原発の基準地震動の過小評価問題

 元原子力規制委の島崎邦彦氏が、原発の基準地震動で用いられている「入倉・三宅式」には過小評価があり、他の式を用いて再評価すべきだと指摘している。指摘を受けた原子力規制委員会は規制庁に再計算を指示し、その結果が7月13日に公表されたが、島崎氏は納得していない。
 規制庁は、島崎氏の求めに応じて、大飯原発について武村式を用いて再計算を行い、地震動は1.8倍になった。しかし規制庁の結論は、武村式を用いても基準地震動に納まるというもの。
 7月19日に行われた、島崎氏と田中俊一委員長ら規制委と規制庁との会談では、規制委・規制庁側が、この計算結果は無理に無理を重ねたもので、信頼できるものではない、と否定したが、規制委は自らの再計算結果に基づき、大飯原発、美浜原発3号機の再稼働を断念すべきだ。再計算を葬り去ろうというのはあまりにも無責任で許されざること。川内原発を停止し、伊方3号機の原子炉起動を中止し、全ての原発の基準地震動を「武村式」で再計算すべきだ。
 以下は、入倉・三宅式の過小評価を指摘し、武村式を用いるよういち早く求めてきた市民団体の共同声明。

[共同声明]2016.7.20
入倉・三宅式の過小評価を熊本地震が証明


武村式を用いた規制委の試算を適用すれば大飯原発3・4号の基準地震動は、856ガルから1,550ガルへクリフエッジ1,260ガルを超えて、地震に耐えられず大惨事に

大飯原発の再稼働は断念を!美浜原発3号の寿命延長は断念を!

川内原発を止め、伊方3号の原子炉起動を中止して全ての原発の基準地震動を武村式で再計算すべき

 島崎邦彦氏は、熊本地震を踏まえて「入倉・三宅式では地震動は過小評価」との警告を発し、原子力規制委員会・規制庁は7月13日に、大飯原発の地震動を武村式で再計算した結果を公表した。

 その結果は、基本ケース(破壊開始点3)で、東西方向の揺れは入倉・三宅式による356ガルが、武村式を適用すると644ガルとなった。原発の津波評価で採用している武村式を地震動に適応すれば、1.81倍になることを示している。大飯原発の基準地震動856ガルは1,549ガルになり、クリフエッジを超えるため大惨事となる。

 大飯原発だけでなく、入倉・三宅式で計算されている現行の基準地震動を1.81倍すれば、美浜3号もクリフエッジを超え、高浜原発や玄海原発でもクリフエッジに近づく。

 さらに、震源の大きさ(M0)から地震動(加速度)を導く場合、M0の1/3乗を適応しているが、これは単なる仮定であり、片岡ほかの1/2乗を採用すればさらに地震動は大きくなる。

(最大加速度:ガル)
原発/入倉・三宅式による現行/1.81倍した場合/クリフエッジ※

大飯原発/856/1,549/1,260
美浜3号/993/1,797/1,320
玄海3・4号/524/948/988
高浜3・4号/396/717/973

※)クリフエッジ(崖っぷち):これを超えると炉心の冷却ができなくなり大惨事にいたる地震動
 
 規制委の田中委員長は、7月19日に島崎氏と面談し、自らの再計算結果について「無理を重ねて計算した」「信用できるものではない」等と述べたが、これほど無責任なことがあるだろうか。島崎氏が述べているように、関電の示している基本ケース(破壊開始点3)の東西方向の揺れ596ガルに対して、規制委の356ガルはあまりに過小であるが、このことについての明確な説明もできなかった。さらに、規制庁の小林勝氏は、7月13日の記者会見で、武村式の適用を「不確かさ」として位置付けている。しかし、式そのものを変えることは「不確かさ」ではない。現行の不確かさの全てのケースで用いている入倉・三宅式を武村式に置き換えた計算をすべきだ。これら詳細なデータを規制委が示さない限り、入倉・三宅式の1.81倍の加速度になることを受け入れなければならない。

 規制委は自らの再計算結果に基づき、大飯原発、美浜原発3号の再稼働を断念すべきだ。同時に、川内原発を停止し、伊方3号の原子炉起動を中止して、全ての原発の基準地震動を武村式で再計算すべきだ。

2016.7.20 25団体

ふるさとを守る高浜・おおいの会
原発設置反対小浜市民の会
原子力発電に反対する福井県民会議
福井から原発を止める裁判の会
プルサーマルを心配するふつうの若狭の民の会
サヨナラ原発福井ネットワーク
原発なしで暮らしたい丹波の会
グリーン・アクション
京都の原発防災を考える会
3.11ゆいネット京田辺
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会
おおい原発止めよう裁判の会
脱原発わかやま
脱原発はりまアクション
花風香の会
避難計画を案ずる関西連絡会
放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜
さよなら原発・ぎふ
核のごみキャンペーン・中部
玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会
川内原発30キロ圏住民ネットワーク
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン
国際環境NGO FoE Japan
福島老朽原発を考える会
原子力規制を監視する市民の会

<連絡先>
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会
530-0047 大阪市北区西天満4-3-3星光ビル3階
TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581

グリーン・アクション
606-8203京都市左京区田中関田町22-75-103
TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952

原子力規制を監視する市民の会
162-0822 東京都新宿区下宮比町3-12-302
TEL 03-5225-7213 FAX 03-5225-7214
e0068696_6565989.png

[PR]
by kazu1206k | 2016-07-20 23:42 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


by kazu1206k
プロフィールを見る
画像一覧