福島第一原発、原子炉安全確認用の監視試験片が残り1個!

 中性子線の照射によって、原発の運転開始時から原子炉圧力容器がどの程度劣化しているかを調べるために、「監視試験片」が原子炉の圧力容器内に入れてある。
 その監視試験片が、東京電力福島第一原発の各原子炉でそれぞれ1個、第二原発でそれぞれ2個しか残されていないと、昨年12月30日以来報道されている。

 監視試験片は、原子炉圧力容器と同じ材質の合金板。監視試験片による圧力容器の安全性評価は、電気事業法に基づいて実施され、老朽化=経年劣化の状況を確認するものだ。
 試験片は、原子炉圧力容器から運転年数12年経過ごとに1個ずつ取り出す規定で、ハンマーで割る「衝撃試験」や「引っ張り試験」などを行うが、現状では、第一原発各原子炉の試験片は、次回でなくなってしまうという。
このままでは、監視はもちろん原子炉圧力容器の安全評価ができなくなる可能性がでてきた。 

 もともと、設計時の原発の寿命は30〜40年だったから、設計時の寿命に見合った監視試験片が、原子炉圧力容器内に入れてあったのだ。
 ところが、国と電力会社は、度重なる老朽化の危険性の指摘にもかかわらず、90年代から原発の老朽化を高経年化対策と称して、設計時の原発の寿命をはるかにこえる「60年の使用に耐えうる」と強弁し、設計時の寿命を超えて運転し続けているため、今回のような事態が発生したのだ。

 保安院は、試験片の「再利用技術」の導入など対応を急いでいるというが、泥縄の極みだ。
 シュラウドのひび割れを見るまでもなく、老朽化によって想定外のひび割れの可能性が高まることは否定できない。中性子線照射による原子炉の安全性確認のための監視試験片評価をいい加減な形で進めることはできない。
 設計時の寿命を過ぎた原子炉は、安全確認ができないなら、廃炉の検討をするのが当たり前ではないか。それこそ現実的である。
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by kazu1206k | 2008-01-14 18:15 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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