<   2011年 12月 ( 23 )   > この月の画像一覧

取り返しのつかないものを取り返す

大晦日です。巨大地震、巨大津波に原発事故の福島原発震災、慟哭の2011年が幕を閉じようとしています。3月11日以来、いわき市内はもとより、福島県内、全国各地の皆様に、筆舌に尽くせないご支援を頂きました。ただただ感謝です。お世話になりながら、お礼もできないことが心苦しいかぎりです。みなさま、ほんとうにありがとうございました。そして、ほんとうにお疲れさまでした。
年末年始、つかの間の休息ですが、英気を養って、困難な年月に備えたいと思います。

昨日で何とか暮れのご挨拶をすませ、今日ようやく事務所の大掃除を行いました。これで、どうにこうにか年が越せそうです。今年も一年間、ブログをご愛読頂きまして、ほんとうにありがとうございました。恒例の「風のたより」ブログ検索ワードランキングを発表いたします。2011年の年間トップ10は、12月30日現在で、次のようになりました。

第1位、福島原発メルトダウン(ダントツの15,865件でした)
第2位、佐藤かずよし
第3位、矢ケ崎克馬
第4位、井戸沢断層
第5位、佐藤和良
第6位、いわき放射能市民測定室
第7位、いわき市議佐藤和良
第8位、いわき市議会議員
第9位、いわきアクション!ママの会
第10位、いわき市放射能測定値

また、アクセス数の多かった日のトップ5。
第1位、5月2日 15,258件
第2位、3月14日 13,889件
第3位、3月15日 12,387件
第4位、3月13日 10,824件
第5位、3月16日 10,181件

昨日、いわきの仮設住宅に避難中の従兄弟たちと話す機会がありました。3.11から今も進行中の原発震災体験を語る彼らの表情は、困難な歳月を前に、皆しわが深くなり、ひとまわり体が小さくなったように見え、苦悩の色が深い。原発・放射能からの逃避行、避難所暮らしから冬を迎え津々と冷え厳しさが増す仮設住宅での生活の困難さ、汚染された大地への帰郷を迫る政府と行政の理不尽さ、深かまるばかりの営農の困難、利権化した除染への不信、肥育牛の殺処分、先の見えない生活に喘ぐ重い怨嗟の声ばかりだ。破壊された日々の暮らしは越年する。政府の事故終息宣言なるものが如何に姑息で虚構であることか。人々はそれを既に見抜いており、深刻な現実を前に心をやっと支えている。「絆」なんて誰がいえるのか。来年は、この深刻な福島原発震災の地の底から、追いつめられた東北の、福島の鬼が澎湃として湧き出ることになるかもしれない。

2012年の明日からも、取り返しのつかないものを取り返すために、わたくしはみなさまと手を取り合い、力を合わせていきます!
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by kazu1206k | 2011-12-31 20:49 | 心模様 | Comments(0)

福島原発事故の「犯罪」を裁く

作家の広瀬隆さん、ジャーナリストの明石昇二郎さん、弁護士の保田行雄さんが『福島原発事故の「犯罪」を裁く』という単行本を出版しました。「BOOK」データベースには、「あなたにも告発・提訴できる原発村の悪。脱原発派&被災者のための法律・訴訟ガイド」とされています。

●以下は、内容紹介です。

今年7月、作家の広瀬隆氏とジャーナリストの明石昇二郎氏、東京電力福島第一原発の事故をめぐって、過失責任を問われるべき当事者を東京地検特捜部に刑事告発し、ネットを中心に話題となりました。本書では、いまだに責任が問われていない東電の経営陣、原子力安全委員会の委員など、その責任を徹底究明。さらに、東電がはじめた原発事故被害者への賠償について、そのあまりにも人でなしのやり口を徹底的に暴き、福島県民からお茶が汚染された静岡県民まで、幅広い被害者に民事訴訟を通じた賠償請求の仕方を徹底解説し、補償金の取り方まで解説します。あなたにも追及できる東電&御用学者の犯罪、法的責任! 画期的な脱原発本の登場です。

