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「戦争法」の採決強行に抗議する

わたしも参加する「自治体議員立憲ネットワーク」の声明です。

「戦争法」の採決強行に抗議する(声明)

9月19日未明、安倍内閣と自民・公明の連立与党は参議院本会議で、「平和安全法制整備法案」と「国際平和支援法案」の2法案の採決を強行した。院内外の法案への強い批判と野党の抵抗を、姑息な策略と数の力に頼んで強行したもので、民主主義のルールを破壊するものと言わざるを得ない。我が国の平和主義を破壊する悪法を、我が国の議会制民主主義を破壊する強権的な手法で成立させた暴挙に、強く強く抗議するものである。

2法案は、昨年7月の集団的自衛権行使容認の閣議決定と、本年4月の日米新ガイドライン合意を法的に担保するものとして作成され、「平和」・「安全」という名称とは正反対の、戦争を準備する「戦争法」と呼ぶべきものである。自衛隊はこれまでの「専守防衛」の受動的な姿勢をかなぐり捨て、政権の判断により「いつでも・どこでも」、武力行使のできる「攻撃型」の部隊へと改変されていく。

衆参の平和安全法制特別委員会等での審議では、法案が定める「存立危機事態」や「重要影響事態」認定の基準や、集団的自衛権発動の要件等をめぐって大臣や法制局長官の答弁修正や撤回、答弁不能が相次ぎ、たびたび審議が中断した。なかでも安倍晋三首相の答弁は、すり替えやはぐらかし、開き直りばかりの不誠実なもので、自席からヤジを飛ばすなど前代未聞の態度も厳しく批判された。

戦争法の違憲性への疑念は国会の審議を経てますます強まっている。これまでにも様々な法案の違憲性の議論はあったが、歴代の政権はギリギリの努力をして一定の整合性のある範囲で自衛隊を運用してきた。今回の戦争法については 憲法学者の多くや歴代の内閣法制局長官、元最高裁長官、弁護士会などの法曹界からも違憲との指摘がわき起こっている。政権が内閣法制局を人事で屈服させ、国会での数の力で押し通して成立をはかるなど前代未聞である。

参議院平和安全特別委員会は9月15日に中央公聴会、16日に地方公聴会を行ないながら、9月17日には姑息な方法で特別委員会を開き、締めくくり総括質疑を省略して混乱の中で採決を強行した。鴻池祥肇委員長の不信任動議、中川雅治議運委員長解任決議、中谷元防衛大臣の問責決議、山崎正昭参議院議長不信任決議、安倍晋三首相の問責決議、、内閣不信任決議、鴻池委員長問責決議等が次々と提起される中で、鴻池委員長問責決議等が次々と提起される状況の中で、深夜2時過ぎという異常な時間帯の採決強行だった。

私たち超党派の自治体議員で構成する自治体議員立憲ネットワークは、立憲主義を擁護する立場から、平和憲法を骨抜きにし実質的な改憲をはかる戦争法の成立に断固、抗議するものである。戦争法に反対する全国の人々と固く連帯して、法律の発動に反対し廃止を求めると同時に、安倍政権の戦争政策と闘い抜く決意である。

2015年9月19日
自治体議員立憲ネットワーク
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by kazu1206k | 2015-09-20 23:43 | 平和 | Comments(0)

安保法の運用反対、廃止へ!日弁連の抗議声明

日本弁護士連合会は、「安全保障法制改定法案の採決に抗議する会長声明」を以下の通り公表した。

安全保障法制改定法案の採決に抗議する会長声明

本日、参議院本会議において、平和安全法制整備法案及び国際平和支援法案(以下併せて「本法案」という。)が採決された。

当連合会はこれまで、昨年7月1日の閣議決定及び本法案について、政府が憲法第9条の解釈を変更し、これを踏まえて法律によって集団的自衛権の行使を容認することは、憲法の立憲主義の基本理念、恒久平和主義及び国民主権の基本原理に違反することを、繰り返し指摘してきた。また、後方支援の拡大や武器使用の拡大等の立法も、自衛隊が海外において武力の行使に至る危険性を高めるものとして、同様に憲法に違反することを指摘し続けてきた。

本法案の国会審議が始まってからは、衆議院憲法審査会における3名の参考人をはじめとする多くの憲法学者、歴代の内閣法制局長官、さらには元最高裁判所長官を含む最高裁判所判事経験者が、本法案の違憲性を指摘するに至った。

これに対し、国会における政府の説明は極めて不十分であり、本法案に対する国民の理解は深まることなく、今国会での本法案の成立に反対する意見が世論調査の多数を占めていた。こうした民意を無視して十分な審議を尽くさないまま、参議院特別委員会が採決を強行し、参議院本会議において本法案が採決されたことは、立憲民主主義国家としての我が国の歴史に大きな汚点を残したものであり、強く抗議する。

これまで、学生や子を持つ母親などを含む様々な人々が、デモや集会に参加するなど、本法案に反対する動きが全国各地に広がったが、このことは、我が国の民主主義の健全性をあらためて示したものといえる。当連合会は、今後も国民・市民とともに、戦後70年間継続した我が国の平和国家としての有り様を堅持すべく、改正された各法律及び国際平和支援法の適用・運用に反対し、さらにはその廃止・改正に向けた取組を行う決意である。


2015年(平成27年)9月19日
日本弁護士連合会      
 会長 村越 進 
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by kazu1206k | 2015-09-19 12:00 | 平和 | Comments(0)

戦争体験を継承する

 2015年8月15日、戦後70年の今、日本は歴史的帰路に立っている。
 2013年12月秘密保護法が国会で強行採決され、2014年7月集団的自衛権の行使を容認の閣議決定、そして今国会に憲法違反の「平和安全法制整備法案」「国際平和支援法案」が提出された。
 立憲主義を否定する安倍内閣に対し、多くの憲法学者が憲法違反を指摘し、国民多数が反対の行動を起こしている。しかし、安倍内閣は、衆議院で強行採決を行い、戦後の平和国家から「戦争のできる国」に転換を図るため、暴走し続けている。
 戦後70年にあたり、アジア太平洋戦争で犠牲になった全て人々に対し謹んで哀悼の誠を捧げるとともに、新たな戦争を何としても止め、平和でより人権が保障された日本をめざして、全力をあげていく決意を新たにする。

