2008年 12月 09日 ( 1 )

市立病院を守るべし、市立病院改革プランで質す

12月9日、いわき市議会12月定例会の一般質問を行いました。
一般質問は、3つの大項目「市立病院と地域医療を守るために」「ゴミ焼却と南部清掃センター建設工事談合事件について」「(仮称)小名浜火力発電所の建設計画について」を午後3時10分から4時まで50分間。

「市立病院と地域医療を守るために」では、公立病院の赤字の原因が国の社会保障費の大幅削減策、医療費削減策にある事は、今や厚生労働大臣でさえ認めるところですが、総務省の公立病院改革ガイドラインは、財政の観点から、公立病院の再編統合、赤字病院の切り捨てをめざしているため、市立病院を守るべしと、質しました。

このうち、終了後、新聞記者さんから質問を受けたのは、「診療圏がいわき市以外に広がっている綜合磐城共立病院を、経営と診療圏を一致させ、例えば双葉地方といわき市の一部事務組合立病院として経営する、文字通り共立病院の名がふさわしい公立病院として、双葉地方にも経営に参画していただくことを検討してはどうか」という提案です。

綜合磐城共立病院は、浜通り及び茨城県北部をも診療圏とする地域の中核病院ですが、経営はいわき市、医療はいわき市、双葉郡、茨城県北部とずれた現実があります。ちなみに、平成19年度の入院患者数234,516人のうち市外は33,837人で22,192人が双葉地区、11,645人が県外と1割強を占めています。

病院事業管理者の答弁は「総合磐城共立病院につきましては、昭和25年11月に、開設して以来、今日に至るまで、これまで50年以上もの長きに渡り、浜通りから茨城県北部までを診療圏とし、地域の中核病院として、地域の皆様の生命と健康を守るという極めて重要な役割を担って参りましたが、昨今の医師不足等により、医療を取り巻く環境は、極めて厳しい状況となっております。
 このことから、議員お質しの一部事務組合を含めました新たな経営形態につきましては、地方公営企業法の全部適用へ移行して間もないため、その効果を見極める必要があること、また当面の病院経営にあたりましては、極めて厳しい舵取りが必要となるものと認識しておりますことから、同法の適用の下で、当面は、市立病院として継続することとし、(仮称)市立病院改革プランの進行管理の中で、検討して参りたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。」というものでしたが。



●「市立病院と地域医療を守るために」の質問と答弁は、以下の通りです。

⑴ 市立病院改革の基本について
 ア 市立病院の危機の原因である医療費削減策など国の医療政策の転換を求め、医師確保、診療報酬や交付税の増額を国に迫ることが必要である。市長の所見を伺います。

(病院局長) 大学医学部の医師派遣機能の低下や病院勤務医の過重労働等による医師不足、度重なる診療報酬のマイナス改定などにより、地方の公立病院にとりましては、その運営は非常に厳しい環境下にあるものと認識しております。
 また、地方交付税におきましては、公立病院改革の推進に資する観点から昨年度示されました「公立病院改革ガイドライン」に基づき、公立病院に係る施設整備費及び病床数に応じた普通交付税措置に関する見直しを実施することとされており、今後の動向を注視して参りたいと考えております。
 国への要望活動につきましては、東北市長会及び全国市長会、全国自治体病院開設者協議会等を通して地方交付税の見直しや医療制度改革及び医師確保対策について要望を行ってまいりましたが、今後もあらゆる機会を通じて働きかけを行って参りたいと考えております。


イ 資金不足の発生が危惧される状況となった原因は、国の医療費削減策による医師不足などの影響が大きいが、地方公営企業法が全部適用され2年目とはいえ、病院局としての主体的な総括は必要である。病院事業管理者の所見を伺います。

