2008年 12月 13日 ( 1 )

産科医療補償制度についての質疑

12月11日の本会議で、来年1月1日から導入される産科医療補償制度についても、質疑を行いました。

「議案第7号いわき市国民健康保険条例の改正」は、来年1月1日から、お産で子どもが重度の脳性マヒになった場合、医師の過失の有無にかかわらず、3,000万円が支給される「産科医療補償制度」の導入をうけ、この掛け金分の3万円を健康保険から支払われるため、出産育児一時金を現行35万円から38万円に引き上げるという内容です。

この産科医療補償制度は、出産1件につき保険料3万円を医療機関から厚生労働省の外郭団体「日本医療機能評価機構」に収め、さらにこのお金は民間の保険会社6社に払う。医療機関はその分を出産費用に上乗せして妊婦に請求する。妊婦には、健康保険組合から後日支給される出産育児一時金が現行35万円から38万円に増額される。もし、お産で子どもが重度の脳性マヒになった場合3000万円が支給されるというものです。

次のような問題点も指摘されています。
・同じ脳性麻痺児でも先天的な障害は適用されない。
・民間保険商品なので立法府での審議もなかった。
・財団法人「日本医療機能評価機構」なるものの組織が明確でない。
・民間の6つの保険会社に公的資金を投入して余剰金や倒産時の保障などは不透明。

以下は質疑の主なやりとりです。

 ⑴ 産科医療補償制度について

ア 通常分娩のみが対象で、補償の基準は原則として妊娠33週以上、体重は2,000g以上で生まれたケースに限られ、ほかにも先天性の異常などがあれば対象から除外されるのでは、救われない人が多々いるということにならないか。

市民恊働部長答弁:産科医療補償制度は、分娩に係る医療事故により脳性麻痺となった児及びその家族に対する経済的負担の速やかな補償、医療事故の原因分析と防止、紛争の防止・早期解決などを目的とする民間の損害保険会社の仕組みを活用した新たな医療補償制度であります。
 従いまして、分娩に係る医療事故の救済を目的とした制度でありますことから、医療事故に起因しない染色体異常等の先天性や早産等の未熟性により発症した脳性麻痺につきましては、補償の対象外とされているものであります。

イ 先天的な要因等により補償が受けられない脳性麻痺児と補償の対象となる脳性麻痺児との間に、大きな経済的格差ができるのは問題ではないか。
 
市民恊働部長答弁:国においては、遅くとも5年後を目処に制度内容について検証を行い、補償対象者の範囲、補償水準、保険料の変更、組織体制等について、適宜必要な見直しを行うとしているところであります。

ウ 厚生労働省の役人の天下り先という声もあるが、財団法人「日本医療機能評価機構」の役員構成や財政規模などの組織の実態はどのようなものか。

市民恊働部長答弁:財団法人日本医療機能評価機構は、医療の質の一層の向上を図るため、医療機関の機能を学術的観点から中立的な立場で評価し、その結果明らかとなった問題点の改善を支援する第三者機関として、厚生労働省や日本医師会、健康保険組合連合会、国民健康保険中央会などの保健・医療・福祉関係団体等からの出捐金3億4,700万円を基本財産とし、平成7年7月に設立された財団法人であります。その役員は、医師や大学教授、弁護士、医療保険関係者、経済団体代表者など32名で構成されており、当該法人の財政規模は、平成19年度決算で申し上げますと、病院機能評価事業をはじめとした事業活動により、歳入総額が約17億円、歳出総額が約16億円となっております。

エ 年間100万人以上の赤ちゃんが生まれる今、1年で300億円以上が集められることになり、税金を原資とした巨額のお金が民間保険会社に流れるが、国は補償の対象となる脳性麻痺の子どもを何人と推計しているのか。

市民恊働部長答弁:国においては、産科医療補償制度調査専門委員会の医学的調査報告書における脳性麻痺の年間発生数推計値 2,300人から2,400人程度を基に、出生体重、在胎週数、在胎週数に係る個別審査基準、重症度、先天性要因等の除外基準を踏まえ、補償対象者数を500人から800人程度と見込んでいるところであります。
 
オ 「出産育児一時金」は、公的医療保険から支出されているのに、民間損害保険がその運用を行い、巨額の剰余金がでても、財務諸表が公表されず、公的な監視、財政の透明性が担保されないのではないか。

市民恊働部長答弁:産科医療補償制度の収支状況につきましては、外部有識者によって組織され、公開により開催される「産科医療補償制度運営委員会」に報告され、公表されることとなっており、さらには、国の社会保障審議会医療部会及び医療保険部会にも適宜報告され、透明性の高い運営を行うこととされております。

カ 実施病院から妊娠中の方への内容説明が懇切丁寧に行われるよう保険者としても指導し把握すべきではないのか。

市民恊働部長答弁:産科医療補償制度に加入している医療機関等で出産した場合、保険料は、最終的に医療保険者が負担することとなりますが、一時的には、分娩者が負担しなければならないなど、仕組みが複雑であることから、分娩者に誤解や混乱が生じないよう、国及び日本医療機能評価機構は、既にパンフレット等により医療機関等において、周知を図っているところでありますが、保険者としても、内容の説明が充分に行われるよう医療機関に要請してまいりたいと考えております。
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by kazu1206k | 2008-12-13 10:57 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


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