 以下に、6年前の8月15日のブログを再掲する。

終戦の日、父の戦場体験の継承

64年前の1945年8月15日正午、昭和天皇の玉音放送があり、1937年7月7日の蘆溝橋事件以降の日中戦争、1939年9月1日以降の第二次世界大戦が終った。
軍民併せて6.200万人の膨大な犠牲者。日本、ドイツはじめ帝国主義諸国による侵略戦争によって、アジア・アフリカなど多くの植民地諸国、帝国主義本国の市民が、無差別爆撃、大量殺戮、ホロコーストと筆舌に尽くし難い地獄の惨禍を味わった。

第二次世界大戦の末期、人類は初めて、ヒロシマ・ナガサキで原子爆弾の悲惨を目撃し、核の時代に突入した。戦後も世界各地で戦火はやまず、米ソ冷戦に入って、核兵器の軍拡時代が長く続く。ソ連崩壊による冷戦終結後も民族対立、地域紛争が続き、核の拡散も終止符を打つことができない。

私の父は、鉄道員であった。招集されて海軍航空隊の通信兵として、フィリピン戦線に投入された。アメリカ軍の圧倒的な物量の前に戦線は敗北、父も被弾、ジャングルでマラリヤと飢餓の中に生き延び、終戦を迎えた。終戦によっても兵士は打ち棄てられ、ジャングルの死の彷徨をへてアメリカ軍に発見され投降したときいた。
戦後復員して、母と結婚し私もうまれた。父は、わたしと一緒に風呂に入ると決まって、フィリピンでの戦場体験を話した。マラリヤ、飢餓、戦友、アメリカ軍の攻撃、投降の呼びかけ、士官と兵卒、多くのことをきいた。父の伝えたかったことの何分の一か。わたしの小さな子供心に刻み込まれた。
私は引継がねばならないと思う。そう思って40年近くが立つ。

私の政治活動の原点、社会活動の原点は、父の戦争体験にある。
父の戦場体験をきいたことから全てが始まっている。
戦争を起こしてはならない。平和こそが、全ての原点である。

2009年08月15日
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by kazu1206k | 2015-08-15 23:04 | 平和 | Comments(0)

戦後70年を迎え日弁連談話

日本弁護士連合会は、8月7日付けで「戦後70年を迎えるにあたっての会長談話」を発表した。以下に、紹介する。

戦後70年を迎えるにあたっての会長談話

わが国は、植民地支配と侵略そして先の戦争により、多くの国々、ことにアジア諸国の人々に対し大きな被害と犠牲を与えました。また、300万人を超える日本人が、先の戦争により命を奪われました。

法律の留保の下でしか人権が保障されず、制限選挙制度や言論統制、さらには治安維持法等による弾圧のために民主主義が十分に機能しない中で、時の政府の判断や立法を国民が規制することができず、先の戦争は準備され遂行されてしまいました。

日本国民は、そうした悲惨な歴史に対する痛切な反省の下に、二度と政府の行為によって戦争の惨禍を起こさないことを決意して、日本国憲法を制定しました。その決意は、政府の暴走と権力濫用を許さない立憲主義の理念と、基本的人権の尊重、国民主権、恒久平和主義の三つの基本原理として、日本国憲法に結実しています。これらは、決して改変してはならない日本国憲法の根幹です。

日本国憲法は、戦後70年、国民の不断の努力により、着実に社会に定着し、私たちの権利や生活を保障してきました。

また、わが国は、日本国憲法の下で、世界各国との協力と友好を深め、今日まで一度も戦争をすることなく平和国家としての道を歩み、国際社会の評価と信頼を得てきました。

しかし今、日本国憲法に対し、その根幹を改変しようとする動きがあります。

集団的自衛権の行使を容認した昨年7月の閣議決定と、それに基づき本年5月に国会に提出された平和安全法制整備法案及び国際平和支援法案(以下併せて「本法案」といいます。)の立法化に向けた動きです。

本法案は集団的自衛権の行使を容認するなど、立憲主義に反し日本国憲法に違反しています。そのことは多くの憲法学者により繰り返し指摘され、国民の多数が本法案に反対しているにもかかわらず、衆議院本会議で採決が強行されました。

日本弁護士連合会は、戦後70年の節目を迎えた今日、あらためて、戦前戦後の歴史に思いをいたし、内外の全ての犠牲者に対し謹んで哀悼の意を表するとともに、今を戦前にしないために、皆様とともに、立憲主義の理念と日本国憲法の基本原理を堅持し、より人権が保障された平和で豊かな日本をつくるべく、引き続き全力を尽くすことを誓います。

2015年(平成27年)8月7日
日本弁護士連合会      
 会長 村 越   進 
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by kazu1206k | 2015-08-14 23:06 | 平和 | Comments(0)

長崎平和宣言

長崎原爆70年忌の2015年8月9日。長崎市平和公園で開かれた平和祈念式典。
田上富久長崎市長は、「現在、国会では、国の安全保障のあり方を決める法案の審議が行われています。70年前に心に刻んだ誓いが、日本国憲法の平和の理念が、今揺らいでいるのではないかという不安と懸念が広がっています。政府と国会には、この不安と懸念の声に耳を傾け、英知を結集し、慎重で真摯な審議を行うことを求めます。」と平和宣言の中で触れ、会場から拍手が起こった。また、「東日本大震災から4年が過ぎても、原発事故の影響で苦しんでいる福島の皆さんを、長崎はこれからも応援し続けます。」とも。
以下に宣言文を掲載。

平成27年長崎平和宣言(宣言文)

昭和20年8月9日午前11時2分、一発の原子爆弾により、長崎の街は一瞬で廃墟と化しました。
大量の放射線が人々の体をつらぬき、想像を絶する熱線と爆風が街を襲いました。24万人の市民のうち、7万4千人が亡くなり、7万5千人が傷つきました。70年は草木も生えない、といわれた廃墟の浦上の丘は今、こうして緑に囲まれています。しかし、放射線に体を蝕まれ、後障害に苦しみ続けている被爆者は、あの日のことを1日たりとも忘れることはできません。