単行本: 95ページ/価格: ¥600  出版社: 宝島社
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by kazu1206k | 2011-12-30 19:40 | 脱原発 | Comments(0)

パオ広場=中央台暮らしサポートセンター

昨27日、中央台のいわき自立生活センターに伺ったところ、敷地内にある「パオ広場」は大変な賑わいでした。「パオ広場」は、モンゴルの遊牧民の移動式住居「パオ」の形の建物を中心にした交流広場です。これは、いわき市中央台の仮設住宅で暮らす皆さんのお役に立ちたいという思いから「いわきNPOネットワーク」が立ち上げたものです。
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現在、中央台地区には、仮設住宅がいわき市の189戸はじめ、広野町235戸、楢葉町576戸が立ち並び、数千の住民のみなさんが厳しい冬を迎えて苦労の多い避難生活を続けています。
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このため、中央台暮らしサポートセンター(通称・パオ広場)として、介護や子育て、生活再建などの相談会やマッサージやお手軽カットサロンを開催したり、月に1度お楽しみイベントも行っています。場所は中央台東小学校北側で高久第2仮設の道路を挟んで向かい側です。
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この日は、震災直後から支援活動を行っている「千葉県市原市有志の会」のボランティアの皆さんが、少しでもよう新年を迎えて頂きたいという思いで、正月用のお餅の配布やおでんの炊き出し、窓ガラスにはって断熱効果が上がる「プチプチ」などをお配りしておりました。
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by kazu1206k | 2011-12-28 19:37 | 地域 | Comments(0)

東電本社に海洋放出の撤回を求める

26日、いわき市議会として東京電力本社に決議文提出のため上京しました。
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いわき市議会は、12月定例会最終日の15日に「福島第一原子力発電所からの放射性物質汚染水の海洋放出計画に抗議し撤回を求める決議」を満場一致で可決しました。いわき市議会は、放射能による海洋汚染が広がり深まる中で、操業の見通しも立たず苦しんでいる漁業者や水産関係者の心を傷つけ心を折ろうとする、この汚染水の海洋放出計画を許さず、水産関係はもとより東京電力の横暴に憤るいわき市民の声を、直接、東京電力側にぶつけ撤回を強く求めるための提出行動となりました。
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決議文は、正副議長、議会運営委員会の委員、東日本大震災復興対策特別委員会の正副委員長など12名が、千代田区内幸町の東京電力本社に赴き、蛭田いわき市議会議長から小森東京電力常務に手渡されました。提出にあたって、議長の要旨説明後、参加した全議員が異口同音に、溜まり続ける第一原発の放射性物質汚染水の海洋放出計画の撤回を求めました。
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東京電力側で応対した小森常務は、福島第一原発の所長経験者で、現在も福島第一安定化センターの所長であり、ずっと事故処理対応の責任者の一人。小森常務は、私たち議員の「海洋放出計画の撤回を明言してもらいたい」という声に、「各種汚染水の対応を検討している」と、被害を受けてい基礎自治体の議会の声にまともに応えない態度に終始したため、「1ヶ月以内に、いわき市議会に来て説明を求める」ことを要求して、30分という期限を少しオーバーした提出を終えました。
東京電力本社は、いわき市議会代表団を正面玄関脇の狭い面会室でお茶一つ出さないという対応ぶりでした。回答も、いかにも反省のない開き直った発言で、やはり原子力「加害企業」として相当の「確信犯」であろう、さもありなんという対応に呆れ果てました。しかし、わたしたちは、いわき市議会として、原発震災で辛酸をなめている漁業者や水産関係者はじめ、いわき市民を一層苦境に陥れようとする、東京電力の放射性物質汚染水の海洋放出計画の明確な撤回を求め、東京電力の開き直りを許さず活動していく決意です。
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by kazu1206k | 2011-12-27 09:51 | 議会 | Comments(0)

