ユーラスエナジーの滝根小白井風力発電と「風車病」
2009年 06月 01日
カケスが地区の入り口の坂道で出迎えてくれる。カッコウが遠くで鳴いている。
阿武隈高地の中の風光明媚な土地だ。
北西は田村市滝根町と田村郡小野町、北は双葉郡川内村に接する。
生活圏域は田村郡小野町と田村市滝根町という。平成19年の世帯数は88、人口262人だ。
とても清潔感溢れる感じのイイ学校だ。
この市立小白井小・中学校から2キロ弱の和田山に、巨大風車を13基建設(滝根側と併せて23基)の工事が進行している。(株)ユーラスエナジージャパンの滝根小白井風力発電事業である。
もとは、県営の草地開発事業で阿武隈高原牧場として使われた場所。
1基で出力2000kw風車を設置するための取り付け道路と基礎部分の開削工事が進む。
風力発電はクリーンエネルギーとして国が建設費の3分の1を補助して建設を促進しているが、近年、風車周辺住民から体のしびれ、不眠、耳鳴り、頭痛、吐き気、血圧上昇などの健康被害の報告が相次ぐ。
いわゆる、通称風車病だ。
大型風車の発する低周波音がその原因とみられ、各地で発生し問題化しはじめている。
この滝根小白井風力発電にも、1km圏内には民家が存在し、2km圏内にはいわき市立小白井小中学校がある。
5月12日、福島県自然保護協会と川内村・田村市・いわき市の住民が、生活圏内に現在建設中または建設計画の「大型風力発電事業に伴う健康被害、自然破壊の対策について」の要望書を福島県知事に提出して、県内で初めて、風車病への声を上げた。