原子爆弾は戦争の中で生まれました。そして、戦争の中で使われました。
原子爆弾の凄まじい破壊力を身をもって知った被爆者は、核兵器は存在してはならない、そして二度と戦争をしてはならないと深く、強く、心に刻みました。日本国憲法における平和の理念は、こうした辛く厳しい経験と戦争の反省の中から生まれ、戦後、我が国は平和国家としての道を歩んできました。長崎にとっても、日本にとっても、戦争をしないという平和の理念は永久に変えてはならない原点です。
今、戦後に生まれた世代が国民の多くを占めるようになり、戦争の記憶が私たちの社会から急速に失われつつあります。長崎や広島の被爆体験だけでなく、東京をはじめ多くの街を破壊した空襲、沖縄戦、そしてアジアの多くの人々を苦しめた悲惨な戦争の記憶を忘れてはなりません。
70年を経た今、私たちに必要なことは、その記憶を語り継いでいくことです。
原爆や戦争を体験した日本、そして世界の皆さん、記憶を風化させないためにも、その経験を語ってください。
若い世代の皆さん、過去の話だと切り捨てずに、未来のあなたの身に起こるかもしれない話だからこそ伝えようとする、平和への思いをしっかりと受け止めてください。「私だったらどうするだろう」と想像してみてください。そして、「平和のために、私にできることは何だろう」と考えてみてください。若い世代の皆さんは、国境を越えて新しい関係を築いていく力を持っています。
世界の皆さん、戦争と核兵器のない世界を実現するための最も大きな力は私たち一人ひとりの中にあります。戦争の話に耳を傾け、核兵器廃絶の署名に賛同し、原爆展に足を運ぶといった一人ひとりの活動も、集まれば大きな力になります。長崎では、被爆二世、三世をはじめ、次の世代が思いを受け継ぎ、動き始めています。
私たち一人ひとりの力こそが、戦争と核兵器のない世界を実現する最大の力です。市民社会の力は、政府を動かし、世界を動かす力なのです。

今年5月、核不拡散条約(NPT)再検討会議は、最終文書を採択できないまま閉幕しました。しかし、最終文書案には、核兵器を禁止しようとする国々の努力により、核軍縮について一歩踏み込んだ内容も盛り込むことができました。
NPT加盟国の首脳に訴えます。
今回の再検討会議を決して無駄にしないでください。国連総会などあらゆる機会に、核兵器禁止条約など法的枠組みを議論する努力を続けてください。
また、会議では被爆地訪問の重要性が、多くの国々に共有されました。
改めて、長崎から呼びかけます。
オバマ大統領、そして核保有国をはじめ各国首脳の皆さん、世界中の皆さん、70年前、原子雲の下で何があったのか、長崎や広島を訪れて確かめてください。被爆者が、単なる被害者としてではなく、“人類の一員”として、今も懸命に伝えようとしていることを感じとってください。
日本政府に訴えます。
国の安全保障は、核抑止力に頼らない方法を検討してください。アメリカ、日本、韓国、中国など多くの国の研究者が提案しているように、北東アジア非核兵器地帯の設立によって、それは可能です。未来を見据え、“核の傘”から“非核の傘”への転換について、ぜひ検討してください。

この夏、長崎では世界の122の国や地域の子どもたちが、平和について考え、話し合う、「世界こども平和会議」を開きました。
11月には、長崎で初めての「パグウォッシュ会議世界大会」が開かれます。核兵器の恐ろしさを知ったアインシュタインの訴えから始まったこの会議には、世界の科学者が集まり、核兵器の問題を語り合い、平和のメッセージを長崎から世界に発信します。
「ピース・フロム・ナガサキ」。平和は長崎から。私たちはこの言葉を大切に守りながら、平和の種を蒔き続けます。
また、東日本大震災から4年が過ぎても、原発事故の影響で苦しんでいる福島の皆さんを、長崎はこれからも応援し続けます。

現在、国会では、国の安全保障のあり方を決める法案の審議が行われています。70年前に心に刻んだ誓いが、日本国憲法の平和の理念が、今揺らいでいるのではないかという不安と懸念が広がっています。政府と国会には、この不安と懸念の声に耳を傾け、英知を結集し、慎重で真摯な審議を行うことを求めます。
被爆者の平均年齢は今年80歳を超えました。日本政府には、国の責任において、被爆者の実態に即した援護の充実と被爆体験者が生きているうちの被爆地域拡大を強く要望します。
原子爆弾により亡くなられた方々に追悼の意を捧げ、私たち長崎市民は広島とともに、核兵器のない世界と平和の実現に向けて、全力を尽くし続けることを、ここに宣言します。
                
 2015年(平成27年)8月9日
 長崎市長 田上 富久
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by kazu1206k | 2015-08-09 18:35 | 平和 | Comments(0)

強行採決、憲法尊重擁護義務に違反

 7月15日、集団的自衛権容認を軸とする安全保障法案が、衆議院の特別委員会において強行採決された。安倍首相自身が法案への「国民の理解が進んでいない」ことを認めながら、世論調査でも国民の大多数が今国会での成立を不必要としている法案の強行採決は、議会制民主主義を否定する、天に唾する行為だ。
 昨年7月、安倍内閣は、閣議決定による集団的自衛権の行使を合憲とする解釈改憲を行い、実質的に憲法9条を否定し、立憲主義を否定し、憲法を蹂躙しはじめた。今回の集団的自衛権容認を軸とする安全保障法案の強行採決は、憲法99条の憲法尊重擁護義務に違反する「クーデター」だ。憲法尊重擁護義務に違反し、法治国家を否定する行為を続ける、アベ政治をわたしたちは許さない。子や孫の未来のために法案の廃案まで、あきらめてなるものか!
 *『日本国憲法第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。』
 「市民として 憲法に従った民主政治を 回復するために」と樋口陽一東京大学名誉教授(憲法学)らが呼びかけ、解釈改憲など安倍政権の動きに対抗し、民主主義の政治をつくるために、憲法学や政治学、経済学、社会学、哲学などの研究者らがを立ち上げ昨年から活動してきた「立憲デモクラシーの会」の「安保法制の衆議院特別委員会強行採決に対する抗議声明」を紹介する。

安保法制の衆議院特別委員会強行採決に対する抗議声明

   2015年7月15日

                        立憲デモクラシーの会

集団的自衛権容認を軸とする一連の安全保障法案について、本日衆議院の特別委員会において強行採決が行われた。首相自身が法案への「国民の理解が進んでいない」ことを認め、各種調査でも国民の大多数が今国会での成立を不必要としている状況での採決は、議会制民主主義を否定する行為と言わざるをえない。

戦後日本は、憲法9条の下で自衛隊が必要最小限度の自衛力を保持するという原則を守り、平和国家として存続してきた。そのことについては広範な国民的合意が存在する。

海外派兵を行わないという原則は、憲法9条の枠の中でのみ自衛力の保持を認めることの論理的な帰結である。地域的な限定のない自衛隊派遣に道をひらく今回の安保法制についてほとんどの憲法学者が違憲であると指摘しているのは、そのためである。

