住宅無償提供の打ち切りは認めない!3.31声明

 3月31日、東京電力福島第一原発事故による居住制限と避難指示解除準備区域が、飯館村や浪江町、川俣町山木屋地区で解除されました。4月1日には、富岡町でも帰還困難区域を除く両区域が解除されます。そして、3月31日は、福島第一原発事故による区域外避難者の住宅無償提供の打ち切りも強行されました。
 未だに、政府の原子力緊急事態宣言は解除されていないにもかかわらず、国は、復興加速化の名の下、年間被曝線量20mSv以下の地域への帰還政策を強行し、区域外避難者の住宅無償提供打ち切りという非人道的施策を強行しました。
 医療や介護、生活基盤が確立されないままの早すぎる帰還宣告、飯館村には約230万袋の除染廃棄物が水田などに積み上げられたまま。長期の低線量被曝の受忍の強制に対して、多くの解除地域住民は、放射線被曝の健康影響から身を守り、子どもたちの未来を守るために、帰還を選択してはいません。
 福島県内はもとより全国に避難している避難者は、母子避難や二重生活による経済的疲弊や精神的重圧、周囲の無理解や子どもたちへのいじめの中で、この6年間、困難に耐えて頑張ってきました。区域外避難者の住宅無償提供の打ち切りは、こうした家族から住まいを奪うことに繋がり、生活環境の変化が暮らし全体と精神に大きな打撃を与えることになることから、打ち切り期限の公表以来、全国で反対の声が上がり、避難先自治体での支援策の具体化を実現してきました。
 しかし、福島県内はおろか全国各地の避難者はじめ多数の被害者が放射能汚染と長期の低線量被曝に苦しんでいるにもかかわらず、国と福島県は、区域指定の解除と住宅無償提供の打ち切りを強行したのです。一方で、県民健康調査では、小児甲状腺がんの悪性または悪性疑いが184人とされ、報告されていない例も明らかになりはじめています。2020年の東京オリンピックまでに、福島原発事故は終った、避難者はもういない、ということにする復興の加速化。帰還政策とは、人間の復興とはかけ離れた、福島切り捨ての棄民政策です。
 この日は、住宅無償提供打ち切りは認めない!と、3.31アクションが、福島県庁前と国会前で行われました。住まいを奪うな!という声が福島と東京に響きました。
 以下は、原発事故被害者団体連絡会(ひだんれん)など原発事故被害者3団体が、内堀福島県知事宛に提出した共同声明「住宅無償提供の打ち切りは認めない」です。

原発事故被害者3団体共同声明

「住宅無償提供の打ち切りは認めない」


 内堀雅雄福島県知事と福島県当局は、避難指示区域外からの避難者1万2539世帯・3万2312人に対する住宅無償提供と県内の一部仮設住宅入居を、3月31日限りで打ち切る、と改めて言明した。
 私たち被害者3団体はこれを認めない。今からでも遅くはない。この発言を撤回し、直ちに国と再協議し、法的責任に基づき被害者への住宅無償提供を継続し、抜本的な被害者救済制度を速やかに確立することを求める。

 県内外の避難者は、2013年以降、「来年の住まいはどうなるのか」という不安の中で過ごすことを強いられてきた。多くの署名を集め、「子ども・被災者支援法」の精神に基づく住居の安定した提供を求めてきた。しかし、内堀知事は2015年6月、政府から同意を得たとして、一方的に災害救助法の適用打ち切りを宣言した。前年まで政府に対し継続を要請してきた福島県の姿勢を一転させたのだ。
 その理由は何なのか。「除染の進捗、食品の安全性の確保等復興が進み、生活環境が整いつつある中、多くの県民が福島で暮らしており、応急救助の必要性が無くなった」というばかりで、判断に至った経緯、判断の根拠について、具体的な説明はない。「救助」を「支援」に切り替える必然性についての答えもない。政府は知事のこの判断を盾にして、「被害者救助の義務」を逃れようとしている。

 3月17日、群馬県に避難していた137名が求めていた損害賠償訴訟で、前橋地方裁判所は原発事故に対する国と東京電力の法的責任を明確に認め、被害者への賠償を命じる司法の判断を示した。そこには避難指示の有無による線引きはない。もはや、避難指示区域外避難者に対する「災害救助」での言い逃れは許されない。

打ち切りに代わるものとして、避難者の声を聞くこともなく半年後に決定された「支援策」は、避難先自治体への住宅確保の依頼と、民間賃貸住宅居住者の一部に対する2年限定の家賃補助に過ぎない。それにも関わらず県当局は昨年以降、3次にわたって戸別訪問を実施、「3月末退去」を迫り続けてきた。
内堀知事は3団体の公開質問状に対し、「自主避難者の約97%については、4月以降の住まいの確定が見込まれている」と回答した。この数字の根拠は何か。仮に、この回答を前提にしても、3%、343世帯は、いまこの段階で、生活の基盤である住まいを追われようとしているのではないか。「97%」の多くが、新たな経済負担に立ちすくんでいる姿が見えないのか。見ようとしないのか。

 これらの事態は全て、内堀知事の判断によって引き起こされた、新たな被害である。
県民の命と生活を守るべき知事に、県民である原発被害者をさらなる苦境に追い込む権限はないはずだ。今後生じるすべての問題を含め、内堀知事はその責任を逃れることはできない。住宅提供打ち切りという人権を無視した手段を前提とした「帰還政策」「復興政策」は、既に破綻している。今こそ正道に戻るべきだ。

  私たちは、被害者の一人たりとも路頭に迷わせることは認めない。
福島県内外を問わず、全ての被害者に日本国憲法が定める基本的人権が守られる生活が保障されるまで、住宅無償提供の打ち切りと仮設住宅からの追い出しを中止・撤回し、法的責任に基づく抜本的な被害者救済策の速やかな確立を要求し続ける。

 2017年3月31日

原発被害者団体連絡会
連絡先:☎080-2805-9004 Email:hidannren@gmail.com
原発被害者訴訟原告団全国連絡会
連絡先:☎090-3363-5262 Email:gensoren@zpost.palala.
「避難の権利」を求める全国避難者の会
連絡先:☎080-1678-5562 Email:hinannokenri@gmail.palala.com

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by kazu1206k | 2017-03-31 23:26 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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