ふれあいもちつき大会

12月24日午前、歳末恒例の「ふれあいもちつき大会」で餅をつきました。毎年お邪魔している特別養護老人ホーム「かしま荘」のかしまデイサービスセンター、役員をつとめる「鹿島地区ふれあい会」の主催です。
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今年も、かしま荘利用者の皆さん、かしまデイサービスセンターやケアハウスの利用者さんたちが臼を囲むように集まりました。「かしま荘」の職員さんや鹿島町下蔵持・久保一区・米田・飯田地区の子ども会の子どもたちも一緒になって、「よいしょ、よいしょ」の掛け声をかけながら、ペッタン、ペッタンと杵で4臼つきました。
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わたくしも、かしま荘のヘルパーさんの「こねどり」で一臼つかせてもらいました。餅つきは大好きで、毎年つかせてもらいます。餅つきは、年の暮れ、父母や家族と一生懸命に餅つきをした思い出や懐かしい記憶がフーッとが甦ってきます。
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子どもたちは、歌のプレゼントも行い、いつもながら暖かいひとときでした。ついたお餅は、お雑煮、お汁粉、納豆もち、きな粉もちにして、みんなでいただきました。いよいよ、今年も暮れます。
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by kazu1206k | 2011-12-25 22:34 | 地域 | Comments(0)

放射能に汚染されていない食品を子供たちに

12月23日、新潟県からいわき市の保育所に非汚染食品が届けられました。
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刈羽産のコシヒカリ玄米30kg2体はじめ、お餅や野菜は「勝山農産」さん、津南の小木曽さんが友人から集めてくれたジャガイモ、サツマイモ、ニンジン、白菜などの野菜、十日町の大島さんからの野菜もいただきました。いずれも柏崎市、刈羽村の皆さんが直接届けてくださいました。
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一方、12月に入り、島根県松江市内の生産者さんから大根・白菜・かぶなど8ケース、同じく島根県内の木次、吉田町、斐川町の生産者さんからも野菜2ケースずつ、斐川町の景山製油所からは油、北海道の生産者さんからや長野県の生産者からはリンゴが20ケース送られるなど、放射能汚染されていない食品を、福島の子供たちに食べさせようという呼びかけに応えて、全国の有機農業生産者が非汚染食品を提供してくださいました。いずれも、各保育所の給食に利用され、子供たちはじめ保護者に喜ばれています。
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by kazu1206k | 2011-12-24 22:54 | 地域 | Comments(0)

食品の放射性物質新基準案に反対する

グリーンピースなど5団体が、厚労省の食品の放射性物質新基準案に反対して抗議文を出しました。

*厚労省の食品の放射性物質新基準案に反対する

食品による内部被ばくだけで1ミリシーベル基準は高すぎる
外部被ばくを含めた1ミリシーベルトの遵守を
子どもの基準をより厳格に設定すべき

 食品に含まれる放射性物質の基準値について、厚労省は、放射性セシウムの基準値を、「一般食品」は1キログラム当たり100ベクレル、「乳児用食品」と「牛乳」は同50ベクレル、「飲料水」は同10ベクレルとする新基準値案をまとめ、22日の薬事・食品衛生審議会の部会で提示すると報道されている。
政府が、現在のあまりに甘い暫定基準値をここまで長期に適用したことは、大きな問題である。
 また、新基準値設定にあたり、放射性セシウムによる年間被ばくの許容上限を暫定基準値の「5ミリシーベルト」から「1ミリシーベルト」へ引き下げるということだが、この基準案には以下の問題がありとても認められるものではない。

・食品の放射性セシウムによる年間被ばくを1ミリシーベルト以下に抑えるだけでは、トータルな被ばくを1ミリシーベルト以下に抑えることはできない。放射性セシウム以外にも、放射性ストロンチウム、放射性ヨウ素やウラン、プルトニウム等による内部被ばくがあり、それに加えて外部被ばくがある。これらを合せて年間1ミリシーベルト以下に抑えなければならない。ストロンチウムやプルトニウムは「測定が困難」として、セシウムに換算していると報道されているが、これら健康影響の大きい核種について、独自の基準を設けるべきである。

