一般質問、若者の雇用と非正規労働の改善を求める

 7月28日の一般質問では、5項目の質問を行いましたが、そのうち、若者の雇用と非正規労働の改善については、以下のような内容です。

 非正規雇用は、期間を定めない雇用契約を結ぶ正規雇用に対し、期間を定めた短期契約で労働者を雇う雇用形態のことです。パートタイマー、アルバイト、契約社員、派遣社員が含まれます。
 戦前のプロレタリア文学作家、小林多喜二の小説「蟹工船」がベストセラーになっている今日、若者の雇用と非正規労働が大きな社会問題になっています。
 先日の秋葉原の歩行者天国における無差別殺傷事件も、若者がいま陥っている困難と非正規労働がもたらす社会の病巣が示されています。
 1986年労働者派遣法の制定により派遣労働の規制緩和が正式に法律で規定され22年が経ちました。当初は業種が制限されていましたが、同法が改悪され業種が拡大して、派遣職員が増加し日雇い派遣まで拡大しました。
 その結果、国際競争力の美名の下に、日本的労働慣行は根絶やしにされ、労働者の労働条件の低下、生活の破壊、若者が結婚もできず、家庭も子供も持てない「働く貧困層」=ワーキングプアが生み出され、格差社会がつくられてきました。
 1998年から2007年3月の間に日本の雇用構造は劇的に変化し、正規労働者が401万人減る一方、非正規労働者553万人増え、非正規労働者は2007年には1726万人、労働者3人に1人、女性・青年では2人に1人が非正規労働者という状況になっています。
 これらの非正規労働者は、不安定な雇用で劣悪な労働条件のもとに働かされています。パート労働者の賃金は正規労働者の34%、1692万人(男性18.1%、女性65.1%)、非正規労働者で年収200万円未満の労働者は78.2%を占めています。

(1) 本市における非正規労働の実態について
●質問:本市内の雇用労働者数は、正規、非正規で10年前と比べどう変化しているか。
■商工観光部長答弁:
総務省統計局は、雇用労働状況を示す「就業構造基本調査」をこの10年間では、平成9年度、14年度、19年度に実施しておりますが、平成9年度につきましては、本市を対象とした集計を行っていないことから、平成14年度と平成19年度の調査結果をもとに、5年間の状況について申し上げます。
平成14年度における、会社などの役員を除く市内雇用労働者の総数は、114,400人であり、そのうち、正規雇用者数は、82,900人、パート、アルバイト、労働者派遣事業所の派遣社員など非正規雇用者数は、31,500人となっております。
また、平成19年度の市内雇用労働者の総数は、141,800人でありそのうち、正規雇用者数は、95,400人、非正規雇用者数は、46,400人となっており、最近5年間で、正規雇用者は、12,500人、非正規雇用者は、14,900人増加しております。
なお、雇用労働者の総数に占める非正規雇用者の割合は、平成14年度が27.5%、平成19年度が32.7%となっており、5.2ポイント増加しております。

●質問:15歳から24歳の若者では、どうか。
■商工観光部長答弁:
「就業構造基本調査」には、年齢別・雇用形態別の雇用労働者数が掲載されておりますが、平成9年度及び14年度における当該調査では、本市を対象とした集計を行っていないことから、福島県の状況について申し上げます。平成9年度における、会社などの役員を除く15歳から24歳の県内雇用労働者の総数は、116,000人であり、そのうち、正規雇用者数は、92,000人、非正規雇用者数は、24,000人となっております。
また、平成19年度における、15歳から24歳の県内雇用労働者の総数は、81,800人であり、そのうち、正規雇用者数は、48,500人非正規雇用者数は、33,300人となっており、最近10年間で、正規雇用者は、43,500人減少し、非正規雇用者は、9,300人増加しております。
なお、雇用労働者の総数に占める非正規雇用者の割合は、平成9年度が20.7%、平成19年度が40.7%となっており、20ポイント増加しております。

●質問:本市内の雇用労働者の基本的な労働条件は、正規、非正規でどの程度の格差があるか。
■商工観光部長答弁:
「平成19年賃金構造基本統計調査」では、正規、非正規雇用者の賃金、労働時間の比較がなされておりますが、本市を対象とした集計を行っていないことから、全国の状況について申し上げます。
正規雇用者の賃金を100とした場合の非正規雇用者の賃金は、18歳から19歳が91、20歳から24歳が87、以降、年齢の上昇にともない格差が広がり、最大で、45歳から54歳が47となっております。
また、所定内実労働時間数につきましては、月あたり、正規雇用者が平均167時間、非正規雇用者が平均163時間、超過実労働時間数につきましては、月あたり、正規雇用者が平均15時間、非正規雇用者が平均12時間と、総じて正規雇用者の労働時間が多くなっております。

(2) 本市の非正規職員の待遇改善について
 総務省の調査で、2006年の自治体の非正規職員は45万5千人と公表されました。この調査の前提は、週20時間以上の労働時間で、6ヵ月以上勤務が予定されている非正規職員といいますので、実態はもっと高い比率と想定されます。
これらの非正規職員の大半は、地方公務員法にもとづく「一時的・臨時的・補助的」業務ではなく、本来正規職員が担うべき「恒常的・基幹的」業務に従事しています。
 しかし、地方公務員法は、「恒常的・基幹的」業務に非正規職員を従事させることを想定していないため、長期に働いていても、一時金・退職金・諸手当がない、昇給制度がないなど労働条件のもとで働いています。保育所などさまざまな職場で正職員と同等の仕事をしているにもかかわらず、給与水準が正職員より低いという問題です。

