日本型エグゼンプション=残業代不払いの合法化は許されない

e0068696_101341.jpg日本型エグゼンプション。
これは、2005年日本経済団体連合会が提言を行い、2006年に厚生労働省の労働政策審議会労働条件分科会が素案を示したもので、一定の役職や収入にある労働者に残業代を支払わないことを制度化するものだ。

この一定の役職や収入について、厚労省は「係長級」「チームリーダー級」と言い、経団連は、「年収400万円」を対象としている。
職場や労働の現場をみれば、「年収400万円」や「係長級」の労働者の多くが「サービス残業」を行っているの実態だ。
「サービス残業」がいやなら「リストラ」が待ち構えているといって過言ではない。
ましてその「年収400万円」には、その残業代が生活給となって組み込まれている。
試算では、残業や休日出勤の割増賃金を払わず年間11兆5,851億円もの人件費が削減され、一人あたり、114万3,965円の残業代を労働者が失うとされている。トンデモナイ話だ。

「過労死」が社会問題になって久しい。
1990年代から日本では、世界の週40時間や週35時間という労働時間短縮の動きに逆行して、新自由主義による規制緩和政策の荒らしが吹き荒れてきた。
「リストラ」という名の首切り、「サービス残業」という名の残業代不払いによる長時間労働の強制。そうした中での労働者の過労死、毎年3万人を超す自殺者という異常な社会を作り出してきた。
無念の死を遂げた労働者、その家族たちが訴えた裁判の中で、「夜8時以降は残業と認めない」「月30時間以上の残業は記録するな」、そうした業務命令の存在が暴露され、「サービス残業」の実態が明らかになっている。

こうした労働基準法の改悪の現実を、制度として法的に確立しようというのが、日本型エグゼンプション制度関連法案の国会提出である。
この法案が通れば、「労働時間」や「残業」「残業代」という概念もなくなり、年収も落ち込み過労死や心身症の増加など、労働者が人として生きていくことが、ますます困難になる。
2006年の日米投資イニシアチブ報告書では、アメリカ政府が日本政府に対し「労働基準法による現在の労働時間制度の代わりに、ホワイトカラーエグゼンプション制度を導入するよう要請した」とされ、アメリカから日本への圧力ともみられている。
格差社会は、働いても働いても豊かにならない「ワーキングプア」を生み出してきた。日本型エグゼンプション=残業代不払いの合法化は、断じて認められない。
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by kazu1206k | 2007-01-08 10:14 | 時評 | Comments(0)

佐藤かずよし


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