2017年 12月 01日 ( 1 )

住宅・健康・保養、12.1集会と政府交渉

 12月1日午後、衆議院第一議員会館の国際会議室で開かれた、集会&政府交渉「原発事故被害の今とこれからー求められる「国」の関与とは」に出席しました。共同代表をつとめる「原発事故被害者救済を求める全国運動」の主催です。
 第1部の集会では、
「1)避難者たちの住まいと暮らし」をテーマに、避難の協同センターの瀬戸大作さんが、山形での公営住宅からの追い出し訴訟など緊急の課題を現状報告、立命館大学特別招聘教授の塩崎賢明さんが、「災害被災者の住まいの確保」と題して講演。家を失った被災者の復興・生活再建にとって、住まいの確保は死活的な条件であり、被災者のみならず、さまざまな生活困窮者にとって、まず住まいが重要=「ハウジングファースト」であるとし、災害復興における住まいの問題の重要性、被災者が生活再建できるための制度的備えの必要性を指摘しました。
「2)保養のニーズと現状」をテーマに、福島ぽかぽか保養プロジェクトで年間250名の保養を実施している、FoE Japanの矢野恵理子さんが、全国保養実態調査報告書の内容から107団体9,000人の子どもたちが県外保養を行い、平均5.3日の参加で、1回1人7万円の費用がかかっていること、およそ234以上の団体で推定15,000人が保養に参加している実状を明らかにしました。ふくしまっ子自然体験・交流支援事業が、29年度は2億6千万円に減額されたことから、危機的状況にあることに警鐘を鳴らし、政府の帰還政策促進により保養のニーズが増えている実状から、予算の拡大を目指すことなどを報告しました。
「3)健康:子どもたちの甲状腺がんは?」では、3・11甲状腺がん子ども基金専務理事の吉田由布子さんが、福島県の県民健康調査甲状腺検査の現状、国の責任ある対応がない現状で子ども基金を立ち上げ、医療支援を行っている中身、子どもたちの甲状腺がんの実態を報告しました。
 
 第2部の政府交渉には、復興庁、厚生労働、文部科学省、環境省、国土交通省から担当者が出席。住宅、健康、保養のテーマで政府への要請と交渉を行いました。住宅については、政府に対し、避難者の生活実態調査を行うこと、打ち切りを見直して家賃支援を行うこと、強制退去をさせないことが出席した当事者からも強く要請されました。保養でも、ふくしまっ子自然体験・交流支援事業の予算の維持拡大が要請されました。健康でも、国に責任がある。国の責任において福島県内外も調査すべきだと重ねて要請しました。
 国会議員も菅直人議員、堀越啓仁議員、福島みずほ議員などが出席。挨拶で「事故の責任は、国と東電にある。山形追い出し訴訟は、国に善処を求めていく」と話した菅元総理も、当該雇用促進住宅が既に売買されている問題を取り上げ、「7月売買契約、10月売買実施。厚労省に管理責任があるのではないか。厚労省大臣は、人が住んでいても売っていいのか」と詰め寄り、省庁の無責任極まる対応を質すとともに政府の責任ある対応を求めました。

●質問と回答の概要
A.住宅問題について
1.(厚労省・復興庁) 山形県の雇用促進住宅の運営法人である高齢・障害・求職者雇用支援機構が、自主避難者8世帯が住宅の無償提供が終了した4月以降も住み続けていることに対して、退去と家賃の支払いを求める訴えを起こした。
 
1)山形県における自主避難者8世帯に対する、住宅の明け渡し請求訴訟に対して厚生労働省・復興庁の認識をお聞きしたい。
 
2)訴訟を避けるために、厚生労働省・復興庁としては、何らかの措置をとったのか。
 
3)今村前復興大臣は、4月14日の東日本大震災復興特別委員会において、山本太郎議員の質問に答え、「意に反する追い出しはさせない」と答弁している。これを具体化するために、復興庁としては何らかの措置をとったのか。
 
4)山形の8世帯も含め、厚生労働省・復興庁として、公営住宅に居住を続けている自主避難者の強制的な追い出しを回避するために、具体的な措置をとるべきではないか。

●山形追い出し訴訟
厚労省ー個別訪問、4 月以降有償で。性急に行わないよう話してきた。
復興庁ー個別訴訟はコメント差し控える。相談対応、福島県と連携して対応してきた。

