指定管理者制度、3年間の総括を質疑

指定管理者制度は、小泉構造改革の一環として、平成13年の経済財政諮問会議の骨太の方針、翌14年の総合規制改革会議「規制改革第2次答申」において「公の施設の管理委託を民間事業者に対しても行えるよう制度改正すべきである」との答申を受け、平成15年の地方自治法の改正により導入され、地方自治体は「公の施設」を指定管理者による管理とするか、直営とするか条例で定めてきました。

イギリスでは、サッチャー政権が公共サービスの民間開放をすすめ「財政赤字の解消と小さな政府の実現」「民営化による新たな民間ビジネスの創出」として、規制緩和と民営化を推進しましたが、新自由主義=市場原理主義による公共サービスの規制緩和が教育と福祉の荒廃を招いたとして、サービスの質の見直しや市民参加、労働者保護を重視したシステム改善に転換しました。

指定管理者制度の導入目的は、「住民サービスの向上と行政コストの縮減」とされていますが、住民サービスの向上は実現したのか、従来型の施設管理の域を出ず単なる経費削減策ではないのか、指定管理者への業務委託費は適正な人件費をカバーしているのか、指定管理者制度そのものを厳しく評価すべきではないか,その実態と問題点について、12月11日、総括質疑を行いました。

以下は、議案第43号~議案第87号 指定管理者の指定について の質疑応答です。

 ⑴ 指定管理者制度導入による3年間の総括について

 ア 指定管理者制度導入による市民サービス向上の効果として、利用者ニーズに即して事業内容の見直しを行った事例等が挙げられているが、どの施設のサービスがどう向上したのか。

<総務部長答弁>具体的な事例といたしましては、障害者生活介護センターにおいて、利用者のアンケート結果に基づき、看護師を増員し、リハビリの充実を図ったこと、フラワーセンターにおいて、ホームページを活用し、講習会や花の情報の積極的なPRを実施したこと、労働福祉会館において、休館日も施設使用の予約を行えるようにしたことなどであり、市民サービス向上への取り組みが行われているところであります。

イ 制度導入前と制度導入後の総事業費の削減額は、いくらになるのか。

<総務部長答弁>今回の議案に係る171施設について、指定管理者制度導入前の平成17年度と、制度導入後の平成18年度の施設管理経費を比較いたしますと、削減額は、総額で約5,400万円となっております。

ウ 直営施設と従前より管理委託していた施設では、削減額はどの程度違うのか。

<総務部長答弁>平成18年度に直営から指定管理者制度に移行した施設は、フラワーセンター1施設であり、約3,200万円の経費削減が図られております。一方、管理委託制度から移行した施設は、170施設であり、総額で約2,200万円の経費削減が図られております。

エ 指定管理者が再委託や再々委託したような随意契約などの事例はあるのか。

<総務部長答弁>各指定管理者が業務を委託している事例といたしましては、消防法に基づく消防設備保守点検業務や電気事業法に基づく電気工作物保安管理業務等のほか、警備業務や清掃業務などがあります。

オ 指定管理者の指定が膠着して、所期の目標・目的から脱線し指定管理者=新手の第三セクター化しているとの指摘にどう応えるのか。

<総務部長答弁>指定管理者の選定に当たりましては、適正な競争の確保による、施設の効果的・効率的な管理を促進する観点から、原則として、公募によることとし、その選定審査につきましても、選定過程の透明性の確保や選定理由の明確化を図る観点から、原則として、選定機関を各部等に設置し、必要に応じて職員以外の第三者を加えたところであります。
今後におきましても、利用者へのアンケート調査や施設管理の評価など、モニタリングの拡充を図りながら、指定管理者制度の適切な運用に努めて参りたいと考えております。

カ 指定管理者への業務委託費のうち人件費の占める割合は、どの程度になると把握しているのか。

<総務部長答弁>平成19年度の実績で申し上げますと、施設管理委託料に対する人件費の割合は、約40%となっております。

キ 指定管理者への業務委託費が適正な人件費をカバーできない水準で、世間並みの給与を支払う財源が確保できず適正な人材を確保ができないということはないのか。

<総務部長答弁>市といたしましては、指定管理者から提出される事業報告書や現地確認等により、管理業務の実施状況を確認・評価しておりますが、いずれの施設におきましても、管理の基準に基づき、適正に業務が行われておりますことから、必要な職員は、確保されているものと認識しております。
 
⑵ 今後の課題について

ア 情報公開と個人情報保護のために、条例のそれぞれの実施機関に指定管理者を含めるべきではないか。

<総務部長答弁>指定管理者における情報公開につきましては、「いわき市情報公開条例」に基づき、情報の公開を行うための必要な措置を講ずるよう努めることとされております。また、指定管理者における個人情報保護の取扱いにつきましては、「いわき市個人情報保護条例」に基づき、個人情報の保護に関し必要な措置を講じなければならないとされております。
指定管理者は、市の実施機関からは独立した存在であり、主体性の尊重等の観点から、
これらの条例において、実施機関として位置づけてはおりませんが、市の実施機関に準じた取り扱いをすることとしており、具体的には、市と指定管理者とが締結する協定に
必要な事項を明記し、実効性を確保しているところであります。

イ 3~5年の指定期間が終了した場合、指定管理者制度の継続ばかりでなく、必要に応じて直営に戻す、あるいは手放して民間に託すなど、指定管理者制度そのものを厳しく評価すべきではないか。

<総務部長答弁>今後の施設管理につきましては、指定管理者による管理状況の十分な評価に努めるとともに、指定管理者制度の趣旨を踏まえながら、施設の設置目的の効率的・効果的な達成に向け、適切に対応して参りたいと考えております。
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by kazu1206k | 2008-12-18 10:17 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


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