・食品安全委員会の食品による健康影響評価は「追加的な被ばくを食品のみから受けたことを前提に」したものであり、現状ではこの前提は崩れている。外部被ばくだけをとっても、既に1ミリシーベルトを超えている地域が多く存在すること、福島周辺では、放射能雲(プルーム)やホコリの吸い込み、食品を通じた内部被ばくが明らかになっており、子どもたちにこれ以上の余分な被ばくをさせてはならないことから、食品による内部被ばくは極力ゼロに抑えなければならない。

・給食では40ベクレルを事実上の基準値として運用する動きがあるが、それに比べても緩い基準である。

・チェルノブイリ周辺国であるウクライナでは、主食のじゃがいも60ベクレル、野菜40ベクレルなど、日常的に食するものについてより厳しい基準を設けているが、そのような措置をとろうとしていない。

・一般食品の基準値は、全ての年代で同等に設定されている。また、乳児食品の基準値は一般食品の2分の1にしかすぎない。子どもが大人よりも放射線に対する感受性が高く影響が大きいことは常識といってもよく、原子力安全委員会も考慮するよう求めているが、厚労省案はこれを十分反映したものにはなっていない。

・食品の基準値は、子どもをもつ母親をはじめ、多くの人の関心事であるが、公開の場での検討が十分なされているとはいえない。

 以上の点を踏まえ、現在の暫定基準値の一刻も早い抜本的な見直しを行うべきである。

2011年12月22日
福島老朽原発を考える会(フクロウの会)
東京都新宿区神楽坂2-19 銀鈴会館405 共同事務所AIR TEL/FAX 03-5225-7213

国際環境NGO FoE Japan
東京都豊島区池袋3-30-8-1F TEL 03-6907-7217 fax 03-6907-7219

グリーン・アクション
京都市左京区田中関田町22-75-103 TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952

美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)
大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581

グリーンピース・ジャパン
東京都新宿区西新宿 8-13-11N・Fビル2F TEL 03-5338-9800 FAX03-5338-9817
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by kazu1206k | 2011-12-23 23:48 | 福祉医療 | Comments(0)

自主避難の賠償問題

福島老朽原発を考える会から、自主避難の賠償問題について、「東電への個別請求により全面賠償を勝ちとろう-原賠審が自主的避難者等に対する賠償方針を決定-」の記事が届きました。以下に掲載します。
_____________________________________
東電への個別請求により全面賠償を勝ちとろう
-原賠審が自主的避難者等に対する賠償方針を決定-

2011年12月20日
福島老朽原発を考える会

 12月6日の原子力損害賠償紛争審査会において、中間指針追補が決まり、自主的避難者等に対する賠償方針が定まりました。追補は、賠償の対象地域を、福島県の県北・県中・いわき・相双の市町村とし、子どもや妊婦は今年12月末まで、それ以外は「事故の発生当初」の時期のみを対象に、避難者にも、残留者にも、子どもと妊婦で一人一律定額40万円、それ以外の人については一人一律定額8万円を支給するとしています。追補には問題点が多くあります。線量基準を設けず、一律同額にこだわったところから、賠償の範囲についても額についても根拠があいまいで、避難区域内からの避難者に比べても不利な内容となっています。その一方で、東電への個別請求による全面賠償を勝ちとる道を残すものとなっています。

■「自主」避難者へも賠償を!…ゼロからの出発

 水素爆発の恐怖から避難せざるをえなかった!とても子どもを育てられる環境ではない!政府が決めた避難基準は高すぎる!二重生活、二重ローンで生活は苦しい!自主的に勝手に避難したのではない、避難せざるをえなかったことを認めて欲しい!…私たちが国際環境NGO FoE Japanと共に行ったアンケートには、政府が決めた避難区域外にいたというだけで、賠償の対象から外されようとしていた自主的避難者からの悲痛の声が寄せられました。
 「自主」避難者にも賠償を!をスローガンに掲げた運動は、6月の段階で、原子力損害賠償紛争審査会が、中間指針の検討項目から、避難区域外からの避難者への賠償の項目を外したところからスタートしました。ゼロからの出発でした。
 審査会委員への手紙、意見書、自主的避難者へのアンケート、審査会が開かれる文科省前でのアピール行動、東電への要請行動、東電への請求書提出行動、審査会事務局との交渉、自主的避難者を招いての集会、署名運動等々、さまざまなはたらきかけを行いました。その結果、自主的避難者への賠償問題が、中間指針決定後も審査会の継続課題となり、その後、私たちが強く要求した審査会での避難者を招いての公聴会が実現し、今回の追補で、賠償が正式に認められるに至りました。自主的避難者のみなさんにはこの間、福島だけでなく、避難先の首都圏、山形、静岡、関西、北海道からも駆けつけてくださいました。大きな成果だと思います。