(病院事業管理者) 地方公営企業法全部適用から2年目の現在における総括といたしましては、地方公営企業法の全部適用のメリットであります機動性・弾力性を活用し、改革に取り組んで参りました。
 具体的な取り組みといたしましては、平成20年4月から経営感覚に富む人材の確保策として民間等実務経験者を採用し、体制面の強化を図ったほか、本院において、本年5月からの薬剤師の24時間常駐体制の本格実施や、患者さんの待ち時間の短縮を図るため、昨年9月から診療前の採血を40分早めるなどの患者サービスの向上を図る取組みを行ってまいりました。
 このような中ではありますが、平成19年度決算は、本院では収入面では対前年度比では増収となりましたものの、人件費、とりわけ普通退職者の退職金の増加や、高度医療による薬品・診療材料費の増加などにより、収支見通しを下回り、分院においても、医師不足の影響等により厳しい決算となったところであります。
 平成20年度につきましても、神経内科など一部の診療科においては、後任医師の見通しが立たないなど、依然として厳しい状況にあります。
 こうした状況を踏まえまして、今般、(仮称)いわき市市立病院改革プランの骨子案にてお示ししましたとおり、「1市1病院1施設」の方向性の加速化など、抜本的な改革に着手したところであり、厳しい環境の下で、改革の道のりは険しいものと考えておりますが、不退転の決意を以て、これまでにもまして改革を推し進めて参りたいと考えております。


ウ 市立病院改革を実現するには、現場の声が届き積極的に活かされるしくみを早急につくるべきである。全職員参加のしくみを保障すべきである。病院局の主体的な総括の上で、病院局長の所見を伺います。

(病院局長) 現場の声が届き積極的に活かされるしくみについてでありますが、病院事業は、医師をはじめ看護師、薬剤師等の医療従事者のチーム医療によって成り立つ「労働集約型」の事業であり、経営情報の共有化や研修等の実施などにより、職員一人ひとりが企業的感覚を持ち、一丸となって経営改善に取組むという職場環境の醸成に努めることが極めて重要であると認識しております。
 このため、管理者、院長が、直接それぞれの各診療科の責任者であります主任部長や、薬剤師、臨床検査技師、診療放射線技師などの医療技術職に対し、ヒアリングを実施し、体制の見直しや必要な医療機器などの要望を把握した上で、予算等を通して業務に反映させるなどの取組みを行っております。
 こうした取組みを行いながらも、経営意識を持った職場風土の構築にはまだ課題があると認識しております。
今後につきましても、より現場の声が届きやすいしくみづくりを病院局が一丸となって創っていけるよう努力して参りたいと考えております。


エ 市立病院は市民の宝である。病院と医療従事者を地域で支えるため市民が立ち上がる時である。そのためにも情報を積極的に公開し、市民の自発的な運動を醸成すべきである。市長の所見を伺います。

(病院事業管理者) 公立病院の運営につきましては、近年、病院での存続や、休診中の診療科の復活、医療職が働きやすい環境づくりなど、自らの地域の医療を自らが守るという意識から、全国各地域で様々な「病院を守る会」による活動が展開されております。
 いわきの地域医療は市民の皆様一人ひとりのご理解と、ご支援・ご協力があってはじめて成り立つものと考えております。
 これまでも、本年7月1日には、本院における自己都合等による時間外の受診、いわゆる「コンビニ受診」への対応について、市長記者会見を行い、市民の皆様に適正な時間外受診への協力を呼びかけたほか、広報いわきやホームページなどの広報媒体を通じて、市立病院の情報をお伝えしておりますが、今後もこれまで以上に情報の提供を適時適切に行い、市民の皆様と情報を共有し、ご理解と、ご支援・ご協力をいただきながらいわき地域の医療機能の維持に尽力して参りたいと考えております。


オ 診療圏がいわき市以外に広がっている現在、経営と診療圏を一致させ、例えば、双葉地方といわき市の一部事務組合立病院として経営する、文字どおり共立病院として、双葉地方にも参加していただくことを検討してはどうか。市長の所見を伺います。