政府は日本を取り巻く安全保障環境の変化を、安保法制が求められる根拠として挙げている。しかし、中国の防衛力増強にしても、北朝鮮の核開発にしても、日本にとっては個別的自衛権で対処しうる問題である。それよりも、隣国との対話の継続と信頼醸成によって、潜在的な脅威そのものを漸減していくことこそ政府の使命のはずである。近隣諸国の脅威を言い立て、軍事力行使の範囲を不明確な形で拡大することは、かえって近隣諸国の不信をあおり、日本の安全を脅かすことに繋がる。軍事的な拡張に軍事的に対抗しようとするのは、政治的緊張を高める稚拙な対応である。

立憲デモクラシーの会は、参議院での審議を注視し、この法制の問題点について引き続き議論を提起し、国民とともに立憲主義および民主主義を擁護する行動をとっていく。
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by kazu1206k | 2015-07-16 07:45 | 平和 | Comments(0)

7月18日全国一斉に「アベ政治を許さない」

作家の澤地久枝さんが、「アベ政治を許さない」「7月18日(土)午後1時きっかり同じポスターを全国一斉にかかげよう」と呼びかけています。

アベ政治を許さない!!

7月18日(土)午後1時きっかり
同じポスターを全国一斉にかかげよう


~~日本中に拡散をお願いします!~~

★2015年7月18日(土)午後1時★

このコピーを一人ひとりが道行く人に見えるようにかかげるのです。
一人で悩んでいる人、誰にも声をかけられない人はわが家の前で、
あるいは窓辺で。
どこででも、あらゆる形で。
東京は国会議事堂前、その他主要駅頭などで。
全国すべての駅、学校、街、村、会場の外など。
示すのは勇気のいる世の中かもしれません。
「許さない」勇気が試されます。
政治の暴走をとめるのは、私たちの義務であり、権利でもあります。  

(澤地久枝)

7月7日現在呼びかけ人 ★114名★

瀬戸内寂聴 金子兜太 落合恵子 小山内美江子 小森陽一 鳥越俊太郎
渡辺一枝 朴慶南 小出裕章 池澤夏樹 窪島誠一郎 崎山比早子 いせひでこ
小林節 石原昌家 浦田一郎 西山太吉 むのたけじ 村田光平 横湯園子 
椎名誠 上野千鶴子 なかにし礼 高畑勲 松元ヒロ 浅田次郎 日野原重明
湯川れい子 佐高信 鎌田慧 雨宮処凛 森村誠一 宇都宮健児 浜矩子 
池田香代子 崔善愛 神田香織 福島瑞穂 照屋寛徳 志位和夫 古賀茂明
山口二郎 豊島耕一 柳田邦男 加藤哲郎 武藤類子 木内みどり 林郁
妹尾河童 黒田杏子 石原昌子 玉井史太郎 坂田雅子 宮子あずさ 高橋哲哉
上原公子 大石芳野 もろさわようこ 河合弘之 渡辺治 中野晃一 
早乙女勝元 小室等 本橋一成 糸数慶子 岩崎貞明 樋口聡 新崎盛吾
永田浩三 山田朗 森まゆみ 青木理 倉本聰 アーサー・ビナード 
吉田忠智 細谷亮太 前田哲男 井出孫六 牧太郎 野見山暁治 大脇雅子
石川逸子 新谷のり子 山本宗補 辛淑玉 高橋竹山 有馬頼底 平山知子
三上智恵 竹内修司 北村肇 色平哲郎 鎌仲ひとみ 石川文洋 門奈直樹
桂敬一 神山征二郎 赤嶺政賢 有田芳生 穀田恵二 原寿雄 柴田鉄治
川﨑泰資 中尾庸蔵 見城美枝子 林克明 矢口周美 斎藤貴男 永六輔
須田春海 堀絢子 石坂啓 関千枝子 澤地久枝
(以上114名 順次発表)

みなさんへのお願い よびかけチラシはこちら→アベ政治を許さない (7/8版)https://dad1ae5b-a-62cb3a1a-s-sites.googlegroups.com/site/hisaesawachi/test/yobikake0708.pdf?attachauth=ANoY7cq8rjjj-S3o-5wup3Vr0EUZjlfzcYCboPDXaa6kWrgBEmkjMpobrlGC5HRYU33laR1arXrcuYR8bw7EgH3gnjIfEO0A_9E8GUuGmggRvpKFV7cLxinY3HDyTWUUXIIb0nuOnzoI1vMWzgk5ejYpTzDJb93uasCAep2pke6Vkgj0iSSCHMxB0arA1s12VPmwIhNbiLOpwWMNF7NI9pQYvaMdBCMG-wuZdrKoFpwS3BLFdOcji2E%3D&attredirects=0

アベ政治の非道に、主権者一人ひとりの抗議の意思をいっせいに示そう。
全国共通のスローガンを、同時に掲げる。言葉は

”アベ政治を許さない”

文字は金子兜太さんが書いてくださいました。

掲げるポスターはコチラ⇒アベ政治を許さないhttps://dad1ae5b-a-62cb3a1a-s-sites.googlegroups.com/site/hisaesawachi/test/sho_f.pdf?attachauth=ANoY7crqGN6uuYzPIA1KcWXTOWbq1dHVtvjhsTsBCELaDw9BuyGYmvmUoSRMzSBpcNWJjykrONC-65ia1_RhSTydq5bTQ9BCXNTkurlIQeDpJRBI0h_8u5g9n_1JfbAQ0bf8RjXH3e6QEIejgSNszZeyzHyq70k9vlOtwRNzKT_ak4nZX4mb7vvEdiEXj_MzMTU9AwavzyOPeobgCK90bkj9FFf-KU6vzw%3D%3D&attredirects=0

A3の大きさで掲げて下さい

「セブンイレブン」のネットプリントで印刷できます。
 ・予約番号 56685090   A3, 白黒  
     プリント有効期限 2015/07/12 (1枚20円)
・予約番号 89697099   A3, 白黒  
     プリント有効期限 2015/07/17 (1枚20円)

7月18日の写真やレポートを yobikake0718@gmail.com にご投稿ください。
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by kazu1206k | 2015-07-11 07:35 | 平和 | Comments(0)