■賠償対象も額も明確な根拠なし

 追補はしかし、さまざまな問題点を含んでいます。私たちはこの間、自主的避難者について、実費の全面賠償を求めてきました。しかし追補は、一律定額の賠償を基本としました。なぜ一律なのか、なぜ40万円と8万円なのか、明確な根拠はありません。また、対象地域の選定には線量基準がなく、なぜこの地域なのかについても明確な根拠はありません。原子力ムラ出身の委員に気を使い、線量基準を設けず、実費賠償を放棄したところから、賠償の範囲についても額についても切れたたこのように根拠のないものになってしまいました。下記に問題点を列挙します。

・ 自主的避難者の中には、引っ越し費用、二重生活に伴う生活費の増大、交通費などにより、多大な経済的負担を負った方もいます。退職、転職を余儀なくされ、収入が大幅に減少した方、借金をかかえた方もいます。これらの避難費用や収入の減少や喪失、財産の減少などを積み上げると、今回の一律の賠償では不十分な場合が多くでてくるでしょう。

・ 今回決まった子ども・妊婦の支給額40万円は、月4万円の10ヶ月分に相当します。これに避難費用、精神的損害、付き添いの保護者の避難費用も含みます。それに対し、避難区域内からの避難者については、精神的損害だけで月10万円(中間指針では9月以降は月5万円に減額されることになっていましたが、実際には減額されていません)であり、避難費用は別途実費が請求できます。自主的避難の場合、子ども・妊婦以外ではさらに減額され、「事故の発生当初」に限定した一人総額8万円にしかすぎません。不公平感は否めません。

・ 賠償期間があまりに短すぎます。期間は今年12月までで、来年1月以降については再検討することになっていますが、状況に変化がないことは目に見えています。支払いが遅れれば、借金がかさみます。国や自治体の除染計画はおおむね2年間で立案されていますが、除染に2年かかる、すなわちそれまでには線量が十分さがらないということを考えれば、賠償期間は最低でも2年とし、それ以降も検討できるようにすべきです。

・ 子ども・妊婦以外の住民に対して、「事故の発生当初」しか賠償が認められないことは不合理です。子ども・妊婦への配慮は、賠償の範囲を狭めるために行うのではなく、基本的な賠償範囲に追加する際に検討されるべきです。

・ 賠償対象の地理的範囲が、県北・県中・いわき、相双となっていますが、宮城県丸森町などこの外側にも空間線量が高い地域が存在します。基本的には、日本の既存の法令での公衆被ばく限度などを参照しつつ、自主的避難に対して幅広く賠償を認めていくべきです。

■被ばくの不安・恐怖・危険回避のための避難の合理性を認めた意味

 一方で、追補は、被ばくへの恐怖と不安、その危険を回避しようと考えて行った避難はやむをえないものであるとし、その合理性をはじめて認めました。これは中間指針にもなかった記載です。さらに、対象区域外や記載された損害項目以外についても個別に賠償が認められることがあり得るとの記載があります。これにより、一律定額を超える費用請求や、線量が高いにもかかわらず対象外となった地域からの費用請求について、東電に対する個別請求により、精神的損害や、賃金の減少分などの派生的費用を含む、全面的な賠償を勝ち取る道を開くものとなっています。

 審査会の場で、実費を認めよと会場が騒然となったとき、能見会長は、指針はあくまで指針にすぎず、実費については東電に個別に賠償を求めることができる、となだめていました。原子力ムラ出身で、自主的避難者への賠償に最後まで抵抗していた田中委員が、追補決定後に個別賠償は不要だと捨て台詞をはくように述べていたのとは対照的でした。

