時に携帯電話に着信、翌日には自宅に福島県と東京都の職員が訪問した実態。訪問を拒んだ避難者にはショートメッセージが送られ「訪問させてください」と書留まで届いたケース等、ストーカーまがい個別訪問の実態を指摘した。京都府から参加した避難者は「打ち切りという前提が避難者には重荷なんです。不安なんです」と訴えた。山形県の避難者は「私の家にも6月22日に訪問依頼の書類が届いた。読んだら翌23日に訪問したいとのことだった。そんなこと社会通念上あり得ない」と怒った。
■「悲鳴が上がっている」「やめてください」と訴える避難者に対して、福島県職員は「ていねいに対応する」と繰り返すのみ。戸別訪問は8月末から2回目が、来年1月にも3回目が実施するとされ、県側は「あらためて指導する」と答え、「訪問が嫌な避難者の場合は、電話だけでも良い。意思表示をして欲しい」との回答になった。
■県避難地域復興局生活拠点課の職員は「国と協議を重ねた結果、応急救助という考え方から、これ以上の延長は難しいと判断した」というが、なぜ難しいのかの根拠は答えない。「福島市も避難指示区域外ですが、除染によって生活環境が整いつつある。もはや直ちに避難するような状況にありません。避難をしていない方もいらっしゃいます」と開き直った。これに対して、避難先の京都から駆けつけた避難者は「私1人、説得してみてくださいよ」と訴える。返す言葉はなかった。
■「ひだんれん」「原訴連」は、内堀知事との直接対話を求めてきた。しかし、内堀知事は依然として出席しないばかりか、福島県側は、住宅無償提供を2017年3月末で打ち切る方針を撤回せず、打ち切りを前提にした戸別訪問を続けることを明言、避難者を受け入れ自治体の公営住宅などから追い出す方針を覆さなかった。全国の自治体議会から提出された住宅無償提供継続を求める意見書も無視する構えのため、知事との直接対話を含め、8月上旬に再度、交渉の場を設けるよう申し入れた。

福島県知事 内堀雅雄殿
 原発被害者団体連絡会と原発被害者訴訟原告団全国連絡会は、5月30日に貴職及び福島県当局に申し入れた話し合いに基づき、以下の点を要請するとともに、話し合いを有効に進めるために別項の質問を事前に提出しました。なお、今回は時間の制約上、質問は5項目にとどめました。残る問題については追って提出し、継続して話し合いを求めます。

【要請項目】
 1. 「2017年3月住宅無償提供打ち切り」を前提とした対象者の個別訪問・説得活動は止め、上記決定は撤回もしくは凍結すること。
 避難者は福島第一原発事故の被害者です。福島県が昨年決めた「3月打ち切り」には避難者の声が反映されておらず、対象者の大多数が納得していません。打ち切りを前提として行われている戸別訪問は、対象当事者に心理的な圧迫を加えており、不安と反発を呼んでいます。
 2. 個別事情に応じた無償住宅確保ができるまで現行の住宅提供を続け、強行実施はしないと確約すること。
 住宅は生活の基盤であり、避難者の置かれている状況は千差万別です。政策の変更によって住宅提供の形を変えるのであれば、県は個別事情に応じた代替策を示し、当事者の納得を得る責任があります。まず、「強行実施はしない」と約束することが、避難当事者との信頼確保の一歩であると考えます。
 3. 避難指示区域内外を問わず、全避難者に平等な住宅提供策を早急に示すこと。
 今回対象とされているのは、避難指示区域外の避難者に限られています。政府は、2017年3月を目途に帰還困難区域を除く全ての避難指示を解除するとしており、解除された地域の人々は「避難指示区域外避難者」になります。これらの人々に対する住宅提供はどうなるのか。避難者全体に対する平等な住宅提供政策を早急に示すべきです。
 4. 当面の無償提供継続に必要な費用は東京電力に求償すること。
 今回の事態は、国策として原発政策を進めてきた国と、事故を引き起こした直接の当事者である東京電力によって引き起こされた人災です。この事実をあいまいにし、自然災害を前提とした災害救助法で糊塗してきたことに問題の根本原因があります。国の責任で必要な立法措置をすべきであり、それまでの間に必要な費用は福島県が責任を持って東京電力に求償すべきであると考えます。
 5. 内堀知事は話し合いに出席して、避難者の疑問に答えること
 「災害救助法適用打ち切り」を決めたのは内堀福島県知事です。当面、3万2千人を超す県民の生活基盤を激変させ、窮地に追い込む恐れの強い決断をされた責任者として、避難者の声に誠実に耳を傾けることを重ねて要請します。
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by kazu1206k | 2016-07-09 23:46 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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