カテゴリ:平和( 137 )

共謀罪に反対する6.14いわき市民集会

 平和を守ろう!共謀罪に反対するいわき市民会議から、「憲法を守ろう!共謀罪に反対する いわき市民集会」のお知らせが届きました。以下に紹介します。

 「共謀罪」は、衆議院で強行採決されました。自公政権は今国会で成立をめざしています。私達の日常生活も脅かされています!廃案にするしかありません。
 日本国憲法を守るとともに、共謀罪廃案の声をあげましょう!

 原発は、住民の生活を根こそぎ破壊しました。福島第2原発も廃炉にさせましょう!原発再稼働を許しません。
 「原発をなくそう!」の声を、何度でも何度でもあげていきましょう!

 市民のみなさん!
 どなたでも参加できます!誘い合って参加してください。お待ちしています!

憲法を守ろう!共謀罪に反対する いわき市民集会
●と き   6月14日(水)午後6時〜7時
●ところ   平 小太郎町公園(コジマ前)(雨天決行)
●内 容   共謀罪廃案・憲法改悪反対・原発廃炉の集会   
             集会後、いわき駅前までデモ行進をします。


・主催:平和を守ろう!共謀罪に反対するいわき市民会議
          (いわき地方労、いわき市労連、小名浜地区労、いわき地区交運共闘)
・連絡先:平堂の前22  いわき地方労働組合会議  平和フォーラム内(電話24−2077)
[PR]
by kazu1206k | 2017-06-12 17:00 | 平和 | Comments(0)

立憲主義を堅持する宣言、日弁連

日本弁護士連合会は、5月26日に開催された第68回定期総会で「日本国憲法施行70年を迎え、改めて憲法の意義を確認し、立憲主義を堅持する宣言」を採択しました。
「日本国憲法施行70年を迎え、改めて日本国憲法の基本原理である基本的人権の尊重、国民主権、恒久平和主義と、それらを支える理念である立憲主義の意義を確認し堅持するため、今後も市民と共にたゆまぬ努力を続ける決意である」としています。以下に紹介します。

日本国憲法施行70年を迎え、改めて憲法の意義を確認し、立憲主義を堅持する宣言

日本国憲法が1947年に施行されて、今年で70年を迎えた。

大日本帝国憲法施行後の55年の間に、幾多の戦争により諸国民の自由や平和が侵害されてきた歴史を振り返るとき、日本が一度も戦争の惨禍に見舞われることのなかった70年間には、計り知れない重みがある。

日本国憲法は、全ての価値の根源は個人にあるという思想を基礎として、基本的人権は侵すことのできない永久の権利であることを保障している。この国民の権利と自由を国家権力の濫用から守るために、憲法は国民主権を確立し、権力分立を定めた。また、法の支配を貫徹するために憲法の最高規範性を認め、それを担保するために裁判所に違憲審査権を認めている。さらに、アジア・太平洋戦争の惨禍を経て得た「戦争は最大の人権侵害である」という反省に基づき、全世界の国民が平和的生存権を有することを確認し、武力による威嚇又は武力の行使を禁止し、戦力不保持、交戦権否認という世界に例を見ない徹底した恒久平和主義を採用している。

このように、日本国憲法の根本にある立憲主義は、「個人の尊重」と「法の支配」を中核とする理念であり、基本的人権の尊重、国民主権、恒久平和主義という基本原理を支えており、近代立憲主義を継承している。

終戦直後、焼け野原で将来の希望を失っていた多くの国民は、この憲法を歓迎した。国民は「人は生まれながらにして自由で平等である」という天賦人権思想に基づいた人権規定を背景に、生きる希望を持てるようになった。女性にも参政権が認められ、全ての成年男女が政治に参加できるようになり、民主主義社会の基盤が確立した。二度と戦争をしないという決意と全世界の国民が「平和のうちに生存する権利」を有することを宣言することにより、国民はかけがえのない人生を安心して享受できるようになった。このように、日本国憲法が理想とする自由・民主・平和は、政治的・社会的・経済的、さらに文化的に、国民一人ひとりが人間らしく生きる基盤を構築する基礎となっている。

他方で、この憲法は、その運用において常に現実の社会や政治と緊張関係にあり、ときには憲法違反の実態が生じることもあった。

それに対して、違憲審査権が裁判所に認められ、憲法規範が裁判規範としての機能を果たし得る中で、市民は、日本国憲法の人権規定や憲法9条を根拠に司法的救済を求め、あるいは政治への参加を通じて憲法違反の実態を是正しようと努めてきた。弁護士及び弁護士会はその取組を支える一翼を担ってきた。

これら市民などのたゆまぬ努力により、憲法規範の実効性が確保され、立憲主義が堅持され、それにより日本国憲法は確実に国民の間に定着し、民主主義社会を実現し発展させるとともに、70年間一度も戦争の惨禍に見舞われることなく平和な国家をこの憲法の下に築き上げてきたのである。

今日、格差社会における貧困の広がりとその連鎖がもたらす人としての尊厳の侵害、国旗・国歌への敬意の強制などに見られるような国家による自由への介入の強化、そして、恒久平和主義に反する集団的自衛権の行使を可能とした安保法制など立憲主義の危機ともいえる状況が生じている。

今こそ、日本国憲法の果たしてきた70年の歴史を振り返り、また、人権侵害と戦争をもたらした戦前への深い反省の下、この憲法が、近代立憲主義を継承し、豊富な人権規定と徹底した恒久平和主義という先駆的な規定を設けたことの意義と、市民の取組のよりどころとしての役割を果たしてきたことを、未来に向けての指針として、この危機を乗り越えていくことが求められている。

そのためには、この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものであり、私たち一人ひとりが、不断の努力により自由と権利を保持し、立憲主義を堅持する責務を負っていることを確認することが、何よりも重要である。

当連合会は、日本国憲法施行70年を迎え、改めて日本国憲法の基本原理である基本的人権の尊重、国民主権、恒久平和主義と、それらを支える理念である立憲主義の意義を確認し堅持するため、今後も市民と共にたゆまぬ努力を続ける決意である。

以上のとおり宣言する。

2017年(平成29年)5月26日
日本弁護士連合会
[PR]
by kazu1206k | 2017-06-03 23:27 | 平和 | Comments(0)

共同声明:市民社会を抑圧する「共謀罪」法案に反対

FoE Japanの満田さんから、「共同声明:市民社会を抑圧する「共謀罪」法案に反対」への賛同団体募集の呼びかけです。

すべての分野での市民活動の脅威となるであろう危険な共謀罪法案が、参議院で審議入りしました。

環境・開発・人権・平和などの分野で活動してきた23のNGO・市民団体が、共謀罪法案(「テロ等準備罪」を新設する組織的犯罪処罰法の改正案)に対する反対声明を発出しました。
http://www.foejapan.org/infomation/news/170529.html