菅議員ー7月売買契約、10月売買実施。厚労省に管理責任があるのではないか。
厚労省大臣は、人が住んでいても売っていいのか。
厚労省ー閣議決定しているから。

 
2.(復興庁)東京都、山形県などにおいて、住宅提供打ち切り後の避難者の状況についてアンケート調査が行われている。調査の限界はあるものの、アンケート結果をみると、避難者の経済的な困窮(月収が低い)、社会的な孤立(独居、相談できる人がいないなどの状況が浮かび上がってきている。
1)東京都・山形県のアンケート調査結果を、復興庁としてはどのように分析しているか。
復興庁ー不安は承知している。引き続き全国の相談拠点で。
2)都道府県まかせにせず、復興庁としての調査を行うべきと考えるが、いかがか。ー全国の相談拠点、福島県等と連携。
3)特に公営住宅に避難居住できなかった世帯の困窮と今後の生活不安が明確になっている。その事に対して対策措置を検討されているか。希望する避難者に公営住宅を優先入居させる措置をとれないか。復興庁ー分離世帯の所得金額を2分の1にするなど対応。

Q:4月以降の、避難者の生活保護申請の実数の回答を。
 
3.住宅セーフティネットについて
(国交省)
住宅セーフティネット制度における、住宅確保要配慮者の入居円滑化、居住支援法人による入居相談・援助の対象に原発事故避難者を明確に位置づける措置をとれないか。
国交省ー法と国土交通省令で位置付けている。
 
B.健康
1.(環境省)福島県の甲状腺検査をめぐっては、2次検査の時点ですぐに細胞診を実施せず、「経過観察」となった子どもが、その後、甲状腺がんと診断された場合、検討委員会へ公表しているデータには含まれていないことが今年の3月に明らかになった。複数の委員から、「問題だ」と指摘されている。環境省の梅田珠実環境保健部長も、「保健診療に移行すると、別ルートとして扱われるというのは由々しき事態。この検査の信頼性に関わる」と発言した。しかし、経過観察後の状況については、まだ把握が行われておらず、福島県立医大が、新たに研究計画を申請して、調査を行うこととなった。
1)福島県立医大以外で甲状腺がんとわかった患者をどのように把握するのか。
2)福島県県民健康調査の設計自体を見直し、甲状腺がんを把握できるようにすべきではないか。
環境省ー集計の対象とならなかった患者さんの調査を県立医大で行う。その他は、その後に検討する。
 
2.民間の基金「3・11甲状腺がん子ども基金」は東日本の15の都県における25歳以下の甲状腺がんの患者たちへの療養費給付事業を行っている。2016年12月~2017年3月末までに、81人を対象に給付を行った。(その後の給付も含めると、現在、100人以上となっている)
福島県内の症例は、長期間、手術を待ったり、何度も検査をしながら経過観察が続いたりしているケースが目立った。再発例もみられる。
福島県外の症例は、自覚症状によって受診して発見が遅くなったと思われる例が多く、腫瘍径が大きかったり、肺転移したりといった例もみられた。
 
1)3・11後の甲状腺がんの発生状況について、どのように把握しているか。
2)福島県内外において子どもたちまたは若い人たちに甲状腺がんが多く発生していると考えられるが、国として把握し、対策を検討すべきだと考えるがいかがか。
環境省ー県内は甲状腺検査。県外は、専門家会議で必要はないと決めた。
ー県外避難者は、2年間の調査研究する。これから検査を実施する。

※要望ー国に責任がある。国の責任において福島県内外も調査すべき。

C.保養(復興庁・文部科学省)
民間団体の調査によれば、全国で234の市民団体が保養を行っており、年間1万人以上が保養に参加していると推定されている。
しかし、保養を実施している団体の収入の7割は寄付であり、公的な補助金ではなく寄付に頼った活動となっている。多くの保養団体が、資金不足に直面し、国や自治体で保養を行ってほしい、と回答している。
また、国による帰還促進政策の中、帰還した家族にとって、保養は重要なリフレッシュの場となっており、保養団体に問い合わせが殺到している状況である。
唯一の公的な補助金である福島県の「ふくしまっ子自然体験・交流活動支援事業」は、福島県内の団体が申請主体となる必要があること、実施日が6泊7日以上など、ハードルが高く、保養団体で利用したことがあるのは12%にとどまっている。
一方、チェルノブイリ原発事故後のウクライナなどにおける保養は、国家事業として実施されていた。
 
1)被災者支援として、「保養」を国として制度化するべきだと思うがいかがか。
復興庁ー支援法8条に基づく、被災者支援交付金のメニュー項目として、支援活動支援事業。
2)「ふくしまっ子自然体験・交流事業」の来年度予算についてご教示いただきたい
復興庁ー来年度予算要求している。
3)「ふくしまっ子自然体験・交流事業」の申請条件を緩和すべきだと考えるが、いかがか。
文部科学省ー福島県を通して対応する。
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by kazu1206k | 2017-12-01 23:32 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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