原発老朽化対策、無理のある超音波探傷試験では不十分

東京電力は、原子炉内の劣化した配管等の健全性評価を行って運転を継続する、いわゆる維持基準について、県内10機の原発でも導入しようと、立地4町に強く働きかけている。
また、東電の損傷隠し不正事件の発覚で、導入反対の意見書を国に出している県議会でも、自民党内で9月県議会中に容認で取りまとめようとする動きが出てきた。

こうした中、8月、いわきで「原発の老朽化対策を原子力安全・保安院に聴く会」が開かれ、経済産業省原子力安全・保安院の福島第一と第二の原子力保安検査官事務所から2人の所長が出席。制御棒破損、応力腐食割れ、維持基準、検査制度の見直しなど原発の老朽化対策を説明したが、原子力安全行政への姿勢と対策内容に批判的意見が相次いだ。

会場からは、
「制御棒破損部分が未回収のままの健全性評価は、都合がよすぎないか」
「燃料被覆管にひっかからないという技術的的評価も不明だ」
「検査官は、高速中性子の計測の仕方は知っているのか」
「維持基準は時期尚早だ。超音波探傷試験(UT)が不正確でUT自体に無理がある」
「作業員の被曝も高レベルだ。第二原発3号機再循環配管全周ひび割れも問題ではないか」
などの、質問や意見がだされていた。

これに対し検査官は、「電力会社の意識改革が必要だ。検査官の技量はある。新採用とメーカー等から中途採用があり、自分は17年勤務で半分は原子力行政。電力の言いなりというのは悔しい」
「再循環配管は維持基準導入の実施を遅らせた。ひび割れ測定認定制度(PD制度)を
 導入した。第2原発3号機の再循環配管全周ひび割れの見落としは真摯に反省している」との話。

東電の損傷隠し不正事件で隠されていた、ステンレスに割れが生じる応力腐食割れ。
その対策が、ひび割れていても運転を続ける「維持基準」。
その技術が、ひびの大きさを測る超音波探傷試験だが、女川でひびを見つけられず、柏崎では過大評価、福島第二原発3号機では配管全周のひび割れを配管裏面からの跳ね返り波と誤認して見逃した。一方では、検査員の被曝を増やしている。
原発老朽化対策、無理のある超音波探傷試験では、依然、不十分であることは言をまたない。
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by kazu1206k | 2006-09-11 08:14 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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