英語版)→ぜひ、国際的にも発信してください! 国際社会の連帯も得たいと思います。
Joint Statement in Opposition to an `Anti-Conspiracy’ Bill that will Suppress Civil Society
http://www.foejapan.org/en/news/170529.html

引き続き、連名してくださる団体を募集しています。(締め切り6月15日)
https://pro.form-mailer.jp/fms/6ef8abac123124
以下声明の本文です。やや長いですが、ご一読の上、広めていただけますと幸いです。
---------------------
2017年5月29日
共同声明:市民社会を抑圧する「共謀罪」法案に反対

 私たちは、環境・開発・人権・平和などの分野で活動してきた NGO ・市民団体として、いわゆる「共謀罪」法案(「テロ等準備罪」を新設する組織的犯罪処罰法の改正案)は、市民社会を抑圧するものとして強く反対します。

 今国会で議論されている「共謀罪」法案は、 277 の罪が対象となっています。対象法案には著作権の侵害や、開発事業に反対する座り込みや労働組合の活動などが対象になることが懸念される威力業務妨害罪他、森林法の保安林の区域内における森林窃盗、種苗法の育成者権等の侵害なども含まれています。これらがテロの防止に関係があるでしょうか?

 そもそも政府は、国連越境組織犯罪防止条約を批准するためにテロ等準備罪が必要と説明していますが、この条約の対象はテロではない上、この法がないと条約に加盟できないわけではありません。テロ防止関連条約は既に締結していますし、国内法でもすでに、殺人や強盗、爆発物使用などの着手以前の段階の行為を処罰するさまざまな法律が整備されています。

 法案では「組織的犯罪集団」が対象とされていますが、それを判断するのは捜査機関であり、一般市民も対象になり得ます。何が「組織的犯罪集団」か、定義されていないのです。団体の性質が変わった段階で、「組織的犯罪集団」とみなす、との答弁もなされています。捜査機関の拡大解釈を防ぐ準備はまったくなされていません。

 私たちは、国内外で、「国家」の名のもとに、環境が破壊され、人権が侵害される事業に関して、警鐘をならし続けてきました。また、福島原子力発電所の事故を教訓として、国策である原子力発電所の海外輸出に反対している団体もあります。このような政策提言は、政府の政策を批判したということだけで、組織犯罪の準備とみなされ、監視される可能性も否定できません。法案が通れば、密告などによって捜査の対象となり、それら団体の社会的信用を落とすことが可能になり、政府機関に対する市民の活動は萎縮させられてしまいます。

 私たちだけではありません。「ふるさとの自然を守りたい」--ただそれだけの想いで開発事業に反対し、座り込みをしている住民たちもいます。「共謀罪法」で合法化された警察権力による監視は、こうした人たちの行為をも、情報の恣意的な切り取りにより、「組織犯罪の準備」にみせかけることが可能です。何よりも、罪に問われることを恐れ、政策に批判することができなくなる、そういった萎縮効果が必ずあらわれるでしょう。

 世界には、言論の自由が著しく制限されている国や、結社や集会の自由を制限する法を持つ国、軍事政権下にある国もあります。その状況下でも人権問題や環境問題の解決を訴える活動地域の人々は運動を続けており、時には刑法で処罰を受ける場合もあります。このように人権や環境のために立ち上がった市民を支援することが、海外の犯罪者との共謀とみなされ、処罰の対象とされる可能性もあるのです。

 また、この法案が成立することで、準備行為を把握するために捜査機関がメールや電話を監視していくようになることも懸念されます。米国では、国家安全保障局( NSA )が一般の国民のメール、インターネット上の情報交換を監視していることが暴かれました。英国の政府通信本部( GCHQ )は、人権 NGO や調査報道を行うジャーナリストを国防上の脅威とみなし、メール等を監視していたことも報道されています。私たちのような市民団体だけでなく私たちと情報や意見を交換する市民・研究者・企業関係者・政府関係者まで監視対象となる可能性もあります。民主的な国家に不可欠な、言論や内心の自由が侵害される恐れがあります。

 国際的にも懸念が表明されています。国連プライバシー権に関する特別報告者のジョセフ・ケナタッチ氏が、 5 月 18 日、共謀罪法案はプライバシーや表現の自由を制約する恐れがあると懸念を示す書簡を安倍首相に送付し、国際人権法の規範および基準と法案との整合性に関しての情報や、法案の審議に関して公的な意見参加の機会について、市民社会の代表者が法案を検討し意見を述べる機会があるかどうか等、日本政府に情報提供を求めました。

 しかし、 22 日、菅官房長官は、これらの疑問に具体的にこたえることもなく、特別報告者があたかも個人の意見を表明したかのように記者会見で述べ、さらには見当違いの批判だと抗議した、とも発言しています。政府は国連の条約に加盟するための法整備を主張しているのに、国連が人権遵守のために任命した特別報告者の担う機能を無視するかのような矛盾した対応です。 私たちは、この危険な法案が十分な審議も尽くされず、衆議院で強引に採決に持ち込まれたことに強い危機感を抱いています。市民社会を抑圧し、民主主義を窒息させる「共謀罪法案」の廃案を強く求めます。

(連名団体)国際環境NGO FoE Japan、メコン・ウォッチ、ピースボート、アジア太平洋資料センター(PARC)、国際青年環境NGO A SEED JAPAN、辺野古リレー、ふくしま地球市民発伝所、ジュゴン保護キャンペーンセンター、原子力規制を監視する市民の会、美ら海にもやんばるにも基地はいらない市民の会、日本国際ボランティアセンター(JVC)、高木仁三郎市民科学基金、P-nong Learning Center、WE21ジャパンいずみ、ラムサール・ネットワーク日本、TPPに反対する人々の運動、エナガの会 戦争しないさせない市民の会・柏、地雷廃絶日本キャンペーン、アーユス仏教国際協力ネットワーク、WE21ジャパン、アフリカ日本協議会、WE21ジャパン・たかつ、APLA

(問い合わせ先)
メコン・ウォッチ
〒110-0016 東京都台東区台東1-12-11 青木ビル3F
Tel:03-3832-5034 Fax:03-3832-5039
国際環境NGO FoE Japan
〒173-0037 東京都板橋区小茂根1-21-9
Tel:03-6909-5983 Fax:03-6909-5986
[PR]
by kazu1206k | 2017-05-30 23:30 | 平和 | Comments(0)