 翌日、枝野経産大臣は、参議院決算委員会でこの問題についての加藤議員の質問に「具体的に生じている出費は当然対象になる。東電に速やかに支払うよう指示する」と答弁しました。さらに避難の影響による賃金減少など派生的な費用に関しても「実際に損害が生じている場合は、当然損害賠償の範囲になる」と明言しました。
 翌々日の復興特別委員会でも吉田議員の質問に、「今回は、定型的にある地域を決めて、ここにいらっしゃった方については、そういった個別の事情を、例えばこれだけ実費掛かったんですとかというような話がなくても、あるいは避難された方もされなかった方も全ての方一律にということで、もう無条件でお出しをしてくださいということを審査会で決めていただきました。当然のことながら、この地域の方が自主的に避難をしていれば、もう定型的にでもお金が出るということは、避難をされることについて相当因果関係があるということも逆に裏付けられています。したがって、個別に、このたくさんの実費が掛かっていらっしゃる方について賠償の対象にいたします。それから、この地域以外の方でも、相当因果関係があって自主的に避難をされている方の実費等については、これは当然賠償の対象になると思っておりますので、そうしたことができるだけ早くできるように、更に指導してまいりたいと思っております。」と述べています。
 復興特別委員会では、野田首相も、「本当に掛かった実費については、因果関係があれば認める、外れている地域であっても相当因果関係があれば認める、これが原則でございますので、それに基づいたきちっとした運用をすべきだと考えております。」と述べています。
 東電に個別請求しても、東電が支払いを渋る可能性があることから、このような答弁は非常に重要だと考えます。

■東電への個別請求で全面賠償を勝ちとろう!

 自主的避難者に対する賠償は認められました。しかし黙っていては、一律定額以上の賠償はされませんし、対象地域外では一銭も支払われません。全面賠償を得るためには個別請求が必要です。特に、白河や宮城県丸森町など、線量が比較的高いにもかかわらず対象区域から外れた区域からの避難者や残留者について、全面賠償を勝ち取ることができれば大きな意味を持つことになるでしょう。東電への個別請求により全面賠償を勝ち取ろう!

 さらに、不満をもつ方は多いとはいえ、一家4人で100万円近い額が、自主的避難者だけでなく、残留者にも支払われるわけですから、これをもって避難を躊躇している人が避難を決断するきっかけとなることが期待されます。
 福島市でも線量の高い渡利地区の住民が、行政が動かない状況に業を煮やし、私たちや国際環境NGO FoE Japanも協力しながら自主的な一時避難計画「わたり土湯ぽかぽかプロジェクト」を立ち上げようとしています。渡利地区から、線量が低い市内西部の土湯温泉の旅館へ、子どもたちを優先した一時避難を民間の寄付ベースで実現しようとするものですが、これも避難促進の一助となることを願っています。
 さらに、賠償の支払いをスムーズに実行させること、なにより、避難先の住宅の無償提供の根拠となっている災害救助法の適用を打ち切らせないことが重要な課題になってきます。
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by kazu1206k | 2011-12-21 21:45 | 地域 | Comments(0)

文部科学副大臣の荻・志田名訪問

12月18日、いわき市内の福島原発30キロ圏内で放射能汚染のホットエリアである川前町荻・志田名地区を森ゆうこ文部科学副大臣が同省のモニタリングと原子力損害賠償の担当者を伴い視察しました。
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桶売小中学校や地区内のホットスポットなどを訪問した後に志田名集会所で地区住民との懇談会に出席し、子供たちや地区住民の「志田名荻地区放射能汚染からの復興を考える会」代表からの要望を聞きました。
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私は子供たちを守り、区域指定を外された同地区が不利益を被らないよう求めた次第です。森ゆうこ文部科学副大臣は、地区住民が空間線量の測定に取り組み、土壌汚染の測定と専門機関の分析を合わせて、『志田名荻地区放射能汚染マップ』を完成させたことを評価しつつ、地区住民が不利益を被らないよう努力することを表明しました。住民の要望に対して、文部科学省のモニタリングと原子力損害賠償の担当者がそれぞれ回答しました。一方、いわき市と福島県からの出席がありませんでした。住民からは「これは、どういうことなのでしようか。一国の政府の副大臣が視察訪問する、これに、市長のみならず、担当者すら出席できない。これは、客観的に考えて、誰が、どう考えても納得いきません。」という声が寄せられています。
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by kazu1206k | 2011-12-20 21:27 | 地域 | Comments(0)