安保法制法案に日弁連の意見書

 日本弁護士連合会は、6月18日記者会見し、「日本国憲法の立憲主義の基本理念並びに憲法第9条等の恒久平和主義と平和的生存権の保障及び国民主権の基本原理に違反して違憲であるから、これらの法律の制定に強く反対する」とする「安全保障法制改定法案に対する意見書」をとりまとめ公表した。
 意見書は6月19日、政府に郵送され、全国52の弁護士会が、それぞれの地元選出国会議員に意見書を届け、法案が違憲であることを訴えるという。
 また、政府が集団的自衛権の行使容認の根拠とする1959年の砂川事件・最高裁判決についても、集団的自衛権を認めるかどうかについては、判断の対象になっていないとして、「根拠にならない」としている。

安全保障法制改定法案に対する意見書

意見書全文
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/report/data/2015/opinion_150618.pdf

2015年6月18日
日本弁護士連合会

本意見書の趣旨

2015年5月15日に内閣が国会に提出した平和安全法制整備法案及び国際平和支援法案は、以下の1から3等において、日本国憲法の立憲主義の基本理念並びに憲法第9条等の恒久平和主義と平和的生存権の保障及び国民主権の基本原理に違反して違憲であるから、これらの法律の制定に強く反対する。

1 我が国に対する武力攻撃がないにもかかわらず、「存立危機事態」において集団的自衛権に基づいて他国とともに武力を行使しようとするものであること

2 「重要影響事態」及び「国際平和共同対処事態」において、武力の行使を行う外国軍隊への支援活動等を、戦闘行為の現場以外の場所ならば行えるものとすること等は、海外での武力の行使に至る危険性の高いものであること

3 国際平和協力業務における安全確保業務やいわゆる駆け付け警護、さらには在外邦人の救出活動において、任務遂行のための武器使用を可能なものとすること等は、海外での武力の行使に至る危険性の高いものであること
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by kazu1206k | 2015-06-20 19:34 | 平和 | Comments(0)

集団的自衛権に反対の請願署名

日本弁護士連合会が「集団的自衛権の行使等を容認する閣議決定を撤回し関連法律の改正等を行わないことを強く求める請願署名」を呼びかけている。2015年6月4日現在の集約数は、252,685筆。以下に掲載。

集団的自衛権の行使等を容認する閣議決定を撤回し関連法律の改正等を行わないことを強く求める請願署名のお願い

2014年7月1日、政府は、集団的自衛権の行使等を容認する閣議決定を行いました。集団的自衛権の行使は、本来、憲法9条の下では許されないことです。当連合会は、憲法の基本原理に関わるこのような重大な解釈変更を、閣議決定で行うことは、立憲主義に反し、憲法の存在意義を失わせると考えており、法律家団体として、立憲主義を堅持する立場から、この閣議決定を認めることはできません。

ところが、政府は現在、この閣議決定を実施するための関連法律の改正案等を、2015年の通常国会に提出し、その成立を図ろうとしています。しかし、このような立法も、同様に憲法9条及び立憲主義に違反するものとして許されません。

そこで、これらに反対し、立法を阻止するための取組の一環として、市民の皆様の声を広く集め、集団的自衛権等に関する立法を行わないことを求める請願署名運動の実施を下記のとおり企画しました。ぜひ、多くの皆様に御協力いただければと存じます。

署名の方法

こちらから署名用紙(PDFファイル;64KB)をダウンロードいただき、氏名・住所を記入の上、必ず郵送でお送りください(FAXでお送りいただいても、無効となります。)。 http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/updates/data/2014/141215_syudantekijieiken_shomei.pdf

送付先

〒100-0013
東京都千代田区霞が関1 丁目1番3号 日本弁護士連合会人権部人権第二課 宛て
TEL:03-3580-9941(平日 9時30分~17時30分)

締切

第一次締切:2014年12月25日(木)
第二次締切:2015年 2月27日(金)
第三次締切:2015年 5月29日(金)
第四次締切:2015年 6月30日(火)
第五次締切:2015年 7月31日(金)


集約数

252,685筆(2015年6月4日現在)


参考

集団的自衛権の行使等を容認する閣議決定に抗議し撤回を求める会長声明(2014年7月1日)
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2014/140701.html
集団的自衛権の行使容認等に係る閣議決定に対する意見書(2014年9月18日)
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2014/140918.html
集団的自衛権Q&A「閣議決定は憲法違反!『集団的自衛権』は、ほんとうは外国のために戦争することです。」http://www.nichibenren.or.jp/activity/human/constitution_issue/matter.html#self_defence
安全保障法制等の法案に反対し、平和と人権及び立憲主義を守るための宣言(2015年5月29日)http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/assembly_resolution/year/2015/2015_1.html
安全保障法制改定法案に反対する会長声明(2015年5月14日)http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2015/150514.html
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by kazu1206k | 2015-06-09 07:26 | 平和 | Comments(0)

安保法案反対、平和と人権・立憲主義を守る日弁連の宣言

日本弁護士連合会は、5月29日に開かれた最高意思決定機関の定期総会で「安全保障法制等の法案に反対し、平和と人権及び立憲主義を守るための宣言」を採択した。

●安全保障法制等の法案に反対し、平和と人権及び立憲主義を守るための宣言

戦後70年を迎えた今、平和と人権及び立憲主義はかつてない危機に瀕している。

政府は、2014年7月1日に集団的自衛権の行使容認等を内容とする閣議決定を行い、これを受けて現在、安全保障法制や自衛隊の海外活動等に関連する法制を大きく改変する法案を国会に提出している。これは、日本国憲法前文及び第9条が規定する恒久平和主義に反し、戦争をしない平和国家としての日本の国の在り方を根本から変えるものであり、立法により事実上の改憲を行おうとするものであるから、立憲主義にも反している。

先の大戦は国内外で多くの戦争被害者を生んだ。日本はアジア・太平洋地域への侵略により、同地域の多くの人々に重大かつ深刻な被害を与えた。また、日本軍の多くの兵士や関係者も死傷し、国内では沖縄における地上戦、広島・長崎への原爆投下、大空襲等により、膨大な数の人々が被害を受けた。