共謀罪法案の廃案を求め日弁連声明

 日本弁護士連合会は、5月23日衆議院本会議で、共謀罪の創設を含む組織的犯罪処罰法改正案が強行採決されたのを受けて、「共謀罪の創設を含む組織的犯罪処罰法改正案の衆議院での採決に対する会長声明」を発表、「全国の弁護士会及び弁護士会連合会とともに、市民に対して本法案の危険性を訴え、本法案が廃案となることを求めて、引き続き全力で取り組む」とアーピルしました。以下に掲載します。

いわゆる共謀罪の創設を含む組織的犯罪処罰法改正案の衆議院での採決に対する会長声明

本日、衆議院本会議において、いわゆる共謀罪の創設を含む組織的犯罪処罰法改正案(以下「本法案」という。)が採決され、衆議院を通過した。

当連合会は、本法案が、監視社会化を招き、市民の人権や自由を広く侵害するおそれが強いものとして、本法案の制定に反対してきた。

本年3月21日の法案上程後、衆議院法務委員会での審議においても、計画(共謀)よりも前の段階から尾行や監視が可能となることが明らかになった。また、対象となる277の罪の中には、例えば、楽譜のコピー(著作権法違反)等の組織犯罪やテロ犯罪とは無関係の犯罪が含まれている。さらに、組織的威力業務妨害罪が対象犯罪とされていることにより、マンション建設反対の座込みが処罰対象となる可能性がある。これらの場合には、「組織的犯罪集団」がテロ組織や暴力団等に限定されず、市民団体等も対象となり、したがって、一般市民も捜査の対象となり得るという懸念は払拭できず、問題点は解消されるに至っていない。

当連合会は、全国の弁護士会及び弁護士会連合会とともに、市民に対して本法案の危険性を訴え、本法案が廃案となることを求めて、引き続き全力で取り組む所存である。

  2017年(平成29年)5月23日
日本弁護士連合会      
 会長 中本 和洋 

e0068696_1712454.jpg

[PR]
by kazu1206k | 2017-05-23 23:01 | 平和 | Comments(0)

安倍首相改憲メッセージに見解

 5月22日、安倍首相の姿勢に危機感を持つ法学者などでつくる「立憲デモクラシーの会」は記者会見を行い、5月3日に安倍首相が発表した改憲メッセージに関する見解を発表しました。
 安倍首相が憲法9条1項と2項を残し、自衛隊の存在を明記すると主張したことに対し、見解では、「自衛隊はすでに国民に広く受け入れられた存在で、憲法への明記に意味はない」と指摘、首相が改憲の理由に「自衛隊は違憲」とする学者らの見方を挙げていることについて、「憲法学者を黙らせることが目的であれば憲法の私物化」と批判しました。
 憲法学者の長谷部恭男早大教授は、「合理的な安全保障論抜きで、もっぱら情緒に訴えて憲法9条を変えようとするのは本末転倒」と話し、哲学者の西谷修立教大特任教授は「96条の改正や緊急事態条項の新設など、政権側がご都合主義的に手を替え品を替え出してくる改憲の提案に国民が振り回される」と述べました。
 以下に、立憲デモクラシーの会の見解を掲載します。

  安倍晋三首相による改憲メッセージに対する見解

 5月3日、安倍首相は憲法改正の具体的提案を行った。9条の1項2項を残したまま、自衛隊の存在を新たに憲法に明記し、さらに高等教育を無償化する提案で、2020年の施行を目指すとのことである。

 自衛隊はすでに国民に広く受け入れられた存在で、それを憲法に明記すること自体に意味はない。不必要な改正である。自衛隊が違憲だと主張する憲法学者を黙らせることが目的だとすると、自分の腹の虫をおさめるための改憲であって、憲法の私物化に他ならない。
 他方、現状を追認するだけだから問題はないとも言えない。長年、歴代の政府が違憲だと言い続けてきた集団的自衛権の行使に、9条の条文を変えないまま解釈変更によって踏み込んだ安倍首相である。自衛隊の存在を憲法に明記すれば、今度は何が可能だと言い始めるか、予測は困難である。
 安倍首相は北朝鮮情勢の「緊迫」を奇貨として9条の「改正」を提案したのであろうが、たとえ日本が9条を廃止して平和主義をかなぐり捨てようとも、体制の維持そのものを目的とする北朝鮮が核兵器やミサイルの開発を放棄することは期待できない。憲法による拘束を緩めれば、軍拡競争を推し進め、情勢をさらに悪化させるおそれさえある。国民の6割が手をつけることに反対している9条を変更する案としては、理由も必要性も不透明なお粗末な提案と言わざるを得ない。

 高等教育の無償化の提案も必要性が不明である。憲法の条文に高等教育は無償だと書いただけでは、無償化は実現しない。そのための財政措置が必要である。他方、財政措置が整いさえすれば、憲法を改正する必要はない。
 高等教育を受ける権利を実質的に均等化するために必要なことは、憲法改正を経た無償化ではなく、給付型奨学金の充実などの具体的な政策であることは、明らかである。

 何より問題なのは、理由も必要性も不透明な生焼けの改憲を提案し、批判を受けると「代案を示せ」と言い募る安倍首相の憲法に対する不真面目さである。改憲自体が目的であれば代案を出せということにもなろうが、改憲が自己目的であるはずがない。不要不急の改憲をしなければよいだけのことである。憲法の役割は、党派を超え世代を超えて守るべき政治の基本的な枠組みを示すことにある。簡単に変えられなくなっているのは、浅はかな考えで政治や社会の基本原則に手を付けるべきではないからであり、山積する喫緊の日常的政治課題に力を注ぐよう促すためである。日本政治の現状を見れば、最高権力者は、国家を「私物化」し、説明責任を放棄し、法の支配を蔑ろにしていると言わなければならない。そもそも憲法は権力者による恣意的な権力の行使を防ぐためにあるという立憲主義の原理をここで再確認する必要がある。このような状況で改憲自体が目的であるかのように、憲法を軽んじる言辞を繰り返すことは、責任ある政治家のとるべき態度ではない。

2017年5月22日
立憲デモクラシーの会

e0068696_16202115.jpg

[PR]
by kazu1206k | 2017-05-22 23:57 | 平和 | Comments(0)

共謀罪「恣意的運用」警告、国連報告者が首相に書簡

 国連プライバシー権に関する特別報告者であるジョセフ・ケナタッチ氏が、5月18日、共謀罪法案に対し、プライバシーや表現の自由を制約する恐れがあると強い懸念を示す書簡を安倍晋三首相あてに送付し、国連のウェブページで公表しました。法案の「計画」や「準備行為」の文言が抽象的で恣意的に適用されかねないなどと警告しており、国際的な視点から問題点が指摘されました。
 これについて、海渡雄一弁護士から解説と「プライバシーに関する権利の国連特別報告者 ジョセフ・ケナタッチ氏 共謀罪法案について安倍内閣総理大臣宛の書簡全体の翻訳」が届きました。以下に、紹介します。

