汚染水、損害賠償と廃炉費用の負担で東電申し入れ

 11月9日午後、脱原発福島ネットワークの東京電力交渉(再開第30回)が、いわき市平の東京電力平送電所で行われました。
 冒頭、「汚染水海洋放出の中止、損害賠償と廃炉費用の消費者負担に反対する申し入れ書」(下記掲載)を提出して、汚染水の海洋放出の中止を求めるとともに、損害賠償と廃炉費用の消費者負担に反対しました。
 トリチウム汚染水の処分については、「希釈後海洋放出」が最も短期間・低コストで処分できるとする汚染水処理対策委員会「トリチウム水タスクフォース」による報告書に基づき、経済産業省が「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会(仮称)」を設置し「風評被害などの社会的な観点」「被ばく評価に基づく影響」など総合的な検討を11月11日から行うとしていることから、あらためて県漁連が求めるタンク保管や固化を含めて回答を求めたものです。
 また、損害賠償と廃炉費用の消費者負担については、福島原発事故の処理費用が15兆円を超える見通しの中で、東京電力の「新・総合特別事業計画」が行き詰まったため、経済産業省が「東京電力改革・1F問題委員会(東電委員会)」などで秘密会を繰り返しながら、新たな「新総合特別事業計画」に基づく新たな東電支援・救済策をつくるために動いていること、電力システム改革の名で福島第一原発事故はじめ損害賠償と廃炉費用の負担を国民に転嫁しようとしており、事故の賠償責任について事業者の「有限責任化」論など原子力救済・延命策のシステムづくりを急いでいることから、福島第一原発事故処理費用やその負担について、回答を求めたものです。
 この後、9月14日提出の「東電福島第一原発事故・収束作業に従事した作業員の白血病労災認定に関する要請書」への東京電力の回答と質疑、福島第一原発事故処理での外国人労働者による偽装請負問題、廃炉カンパニーの増田さんとの対話、凍土遮水壁、雨水対策、1・2号機排気筒解体などへの質疑を中心に交渉が行われました。
 「東電福島第一原発事故・収束作業に従事した作業員の白血病労災認定に関する要請書」への東京電力の回答については、内容に応えてない部分があり、あらためて回答を求めました。

汚染水海洋放出の中止、損害賠償と廃炉費用の消費者負担に反対する申入れ書

東京電力ホールデングス(株)代表執行役社長 廣瀬 直巳 様     2016年11月9日

 経済産業省は、東京電力福島第一原発事故でタンクに貯蔵されているトリチウム汚染水の処分について、「希釈後海洋放出」が最も短期間・低コストで処分できるとする汚染水処理対策委員会「トリチウム水タスクフォース」による報告書に基づき、「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会(仮称)」を設置し「風評被害などの社会的な観点」「被ばく評価に基づく影響」など総合的な検討を11月11日から行うとしている。
 総量80万トンのトリチウム汚染水を1日400トン処分するという「希釈後海洋放出」シナリオは、告示濃度の1リットル当たり6万ベクレル以下に海水と混ぜて海に最長88ヶ月(約7年)流すもの。これは現在の東京電力の運用基準1リットル当たり1500ベクレルを40倍も基準を緩めることである。トリチウムの総量は、2013年12月時点800兆ベクレルとされ、事故前の東京電力の保安規定の年間放出管理基準値22兆ベクレルの40倍近くになる。また、事故前2009年度の福島第一原発のトリチウム海洋放出実績は2兆ベクレルで、タンク貯蔵トリチウム総量800兆ベクレルを海洋放出すれば、約7年で400年分を放出することになる。トリチウムの放出は、サブドレン等の汚染水だけで一日9.65億ベクレルとされ、貯蔵タンクを含め総量1,000兆ベクレルものトリチウム投棄によって海洋汚染が拡大する。
 これに対し、福島県漁連は「タンク保管」を求めており、各漁協組合長会議は「実害になる」として、海への放出は認めない方針を確認している。トリチウム汚染水の海洋放出は、コストを優先して国民の命と健康をないがしろにするものである。
 また、経済産業省は、東京電力改革・1F問題委員会(東電委員会)と電力システム改革貫徹のための政策小委員会(貫徹小委)を設置し、原子力委員会も原子力損害賠償についての議論を行っている。このように委員会を幾つもつくり、秘密会を重ねながら、年内に結論を出すと急いでいる理由は、福島原発事故の処理費用が15兆円を超える見通しの中で、行き詰まっている東京電力の「新・総合特別事業計画」を見直し、新たな「新総合特別事業計画」に基づく新たな東電支援・救済策をつくるために他ならない。「東電だけでは無理だ」「今まで電気の恩恵を受けてきた電力消費者が公平に分担しよう」という筋書きである。
 これは、電力システム改革の名で福島第一原発事故はじめ損害賠償と廃炉費用の負担を国民に転嫁しようとするものであり、事故の賠償責任について事業者の「有限責任化」論など原子力救済・延命策のシステムづくりである。
 この際、わたしたちは、汚染水の海洋放出の中止を求めるとともに、損害賠償と廃炉費用の消費者負担に反対するものである。下記の通り申し入れ、速やかな回答を求める。


1、トリチウム汚染水の海洋放出計画について、放出総量、管理基準、放出方法等を明らかにすること。
2、トリチウム汚染水海洋放出に関する環境アセスについて、実施後責任者が公開の場で説明すること。
3、トリチウム汚染水保管について、県漁連のタンク保管や固化の要望を検討し結果を説明すること。
4、福島第一原発事故処理費用について、損害賠償、事故炉処理、事故処理、汚染水処理、除染処理、廃棄物処理・管理など、これまで使った費用はどのようなものにいくらか使ったか明らかにすること。
5、福島第一原発事故処理費用について、今後の費用は何にいくらかかかるか明らかにすること。
6、今後の費用負担は、それぞれ誰が負担するのか明らかにすること。

以上

命を守る三春の会   風下の会福島   脱原発の日実行委員会福島  脱原発福島ネットワーク 脱原発緑ネット  ハイロアクション福島  福島原発30キロひとの会  双葉地方原発反対同盟  フクシマ原発労働者相談センター    ふくしまWAWAWA―環・話・和―の会
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by kazu1206k | 2016-11-09 22:38 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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