戦争は最大の人権侵害であり、人権は平和の下でこそ守ることができる。

これは、先の大戦の余りにも大きく痛ましい犠牲に対する真摯な反省と、そこから得た痛切な教訓であり、この反省と教訓を胸に私たちの国は戦後の歴史を歩んできた。

憲法前文及び第9条が規定する徹底した恒久平和主義は、この悲惨な戦争の加害と被害を経験した日本国民の願いであり、日本は二度と戦争を行わないという世界に向けた不戦の誓いの表明である。これまでも幾度か憲法第9条を改正しようとする動きがあった中で、今日に至るまで恒久平和主義を堅持してきたことが、アジアのみならず世界の人々の平和国家日本への信頼を育んできた。

ところが、戦後70年を迎え、日本国憲法の恒久平和主義に、今大きな危機が迫っている。

今般、国会に提出された安全保障法制を改変する法案は、憲法上許されない集団的自衛権の行使を容認するものであり、憲法第9条に真正面から違反する。

また、自衛隊の海外活動等に関連する法制を改変する法案は、自衛隊を海外のあらゆる地域へ、しかも「現に戦闘行為を行っている現場」以外であれば戦闘地域を含めどこにでも派遣し、弾薬・燃料等の軍事物資を米国及び他国軍隊に補給することを可能とするものである。これは外国で戦争をしている他国軍隊の武力行使に対する積極的協力であり、他国軍隊の武力行使と一体となり当該戦争に参加するに等しいものであって、憲法第9条に明らかに違反する。また、このような戦争をしている他国軍隊への積極的協力は、相手側からの武力攻撃を誘発し、我が国が外国での武力紛争に巻き込まれる危険を伴い、現場の自衛官は、武器を使用して他国の人々を殺傷する立場に追い込まれ、自らが殺傷される危険に直面する。全世界の国民が平和的生存権を有することを確認し、国際紛争を解決する手段として戦争と武力行使を永久に放棄し、戦力の保持を禁じ、交戦権を否認している日本国憲法の下で、このような事態を起こしかねない法制への改変は到底許されない。

このように、最高規範である憲法の恒久平和主義に反する極めて重大な問題であるにもかかわらず、主権者である国民に対して十分な説明が行われないまま、2014年7月1日に閣議決定がなされ、それを受けた与党協議を経た安全保障法制等を改変する法案が第189回国会に提出されたが、米国との間で「日米防衛協力のための指針」の見直しが先行して合意された。政府の方針が、主権者への不十分な説明のまま、対外的に決定され、憲法改正手続を経ることなく、法律の制定、改廃によって憲法第9条の改変が事実上進められようとしている。これは立憲主義に反するものであり、到底容認することができない。

戦前、弁護士会は、言論・表現の自由が失われていく中、戦争の開始と拡大に対し反対を徹底して貫くことができなかった。戦後、弁護士及び弁護士会には弁護士法第1条の「基本的人権を擁護し、社会正義を実現する」という使命が与えられた。この使命は、国民からの期待と信頼に応えるものであり、今、弁護士及び弁護士会が「基本的人権を擁護し、社会正義を実現する」という立場から意見を述べ行動しなければ、弁護士及び弁護士会は、先の大戦への真摯な反省と、そこから得た痛切な教訓を生かせないことになる。

私たちは、1950年の第1回定期総会(広島市)に引き続いて開催された平和大会において、日本国憲法の戦争放棄の崇高な精神を徹底して、平和な世界の実現を期することを宣言した。私たちはこの決意を思い起こし、憲法の恒久平和主義や基本的人権の保障及び立憲主義を守り抜くために、集団的自衛権の行使等を容認し自衛隊を海外に派遣して他国軍隊の武力行使を支援する活動等を認める、今般の安全保障法制等を改変する法案に強く反対するとともに、平和と人権、そして立憲主義を守る活動に国民と共に全力を挙げて取り組む。

以上のとおり宣言する。


2015年(平成27年)5月29日
日本弁護士連合会
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提案理由

第1 はじめに

1 平和と人権及び立憲主義の危機

戦後70年を迎えた今、平和と人権及び立憲主義はかつてない危機に瀕している。

日本は戦後、恒久平和主義を基本原理とする日本国憲法の下、一度も戦争をすることなく、平和国家の礎を築いてきた。

ところが、政府は、2014年7月1日に「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」と題する閣議決定(以下「本閣議決定」という。)により、集団的自衛権の行使を容認する立場を明らかにするとともに、自衛隊を海外に派遣して戦争を遂行する他国軍隊を直接的に支援したり、任務遂行のための武器使用を認めるなどの活動の拡大方針を決定した。本閣議決定を受けて、「日米防衛協力のための指針」が国内法制に先行して見直され、そして今、安全保障法制や自衛隊の海外活動等に関連する法制を大きく改変する法案が国会に提出され、その審議が行われている。

これは、日本国憲法前文及び第9条の下でこれまで築いてきた平和国家としての日本の国の在り方を根本から変えるものであり、立法により事実上の改憲を行おうとするものであるから、国家権力の行使は憲法に基づかなければならないという立憲主義にも反している。

今改めて、日本国憲法の恒久平和主義と、その原点である先の大戦を振り返り、平和と人権の問題を確認することが必要である。

2 アジア・太平洋地域における戦争下での人権侵害

1931年9月18日、日本軍が謀略により起こした柳条湖事件を口実に開始された中国侵略は、1937年7月7日の日本軍の夜間演習中の偶発的出来事から生じた盧溝橋事件等を機に本格化する。

日本は、アジア・太平洋地域への侵略により、同地域の多くの人々に重大かつ深刻な被害を与え、約1900万人の戦争犠牲者を出したとされており、数々の重大な人権侵害を引き起こした。

日本軍の多くの兵士や関係者も、戦死し、病死し、餓死していった。日本国内でも、沖縄における地上戦、広島・長崎への原爆投下、大空襲等により、膨大な数の人々が被害を受けた。我が国の戦争犠牲者の全体数は約310万人といわれている。

戦争は最大の人権侵害であり、人権は平和の下でこそ守ることができる。これは、先の大戦の余りにも大きく痛ましい犠牲に対する真摯な反省と、そこから得た痛切な教訓であり、この反省と教訓を胸に私たちの国は戦後の歴史を歩んできた。

第2 日本国憲法の徹底した恒久平和主義

1 戦争の違法化の徹底

国際社会は、戦争をめぐり、不正な攻撃への対抗等を目的とする「正義の戦争」だけが許されるとする「正戦論」から、戦争に訴える権利は国家の主権的自由であるとの考え方(無差別戦争観)を経て、戦争は違法であると考えるようになった(戦争放棄に関する条約(パリ不戦条約、1928年))。もっとも、そこで禁止される戦争は、「國家ノ政策ノ手段トシテノ戰爭」、すなわち侵略戦争を指し、自衛戦争は認められるなど全ての戦争を違法とするものではなかった。