国連プライバシー権に関する特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏による日本政府に対する質問状について(解説)

             海渡 雄一(共謀罪NO!実行委員会)

国連プライバシー権に関する特別報告者であるジョセフ・ケナタッチ氏が、5月18日、共謀罪(テロ等準備罪)に関する法案はプライバシー権と表現の自由を制約するおそれがあるとして深刻な懸念を表明する書簡を安倍首相宛てに送付し、国連のウェブページで公表した。

書簡の全文は次のところで閲覧できる。
http://www.ohchr.org/Documents/Issues/Privacy/OL_JPN.pdf

 書簡では、法案の「計画」や「準備行為」、「組織的犯罪集団」の文言があいまいで、恣意的な適用のおそれがあること、対象となる277の犯罪が広範で、テロリズムや組織犯罪と無関係の犯罪を多く含んでいることを指摘し、いかなる行為が処罰の対象となるかが不明確であり刑罰法規の明確性の原則に照らして問題があるとしている。
 さらに、共謀罪の制定が監視を強めることになることを指摘し、日本の法制度において、プライバシーを守るための法的な仕組み、監視捜査に対する令状主義の強化や、ナショナル・セキュリティのために行われる監視活動を事前に許可するための独立した機関の設置などが想定されていないことを指摘している。また、我が国の裁判所が、警察の捜査に対する監督として十分機能していないとの事実認識を示している。
 そのうえで、政府に対して、法案とその審議に関する情報の提供を求め、さらに要望があれば、国連から法案の改善のために専門家を派遣する用意があることまで表明している。
 日本政府は、この書簡に答えなければならない。
 また、日本政府は、これまで共謀罪法案を制定する根拠として国連越境組織犯罪防止条約の批准のためとしてきた。同じ国連の人権理事会が選任した専門家から、人権高等弁務官事務所を介して、国会審議中の法案について、疑問が提起され、見直しが促されたことは極めて重要である。
 日本政府は、23日にも衆議院で法案を採決する予定と伝えられるが、まず国連からの質問に答え、協議を開始し、そのため衆議院における法案の採決を棚上げにするべきである。そして、国連との対話を通じて、法案の策定作業を一からやり直すべきである。

----------------------------------------------

プライバシーに関する権利の国連特別報告者 ジョセフ・ケナタッチ氏
共謀罪法案について安倍内閣総理大臣宛の書簡全体の翻訳


 翻訳担当 弁護士 海渡雄一・木下徹郎・小川隆太郎
 (質問部分の翻訳で藤本美枝弁護士の要約翻訳を参照した)

 国連人権高等弁務官事務所
 パレスデナシオンズ・1211ジェネバ10、スイス
 TEL:+ 41229179359 / +41229179543・FAX:+4122 917 9008・EMail:
 srprivacy@ohchr.org

プライバシーに関する権利に関する特別報告者のマンデート
参照番号JPN 3/2017

2017年5月18日
内閣総理大臣 閣下

 私は、人権理事会の決議28/16に基づき、プライバシーに関する権利の特別報告者としての私の権限の範囲において、このお手紙を送ります。

 これに関連して、組織犯罪処罰法の一部を改正するために提案された法案、いわゆる「共謀罪」法案に関し入手した情報について、閣下の政府にお伝え申し上げたいと思います。もし法案が法律として採択された場合、法律の広範な適用範囲によって、プライバシーに関する権利と表現の自由
への過度の制限につながる可能性があります。

 入手した情報によりますと次の事実が認められます:

 組織的犯罪処罰法の一部を改正する法案、いわゆる共謀罪法案が2017年3月21日に日本政府によって国会に提出されました。

 改正案は、組織的犯罪処罰法第6条(組織的な殺人等の予備)の範囲を大幅に拡大することを提案したとされています。
 手持ちの改正案の翻訳によると、新しい条文は次のようになります:

6条
(テロリズム集団その他の組織的犯罪集団による実行準備行為を伴う重大犯罪遂行の計画)
次の各号に掲げる罪に当たる行為で、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団(団体のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が別表第三に掲げる罪を実行することにあるものをいう。次項において同じ)の団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を二人以上で計画した者は、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、当該各号に定める刑に処する。
ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。

安倍晋三首相 閣下
内閣官房、日本政府

 さらにこの改正案によって、「別表4」で新たに277種類の犯罪の共謀罪が処罰の対象に加わることになりました。これほどに法律の重要な部分が別表に委ねられているために、市民や専門家にとって法の適用の実際の範囲を理解することが一層困難であることが懸念がされています。

 加えて、別表4は、森林保護区域内の林業製品の盗難を処罰する森林法第198条や、許可を受けないで重要な文化財を輸出したり破壊したりすることを禁ずる文化財保護法第193条、195条、第196条、著作権侵害を禁ずる著作権法119条など、組織犯罪やテロリズムとは全く関連性のないように見える犯罪に対しても新法が適用されることを認めています。

 新法案は、国内法を「国境を越えた組織犯罪に関する国連条約」に適合させ、テロとの戦いに取り組む国際社会を支援することを目的として提出されたとされます。しかし、この追加立法の適切性と必要性については疑問があります。

 政府は、新法案に基づき捜査される対象は、「テロ集団を含む組織的犯罪集団」が現実的に関与すると予想される犯罪に限定されると主張しています。
 しかし、「組織的犯罪集団」の定義は漠然としており、テロ組織に明らかに限定されているとはいえません。
 新たな法案の適用範囲が広い点に疑問が呈されていることに対して、政府当局は、新たな法案では捜査を開始するための要件として、対象とされた活動の実行が「計画」されるだけでなく、「準備行為」が行われることを要求していると強調しています。
 しかしながら、「計画」の具体的な定義について十分な説明がなく、「準備行為」は法案で禁止される行為の範囲を明確にするにはあまりにも曖昧な概念です。

 これに追加すべき懸念としては、そのような「計画」と「準備行動」の存在と範囲を立証するためには、論理的には、起訴された者に対して、起訴に先立ち相当程度の監視が行われることになると想定されます。
 このような監視の強化が予測されることから、プライバシーと監視に関する日本の法律に定められている保護及び救済の在り方が問題になります。

 NGO、特に国家安全保障に関する機密性の高い分野で活動するNGOの業務に及ぼす法律の潜在的影響についても懸念されています。政府は、法律の適用がこの分野に影響を及ぼすことがないと繰り返しているようで
す。
 しかし、「組織的犯罪集団」の定義の曖昧さが、例えば国益に反する活動を行っていると考えられるNGOに対する監視などを正当化する口実を作り出す可能性があるとも言われています。

 最後に、法律原案の起草に関する透明性の欠如と、今月中に法案を採択させようとする政府の圧力によって、十分な国民的議論の促進が損なわれているということが報告で強調されています。