●質問:市の職員数は、正規、非正規で15年前と比べどう変化しているか
■総務部長答弁:
平成20年度の本市の職員数は、正規職員3,966人のほか、特殊な知識経験等を有する者として雇用している常勤の嘱託職員及び業務繁忙期における臨時的な業務や職員の病気休暇、育児休業等の代替職員として雇用している日々雇用職員、いわゆる臨時的任用職員が570人、全体で4,536人となっております。
また、平成5年度の職員数は、正規職員が4,671人、臨時的任用職員が312人、全体で4,983人となっております。
したがいまして、15年前と比較し、現在では、正規職員は705人の減少、臨時的任用職員は258人の増加で、全体では447人の減となっております。

●質問:本市の正規と非正規職員は、賃金などの労働条件で、どの程度の格差があるか
■総務部長答弁:
労働条件につきましては、賃金面では、平成20年地方公務員給与実態調査における一般行政職の平均給料月額は、平均年齢40.2歳で、32万1,100円となっているのに対し、臨時的任用職員の賃金額は、職種によって異なりますが、平均的な賃金額といたしましては、平均年齢36.8歳で、16万400円となっております。
 
●質問:舛添厚労相は、2月の衆議院予算委委員会答弁で、ある自治体の半数で非正規保育士の割合が五割をこえていることに対し、「保育士は常用雇用すべきだと思う」と答弁しています。本市の公立保育園では、2分の1近くが臨時職員ですが、この答弁をうけてどう改善するのか
■保健福祉部長答弁:
国が定める保育士配置基準における保育士の雇用形態につきましては、国の通知において常勤職員といった条件はあるものの。正規・非正規の区分や常用雇用であるかどうかについては示されていないところであり、本市におきましても。市民の多様な保育需要に的確に応える特別保育や障がい児保育の実施、更には、職員の各種休暇代替のため、臨時保育士を雇用しているところであります。
今後、厚生労働省の動向を見極めるとともに、臨時保育士の雇用のあり方について、引き続き関係部局と協議を重ねて参りたいと考えております。

●質問:総務省は、自治体の非正規職員の待遇改善策を検討する有識者研究会を立ち上げ、12月に報告書を取りまとめる予定といい、非正規職員の職務内容や待遇を実態調査し、正職員などへの身分変更も含め職務内容に見合った処遇を与える方策を協議するとされています。
 不安定雇用の要因となっている地公法の見直しを国に働きかけることも含めて、行政として、賃金及び昇給、雇用期間など非正規職員の待遇改善に取り組む社会的責任をどう考えるか
■総務部長答弁:
臨時的任用職員の賃金等の雇用条件につきましては、県内他市や市内民間企業等の状況をはじめ、勤務実態等を踏まえながら、適切に対応しているところであります。
市といたしましては、今後とも、地方公務員法の趣旨を踏まえながら、臨時的任用職員の雇用条件等について、必要に応じ見直しを図るなど、行政機関として、適正な雇用条件の確保に努めて参りたいと考えております。


(3)本市が推進する雇用・就労対策について
若者の2人に1人が非正規労働者という状況の中で、若者の雇用安定が市政の重要課題であります。
 そんな中、先日市民から、本市での雇用対策のひとつとして、市の外郭団体に市の幹部が天下りするのをやめ,その分若者を雇用して欲しいといわれました。

●質問:市の出資団体及び当該団体が管理する公の施設では、本市幹部の所謂「天下り」をやめ、若者の雇用・就労の機会を拡大すべきではないか
■総務部長答弁:
出資団体等への職員の再就職につきましては、当該団体等の円滑な運営に資する観点から、その要請に応じ、必要な知識経験等を考慮して紹介しているものであります。
 出資団体等は、自ら、業務の遂行に必要な人材を採用しているものでありますことから、若年層の雇用についても、それぞれの団体が、その必要性等により、判断するものと考えております。

●質問:国の地域雇用創造推進事業を活用するなど、本市としての若者の雇用推進事業を具体的に計画すべきではないか。
■商工観光部長答弁:
地域雇用創造推進事業は、地域における自主的かつ創意工夫を活かした雇用創造を推進することを目的とした国の雇用対策事業であり、市町村をはじめとする地域の関係者で構成する協議会が策定する「地域雇用創造計画」に基づき、新規創業や事業拡大の支援、求職者の能力開発や教育、求職者への情報提供や相談事業などを協議会が実施するものであります。
本市におきましても、当該制度の前身である地域提案型雇用創造促進事業が創設された平成16年度に、協議会設立準備会を立ち上げるとともに、事業計画案を策定し、事業構想提案を行いましたが、全国から71団体という多数の提案があったこと、事業計画案における雇用創出の有効性が十分に認められなかったこと、更には、認定条件である有効求人倍率が比較的高かったことなどから、認定には至りませんでした。
しかしながら、近年の雇用情勢や財政状況を勘案し、当該制度の活用について引き続き検討を進めるとともに、更なる若年者の雇用促進に繋がる施策の充実に努めて参りたいと考えております。
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by kazu1206k | 2008-07-30 07:00 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


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