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スルガ銀行株主総会へ事前質問提出、山一商事処分場融資問題

6月10日午前、山一商事処分場の撤退をめざすスルガ銀行株主の会の株主4名が、6月23日開催予定の株主総会の事前質問書をスルガ銀行本店に提出した。

事前質問は、大きく3点、全部で13項目。
1、㈱山一商事の産業廃棄物最終処分場の建設について
2、㈱山一商事の産業廃棄物最終処分場の建設資金の提供について
3、環境保全企業としての社会的責任について

6月10日午後、株主の代表が記者会見して、事前質問書を公表し、内容を説明した。
環境保全企業としてのリスク管理を含めて、株主に対するスルガ銀行取締役会の真摯な対応が望まれる。

以下は、事前質問書の全文。

2009年6月10日

スルガ銀行株式会社
   取締役社長  岡野 光喜 様

第198期定時株主総会・事前質問書

株主  木村肇二郎、佐藤和良、谷平光生、半沢美子

 当社が継続的融資を予定しているイワキ・クリーン・エンジニアリング(株)は、環境汚染の危険性の高い産業廃棄物最終処分場建設を計画している山一商事に、その資金の全てを提供することが公表されています。したがって山一商事と表裏一体のイワキ・クリーン・エンジニアリング(株)は、当社の社是である環境保全への責任投資対象企業から大きく逸脱しており、企業イメージを損ない営業成績に多大な損失を被ることが懸念されますので、融資の中止をご検討いただきたく、下記の質問をいたします。



1、㈱山一商事の産業廃棄物最終処分場の建設について

①天竜木材(株)の関連会社で、イワキ・クリーン・エンジニアリング(株)の完全子会社ある㈱山一商事が、福島県いわき市の市街地である平・内郷・常磐の病院・学校・住宅地・温泉施設に隣接した里山「21世紀の森」に、東北有数の規模の産業廃棄物最終処分場を建設しようとしていることを、当社はご存じでしょうか。

②この処分場は、ダイオキシン類の粉塵飛散、遮水シート破損等による汚染、炭鉱坑道跡の人工帯水層での地下水汚染による湯本温泉の汚染の危険性、周辺の地滑り地質や断層、稀少動物等の生態系への影響など周辺の生活環境と健康への影響が不可避と市民や専門家の方々から指摘されていることを、当社は認識されておりますか。

③いわき市民が環境汚染の未然防止を求め、20万人近い反対署名を市長に提出し、市議会の全会一致の反対決議を受けて、いわき市長がこの処分場の設置許可申請を不許可にしたことを、当社はどのように認識されておりますか。

④いわき市の商工会議所、経済同友会、JA、福島県漁連、法人会、経営者協会、湯本温泉観光協会、医師会、歯科医師会、薬剤師会、行政嘱託員連合協議会、大学など、いわゆる一部住民の反対とは異なり、いわき市の政財界・教育界・医療界挙げて処分場反対の意思表示をしていることについて、当社はどう受け止めておられますか。

2、㈱山一商事の産業廃棄物最終処分場の建設資金の提供について

①(株)山一商事は、産業廃棄物最終処分場の建設資金について、事業費総額99億4,349万円のうち自己資金は4,349万円で99億円は完全親会社であるイワキ・クリーン・エンジニアリング(株)から借り入れ、その資金はスルガ銀行(株)からの融資資金であり既に30億5,000万円を融資されていると福島県に提出した不許可処分審査請求書で提出された事業資金計画書で公表しておりますが、この資金提供は事実でしょうか。

②その場合、環境保全の責任投資対象の観点からどのような審査及び判断をして融資するに至ったのでしょうか。

③現在、イワキ・クリーン・エンジニアリング(株)への当社の融資資金はどのようになっているのでしょうか。

④(株)山一商事は、福島県に提出した不許可処分審査請求書で、産業廃棄物最終処分場の施設整備及び維持管理その他の費用を返済する資金調達能力があることを主張して、融資残高証明書を資料として提出していますが、当社は融資残高証明書を提出したのは事実でしょうか。

⑤(株)山一商事はこれまでに30億5,000万円の融資を受けていると公表しています。そして融資額が多ければ多いほど、融資者は経済的損失及び風評被害の双方の観点から、事業から撤退することが困難になると不許可処分審査請求の反論書で公言していますが、当社は既融資の30億5,000万円を含め融資額が多いのでこの事業から撤退できないのでしょうか。

3、環境保全企業としての社会的責任について

①㈱山一商事の産業廃棄物最終処分場の建設資金の融資は、当社の「環境保全活動に取り組むお客さまを支援し、地域社会の環境改善に貢献」し「環境汚染の予防に努めます」との環境方針と矛盾しないのでしょうか。

②FTSEインターナショナル社は、社会的責任投資の対象として「環境的側面」「社会的側面」「人権」の3つの視点から企業のスクリーニングを行い、基準に適合した企業として当社を社会的責任投資指標の「FTSE4Good Indexシリーズ」に選出したが、地方公共団体が環境と地域社会への重大な影響を懸念して、設置許可申請を不許可とした処分場建設に対して資金融資を継続することは、「FTSE4Good Indexシリーズ」の「環境的側面」「社会的側面」の基準に適合しない恐れが出てくるのではないでしょうか。

③一部住民の反対活動でなく、いわき市の政財界、医療界、20万人近い市民が一致して反対している本処分場建設への資金融資の継続は、当社の環境保全企業イメージを著しく損なうばかりか、企業の社会的責任や持続可能性に高い関心を持つ投資家の離反を招き、当社の社益はじめ投資家に少なからぬ損失をもたらすのではないでしょうか。

④処分場建設への資金融資の継続は、環境保全企業としての方針から大きく逸脱するため、イワキ・クリーン・エンジニアリング(株)への資金融資から撤退した方が社会的責任を全うすることになり、社会的信用を得るのではないかと考えますが如何でしょうか。    

以上
by kazu1206k | 2009-06-11 07:58 | 環境保護 | Comments(0)

佐藤かずよし


by kazu1206k