 提案された法案は、広範な適用がされる可能性があることから、現状で、また他の法律と組み合わせてプライバシーに関する権利およびその他の基本的な国民の自由の行使に影響を及ぼすという深刻な懸念が示されています。
 とりわけ私は、何が「計画」や「準備行為」を構成するのかという点について曖昧な定義になっていること、および法案別表は明らかにテロリズムや組織犯罪とは無関係な過度に広範な犯罪を含んでいるために法が恣意的に適用される危険を懸念します。

 法的明確性の原則は、刑事的責任が法律の明確かつ正確な規定により限定されなければならないことを求め、もって何が法律で禁止される行為なのかについて合理的に認識できるようにし、不必要に禁止される行為の範囲が広がらないようにしています。現在の「共謀罪法案」は、抽象的かつ主観的な概念が極めて広く解釈され、法的な不透明性をもたらすことから、この原則に適合しているようには見えません。

 プライバシーに関する権利は、この法律の幅広い適用の可能性によって特に影響を受けるように見えます。更なる懸念は、法案を押し通すために早められているとされる立法過程が、人権に悪影響を及ぼす可能性がある点です。立法が急がれることで、この重要な問題についての広範な国民的議論を不当に制限することになります。
 マンデートは、特にプライバシー関連の保護と救済につき、以下の5点に着目します。

1 現時点の法案の分析によれば、新法に抵触する行為の存在を明らかにするためには監視を増強することになる中にあって、適切なプライバシー保護策を新たに導入する具体的条文や規定が新法やこれに付随する措置にはないと考えられます。

2 公開されている情報の範囲では、監視に対する事前の令状主義を強化することも何ら予定されていないようです。

3 国家安全保障を目的として行われる監視活動の実施を事前に許可するための独立した第三者機関を法令に基づき設置することも想定されていないようです。このような重要なチェック機関を設立するかどうかは、監視活動を実施する個別の機関の裁量に委ねられることになると思われます。

4 更に、捜査当局や安全保障機関、諜報機関の活動の監督について懸念があります。すなわちこれらの機関の活動が適法であるか、または必要でも相当でもない手段によりプライバシーに関する権利を侵害する程度についての監督です。この懸念の中には、警察がGPS捜査や電子機器の使用の監視などの捜査のために監視の許可を求めてきた際の裁判所による監督と検証の質という問題が含まれます。

5 嫌疑のかかっている個人の情報を捜索するための令状を警察が求める広範な機会を与えることになることから、新法の適用はプライバシーに関する権利に悪影響を及ぼすことが特に懸念されます。入手した情報によると、日本の裁判所はこれまで極めて容易に令状を発付するようです。2015年に行われた通信傍受令状請求のほとんどが認められたようです(数字によれば、却下された令状請求はわずか3%以下に留まります。)

 私は、提案されている法改正及びその潜在的な日本におけるプライバシーに関する権利への影響に関する情報の正確性について早まった判断をするつもりはありません。ただ、閣下の政府に対しては、日本が1978年に批准した自由権規約(ICCPR)17条1項によって保障されているプライバシーに関する権利に関して国家が負っている義務を指摘させてください。
 自由権規約第17条第1項は、とりわけ個人のプライバシーと通信に関する恣意的または違法な干渉から保護される権利を認め、誰もがそのような干渉から保護される権利を有することを規定しています。
 さらに、国連総会決議A/RES/71/199も指摘いたします。そこでは「公共の安全に関する懸念は、機密情報の収集と保護を正当化するかもしれないが、国家は、国際人権法に基づいて負う義務の完全な履行を確保しなければならない」とされています。

 人権理事会から与えられた権限のもと、私は担当事件の全てについて事実を解明する職責を有しております。つきましては、以下の諸点につき回答いただけますと幸いです。

1.上記の各主張の正確性に関して、追加情報および/または見解をお聞かせください。

2.「組織犯罪の処罰及び犯罪収入の管理に関する法律」の改正法案の審議状況について情報を提供して下さい。

3.国際人権法の規範および基準と法案との整合性に関して情報を提供してください。

4.法案の審議に関して公的な意見参加の機会について、市民社会の代表者が法案を検討し意見を述べる機会があるかどうかを含め、その詳細を提供してください。

 要請があれば、国際法秩序と適合するように、日本の現在審議中の法案及びその他の既存の法律を改善するために、日本政府を支援するための専門知識と助言を提供することを慎んでお請け致します。

 最後に、法案に関して既に立法過程が相当進んでいることに照らして、これは即時の公衆の注意を必要とする事項だと考えます。したがって、閣下の政府に対し、この書簡が一般に公開され、プライバシーに関する権利の特別報告者のマンデートのウェブサイトに掲載されること、また私の懸念を説明し、問題となっている点を明らかにするために閣下の政府と連絡を取ってきたことを明らかにするプレスリリースを準備していますことをお知らせいたします。

 閣下の政府の回答も、上記ウェブサイトに掲載され、人権理事会の検討のために提出される報告書に掲載いたします。

閣下に最大の敬意を表します。

ジョセフ・ケナタッチ
プライバシーに関する権利の特別報告者
[PR]
by kazu1206k | 2017-05-20 23:38 | 平和 | Comments(0)

共謀罪法案、海渡参考人の公述

16日、衆議院法務委員会で、共謀罪法案に関する参考人質疑があり、5人のうち3人が反対を表明しました。東京の日比谷野外音楽堂では、法案の廃案を求める集会が開かれ、約4,200人(主催者発表)が抗議の声を上げました。以下に、海渡弁護士の公述を紹介します。


共謀罪法案なしで、国連越境組織犯罪条約は批准できる。

                                   海渡 雄一
1 なぜ法案に反対するのか

 組織的犯罪処罰法改定案、いわゆる共謀罪法案 について公述の機会をいただいたことに感謝します。私は、日弁連の共謀罪法案対策本部の副本部長を務めておりますが、本日の意見は、日弁連の意見として断らない限り、私の個人的な意見であることを最初にお断りしておきます。
 まず、なぜこの法案に反対なのかということからお話しします。
 刑法は、犯罪の定義を定めていますが、裏返せば、人の行動が自由である範囲を定めているのです。犯罪とは人の生命や身体自由名誉に被害を及ぼす行為と説明されてきました。
法益の侵害又はその現実の危険性が生じて初めて事後的に国家権力が発動されるというシステムは,我々の社会の自由を守るための制度なのです。
 約300もの多くの犯罪について共謀の段階から処罰できることとする共謀罪法案は、既遂処罰を基本としてきた刑法体系を覆し、人々の自由な行動を制限し、国家が市民社会に介入する際の境界線を、大きく引き下げるものです。(参考資料1)。
 次に、人と人とが犯罪の合意をする手段は、会話、目配せ、メール、LINEなど、人のコミュニケーションそのものによってです。その合意の内容が実際に犯罪に向けられたものか,実行を伴わない口先だけのものかどうかの判断は,犯罪の実行が着手されていないわけですから、大変難しい判断となり、その捜査は,会話,電話,メールなど人の意思を表明する手段を収集することになります。予算委員会では、法務大臣は共謀罪を通信傍受の対象とするかどうかは、将来の課題であると明言しています。私たちの危惧は決して杞憂ではないのです。

