放射能の環境放出、故障するまで点検しない国策原発の杜撰

7月31日から8月11日まで続いた、福島第一原発4号機でのトリチウムの環境放出事故。9月25日、東電は市民側の抗議に回答して、実に驚くべき、杜撰な保守管理の実態を明らかにした。
こんなやり取りだ。

Q:なぜ、放射性物質が環境に放出されたのか?原因は?
A:それは、本来、閉まっていなければならない弁が開いていたこと。そして、いざという時に機能する逆止弁も壊れていたから。だから、放射性物質が環境に放出された。

Q:では、なぜ放射性物質は12日間も環境に放出され続けたのか?
A:それは、二つの弁が昭和53年に設置されてから、一度も点検していなかったから。だから、何が原因か特定するまで12日間かかった。

Q:保守点検は規則ではどうなっているのか?
A:この「除染純水入り口弁」と「逆止弁」は、故障するまで点検しないことになっている。

Q:では、放射性物質が環境に放出される可能性のある弁で、故障するまで点検しない弁はいくらあるのか?
A:いまは、わからない。

Q:これではシステムエラーと言われても仕方がない。管理運営体制はどうなっているのか?
A:ちゃんと、弁を管理していなかった。管理運営体制の不備は認める。今後は、チェックシートに弁の名称と番号を明記する。

Q:このような境界弁を、今後は定期的に点検すべきではないのか?
A:あらためて回答する。

Q:県と住民への通報連絡が遅れたことに明確な謝罪がないのではないか?
A:?????

Q:トリチウム放出への認識が不足しているのではないか?
A:トリチウムへの認識不足は認める。今後の行動に反映していきたい。

「原子力は5つの壁で守られているから安全」、環境に放射能は放出しないと、宣伝しているのは東京電力だ。
しかし、実態は、放射性物質が環境に放出される可能性のある弁でさえ「故障するまで点検しない規則だ」というのだから、愕然とする話だ。
一般的な化学プラントで実施されているバルブ管理さえ、東京電力の国策原発では行われていない。杜撰極まる管理の実態が、ここにある。
原子力安全・保安院の係官は「ヒューマンエラーでとんでもない」と言っていたが、果たしてそれで済むのか。

今回のトリチウム=放射性物質の環境放出量は、「基準値以下だから安全」というが、日常的な微量放射能の環境への放出に、住民は不安を隠せない。
実際、双葉郡の周産期死亡率の高さに住民の不安は消えていない。
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by kazu1206k | 2006-10-04 10:14 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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