第二次世界大戦の反省の下に制定された国際連合憲章(以下「国連憲章」という。)は、平和的解決義務を具体化し(国連憲章第2条第3項)、「武力による威嚇又は武力の行使」を原則として禁止し(国連憲章第2条第4項)、戦争の違法化を徹底した。しかしなお、国連が軍事的措置等をとるまでの間の暫定的な措置として、個別的又は集団的自衛の権利を害するものではないとされた(国連憲章第51条)。

2 国連憲章を超える日本国憲法の徹底した恒久平和主義

このような中で日本国憲法は、全世界の国民の「平和のうちに生存する権利」を憲法前文に明記し、「武力による威嚇」及び「武力の行使」を禁じて戦争を放棄したこと(憲法第9条第1項)に加えて、戦力の不保持と交戦権の否認を規定し(憲法第9条第2項)、国連憲章の規定による集団的自衛権の行使をも認めないという、世界の平和主義の系譜の中でも類がない徹底した恒久平和主義を基本原理とすることとした。

それは、余りにも悲惨な戦争の被害と加害を経験した日本国民の願いであり、日本は二度と戦争を行わないという世界に向けた不戦の誓いの表明である。これまでも幾度か憲法第9条を改正しようとする動きがあった中で、今日に至るまで恒久平和主義を堅持してきたことが、アジアのみならず世界の人々の平和国家日本への信頼を育んできた。

第3 日本国憲法の恒久平和主義の大きな転機

1 安全保障法制等を大きく改変する法案の国会提出に至る経緯

本閣議決定では、①武力攻撃に至らない侵害への対処、②国際社会の平和と安定への一層の貢献(①及び②は自衛隊の海外活動への規制を大幅に緩和するもの)、③憲法第9条の下で許容される自衛の措置(集団的自衛権行使容認に係る安全保障法制に関するもの)の3点について述べている。

本閣議決定を受けて、「日米防衛協力のための指針」の見直しが行われ、今般、安全保障法制及び自衛隊の海外活動等に関連する法制を改変する法案が国会に提出され、その審議が始まっている。

2 安全保障法制等の特徴-集団的自衛権行使容認と自衛隊の海外での戦争協力支援

(1) 徹底した恒久平和主義を採用している憲法第9条の下では自衛戦争を含めた全ての戦争を放棄したとの見解が有力にある中で、従来の政府見解は、自衛のための実力の行使が認められるとしつつ、それはあくまでも、我が国が外国から武力攻撃を受けた場合にこれを排除することに限定していた。その上で、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず実力を持って阻止する集団的自衛権の行使は認められないとしていた。これにより、自衛隊が海外に出て戦争に参加するような積極的な武力の行使に歯止めをかけ(専守防衛政策)、我が国の安全保障法制の合憲性を保持しようとしてきたのである。

しかし、本閣議決定はこれらを変更し、我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」にも、必要最小限度の実力を行使し得ることとし、今般の安全保障法制を改変する法案は本閣議決定の実施に法律上の根拠を与えようとするものである。

これは従来の憲法上は許されないとしてきた集団的自衛権の行使を「自衛のための措置」として認めるものであり、さらには「自衛のための措置」であれば国連の軍事的措置への参加も可能にしようとするものである。

(2) また、自衛隊の海外活動等に関連する法制を改変する法案は、地理的限定をなくして海外のあらゆる地域の戦闘行為を行っている現場近くまで自衛隊を派遣し、戦争等を遂行する米国及び他国軍隊への支援として、弾薬・燃料等の軍事物資の提供や輸送その他の役務の提供等を可能とするものである。

これは外国で戦争をしている他国軍隊の武力行使に対する積極的協力であり、他国軍隊の武力行使と一体となり当該戦争に参加するに等しいものである。

さらに、今般の法案では、平和協力活動の範囲を拡大するとともに「駆け付け警護」その他の任務遂行のための武器使用を認めようとするものである。また、自衛隊法を改変する法案等により、自衛隊の活動と権限を他国軍隊の武器等の防護等や在外邦人の救出活動にまで広げようとしている。これらの法案もまた、我が国が戦争や戦闘行為に陥る具体的危険を生じさせるなど、自衛隊の海外における武器の使用に道を開くものに他ならない。

3 安全保障法制等を改変する法案は恒久平和主義に反する

このように、今般の安全保障法制等を改変する法案は、集団的自衛権の行使等を容認するばかりでなく、戦闘中である米国及び他国軍隊への後方支援として、自衛隊を海外のあらゆる地域へ、しかも戦闘地域まで派遣し、弾薬・燃料等の物品や自衛隊の役務を米国及び他国軍隊に提供することを可能とするものであり、また自衛隊の武器使用権限を拡大するものである。

他国軍隊に戦闘地域で弾薬・燃料等を補給することは武力行使と一体化した戦争参加とみるべきものであり、相手国からの武力攻撃を受け、武力紛争へと発展する高度な危険を伴う。また、武器の使用権限の拡大も武力紛争のきっかけとなりかねない。いずれにしても、このような状況下で、現場の自衛官は、武器を使用して他国の人々を殺傷する立場に追い込まれ、自らが殺傷される危険に直面する。戦前の盧溝橋事件は、現場での兵士の武器使用が全面戦争のきっかけとなる危険があることを示しており、今改めてこの歴史の教訓に学ばなければならない。全世界の国民が平和的生存権を有することを確認し、国際紛争を解決する手段として戦争と武力行使を永久に放棄し、戦力の保持を禁じ、交戦権を否認している日本国憲法の下で、他国軍隊の武力行使に協力することは、平和的生存権を侵害し、憲法第9条に反し、到底許されないものである。

第4 日本国憲法の立憲主義に対する危機

1 国民への情報提供が不十分な中での安全保障法制等の改変

今般の安全保障法制等の改変に向けて、本閣議決定やその後の「日米防衛協力のための指針」の見直し作業、さらには与党協議が行われてきたが、その間、主権者である国民に対しては、十分な情報が与えられず、民意を反映させようとする努力も行われてこなかった。国民は、第189回通常国会が開会された後、安全保障法制等の改正案等が国会に提出されて初めて具体的な情報を得ることができた。