2 テロ対策について

 国連越境組織犯罪防止条約の目的はマフィアなどの経済的な組織犯罪集団対策です。この条約はテロ対策の条約ではありません。
 日本は、国連の13主要テロ対策条約についてその批准と国内法化を完了しています。法案には2月の段階でも、テロの文字は全くなく、法案提出直前に「テロリズム集団その他の組織犯罪集団」という言葉を法案に入れ込みましたが、この修正にはテロの定義もなく、法の適用範囲を限定する意味は全くありません。
 政府は1月の国会審議の中で、共謀罪を作らないとテロは防げないとして、ハイジャック犯人が航空券を買ったり、危険な化学物質の原料を調達しても、その予備罪で検挙することはできず、テロ等準備罪が必要であると説明しました。しかし、特別刑法の権威ある注釈書に、これらは典型的な予備行為として掲げられており、政府の説明は間違いでした。政府は、テロ対策の穴を具体的に指摘できていないのです。
 森林法、所得税法や著作権法など組織犯罪やテロとは全く無縁で、未然防止が必要とは考えられない多くの犯罪について共謀罪を作ることが本当にテロ対策でしょうか。テロ対策として、空港保安対策の強化など、もっと別にやるべきことがあるのではないでしょうか。 
 政府が、この法案制定の最後のよりどころとする、UNODCから寄せられた口上書に対する答弁においても、「犯罪の規定ぶりは,締約国の国内法に委ねられている。本条約の犯罪化の要求を満たすために、国が定める国内法上の犯罪は,必要な行為が犯罪化される限り,本条約と全く同じ方法で規定される必要はない」と述べられています。必要な行為が犯罪化されれば足りるのです。
 日本政府の2003年法案が国連のガイドに沿っていなかったことは明らかです。実は、このガイドは2004年に出版されており、国内法制定の検討が開始されたのは2002年でした。国内法案の制定を急ぎすぎたため、このガイドを参照することができなかったのです。私は、立法ガイドだけを根拠に、新たな共謀罪立法が不要と言っているわけではありません。
政府は長期4年の刑を定めるすべての犯罪の共謀罪の制定が条約批准のために不可欠という立場を放棄したのですから、どれだけの立法が必要なのかを、明確な基準を示して絞り込みの議論をしなければならないはずです。

3 国連条約と我が国の組織犯罪対策

 そもそも条約5条は何を求めていたのでしょうか。この条約5条は推進行為付きの共謀や参加のどちらかの立法化を求めていると説明されますが、組織犯罪集団の関与が想定される重大犯罪について、未遂に至る前に処罰可能であることを加盟国に求めているのだと思います。このことは、条約第5条1項(a)には、犯罪目的を認識して団体に参加する罪と共謀罪の二つの選択肢を設けていますが、これに括弧書きで(犯罪行為の未遂又は既遂に係る犯罪とは別個の犯罪とする。)と注記されていることで裏付けられます(参考資料8)。そして、この条約は国内法の原則に従って実施すれば良いことは、条約34条に明記されています。
 条約審議以前に広範な共謀罪が制定されていた国は、イギリスとアメリカとカナダくらいです。そして、条約批准のために新たに共謀罪を制定したのは、ノルウェーとブルガリアしか報告されていません。多くの国々は、それぞれの国内法をほとんど変えないで条約を批准しているのであり、日本もそうすれば良いのです。
 日本には、テロや暴力犯罪など、人の命や自由を守るために未然に防がなくてはならない特に重大な犯罪約70については、共謀・陰謀罪20,予備・準備罪50があり、これにより、重大な組織犯罪、テロ犯罪の未遂以前の段階はおおむね処罰可能となっています。
 暴力団対策法や全国で制定されている暴力団排除条例なども含めれば、日本の組織犯罪対策は、銃器の所持すら認められているアメリカと比較しても、決して遜色のない立派な法制度だと私は思います。
 日弁連は、これ以外に、人を殺傷する犯罪の予備段階を独立罪とした銃砲刀剣所持取締法、凶器準備集合罪や、重大窃盗の予備段階を独立罪化したピッキング防止法などがあることにも着目しています。
 これまで、日弁連は日本の制度は約70の共謀罪と予備罪、参加罪に類似した暴力団対策、重大犯罪の予備段階を独立犯罪化した犯罪類型があり、これらを総合すれば、条約の要求を満たしていると説明してきました。

4 民主党政権のもとにおける予備罪創設による批准のための努力

日弁連も政権交代時の民主党も、新たな立法は必要ないと述べていましたが、2011年11月7日には、民主党政権のもとで、平岡法務大臣は、法務省・外務省の関係部局に対して条約の目的・趣旨に基づいて防止すべき罪に対して、既に当該罪について共謀罪・予備罪があるものを除き、予備罪を創設することには、どのような問題があるか検討を指示しました。平岡元大臣の調査によれば、サウジアラビア、パナマは、このようなケースのようです。法務省稲田刑事局長は、2011年11月9日 衆議院予算委員会審議において、石破自民党幹事長の質問に「平成十七年に提出した際の考え方というのは一方にあるわけでございますが、ただいま大臣からも御答弁がございましたようなことを踏まえて今後やっていかなければいけないというふうに考えているところでございます。」と答弁し、この提案を受けて一定の作業をしたと聞いています。
法務省は、この提案を受けて一定の作業をしたと聞いていますので、その作業経過も明らかにされるべきです。

5 民進党の新たな提案

 この国会に民進党は組織的人身売買と組織的詐欺の二つの犯罪について、予備罪を設けるという提案をされました。このような提案について、5月12日の法務委員会審議において、畑野君枝議員の質問に対して、外務省の水島氏は、「この推進行為に予備罪を当てるという提案について、客観的に相当の危険性が認められる程度の準備が整えられなければ、処罰ができないので、この条約5条の趣旨に反するおそれが高い」と答弁されています。
 しかし、これは、過去の政府の答弁とも異なります。2005年10月21日の衆院法務委員会で神余隆博氏は「オバートアクトのかわりに予備行為を要求することが条約の趣旨に反するか否かといつたことについては、確たる定義はない」と述べていたのです(平岡秀夫・海渡雄一『新共謀罪の恐怖』250ページ)。
 そもそも合意を推進する行為について、どのような行為を法的に要求するかは、各国が国内法の原則に基づいて判断できる事柄です。