(病院事業管理者) 総合磐城共立病院につきましては、昭和25年11月に、開設して以来、今日に至るまで、これまで50年以上もの長きに渡り、浜通りから茨城県北部までを診療圏とし、地域の中核病院として、地域の皆様の生命と健康を守るという極めて重要な役割を担って参りましたが、昨今の医師不足等により、医療を取り巻く環境は、極めて厳しい状況となっております。
 このことから、議員お質しの一部事務組合を含めました新たな経営形態につきましては、地方公営企業法の全部適用へ移行して間もないため、その効果を見極める必要があること、また当面の病院経営にあたりましては、極めて厳しい舵取りが必要となるものと認識しておりますことから、同法の適用の下で、当面は、市立病院として継続することとし、(仮称)市立病院改革プランの進行管理の中で、検討して参りたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。


カ 市立病院は、地域の中核病院、災害拠点病院であり、医師確保の観点からも、病院の新築計画を明確にして市立病院改革を進めるべきだ。設置者として市長の決意を伺います。

(市長) 私は、市立病院には、地域の中核病院として、35万市民の生命を守る一番大きな受け皿としての使命があると考えておりますことから、今回の市立病院改革プランの骨子案において、短期・中期的な目標といたしましては、医師の確保に努めるとともに、収益増加策と費用削減策を合わせて行うことにより、運転資金の確保や経常黒字の達成を目指し、持続可能な市立病院を目指す一方、長期的な観点からは、「新病院の整備」を経営目標として掲げ、医師が魅力を感じるような未来の市立病院のあるべき姿を明確に打ち出せるよう、整備に向けた検討を着実に進めて参りたいと考えております。


⑵ 市立病院改革プランについて
 ア 経営目標で短期的には「運転資金の確保」が目標とされ、中期的には「一般会計からの所定の繰出し後、経常黒字の達成」が目標とされているが、目標達成にむけて資金調達先や金額など具体的内容は考えているのか伺います。

(病院局長) 経営目標の達成に向けましては、現時点における試算では、退職給与金が高い水準で推移いたしますことなどから、経営改善策を講じてもなお、計画期間内で最大約19億円の資金不足が発生することが見込まれておりますことから、一般会計の財政状況を見極めながら、市中金融機関からの借入れも視野に入れ、対応して参りたいと考えております。


イ 平成22年4月、統合後の分院は2次救急機能の存続を前提にして、民間の医療法人などに移譲するとした「1市1病院1施設」の進め方については、パブリックコメントの実施が予定されているが、直接市民の意見を聴く市民公聴会を開催して丁寧な合意形成に努めるべきではないか伺います。

(病院局長) 公立病院改革プランの基本となります「市立病院改革に係る基本方針」につきましては、市民公募委員をはじめ、市内の医療関係者等、
各界各層の市民の皆様からなる懇談会における2年半の議論を経て、まとめられた提言を踏まえるとともに、「市病院事業中期経営計画」につきましては、「基本方針」の行動計画としての位置づけのもと、パブリックコメントを実施し、市民の皆様の幅広い御意見を踏まえ、策定した経緯があります。
 今回のプランにつきましては、これら「基本方針」や「中期経営計画」を国のガイドラインを踏まえ、統合・改定することにより、策定するものでありますことから、市民の皆様の御意見を聴く場といたしまして、市民を代表する市議会議員の皆様の御意見も十分に拝聴いたしますとともに、パブリックコメントを実施するなど、適切に対処して参りたいと考えております。


ウ 改革プランの進行管理を行う「(仮称)いわき市病院事業経営評価委員会」の有識者には市外の実効ある改革の指導者を積極的に招聘するとともに、市民の代表も公募すべきではないか伺います。

(病院局長) 「(仮称)いわき市病院事業経営評価委員会」につきましては、(仮称)いわき市市立病院改革プランの進捗状況等について、本市の自己評価を聴取したうえで、その妥当性を検証し、意見を述べていただくことなどを想定しておりますことから、委員構成につきましては、
今後、検討して参りたいと考えております。
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by kazu1206k | 2008-12-09 18:57 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


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