トリチウム汚染水、炉心溶融で東電交渉

 7月21日午後、脱原発福島ネットワークの東京電力交渉(再開第28回)が、いわき市平の東京電力平送電所で行われた。
 この日は、5月19日に提出した「いのちよりカネは許さない!トリチウム汚染水の海洋放出中止を求める要請書」への回答と質疑、炉心溶融マニュアルの隠蔽や凍土遮水壁、被曝労働者の待遇改善などの再々回答と質疑を中心に実施された。
 「いのちよりカネは許さない!トリチウム汚染水の海洋放出中止を求める要請書」の要請3項目については、以下の回答であった。
1、トリチウム汚染水の海洋放出計画は中止し、広く市民説明会を開催すること。
●東京電力の回答:建屋内の汚染水を多核種除去設備で処理した後に残るトリチウムを含む水につきましては、トリチウム水タスクフォースにおいて複数の選択肢を比較した評価結果が取りまとめられましたが、処分方法を決定したものではありません。
 トリチウム汚染水処分方法については、今後、国の有識者会議等での議論を十分に踏まえ、関係者のみなさまと議論してまいる所存です。
2、トリチウム汚染水の海洋放出に関する環境アセスと総量規制を実施すること。
3、トリチウム汚染水は、固化など安全な方法で保管し恒久的対策を確立すること。

●東京電力の回答:建屋内の汚染水を多核種除去設備で処理した後に残るトリチウムを含む水につきましては、トリチウム水タスクフォースにおいて複数の選択肢を比較した評価結果が取りまとめられましたが、処分方法を決定したものではありません。
 今後、国の有識者会議等での議論を十分に踏まえ、関係者のみなさまと議論してまいる所存です。

 質疑で、東京電力側は「処分方法を決定したものではない。コスト優先の場合でも漁業者など関係者の合意は必要。決定は国の有識者会議後」「漁業者との合意は、従来の手法と同じく廃炉・汚染水対策福島評議会等で協議する」とし、国の有識者会議等の見通しについては次回回答するとした。市民説明会の開催の求めには「廃炉・汚染水対策福島評議会など、いろいろな場面で説明している」とし、総量規制についても「現状の濃度規制基準以外に議論はない」とし、トリチウム汚染水の海洋放出路線を崩さなかった。
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 また、3月に提出した「炉心溶融マニュアルの隠蔽と炉心溶融の公表遅れに抗議し、責任の明確化を求める要請書」の要請3項目については、以下の回答であった。
1、事故後5年間、炉心溶融マニュアルの存在を隠蔽した組織的経過を明らかにすること。
●東京電力の回答:新潟県技術検証委員会様に対して、「炉心溶融の用語の定義が定まっていない」と説明しておりましtが、これは、マニュアルが存在したにもかかわらず、調査が不十分であったことに起因するものであり、誤った説明を繰り返したことにつきましては、深く反省しております。
 検証結果報告書には、社内の情報共有が不十分であったこと等が記載されており、社員間の情報共有を進めるための方策の検討が必要であるとの提言をいただいております。
 当社は、これらの検証結果を厳粛に、そして全面的に受け止め、これまでの対応を反省しております。
 今後、弊社と新潟県による合同検証委員会にて、検証を行ってまいる所存です。
2、炉心溶融の事実を2ヶ月間公表しなかった背景並びに組織的指示系統などに明らかにすること。
●東京電力の回答:第三者検証委員会の検証結果報告書を受領いたしました中で、いくつもの重要な事実が確認されておりますが、特に、『事故当時、「炉心溶融」の用語を使わないよう当時の社長が指示し、それに従って公表を差し控えてしまった』ことは隠蔽だったと大変重く受け止めています。
 当時の通報・報告の件につきましては、全て当社の問題並びに責任であったと受け止めており、どのような事態に直面しても、二度とこのようなことが起こらないよう、再発防止に取り組む所存です。
3、本件の責任の所在を明らかにすること。
●東京電力の回答:当時の清水社長が社内に「炉心溶融」という言葉を使うなという指示をしたこと自体が問題だと考えております。
 福島第一原子力発電所の事故当時、「炉心溶融」の用語を使わなかったことを含め、当時の通報・報告の問題は、全て当社の問題並びに責任であったと受け止めております。
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 質疑では、「炉心溶融問題の幕引きは許されない」として、勝又元会長が当時「国民を騒がせるのがいいのかどうかの首相判断だけれど、記者会見でそれをきかれたら、それを否定する」と発言していたことや隠蔽の事実が追及され、東京電力と新潟県による合同検証委員会の見通しについて次回回答するとした。
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 さらに、被曝労働者の待遇改善では、全面マスクのフィルターの再利用は、月に1回新品と交換という運用が報告された。東京電力が労働者に実施している直接アンケートの結果、10時間超の作業時間の扱いについて労働基準監督署の判断を確認、次回回答するとした。
 凍土遮水壁の凍結が始まったが、消費電力量は年間4,400万kw。電力供給は自社送電線で逆流電力を使用。凍土遮水壁の凍結後の建屋への地下水流入量は、次回回答。その他、1・2号機排気筒の解体計画は次回回答。
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by kazu1206k | 2016-07-21 23:56 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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