6 組織的人身売買罪と組織的詐欺罪を選択したことの合理性

 新たに予備罪を制定すべき犯罪として、組織的人身売買罪と組織的詐欺罪を選択したことにも、十分な根拠があると考えます。
 すなわち、最終的には条約本文に残されませんでしたが、条約に重大犯罪のリストを記載すべきであるとの意見が、エジプト政府などから提案されていました。このリストは、かなり多くの国々の支持を集めました。ただ、ここにテロ関係の犯罪が含まれていたために、アメリカ、フランス、イギリス、ドイツ、日本など多くの国々から、テロ犯罪を入れることについて反対する意見が出され、合意に至りませんでした。(参考資料3)。
 ただ、テロ関係以外の犯罪については、反対意見もなく、これにさらに追加を求める意見もなかったのです。このリストは条約制定過程の公式記録にも掲載されており、この条約が未然に防止すべきと考えていた犯罪がどのようなものであったか、このリストに明らかです。
 長期4年以上の刑を定める676の犯罪から、組織犯罪集団の関与が想定される犯罪の絞り込みを行うとすれば、このリスト以外に、条約審議過程に裏付けられた有効な資料はないのです。そして、私の見るところ、このリストの中で予備段階の処罰ができていないのは、人身売買と金融機関に対する詐欺なのです。
 さらに、日弁連と法務省が新たな立法は不要であるとの意見を公表した直後に、これに反論した法務省の2006年10月16日付のペーパーでは、組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪には多種多様な犯罪があり、現行法上、予備罪、共謀罪等が設けられているのはその中の一部のみに過ぎず、例えば、犯罪組織が行うことが容易に想定できる詐欺罪や人身売買に関する犯罪等については、現行法上、予備罪も共謀罪も設けられていないことを指摘していました。法務省もこの重大犯罪リストを見ながら、足りないのはこの二つだとお考えになったのではないでしょうか。
 二つの予備罪を加えることで、日本では合計74の重大犯罪について未遂以前の処罰ができることになります。これは、外務省の調べた重大犯罪の数として、スペイン46を上回っています。外務省が数えたとされる数字でも70-100程度の国もあり、特に少ない数字ではありません(参考資料4)。
 今回の民進党の提案は、平岡元法務大臣による指示に沿って立案されたもので、バランスがとれ、我が国のこれまでの刑事法の法原則にも合致するものです。私は個人的にはこれに賛成です。このような抑制のとれた考えに基づいて、与野党の真剣な協議をしていただきたいと思います。

7 自民党小委員会案などについて

2007年の自民党小委員会案では密告奨励と批判された、必要的自首減免規定は修正され、対象犯罪は128にまで絞られた案が示されていました(参考資料7)。それで良いとは言いませんが、政府与党の姿勢が、後退していることは強く指摘せざるを得ません。
私は沖縄ですでに弾圧の道具に使われている威力業務妨害罪に注目したいと思います。1999年に制定された組織犯罪処罰法によって、組織的威力業務妨害罪、組織的強要罪、組織的信用毀損罪が作られ、法定刑が長期3年から引き上げられ、共謀罪の対象犯罪とされました。これらの犯罪は、もともと構成要件があいまいで、弾圧法規として使われてきた問題のある犯罪です。これらの罪の共謀罪は労働運動や市民運動に対する一網打尽的な弾圧を可能にする点で、これらだけで治安維持法に匹敵する危険性を持っています。自民党の小委員会案では、これらの犯罪は共謀罪の対象から外されていたのです。なぜ、このような共謀罪が復活しているのでしょうか。組織的威力業務妨害罪、組織的強要罪、組織的信用毀損罪の共謀罪は真っ先に削除するべきです。

8 まとめ

 本日の公述では、法案に関する問題点を提起させて頂きました。この法案には、刑事法学者やメディア関係者を含め、多くの国民が疑問と不安を覚えています。2005/6年の国会では、真剣な審議と協議がなされました。そして、小泉純一郎首相と河野洋平衆院議長の話し合いと決断によって、法案の強行採決はなされませんでした。
ことは、一国の刑事法体系を崩しかねない重要問題です。民進党の提案された予備罪の追加法案だけで、条約を批准しても、他国の例を踏まえれば、国際的には問題は全く起きるものではありません。政府法案の修正案を決して強行採決することなく辛抱強く国会審議を尽くして頂き、日本の国の人権保障と民主主義の未来に禍根を残す法案の成立は断念されるよう訴え、私の公述とします。
[PR]
by kazu1206k | 2017-05-16 23:40 | 平和 | Comments(0)

共謀罪法案の廃案を求める国会前行動

 5月15日12時~13時、衆議院第二議員会館前での「共謀罪法案の廃案を求める5.15国会前行動」に参加しました。
 衆議院法務委員会での16日の参考人質疑をへて、委員会採決を17日にも強行して、18日に衆議院本会議で強行採決されるのを何とか止めようと、多くの市民団体や労働組合が参加。廃案を求める声が国会に向かって響きわたりました。
 物言えぬ再びの戦前に後戻りさせない為に、力を合わせて共謀罪法案を廃案に追いこみましょう!と、共謀罪NO!実行委員会/戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会は、今週、連続国会前行動を呼びかけています。
戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会の行動予定は、以下の通りです。

南スーダン問題は政府を追いつめました。5月ではなく、ただちに撤退を要求して頑張りましょう。
森友問題もトカゲの尻尾切りを許さないたたかいを。これを共謀罪の行動とともに頑張りましょう。

5月15日(月)
12時~13時 共謀罪廃案!議員会館前集会
13時半~16時 議員会館前座り込み行動
18時半~19時半 議員会館前集会
場所:議員会館前
共催:共謀罪NO!実行委員会/戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会

5月16日(火)
12時~13時 共謀罪廃案!議員会館前集会
13時半~16時 議員会館前座り込み行動
場所:議員会館前
共催:共謀罪NO!実行委員会/戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会

5月16日(火)
18時半~ 共謀罪廃案・安倍政権の改憲暴走を止めよう!5.16大集会
※集会終了後、銀座デモ
場所:日比谷野外大音楽堂
共催:共謀罪NO!実行委員会/戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会

5月17日(水)
12時~13時 共謀罪廃案!議員会館前集会
13時半~16時 議員会館前座り込み行動
18時半~19時半 議員会館前集会
場所:議員会館前
共催:共謀罪NO!実行委員会/戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会

5月18日(木)
12時~13時 共謀罪廃案!議員会館前集会
13時半~16時 議員会館前座り込み行動
18時半~19時半 議員会館前集会
場所:議員会館前
共催:共謀罪NO!実行委員会/戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会