多田謡子反権力人権賞の受賞

福島原発震災の渦中にあって、この度、脱原発福島ネットワークが20年余にわたる福島原発との闘いにより、多田謡子反権力人権賞の受賞する運びとなりました。

● 脱原発福島ネットワーク(福島原発との闘い)の受賞理由
 脱原発福島ネットワークは、1988年以来、福島第二原発3号機の再循環ポンプ破損事故や東京電力の燃料輸送容器データねつ造問題、圧力容器・炉心シュラウド・再循環系配管等のひび割れ隠し問題、格納容器漏洩率検査データ改ざん問題、制御棒破損問題など福島第一原発、第二原発での数々の事故や東京電力の不正行為を追及するとともに、福島第一原発3号機でのプルサーマル計画や第一原発の7,8号機増設計画に対して反対し、県民投票条例の制定運動やエネルギー政策市民検討会の実施、東京電力・行政との交渉を続けるなど粘り強い運動を続けてきました。
 原発集中立地県での日本最大の電力会社である東京電力との闘いという困難な条件の下での20年余にわたる運動の継続に敬意を表し、今なお運転再開に向けて画策する官僚・東京電力との今後の闘いに期待して多田謡子反権力人権賞を贈ります。

12月17日、脱原発福島ネットワークを代表して、神田駿河台の総評会館の受賞発表会・受賞式に伺いました。「福島原発震災と脱原発福島ネットワークの23年」と題して、「私たちが原発過酷事故、原発震災という敗北的状況の中で受賞してよいのかと思ったのが最初の感想でした。それにめげず、ひばく地で戦い続けようと思い、受けることにしました。」と、30分強、受賞講演をさせていただきました。
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また、今回は、私たちの先輩であり富岡町で40年反原発を闘ってきた、石丸小四郎さんも受賞されました。
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会場には、脱原発福島ネットワーク設立時からの同志である三春町の武藤類子さん、昨年、脱原発福島ネットワークが呼びかけて設立したハイロアクション福島原発40年実行委員会の事務局長、大熊町の大賀あや子さん、同実行委員会代表の宇野朗子さんも駆けつけました。
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会場では、原子力資料情報室の皆さん、高木学校の崎山比早子先生、講談師の神田香織さんなど多くの方に激励頂きました。

国や東電が「冷温停止状態」「福島原発事故収束」などというマヤカシで国民を愚弄している今、これまで以上に闘いの手綱を引き締めて行きたいと思います。
大地動乱の時代。原発は今そこにある危機、エネルギー問題ではなく、いのちの問題です。放射能放出中止、被曝最小化、廃炉の決定、損害賠償等の国、東電に向けた要求はもとより、地震国日本において原発を推進してきた原子力ムラの事故責任の追求、子供たちを始め人々の生存権を守るために活動を強化していきます。


★脱原発福島ネットワークの月刊ニュースレター
原発のない社会をめざすネットワーキングニュース
「アサツユ」☆2011.12.11 第243号☆
●脱原発福島ネットワーク. アサツユ編集委員会● カンパ150円
 いわき市鹿島町久保於振1-2  
 TEL.FAX0246-58-5570/郵便振替02190-1-11731 佐藤和良


*多田謡子反権力人権賞(ただようこはんけんりょくじんけんしょう)は、29歳で死亡した弁護士多田謡子を記念して、多田の遺産をもとに1989年に創設された。毎年、自由と人権を擁護するために活動しているとされる個人または団体に贈られる。同賞では、多田が死亡した12月に、授賞式・記念講演会・交流パーティを開催している。
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by kazu1206k | 2011-12-19 09:42 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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