そもそも、国政の在り方を決定する権威と権力を有するのは国民である(国民主権)。

この国民主権が十全に機能するためには、内閣総理大臣、国務大臣及び国会議員は、憲法尊重擁護義務(憲法第99条)を負う者として、充実した国民的議論が保障されるように、必要かつ十分な情報を提供し、多様な意見に十分に耳を傾けながら、丁寧に説明する責任がある。しかし、政府は、恒久平和主義に反する安全保障法制等を改変する法案が国会に提出されるまで、主権者である国民に対して十分な説明を行わないまま、不透明な状況下で既成事実を積み重ねてきたのである。

2 立憲主義に反することは許されない

このように、最高規範である憲法の恒久平和主義に反する極めて重大な問題であるにもかかわらず、主権者である国民に対して十分な説明が行われないまま憲法の恒久平和主義に反する本閣議決定がなされ、それを受けた与党協議を経た安全保障法制等を改変する法案が国会に提出され、米国との間で「日米防衛協力のための指針」の見直しが先行して合意された。政府の方針が、主権者への不十分な説明のまま、対外的に決定され、憲法改正手続を経ることなく、法律の制定、改廃によって憲法第9条の改変が事実上進められようとしている。これは立憲主義に反するものでもあり、到底容認することができない。

第5 憲法の恒久平和主義や基本的人権の保障及び立憲主義の擁護と弁護士会の責任

1 戦前の弁護士会の活動の教訓

今、平和と人権及び立憲主義が危機に瀕しているときだからこそ、弁護士会は、憲法の恒久平和主義や基本的人権の保障及び立憲主義を守るための意見を述べ、活動に取り組まなければならない。

戦前、人権擁護活動を熱心に行っていた弁護士はいたものの、それは個人的対応に留まり、弁護士会としては、必ずしも十分な人権擁護活動は行っていなかった。朝鮮への植民地支配や、中国への侵略、さらにはアジア・太平洋地域へ戦線が拡大し、言論・表現の自由が失われていく中で、弁護士及び弁護士会も戦時色に染まっていき、1944年には、中国大陸の権益を軍事力により確保するための国家総動員体制に組み込まれる形で、大日本弁護士報国会が作られるなど、弁護士会は戦争の開始と拡大に対し反対を徹底して貫くことができなかった。

また、先の大戦下では、個人の権利主張は反国家的であるという風潮が強まる中で民事事件が減少し、刑事事件についても被疑者・被告人を弁護することを敵視する見方が強まった(日弁連五十年史)。そのため、国民が司法制度を利用する機会が減少し、弁護士の活動範囲が狭まったのであり、平和や人権を守るための活動を積極的に行うことは、それ自体大事なことであるとともに、日常の弁護士活動の基盤として弁護士が人々の権利を擁護するために必要であるということも、真摯な反省と痛切な教訓として残った。

2 当連合会の原点-人権を守り平和な世界を築くこと

日本国憲法は1946年11月3日に公布され、1947年5月3日に施行された。基本的人権の保障が憲法上明確に規定されたことに伴い、弁護人依頼権の規定(憲法第34条、第37条第3項)など弁護士に関する規定が憲法上初めて置かれた。これにより、弁護士の職務が人権擁護や司法制度にとって不可欠な存在であるとされた。この弁護士の新たな地位及びその職務を規律するため、1949年5月30日に改正弁護士法が成立し、弁護士法第1条により新たに「基本的人権を擁護し、社会正義を実現する」使命が設けられた(同年6月10日公布・同年9月1日施行。)。

改正弁護士法を受けて、1949年9月1日に当連合会が設立された。1950年5月12日に当連合会は第1回定期総会を被爆地である広島市で開催し、それに引き続いて平和大会を開催して、次の平和宣言を採択した。

「日本国憲法は世界に率先して戦争を放棄した。われらはこの崇高な精神に徹底して、地上から戦争の害悪を根絶し、各個人が人種国籍を超越し自由平等で且つ欠乏と恐怖のない平和な世界の実現を期する。右宣言する。」

この宣言に表れているとおり、戦争を放棄した日本国憲法の恒久平和主義(憲法前文及び第9条)を徹底することは、当連合会の原点である。そして、その原点は、戦前において国が戦争への道を推し進めようとしているときに、弁護士及び弁護士会がそれに必ずしも十分な対応ができず、むしろそれを推し進める役割の一翼を担ってしまったことへの真摯な反省と痛切な教訓に基づくものである。

3 立憲主義違反を阻止するのは弁護士及び弁護士会の当然の責務

憲法をないがしろにすることは、憲法により守られている私たちの人権をないがしろにすることである。弁護士及び弁護士会の「基本的人権を擁護し、社会正義を実現する」という使命は国民からの期待と信頼に応えるものであるが、今この立場から意見を述べ行動しなければ、弁護士及び弁護士会は、先の大戦への真摯な反省と、そこから得た痛切な教訓を生かせないことになる。

当連合会はこれまでも、2013年5月の第64回定期総会において「集団的自衛権の行使容認に反対する決議」を、2014年5月の第65回定期総会において「重ねて集団的自衛権の行使容認に反対し、立憲主義の意義を確認する決議」を採択した。また、2014年9月には「集団的自衛権の行使容認等に係る閣議決定に対する意見書」を、2015年2月には「『日米防衛協力のための指針の見直しに関する中間報告』及びこれに基づく見直しに対する意見書」を採択してきた。

平和宣言に示された私たちの原点を踏まえたとき、日本国憲法の基本原理である基本的人権の保障と恒久平和主義に反する法律が制定されようとし、立憲主義が脅かされている今、これに対して、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とし、日本国憲法の掲げる平和な世界の実現を期すると宣言した私たち弁護士及び弁護士会が、人権と平和を守るために意見を述べ、行動することは当然の責務である。

第6 結論

私たちは、1950年の第1回定期総会(広島市)に引き続いて開催された平和大会において、日本国憲法の戦争放棄の崇高な精神を徹底して、平和な世界の実現を期することを宣言した。私たちはこの決意を思い起こし、憲法の恒久平和主義や基本的人権の保障という基本原理及び立憲主義を守り抜くために、集団的自衛権の行使等を容認し自衛隊を海外に派遣して他国軍隊の武力行使を支援する活動等を認める、今般の安全保障法制等を改変する法案に強く反対するとともに、平和と人権、そして立憲主義を守る活動に国民と共に全力を挙げて取り組む。

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by kazu1206k | 2015-05-30 07:12 | 平和 | Comments(0)

佐藤かずよし


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