5月19日(金)
12時~13時 共謀罪廃案!議員会館前集会
13時半~16時 議員会館前座り込み行動
場所:議員会館前
共催:共謀罪NO!実行委員会/戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会

5月19日(金)18時半~
共謀罪廃案、安倍政権の改憲暴走を止めよう!5・19国会正門前行動
場所:国会正門前(予定)
共催:安全保障関連法に反対する学者の会/共謀罪NO!実行委員会/戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会

5月31日(水)18時半~
共謀罪廃案!安倍内閣は退陣せよ、日比谷野外音楽堂集会&デモ(仮称)
場所:日比谷野外大音楽堂
共催:共謀罪NO!実行委員会/戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会

6月10日(土)14時~
辺野古新基地建設と共謀罪新設を許さない!国会包囲行動
場所:国会周辺
主催:基地の県内移設に反対する県民会議
   「止めよう! 辺野古 埋立て」国会包囲実行委員会
   戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会
協賛:共謀罪NO!実行委員会

戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会
(略称;「総がかり行動実行委員会」)
連絡先:

戦争をさせない1000人委員会
解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会
戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター

e0068696_12562573.jpg

[PR]
by kazu1206k | 2017-05-15 23:42 | 平和 | Comments(0)

5.18人権・自由侵害の共謀罪に反対する集会

 共謀罪の組織的犯罪処罰法改正案について、自民・公明両党は、18日の衆院本会議で強行に採決する方針を固めたと、されます。6月18日の今国会の会期内に成立させるため、30時間の委員会審議に達すれば、野党の反対を押し切って採決を強行する構えです。
 緊迫した情勢で、日本弁護士連合会は、「市民の人権・自由を広く侵害する共謀罪創設に反対する集会」を以下の通り、呼びかけています。

「市民の人権・自由を広く侵害する共謀罪創設に反対する集会」

日本弁護士連合会は、共謀罪法案が市民の人権・自由を広く侵害するおそれがあるとして、同法案の創設に対し反対の意思を表明してきました。

しかし、本年3月21日、いわゆる共謀罪法案が「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案」として国会に提出され、4月19日から実質審議が開始されています。

そこで、国会審議を踏まえ、同法案に反対する意思を表明するとともに、同法案の問題点を明らかにし、また、慎重な審議を求めるため、様々な参加者の方からの意見を分かりやすく発信したく、本集会を開催します。

日時 2017年5月18日(木) 18時30分~20時30分 (開場18時00分)
場所 イイノホール
(千代田区内幸町2-1-1)
・東京メトロ 日比谷線・千代田線 「霞ケ関」駅 C4出口直結
・東京メトロ 丸ノ内線 「霞ケ関」駅 B2出口 徒歩5分
・東京メトロ 銀座線 「虎ノ門」駅 9番出口 徒歩3分
・東京メトロ 有楽町線 「桜田門」駅 5番出口 徒歩10分
参加費・受講料無料
参加対象・人数どなたでもご参加いただけます(事前申込不要)
定員500名
ゲストスピーカー
(予定)
・木村 草太 氏 (首都大学東京 教授)
・周防 正行 氏 (映画監督)
・山田 火砂子 氏 (映画監督)
・山口 二郎 氏 (法政大学 教授)
・山田 健太 氏 (専修大学 教授)  他



主催日本弁護士連合会
共催(予定)東京弁護士会 第一東京弁護士会 第二東京弁護士会 関東弁護士会連合会
お問い合わせ先日本弁護士連合会 法制部法制第二課
TEL 03-3580-9852

e0068696_22355227.png

[PR]
by kazu1206k | 2017-05-10 23:27 | 平和 | Comments(0)

5・9共謀罪法案廃案!国会行動

共謀罪NO!実行委員会から「5・9共謀罪法案廃案!国会行動」のお知らせです。

5・9共謀罪法案廃案!国会行動へ
 連休明け後の二週間が、共謀罪をめぐる最大の攻防のときになります。5月9日衆議院本会議で、まともに答弁できない金田法相隠しなどのの無茶苦茶な委員会運営をしてきた鈴木委員長の解任決議案の採決がおこなわれます。この日から共謀罪をめぐる攻防は一挙に強まります。安倍政権は、遅くとも5月19日までに衆議院法務委員会で共謀罪審議打ち切り・強行採決、本会議通過をねらっています。
話し合うことが罪になる共謀罪を廃案に追い込むために力をつくしましょう。5・9国会行動にご参加ください。

  ★5・9答弁できない金田法相は辞任せよ!★
    ★共謀罪法案廃案へ!国会前行動★


とき   5月9日(火)12時~13時
ところ  衆議院第二議員会館前
挨拶   国会議員
発言   表現者、法律家、市民団体 ほか


   ★5・9共謀罪法案廃案へ!院内集会★
ーテロ対策とウソつくな!狙われているのはあなただ!
     警察による市民監視の実態ー
■とき  5月9日(火)13時30分~15時30分
■ところ 衆議院第二議員会館多目的会議室

■挨拶  国会議員
■発言 篠田博之さん(日本ペンクラブ言論表現委員会)
    芹沢 斉さん(自由人権協会代表理事 青山学院大学名誉教授)
    山口 薫さん(アムネスティ・インターナショナル日本)
    ほか    
■報告 加藤健次さん(共謀罪法案に反対する法律家団体連絡会 弁護士)
     「今も行われている市民監視」
■市民監視の実態
○大垣警察暑市民監視事件
  山本 妙さん(弁護士)
  船田伸子さん(当事者)
○イスラム教徒監視事件
  福田健治さん(弁護士)
○反原発運動への公安警察の潜入事件
  海渡雄一さん(弁護士)
●共催  共謀罪NO!実行委員会
     戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会
●連絡先 共謀罪NO!実行委員会
・「秘密保護法廃止」へ!実行委員会(新聞労連 jnpwu@mxk.mesh.ne.jp
 /平和フォーラム 03-5289-8222) 
・解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会(憲法会議03-3261-9007/許すな!
憲法改悪・市民連絡会03-3221-4668)
・日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)  mic-un@union-net.or.jp
・共謀罪法案に反対する法律家団体連絡会(日本民主法律家協会 03-5367-5430)
・盗聴法廃止ネットワーク(日本国民救援会 03-5842-5842) 
◆連絡先 戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会
・1000人委員会 03‐3526-2920
・憲法9条を壊すな!実行委員会 03‐3221-4668
・憲法共同センター 03‐5842-5611
e0068696_17294722.jpg

[PR]
by kazu1206k | 2017-05-06 23:21 | 平和 | Comments(0)

佐藤かずよし


by kazu1206k
プロフィールを見る
画像一覧